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リリィ救出隊②

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「今回のリリィ嬢救出に、率先したのもルイスだしね。普段はあまり前に出ないタイプだから、驚いたんだけどね」
そう続けたアティカスの言葉に、私は嬉しい筈なのに胸がモヤモヤしてしまう自分が嫌だった。
確かにリリィはヒロインなだけあって、可愛くて優しい完璧な美少女だ。
だから、ルイス様が惹かれても仕方無い。
そう、仕方ないのだ。
私は所詮、悪役令嬢なのだから……。
「フレイア?」
私の表情が曇ったのに気付いたアティカスに名前を呼ばれ、ハッと我に返る。
「とにかく……無事にリリィやフェリックス様、ルイス様が戻られると良いですわね」
そう言って微笑むと、アティカスも頷いて
「そうだね」
とだけ答えた。
 この時の私には、これがまだ悲劇の序章だと知らなかった。
ただ、無事に三人が帰還するのを祈る事しか出来ない自分が悔しかったし悲しかった。
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