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5話 蓮side
しおりを挟む「…あーあいつまじで腹立つ…」
え?あいつって??んなもん決まってるだろ、この俺の怒らせるのはただ1人悠だけだ。
「は,花の前で,や,ヤリチンとかなんで言うんだよ!」
今はあいつとは仲が悪いが、昔は仲が良く,いつも花と悠とで一緒によく遊んだ。しかし急に,なんの前触れもなく、あいつが冷たくなった。
理由なんて知らない。知りたいとも思わない。それぐらい小さい頃の俺はアイツのせいで傷付いたのだ。まぁ100歩譲って昔のことは許してやる。もしかしたら俺が覚えてないだけで、アイツを俺が傷つけてしまったのかもしれない。
しかしだ!しかし!
なぜ花との仲を邪魔するんだ!!俺がそんなに嫌なのか!!自分で言うのもなんだが恋愛に関しては結構真面目だ!!今までいろんな女に告られてきたが、一度も付き合ったことはない。そこらの男より俺は一途な奴だと思う。そんな俺のどこが気に食わないんだ!?理由が聞きたいくらいだ!何がダメなんだよおーほんとにぃー
イライラしながら家に帰ろうとしたとき、今にでも泣きそうな、すごく寂しそうな背中が見えた。
「…まじかよ…」
あれは絶対傘忘れたんだな。ざまぁみろ!純粋な俺をヤリチンとかいうからだ!
なんて思いながら話かけると、俺の方を振り返った奴の顔は、泣いていた。
…なぜ?
そんな傘忘れて悲しかったのか??俺はびっくりして何も言えずにいると、なんだよ文句あんのかって……え?こいつ泣いてんの気付いてないの??ふれない方がいいのか??なんかあったのかしらねぇけど……傘ぐらい貸してやるか。
「……ほら」俺は傘を差し出す
「…なんだよ」
「…んなの言わなくてもわかるだろ。貸してやる」
「はあ!?いらねぇし」
「…分かったから。もっとけ」
「……ちょ、おい!!!」
何か言い出そうなあいつに無理やり傘を持たせて、背を向けて走った。どうせまた余計な事を言ってくると思ったから。
いつもの俺ならこんな事絶対しない。ましてや相手はあいつだ。でもなぜかさっきは、俺と仲の良かった昔のあいつに見えたんだ。
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