秘密

古紫汐桜

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契約

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深い森の奥で、松明が焚かれている。
たくさんの神官達により、松明の炎は囲まれ呪文を唱えている。
レオは、森の奥にある川で清めた身体を真っ白な布で作られた儀式の衣装で覆い、そのときを待った。
目を閉じ、あの日、この国の秘密を知った日を思い出す。

   レオはセオ王子から話を聞いた後、目覚めたオスカー王子の頬に触れ
「オスカー王子」
と声を掛けると、美しいその人がふわりと微笑む。
その美しさに、涙が込み上げて来る。
「オスカー王子、俺は貴方を愛しています」
そう呟くと、オスカー王子が目を見開いた。
「貴方と此処で、この命が尽きるまで共に暮らす覚悟をしました」
レオの言葉に、オスカー王子の瞳からポロポロと美しい涙が溢れ出す。
「レオ、それって……」
「えぇ、俺も儀式を受けます」
真っ直ぐな瞳で見つめられて言われてしまい、オスカー王子は困惑する。
「レオ……儀式を受けたら、普通の身体には戻れないんだよ?」
ゆっくりと身体を起こし、心配そうに瞳を揺らすオスカー王子をレオはゆっくりと優しく抱き締め
「構いません」
そう囁いた。
「ダメだよ!あんな儀式、レオに受けさせたく無い!」
泣き出したオスカー王子を抱き締める腕を強め
「オスカー王子……いえ、オスカー。それで貴方を手に入れられるのなら、俺は何だって我慢出来る」
と言うと、そっと唇を重ねた。
オスカー王子は涙を流しながら、レオの右手に自分の手を重ね
「レオ、約束して!必ず、必ず戻って来てくれると」
そう真剣に訴えた。
レオはオスカー王子の頬に左手でそっと触れて
「えぇ、約束します。必ず、生きて貴方を抱き締めに戻って来ます」
と答えて再び唇を重ねた。
ゆっくりと身体を押し倒し、舌を絡め合い互いを求め合う。
一糸纏わぬオスカー王子の、滑らかな肌に手を這わすと「んうっ……」
と、オスカー王子が甘い声を上げる。
唇が離れ、レオの舌がオスカー王子の美しい肌を伝う。
「あっ……レオ……」
首筋を這うレオの舌に甘い吐息を漏らすと、レオの手が赤くプックリと立ち上がるオスカー王子の乳首に触れた。指先で弾かれ、撫でたりこねくり回されて、オスカー王子の腰がレオの雄を求めて蠢く。
「レオ……全部、脱いで……。早く挿入いれて」
既に荒くなった呼吸で、喘ぐようにオスカー王子は呟くと、欲情して震える手でレオのシャツのボタンを外す。
レオはボタンを外すオスカー王子の手を握り締め、指先にキスを落とすと
「自分で脱ぎます」
そう囁いて手際良く着衣を脱ぎ捨てた。
オスカー王子は、自分を求めて起立したレオ自身を目にすると
「嬉しい……。レオが、こんなに僕を求めてくれている」
そう囁き、ゆっくりとレオ自身に手を這わせて先端を口に含んだ。
「ふふふ……さっき、あんなにしたのに。もう、先走りで先端が濡れてる」
口を外してレオを扱きながら、オスカー王子がレオの蜜口に指先で触れた。
ビクリと身体を震わすレオに
「護衛してた時、性欲なんか無いって顔をしてたのに……。レオって、実はエッチだよね」
小さく笑って言うと、オスカー王子はレオ自身に舌を這わせている。
レオはそんなオスカー王子の頬を撫でると
「あなたが私を、狂わせるのです」
と囁いた。
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