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これはこれでめんどくさい
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「だから、俺たちだって平等にフレイア嬢と交流する機会が欲しいって訳」
「そもそも、こんな面白い令嬢を王家で隠してたなんて勿体無い」
カイルとジャックスの主張に頭を抱えていると
「フレイア、人気者だな」
背後からレイモンド兄様の声が聞こえた。
「レイモンド兄様!」
助っ人現る!と思い振り返ると、オリビア様と並んで立っていた。
「レイ、先に席を取っておく」
「ビィ、悪いな」
と短い会話の中に、いつの間にお互いを愛称呼びしていたの!!と言う親密さ!
(私でさえ、レイモンド兄様をレイ兄様と呼んだこと無いのに……)
少しモヤっとした気持ちになっていると、
「どうした?フレイア」
レイモンド兄様が優しく頭を撫でて来た。
「ここでは言えません!」
プイっと横を向くと
「はいはい。うちのお姫様は、ワガママだなぁ~」
と呟かれてしまい、慌ててレイモンド兄様の顔を見上げると、寂しそうな笑顔を浮かべて私の頭を撫でると
「オリビアを待たせているから、行くな」
そう言って、歩いて行ってしまった。
「最近、レイモンド兄様が冷たい」
ポツリと呟くと
「それは違うよ、フレイア」
いつの間にか、私の斜め前の席に食事を持ってルイス様が現れた。
「前回の一件で、バルフレア公爵からフレイアとは一定の距離を置くように言われているんだよ」
そう言って、ゆっくりと私の顔を見た。
久しぶりのルイス様のお顔とお声に、胸がキュンとなる。
「ルイス様……」
私が名前を呟くと
「あー!何でルイスまで来るんだよ!」
「そうだよ!お前とアティカス王子は、俺達より長くフレイア嬢と知り合いだったんだから、ランチくらいは譲って欲しいんだけど!」
と、カイルとジャックスが口々に叫んだ。
(自由になれたとしても、これはこれでめんどくさい!)
「あの!私、リリィ様と仲良くなったので、女同士でランチを取りたいです!」
そう叫ぶと、ランチのトレイを持って
「ジャックス様、ランチのご用意ありがとうございます。カイル様、折角席を取って下さったのにごめんなさい。今日はリリィ様と二人でランチを取らせて頂きますわね!」
そう言い残し、折角来て下さったルイス様にも申し訳無いとは思ったけれど、リリィ嬢と二人でテラスへと移動した。
2人になって深い溜め息を吐くと、テラスの奥で一人食事をしているシャーロット様が見えた。
「リリィ、ランチを三人でしてもよろしくて?」
そう声を掛けると、リリィは愛らしい笑顔で頷いた。
私はリリィと二人でシャーロット様の席に移動し
「ご一緒しても?」
と声を掛けた。
するとシャーロット様は驚いた顔をして
「構いませんが……」
そう答えながら、戸惑っているようだ。
そりゃそうだろう。
ルイス様と婚約者だった時は、二人で居るのを見るのが辛すぎて逃げていたからね。
「お友達は?」
と声を掛けると、シャーロット様は首を横に振り
「婚約者の兄に手を出す不埒な人とは、付き合いたくないそうです」
そう答えて苦笑いした。
そして遠くを見つめると
「でも……私が選んだ道ですから、後悔していないです」
と呟いた。
「あの……シャーロット様は、ルイス様の事は好きでは無かったのですか?」
思わず聞いてしまった私に、シャーロットは小さく微笑み返すと
「彼にはずっと、他に思っていらっしゃる方がおりましたから……」
そう答えた。
「とても良くして下さいましたし、優しかったですわ。でも、自分を見ていないのは分かりますもの……」
シャーロット様の言葉に、私は顔面蒼白になる。
「ルイス様に……他に好きな方?」
ブルブルと震え出した私に
「あの……フレイア様?どうなさいましたか?」
リリィとシャーロットが心配そうに私の顔を見ている。
「そもそも、こんな面白い令嬢を王家で隠してたなんて勿体無い」
カイルとジャックスの主張に頭を抱えていると
「フレイア、人気者だな」
背後からレイモンド兄様の声が聞こえた。
「レイモンド兄様!」
助っ人現る!と思い振り返ると、オリビア様と並んで立っていた。
「レイ、先に席を取っておく」
「ビィ、悪いな」
と短い会話の中に、いつの間にお互いを愛称呼びしていたの!!と言う親密さ!
