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ー最終部ー 本当の繋がりと想いを共に
ー第20話ー 秋の祭りの風
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冬の気配が本格的になってきた十一月。この学校では期末試験が前倒しで行われるため、
別の雰囲気が学校内を支配している。
文化祭。普通の学校なら十月頃のイベントだけど、この学校では約一ヶ月遅く設定されている。
理由はスケジュールが詰めがちになる卒業生に配慮して、らしいけど。
生徒側の勝手な推測でしかなく、真意は不明というのが正しいみたいだ。
そして現在その文化祭の準備中。約一名を除いて・・・・。
その一名は今も一人意味不明な呪詛をぼやきながら机にかじりついている。うん、彼だ。
修学旅行の自由課題をサボり、その罰として翌日の日程を不参加という事になった。
ただそれだけだと、彼女が彼に言った”獄”とまではいかない。
でも彼女の言葉は事実になった。彼にとっては最悪な事実だろうけど。
修学旅行の終了後、彼だけに課題が出た。当然修学旅行での行動に対してのペナルティだと判断出来た。
しかし、その量がまさに”獄”だった。夏休みの宿題レベルの量の課題。
当然以降に夏休みと同等の日数の休みなんてないし、そして普通に課題(宿題)も出る。
彼にとってはだったけど、どう考えても鬼な状況だった。
そして今、周りが文化祭の準備をしている中。たった一人全く関係無い事をしている、いやさせられている、かな。
「なぁ、助けてくれよおぉぉぉ~。」
僕が彼の近くを通ると必ず聞こえてくる救援要請。でも相手にしない。
修学旅行での彼の勝手な行動、言動には僕も思うところがある。
なにより現在、それらに対しての謝罪が一切無いというのには実に気に入らないというところだ。
なお、彼は他にも何人かに救援要請を出しているみたいだけど、
彼がどうしてこうなっているかの事情を全員知っているため、誰もが無視という状態になっている。
ちなみに彼女にも救援要請を出していたけど、その度に凄まじい殺気を放たれていた為、
早々に止めていた・・・いや、諦めた、だよねこれ。
でもその度に周り全体の作業も止まっていたので、殺気の加減。覚えてほしい、かな。
「悪い、こっち手伝ってくれ。」
「あっ、うん。」
僕の作業が終わった辺りで他から声が掛かる。
彼と友人関係になってから周りのクラスメイトからも声を掛けられるようになった。
そしてその頻度もだんだんと上がっていると感じる。
尤も、彼女との事でからかわれる事も少なくないので、あまり良い気分にはなれない。
部活に入っていない僕は自分のクラスの出し物の準備を手伝いをしている。
ショート劇場。それがこのクラスの出し物で、今その為の小道具や簡単な舞台の制作をしている。
簡単と言ってもクラスの中にその手の経験者は無く。そうなるとそれなりに作業は大変になる。
元々はもっと本格的なものをやろう、だったみたいだけど。
流石に無茶という事になって今の形に落ち着いたみたいだ。うん、それで良いと思う。
文化祭の準備期間は二週間程度。正直現状でも十分きつい感じで、
原案のままだったらどうなっていたか。はっきり言って怖い・・・・。
そして無事準備完了。正直ギリギリの日程だった。
それだけに冷や汗的な意見が何人かのクラスメイトから出ていた。そして当然疲れたぁ~~~。
*
そして文化祭当日。机にかじりつきの刑にされた約一名を除いて全体が浮かれた雰囲気になっていた。
クラスの出し物が始まるまで時間があったので、僕は彼女と二人で色々と回る事にした。
「デートだね。」
そう言ってさっきから体をくっ付けて来る彼女。嬉しいけど、恥ずかしいよぉ。
そんな中だった。小さな声で「邪魔者は排除したし。」と聞こえて来る。
正直聞き間違いかなとも思った。結構な人混みの中だったし。
