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第四章
死産と出産
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目を覚ますと、そこは自分の部屋だった。
晶は慌てて起き上がり
「赤ちゃんは! 私の赤ちゃんは!」
叫んだ晶に、晶が幼い頃から付き従っていた乳母が首を横に振った。
「晶様、誠に残念ですが……死産でございました」
その言葉に、目の前が真っ暗になった。
「……重ねて申し上げます。もう、晶様はお子が望めぬお身体でございます」
「……そんな」
晶の涙が滝のように流れて行く。
これで、頼政には離縁を突き付けられるのだろう。
晶は絶望の中、何故、自分も赤ちゃんと一緒に死ねなかったのだろうか?と泣き崩れた。
すると、晶の乳母から信じられない言葉が発せられた。
「しかしながら、その事は伏せております」
「……え?」
「今、晶様のお子は、殿の"お気に入り"様が乳母となって面倒を見ておいでです」
と続けたのだ。
どういう事だ?
一体、何が起こっている?
混乱する晶に、晶の乳母が
「殿の"お気に入り"様は、死産なされました故。母乳が出るので、乳母として仕えておいでです」
と続けたのだ。
「それは!」
そう叫んだ時だった。
部屋の襖が開き
「晶、よくやった! 立派な男子じゃ!」
頼政が笑顔で言うと、晶を強く抱き締めた。
「気が立っておって、酷いことを申してすまぬ。
この通りだ。許しては貰えぬだろうか?」
頼政はそう言うと、晶に深々と頭を下げた。
「……そんな。許すも何も……」
戸惑う晶が呟くと、頼政はパァっと明るく笑顔を浮かべると
「そうか! 許してくれるのか!」
そう言って晶の手を握り締め
「頼久を産んで、そなたはもう子が望めぬ身体になったと聞いた。だが、安心しろ。俺がお前と頼久を護ると誓う!」
嫁いで初めて、頼政が晶に優しい言葉を掛けた。
「そなたは一週間、生死の境を彷徨っておったから、申し訳ないと思ったが、勝手に『頼久』と命名してしまった」
照れくさそうにはにかんで笑う頼政に、晶はそれ以上、言葉を発せなかった。
「晶、我が子は可愛いな。あんなに小さく、か弱いのに必死に生きておる。しかも、顔が俺によく似ておるのだ」
頼政のその言葉に、晶は全てを察した。
誰がなんの目的かは、まだ分からない。
しかし、間違いなく……
赤子を入れ替えたのだ───
(なんということを───!)
晶が口元を手で覆うと
「翡翠も最初は落胆しておったが、晶の子の乳母として申し出てくれてな。あの子は神の使いかもしれぬ」
頼政は幸せそうに話すと
「晶、俺は心を入れ替える。そなたの良き夫となり、頼久の良き父になると誓う」
晶の手を取り、頼政はそう誓った。
「殿……っ!」
「殿! 晶様は目を覚まされたばかりです」
晶の声を乳母が遮った。
「おぉ、そうであったな。晶、ゆっくりと休め」
優しい手が、晶の頬に触れた。
乳母に視線を向けると、彼女は小さく首を横に振って晶を制した。
頼政が部屋を出た後
「晶様、お二人の覚悟を踏みにじるのですか?」
静かに乳母が呟いた。
晶は慌てて起き上がり
「赤ちゃんは! 私の赤ちゃんは!」
叫んだ晶に、晶が幼い頃から付き従っていた乳母が首を横に振った。
「晶様、誠に残念ですが……死産でございました」
その言葉に、目の前が真っ暗になった。
「……重ねて申し上げます。もう、晶様はお子が望めぬお身体でございます」
「……そんな」
晶の涙が滝のように流れて行く。
これで、頼政には離縁を突き付けられるのだろう。
晶は絶望の中、何故、自分も赤ちゃんと一緒に死ねなかったのだろうか?と泣き崩れた。
すると、晶の乳母から信じられない言葉が発せられた。
「しかしながら、その事は伏せております」
「……え?」
「今、晶様のお子は、殿の"お気に入り"様が乳母となって面倒を見ておいでです」
と続けたのだ。
どういう事だ?
一体、何が起こっている?
混乱する晶に、晶の乳母が
「殿の"お気に入り"様は、死産なされました故。母乳が出るので、乳母として仕えておいでです」
と続けたのだ。
「それは!」
そう叫んだ時だった。
部屋の襖が開き
「晶、よくやった! 立派な男子じゃ!」
頼政が笑顔で言うと、晶を強く抱き締めた。
「気が立っておって、酷いことを申してすまぬ。
この通りだ。許しては貰えぬだろうか?」
頼政はそう言うと、晶に深々と頭を下げた。
「……そんな。許すも何も……」
戸惑う晶が呟くと、頼政はパァっと明るく笑顔を浮かべると
「そうか! 許してくれるのか!」
そう言って晶の手を握り締め
「頼久を産んで、そなたはもう子が望めぬ身体になったと聞いた。だが、安心しろ。俺がお前と頼久を護ると誓う!」
嫁いで初めて、頼政が晶に優しい言葉を掛けた。
「そなたは一週間、生死の境を彷徨っておったから、申し訳ないと思ったが、勝手に『頼久』と命名してしまった」
照れくさそうにはにかんで笑う頼政に、晶はそれ以上、言葉を発せなかった。
「晶、我が子は可愛いな。あんなに小さく、か弱いのに必死に生きておる。しかも、顔が俺によく似ておるのだ」
頼政のその言葉に、晶は全てを察した。
誰がなんの目的かは、まだ分からない。
しかし、間違いなく……
赤子を入れ替えたのだ───
(なんということを───!)
晶が口元を手で覆うと
「翡翠も最初は落胆しておったが、晶の子の乳母として申し出てくれてな。あの子は神の使いかもしれぬ」
頼政は幸せそうに話すと
「晶、俺は心を入れ替える。そなたの良き夫となり、頼久の良き父になると誓う」
晶の手を取り、頼政はそう誓った。
「殿……っ!」
「殿! 晶様は目を覚まされたばかりです」
晶の声を乳母が遮った。
「おぉ、そうであったな。晶、ゆっくりと休め」
優しい手が、晶の頬に触れた。
乳母に視線を向けると、彼女は小さく首を横に振って晶を制した。
頼政が部屋を出た後
「晶様、お二人の覚悟を踏みにじるのですか?」
静かに乳母が呟いた。
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