(私でさえ、レイモンド兄様をレイ兄様と呼んだこと無いのに……)
少しモヤっとした気持ちになっていると、
「どうした?フレイア」
レイモンド兄様が優しく頭を撫でて来た。
「ここでは言えません!」
プイっと横を向くと
「はいはい。うちのお姫様は、ワガママだなぁ~」
と呟かれてしまい、慌ててレイモンド兄様の顔を見上げると、寂しそうな笑顔を浮かべて私の頭を撫でると
「オリビアを待たせているから、行くな」
そう言って、歩いて行ってしまった。
「最近、レイモンド兄様が冷たい」
ポツリと呟くと
「それは違うよ、フレイア」
いつの間にか、私の斜め前の席に食事を持ってルイス様が現れた。
「前回の一件で、バルフレア公爵からフレイアとは一定の距離を置くように言われているんだよ」
そう言って、ゆっくりと私の顔を見た。
久しぶりのルイス様のお顔とお声に、胸がキュンとなる。
「ルイス様……」
私が名前を呟くと
「あー!何でルイスまで来るんだよ!」
「そうだよ!お前とアティカス王子は、俺達より長くフレイア嬢と知り合いだったんだから、ランチくらいは譲って欲しいんだけど!」
と、カイルとジャックスが口々に叫んだ。
(自由になれたとしても、これはこれでめんどくさい!)
「あの!私、リリィ様と仲良くなったので、女同士でランチを取りたいです!」
そう叫ぶと、ランチのトレイを持って
「ジャックス様、ランチのご用意ありがとうございます。カイル様、折角席を取って下さったのにごめんなさい。今日はリリィ様と二人でランチを取らせて頂きますわね!」
そう言い残し、折角来て下さったルイス様にも申し訳無いとは思ったけれど、リリィ嬢と二人でテラスへと移動した。
2人になって深い溜め息を吐くと、テラスの奥で一人食事をしているシャーロット様が見えた。
「リリィ、ランチを三人でしてもよろしくて?」
そう声を掛けると、リリィは愛らしい笑顔で頷いた。
私はリリィと二人でシャーロット様の席に移動し
「ご一緒しても?」
と声を掛けた。
するとシャーロット様は驚いた顔をして
「構いませんが……」
そう答えながら、戸惑っているようだ。
そりゃそうだろう。
ルイス様と婚約者だった時は、二人で居るのを見るのが辛すぎて逃げていたからね。
「お友達は?」
と声を掛けると、シャーロット様は首を横に振り
「婚約者の兄に手を出す不埒な人とは、付き合いたくないそうです」
そう答えて苦笑いした。
そして遠くを見つめると
「でも……私が選んだ道ですから、後悔していないです」
と呟いた。
「あの……シャーロット様は、ルイス様の事は好きでは無かったのですか?」
思わず聞いてしまった私に、シャーロットは小さく微笑み返すと
「彼にはずっと、他に思っていらっしゃる方がおりましたから……」
そう答えた。
「とても良くして下さいましたし、優しかったですわ。でも、自分を見ていないのは分かりますもの……」
シャーロット様の言葉に、私は顔面蒼白になる。
「ルイス様に……他に好きな方?」
ブルブルと震え出した私に
「あの……フレイア様?どうなさいましたか?」
リリィとシャーロットが心配そうに私の顔を見ている。
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