でも同時に今の声、彼女だよね?。という考えも浮かんでしまう。
え~~と。もしかしてその為に彼を手伝わなかった?。助けなかった?。
正直、これまでの彼女の行動を考えると十分にありえるだけに恐怖を覚えてしまう。
気持ちは分かるけど、そこまでする?。・・・・もしかして、好きになった女性(ひと)を間違えた?。
「ねっ、行こっ。」
けどそこには可愛いらしく愛しいと思える女性(ひと)の笑顔が僕の隣にある。
うん、今はそれで良いと思う。うん思う。
ただ、結婚したら尻に敷かれそうだなぁ・・・・・間違いなく。
そう思って歩いていると見知った顔を見付ける。
「あっ、来てたんだ。」
「うん、伊達に上司を脅しちゃぁいないよ。」
僕の言葉にさらりと怖い事を言って返す叔母。なんで僕の周りには怖い女性(ひと)しかいないのかなぁ。
「邪魔しに来たの?。」
「そんなつもりはなかったけどねぇ。そうなったのかな。」
て、なんか知らない内に火花散らしている叔母と彼女。勘弁してぇ~。
「お願いだから二人共止めてよ。」
とりあえず止める。怖い、うん、怖いから止めるんだ。
でも僕の言葉が聞こえて直ぐに叔母と彼女は離れる。
「心配しない。喧嘩しに来た訳じゃないしね。」
「ええ、そんな時間を無駄にする事はしないわ。」
一見仲直りした様に見える二人。けどなんか目はそうでない感じの二人。仲良くしようよぉ~。
「んじゃぁ、お邪魔虫は消えるよ。また家でね。」
気を使ってくれた・・・だよね。そうして叔母は一人歩いて行く。
「うん、ようやくデートに戻れるね。」
・・・・・言いたい事は分かります。けどその為にここまで事を荒立てないでほしいよ。
そしてもうひとつ。この時間はそう長くは続かない。
クラスの出し物の手伝いの時間。もうそろそろのはず。
「教室、戻る時間だよ。」
「う~ん。ねぇ、このままサボってデート続けない?。」
へ?。て、ちょっとそれはマズイよ。彼程じゃないにしても罰があるかもだし。
とりあえず必死になって彼女を説得。うん、なんとかしないと。そして・・・・・。
「うぅ・・・・分かった。」
すんごい不満そうな顔をしながらも応じてくれた彼女。あぁ・・・・もう。
そして教室に戻って出し物の手伝い。僕達は裏方なので目立つ役回りはない。
けど大事な役割で、それなりに大変に思える作業だった。
そうして昼もそれなりに過ぎた頃。最後と言っていい自由時間になった。
と言ってももう出し物の手伝いに戻る必要はなく、
彼女の言葉に乗るなら、最後までデートするという事になる。
で、どうしてか当の彼女はさっきから落ち着かず、そわそわしている。
「どうしたの?。」
とりあえず聞いておく。もしかしたらトイレかもだし。
すると何故か更に体をくっ付け顔を近付けて来る彼女。ちょっ!、歩きにくいよ。
「ねっ、どこかセックス出来る所、ないかな?」
がはぁっ!。突然耳に聞こえて来た言葉に思わずびっくりする。
こんな人が多い時、多い所で何考えてるの。そもそもゴム持って来てないよ。
とりあえずもう一度説得。なんでこうなるかなぁ。
で、説得成功。但し、彼女の表情はすごく不満そう。お願いです、自重して下さい。
それでもデートは文化祭の最後まで続いた。
なんだかんだ言ってもこういうイベントをちゃんと楽しみたかった。そういう事じゃないかな。僕も彼女も。
ちなみに彼は僕達を含む全クラスメイトに忘れられていた。・・・・まぁいいか。
そして学校から家への帰路。
「ねぇ、帰ったら今度こそしましょ。」
周りに誰もいない事もあってか遠慮ない感じで言ってくる彼女。夕日のせいかより色気を感じる。でも自重してほしい。
そう思っていても僕のが反応していて、彼女もそれに気付いて嬉しそうにする。
「あっ・・・・。」
もうそこからはわざとだった。僕が感じるように体を動かし誘惑する彼女。
けど結局僕達はセックスをしなかった。理由は叔母が家にいたから。そういう約束だしね。
