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え?..............
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すると、その様子を見ていたリリィまで涙ぐみ
「フレイア様.......、そんなにまでルイス様を.......」
と、泣き出した。
「おいおい、お前ら!いい加減にしろ!」
ルイス様もどきが怒り出した時だった。
ルイス様もどきの背後から笑い声が聞こえて、視線を向けた先に居たのは本物だった。
「え?ルイス様?」
驚く私に、リリィも目を丸くしている。
.......でも、メガネをしていない。
「遅いから様子を見に来たら、とんでもない地獄絵図だな」
クスクスと笑う顔も声も、間違い無くルイス様だ。
すると、ルイス様もどきが
「ルイーズ兄、笑っていないでなんとかしてくれよ!」
そう叫ぶと
「全く.......、お前はなんだかんだと優しいからな」
溜息交じりに呟くと、指を鳴らした。
すると、ルイス様もどきを抱き締めていた筈が、ルイス様の腕の中に居た。
が、近くで見たらルイス様と少し違う。
『何が?』と聞かれたら分からないけど、ルイス様と同じ顔に同じ声なのに、別人っぽい。
.......まさか運営会社の奴、モブの描き分けが面倒くさいから、モブキャラはみんなルイス様に似ているんじゃないの?
声も、『あ、鈴木君。モブキャラの声よろしく!』的な感じで決めたんじゃないの!
だとしたら、許すまじ.......運営会社!
自分の置かれている状況をすっかり忘れて、ギリギリと運営会社への怒りに歯ぎしりをしていると
「お転婆なお嬢様は、ちょっと大人しくして貰えるかな?」
そう囁いた声も顔もルイス様そっくりなその人物がもう一度指を鳴らすと、私の意識は簡単に暗闇の中へと落ちて行った。
リリィの私を呼ぶ声が遠くに聞こえる。
私、コイツらのせいで、今日だけで何回気を失わさせられているんだろう?と考えながら、ゆっくりと意識を手放した。
「フレイア様.......、そんなにまでルイス様を.......」
と、泣き出した。
「おいおい、お前ら!いい加減にしろ!」
ルイス様もどきが怒り出した時だった。
ルイス様もどきの背後から笑い声が聞こえて、視線を向けた先に居たのは本物だった。
「え?ルイス様?」
驚く私に、リリィも目を丸くしている。
.......でも、メガネをしていない。
「遅いから様子を見に来たら、とんでもない地獄絵図だな」
クスクスと笑う顔も声も、間違い無くルイス様だ。
すると、ルイス様もどきが
「ルイーズ兄、笑っていないでなんとかしてくれよ!」
そう叫ぶと
「全く.......、お前はなんだかんだと優しいからな」
溜息交じりに呟くと、指を鳴らした。
すると、ルイス様もどきを抱き締めていた筈が、ルイス様の腕の中に居た。
が、近くで見たらルイス様と少し違う。
『何が?』と聞かれたら分からないけど、ルイス様と同じ顔に同じ声なのに、別人っぽい。
.......まさか運営会社の奴、モブの描き分けが面倒くさいから、モブキャラはみんなルイス様に似ているんじゃないの?
声も、『あ、鈴木君。モブキャラの声よろしく!』的な感じで決めたんじゃないの!
だとしたら、許すまじ.......運営会社!
自分の置かれている状況をすっかり忘れて、ギリギリと運営会社への怒りに歯ぎしりをしていると
「お転婆なお嬢様は、ちょっと大人しくして貰えるかな?」
そう囁いた声も顔もルイス様そっくりなその人物がもう一度指を鳴らすと、私の意識は簡単に暗闇の中へと落ちて行った。
リリィの私を呼ぶ声が遠くに聞こえる。
私、コイツらのせいで、今日だけで何回気を失わさせられているんだろう?と考えながら、ゆっくりと意識を手放した。
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