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第四章
友頼と三郎太の再会
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「友頼殿、あなたに付き人を付けようと思う」
「付き人?」
不思議そうに晶を見た友頼と目が合う。
ドクリと、心臓からマグマのように熱い血液が身体中を巡ったような感覚が晶を襲う。
自分の魂が、身体から抜け出し友頼に抱き着いた感覚に襲われた。
その時だった。
晶のお腹の子供が、晶の腹を蹴ったのだ。
ハッと我に返り、お腹にそっと触れた。
───そうだ。私には、この家の後継者を立派に育てるという役目があったのだ。
晶は自分の膨らんだお腹を見下ろし、そっと撫でて、大きな溜め息を吐き出した。
「晶様、大丈夫ですか? お腹がはるのですか?」
そんな晶を、心配そうに見上げる友頼に首を振り
「いえ、お腹の子が、腹を蹴っただけです」
と答えると、友頼は優しく微笑み
「安定期に入ると、お腹の子はよく動きますからね」
そう答えた。
その言葉に、晶は友頼の顔を見た。
「……そんなに、動くものなのですか?」
「人体の神秘ですよね。小さな足が、お腹の向こう側からボコボコと……。この手に、まだあの感覚がハッキリ残っています」
友頼は優しい父の顔で自分の右手を見つめる姿を見て、晶は不安になった。
晶のお腹の子は、そんなに頻繁に動き回らない。
なんだったら、今、初めて子供が蹴ったのではないだろうか?
不安な気持ちでお腹に触れていると、晶の不安に答えるかのように、お腹の子供がポコポコと晶のお腹の蹴った。
「本当に……」
小さく笑う晶に、友頼は優しく微笑み
「兄上とも……そんな話しがしたかった──」
寂し気に呟いた。
そんな友頼の言葉に、晶は頼政が自分のお腹に触れて喜ぶ姿は想像出来なかった。
きっと伝えても
「だからどうした?」
と、冷たく突き放すのが関の山だ。
晶は小さな溜め息をこぼした後
「私もそろそろ出産が近い。なので、この者に友頼殿の身の回りの世話をしてもらおうと思う」
そう言って、半分だけ開いていた襖を全部開いて三郎太を友頼に引き合わせた。
「──!っ 三郎太、無事だったのか!」
「若様!」
両手を広げ三郎太を呼んだ友頼に、三郎太は涙を流して抱き着いた。
「三郎太、すまぬ」
「若様! 若様! おっとうが……おっかあが……。
村もみんな、真っ赤に燃えて……」
わぁぁぁぁ!っと、堰を切ったように声を上げて泣き出した三郎太の声に、晶はあの小さな身体でずっと色々な感情を押し殺していたのだと悟った。
友頼はそんな三郎太をキツく抱き締め
「許せ……。全ては、私の甘さが招いたのだ。三郎太、すまぬ。本当に……すまぬ」
友頼の悲しい悲鳴のような言葉に、晶はもう見ている事が出来なかった。
殿の残虐さは耳にしてはいた。
しかし、実際に被害に遭って苦しんでいる人物を目にしたのは初めてだった。
───根絶やしにしてきたのは、こういう事だったのか
気が着くと、晶は自分の部屋でへたりこんでいた。
そして自分の膨らんだお腹を撫でながら、あの残虐な頼政の子供を産むのが怖くなった。
晶は祈るような気持ちで
「お願い……。あなたは、私の性格を引き継いで生まれて来て……。
あなたを産んだことを、後悔させないで……」
と呟いた。
その言葉はまるで、この後に起こる悲劇の幕開けを予言しているかのようだった。
そして静かな部屋に、その言葉だけがひっそりと残像のように残された。
『チリン……チリン……』
どこかで風鈴の音が鳴った気がした。
その音は──この後に訪れる悲劇の幕開けを告げる、最初の風の音だった。
「付き人?」
不思議そうに晶を見た友頼と目が合う。
ドクリと、心臓からマグマのように熱い血液が身体中を巡ったような感覚が晶を襲う。
自分の魂が、身体から抜け出し友頼に抱き着いた感覚に襲われた。
その時だった。
晶のお腹の子供が、晶の腹を蹴ったのだ。
ハッと我に返り、お腹にそっと触れた。
───そうだ。私には、この家の後継者を立派に育てるという役目があったのだ。
晶は自分の膨らんだお腹を見下ろし、そっと撫でて、大きな溜め息を吐き出した。
「晶様、大丈夫ですか? お腹がはるのですか?」
そんな晶を、心配そうに見上げる友頼に首を振り
「いえ、お腹の子が、腹を蹴っただけです」
と答えると、友頼は優しく微笑み
「安定期に入ると、お腹の子はよく動きますからね」
そう答えた。
その言葉に、晶は友頼の顔を見た。
「……そんなに、動くものなのですか?」
「人体の神秘ですよね。小さな足が、お腹の向こう側からボコボコと……。この手に、まだあの感覚がハッキリ残っています」
友頼は優しい父の顔で自分の右手を見つめる姿を見て、晶は不安になった。
晶のお腹の子は、そんなに頻繁に動き回らない。
なんだったら、今、初めて子供が蹴ったのではないだろうか?
不安な気持ちでお腹に触れていると、晶の不安に答えるかのように、お腹の子供がポコポコと晶のお腹の蹴った。
「本当に……」
小さく笑う晶に、友頼は優しく微笑み
「兄上とも……そんな話しがしたかった──」
寂し気に呟いた。
そんな友頼の言葉に、晶は頼政が自分のお腹に触れて喜ぶ姿は想像出来なかった。
きっと伝えても
「だからどうした?」
と、冷たく突き放すのが関の山だ。
晶は小さな溜め息をこぼした後
「私もそろそろ出産が近い。なので、この者に友頼殿の身の回りの世話をしてもらおうと思う」
そう言って、半分だけ開いていた襖を全部開いて三郎太を友頼に引き合わせた。
「──!っ 三郎太、無事だったのか!」
「若様!」
両手を広げ三郎太を呼んだ友頼に、三郎太は涙を流して抱き着いた。
「三郎太、すまぬ」
「若様! 若様! おっとうが……おっかあが……。
村もみんな、真っ赤に燃えて……」
わぁぁぁぁ!っと、堰を切ったように声を上げて泣き出した三郎太の声に、晶はあの小さな身体でずっと色々な感情を押し殺していたのだと悟った。
友頼はそんな三郎太をキツく抱き締め
「許せ……。全ては、私の甘さが招いたのだ。三郎太、すまぬ。本当に……すまぬ」
友頼の悲しい悲鳴のような言葉に、晶はもう見ている事が出来なかった。
殿の残虐さは耳にしてはいた。
しかし、実際に被害に遭って苦しんでいる人物を目にしたのは初めてだった。
───根絶やしにしてきたのは、こういう事だったのか
気が着くと、晶は自分の部屋でへたりこんでいた。
そして自分の膨らんだお腹を撫でながら、あの残虐な頼政の子供を産むのが怖くなった。
晶は祈るような気持ちで
「お願い……。あなたは、私の性格を引き継いで生まれて来て……。
あなたを産んだことを、後悔させないで……」
と呟いた。
その言葉はまるで、この後に起こる悲劇の幕開けを予言しているかのようだった。
そして静かな部屋に、その言葉だけがひっそりと残像のように残された。
『チリン……チリン……』
どこかで風鈴の音が鳴った気がした。
その音は──この後に訪れる悲劇の幕開けを告げる、最初の風の音だった。
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