で、その後に始まった叔母と彼女の睨み合いという喧嘩。ほんと勘弁してぇ~~っ!。
なお、夕方遅く教室に一人課題をやっていた彼が警備員の人に見付かって大騒ぎになったのは別の話し・・・・。としよう。
別の雰囲気が学校内を支配している。
文化祭。普通の学校なら十月頃のイベントだけど、この学校では約一ヶ月遅く設定されている。
理由はスケジュールが詰めがちになる卒業生に配慮して、らしいけど。
生徒側の勝手な推測でしかなく、真意は不明というのが正しいみたいだ。
そして現在その文化祭の準備中。約一名を除いて・・・・。
その一名は今も一人意味不明な呪詛をぼやきながら机にかじりついている。うん、彼だ。
修学旅行の自由課題をサボり、その罰として翌日の日程を不参加という事になった。
ただそれだけだと、彼女が彼に言った”獄”とまではいかない。
でも彼女の言葉は事実になった。彼にとっては最悪な事実だろうけど。
修学旅行の終了後、彼だけに課題が出た。当然修学旅行での行動に対してのペナルティだと判断出来た。
しかし、その量がまさに”獄”だった。夏休みの宿題レベルの量の課題。
当然以降に夏休みと同等の日数の休みなんてないし、そして普通に課題(宿題)も出る。
彼にとってはだったけど、どう考えても鬼な状況だった。
そして今、周りが文化祭の準備をしている中。たった一人全く関係無い事をしている、いやさせられている、かな。
「なぁ、助けてくれよおぉぉぉ~。」
僕が彼の近くを通ると必ず聞こえてくる救援要請。でも相手にしない。
修学旅行での彼の勝手な行動、言動には僕も思うところがある。
なにより現在、それらに対しての謝罪が一切無いというのには実に気に入らないというところだ。
なお、彼は他にも何人かに救援要請を出しているみたいだけど、
彼がどうしてこうなっているかの事情を全員知っているため、誰もが無視という状態になっている。
ちなみに彼女にも救援要請を出していたけど、その度に凄まじい殺気を放たれていた為、
早々に止めていた・・・いや、諦めた、だよねこれ。
でもその度に周り全体の作業も止まっていたので、殺気の加減。覚えてほしい、かな。
「悪い、こっち手伝ってくれ。」
「あっ、うん。」
僕の作業が終わった辺りで他から声が掛かる。
彼と友人関係になってから周りのクラスメイトからも声を掛けられるようになった。
そしてその頻度もだんだんと上がっていると感じる。
尤も、彼女との事でからかわれる事も少なくないので、あまり良い気分にはなれない。
部活に入っていない僕は自分のクラスの出し物の準備を手伝いをしている。
ショート劇場。それがこのクラスの出し物で、今その為の小道具や簡単な舞台の制作をしている。
簡単と言ってもクラスの中にその手の経験者は無く。そうなるとそれなりに作業は大変になる。
元々はもっと本格的なものをやろう、だったみたいだけど。
流石に無茶という事になって今の形に落ち着いたみたいだ。うん、それで良いと思う。
文化祭の準備期間は二週間程度。正直現状でも十分きつい感じで、
原案のままだったらどうなっていたか。はっきり言って怖い・・・・。
そして無事準備完了。正直ギリギリの日程だった。
それだけに冷や汗的な意見が何人かのクラスメイトから出ていた。そして当然疲れたぁ~~~。
*
そして文化祭当日。机にかじりつきの刑にされた約一名を除いて全体が浮かれた雰囲気になっていた。
クラスの出し物が始まるまで時間があったので、僕は彼女と二人で色々と回る事にした。
「デートだね。」
そう言ってさっきから体をくっ付けて来る彼女。嬉しいけど、恥ずかしいよぉ。
そんな中だった。小さな声で「邪魔者は排除したし。」と聞こえて来る。
正直聞き間違いかなとも思った。結構な人混みの中だったし。
でも同時に今の声、彼女だよね?。という考えも浮かんでしまう。
え~~と。もしかしてその為に彼を手伝わなかった?。助けなかった?。
