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第1部前半 リビングデッド·ロード
ー第3話ー 貧しいという現実(2)
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手が痛い。
日々の作業からの疲れも原因一つだったけど、空気が乾燥している事が多く、作業内容から水に触れる機会が多いからだ。
つまり乾燥による肌のひび割れが起き、それも手が痛いと感じる原因になっている。
割れたところからの出血も珍しくない。
小さな痛みだけど、何かで抉られるようなじくじくとした痛みが不快に感じる。
正直大丈夫かな?と思ってしまう。こんな小さな傷でも消毒を行った方が良いのは知っている。
けどこの世界で消毒という概念が無いのはホッドさん達の対応、態度を見ていれば分かる。
じゃあ水で小まめに洗えばって思うけど。それは間違いなく元いた世界での感覚、当たり前。
そもそもここでは水が清潔だという保証すらない。
僕達の世界でどうやって清潔な水を確保しているのか?。
それは学校の授業で習うので、実感は無くとも知識として知る事は出来る。
こうして見ると僕達は少し前まで恵まれた、贅沢な環境に居た事を実感する。
それでも以前の生活に不便さや不満足感があったのは、あくまでも恵まれた環境での感覚として、というもの。
きつい労働。ほぼ全ての事に安全が保証されていない実態、そして何一つ満足出来ない貧しさ。
正直リーシア村の状況にまで目を向ける余裕は今まで無かったけれど。
でもその余裕が出来て、改めて見てみるとこの村に希望という感覚は無いのだと、伝わって来るもので感じる。
早朝の畑仕事が終わり物足りないと感じる朝食が終わるとホッドさん達は畑仕事に戻るけど僕には別の仕事が待っていた。
ゆいの世話だ。当然だけどアンデット化している彼女の世話を好き好んでする人はいない。
なにより外に彼女の存在を知られる訳にはいかない。
そしてホッドさんからゆい世話を僕がするというのをここで住む条件の一つにしている。
ただリーシア村全体にはゆいの事は伝わっている。
そのせいで当然だけど僕への対応は冷たい。
基本的にゆいは自分に用意されたベッドにいる。そこから動く事は殆ど無い。
いや、動けないというのが正しい。
アンデット=死体というこの世界でも同じようで、実際ゆいもある程度死体化していると言えた。
腐臭とかはしないけど、だけど誰かの助けがなければベッドを出る事もままならない。
そして死体めいた見た目。正直彼女を元に戻せるとは聞いているけど。
本当に完全に戻せるの?。という不安が今になって出て来ている。
そんな彼女に朝食を持っていく。けど最初にするのはそれを与える事じゃない。
運んで来た食事を適当な所に置き、まずはゆいをベッドの上で起こす。
と言っても足は地に付けて、実はゆいの体は上手く曲がってくれず、こうしないと安定しない。
そして近くの椅子を寄せて向かい合うように僕も座る。
一番最初にする事。それは僕が魔力を物質化してゆいに与える事。
ゆい胸部にある心臓の代わりをしている結晶石。
これに魔力巡回をさせる事で彼女を完全なアンデットになるのを止めているようだ。
しかしこの結晶石、常に魔力を消費していて、しかもゆい自身にはそれを補給する事は出来ないようだ。
じゃあ外部から補給するしかない。でもそれが出来るのは魔力を物質化出来る僕だけ。
確かにエルダさん言った通り、約に立つ能力?、スキル?。まぁ良いか・・・。
でも何度こうしてゆいと向かい合っても慣れない。
鬱血した左目。石の様に変色した肌。実際触ってみてもそんな感触。
これらは僕のせいではない。分かっていても罪悪感を覚え、消える事は無く、痛みとなって伝わる・・・・。
・・・・と考えても仕方ないのでゆいのディスプレイの様なもの・・・勝手にステータスボードと命名したものを開く。