正直、これまでの彼女の行動を考えると十分にありえるだけに恐怖を覚えてしまう。
気持ちは分かるけど、そこまでする?。・・・・もしかして、好きになった女性(ひと)を間違えた?。
「ねっ、行こっ。」
けどそこには可愛いらしく愛しいと思える女性(ひと)の笑顔が僕の隣にある。
うん、今はそれで良いと思う。うん思う。
ただ、結婚したら尻に敷かれそうだなぁ・・・・・間違いなく。
そう思って歩いていると見知った顔を見付ける。
「あっ、来てたんだ。」
「うん、伊達に上司を脅しちゃぁいないよ。」
僕の言葉にさらりと怖い事を言って返す叔母。なんで僕の周りには怖い女性(ひと)しかいないのかなぁ。
「邪魔しに来たの?。」
「そんなつもりはなかったけどねぇ。そうなったのかな。」
て、なんか知らない内に火花散らしている叔母と彼女。勘弁してぇ~。
「お願いだから二人共止めてよ。」
とりあえず止める。怖い、うん、怖いから止めるんだ。
でも僕の言葉が聞こえて直ぐに叔母と彼女は離れる。
「心配しない。喧嘩しに来た訳じゃないしね。」
「ええ、そんな時間を無駄にする事はしないわ。」
一見仲直りした様に見える二人。けどなんか目はそうでない感じの二人。仲良くしようよぉ~。
「んじゃぁ、お邪魔虫は消えるよ。また家でね。」
気を使ってくれた・・・だよね。そうして叔母は一人歩いて行く。
「うん、ようやくデートに戻れるね。」
・・・・・言いたい事は分かります。けどその為にここまで事を荒立てないでほしいよ。
そしてもうひとつ。この時間はそう長くは続かない。
クラスの出し物の手伝いの時間。もうそろそろのはず。
「教室、戻る時間だよ。」
「う~ん。ねぇ、このままサボってデート続けない?。」
へ?。て、ちょっとそれはマズイよ。彼程じゃないにしても罰があるかもだし。
とりあえず必死になって彼女を説得。うん、なんとかしないと。そして・・・・・。
「うぅ・・・・分かった。」
すんごい不満そうな顔をしながらも応じてくれた彼女。あぁ・・・・もう。
そして教室に戻って出し物の手伝い。僕達は裏方なので目立つ役回りはない。
けど大事な役割で、それなりに大変に思える作業だった。
そうして昼もそれなりに過ぎた頃。最後と言っていい自由時間になった。
と言ってももう出し物の手伝いに戻る必要はなく、
彼女の言葉に乗るなら、最後までデートするという事になる。
で、どうしてか当の彼女はさっきから落ち着かず、そわそわしている。
「どうしたの?。」
とりあえず聞いておく。もしかしたらトイレかもだし。
すると何故か更に体をくっ付け顔を近付けて来る彼女。ちょっ!、歩きにくいよ。
「ねっ、どこかセックス出来る所、ないかな?」
がはぁっ!。突然耳に聞こえて来た言葉に思わずびっくりする。
こんな人が多い時、多い所で何考えてるの。そもそもゴム持って来てないよ。
とりあえずもう一度説得。なんでこうなるかなぁ。
で、説得成功。但し、彼女の表情はすごく不満そう。お願いです、自重して下さい。
それでもデートは文化祭の最後まで続いた。
なんだかんだ言ってもこういうイベントをちゃんと楽しみたかった。そういう事じゃないかな。僕も彼女も。
ちなみに彼は僕達を含む全クラスメイトに忘れられていた。・・・・まぁいいか。
そして学校から家への帰路。
「ねぇ、帰ったら今度こそしましょ。」
周りに誰もいない事もあってか遠慮ない感じで言ってくる彼女。夕日のせいかより色気を感じる。でも自重してほしい。
そう思っていても僕のが反応していて、彼女もそれに気付いて嬉しそうにする。
「あっ・・・・。」
もうそこからはわざとだった。僕が感じるように体を動かし誘惑する彼女。
けど結局僕達はセックスをしなかった。理由は叔母が家にいたから。そういう約束だしね。
で、その後に始まった叔母と彼女の睨み合いという喧嘩。ほんと勘弁してぇ~~っ!。
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