ホッドさんによると本来他人のステータスボードを見る事は出来ないとの事。
ただ其なりに信頼関係があったり等例外はあると言う。
そしてゆいの場合もそれかもという事と、イレギュラーな状況だからかも?と曖昧感じ。
尤も今ゆいは話す事が出来ない。それを知った時は絶望感から胸が苦しくなった。
どちらにしても今は推測するしかない。
で、ステータスボードを見ながら魔力補給開始。
一応数値化されているので分かり易い。
しかも多くのRPGゲームと同じく生命力(HP)の下の所。
だとしたら突っ込みたいところが一つ。何で生命力表示は数値じゃなくてゲージ表記?分かり難いよ。
と、言ったところでどうにもならないので一旦置いておく。
この作業、一応一回で終わるのでそう苦にはならない。けど問題が一つ。
結晶石の魔力量この表示もゲームッぽく左現在値/右最大値という感じ。
で、問題その最大値。最初に見た時も思ったけど低い・・・。
このせいで一日に数度この作業をやらなければいけない。
面倒だけど結晶石の魔力を切らせる訳にはいかない。そしてホッドさん達の手伝いの合間にも・・・・・。
幸いだったのは慣れてくると魔力補給は朝昼晩とちょうどに区切るが可能と分かり。
一応ながらゆいへの心配事が減ったと言えた。
なによりゆいへの魔法補給によって少しずつ、じりじりと僕の魔力量は増えている。
そしてホッドさん達の手伝いの間に時間があるとエルダさんから魔法を習った。
これが思ったより難しく、魔法発動は・・・これもよくゲームに似ていて、詠唱を必要とする。
しかし、この詠唱がなんとも難しい。
単に僕が向いていないだけかもだけど、自分の中に流れる魔力に集中しながら言葉を発するというのが上手くいかない。
今のところ殆ど失敗するし、成功したとしても・・・・・・。
「うん、あまり”力”が乗っていないね。」
僕が発動させた魔法をみてエルダさんは苦い表情をしながら言う。
元々僕の魔力は低いし、そもそも魔法の無い世界に居た訳だし。
て、全部言い訳になってる。それにエルダさんの言った事は別の事・・・だよね。
そして夜。僕が先に夕食を取ってからゆいに食べさせる。これもいつものとなった事。
残念ながらいつも満足出来る程の食事にありつけるとは限らない。
むしろ足りないと感じる日の方が多い。けどそれはホッドさん達も同じ。
そしてこれは毎日ではないけど寝る前に体を洗う。当然僕がやる・・・・・。
いくら清潔ではないにしても水も貴重。実際ホッドさんの許可無しに水は使えない。
そして使用後の水を汚いからと安易に捨ようものなら盛大に怒られる事になる。
で、僕達の感覚ではあり得ないだけど、水を沸かしてお湯を使うなんて以ての外。
でもそれがホッドさん達の当たり前。実は燃やす物も貴重で、
着火材・・・で良いのかな?。これは更に貴重で滅多に手に入らないとの事。
実際これまでの生活でホッドさん達は殆ど火を使わない。
一応なんとか火を起こす方法が有るとの事だけど、面倒なのであまりやらないらしい。
で、体を洗うとなると当然冷たい水を我慢しながらになる。
だからというのもあるけど、僕自身はあまり体を洗う事はしなくなった。
けどゆい出来るだけしてあげるようにしている。一応女の子だしね。
まずはゆいを脱がす。なんとなく白っぽく見えるワンピース。ゆいが着ているのはこれだけ。下着は無い。
そしてベッドを濡らさない為でもあるけど、布を水につけ、十分に絞ってから彼女の体を拭く。
僕達が来る前から使っていたのだろう。汚らしく変色した布。
それを生気の感じない彼女の灰色の肌に当てていく・・・。
「ぐっ・・・・・・・。!」
もう何度か繰り返した作業。けど慣れる気がしない。
悔しいから?。多分それもある。現実を見せられるから?。ああ・・・そうだね。痛い程に。
ゆいとは何度か体を重ねた事がある。勿論彼女の裸を見るのはこれが初めてじゃない。
だからこそ悔しいのかもしれない。きつく、つらいのかもしれない。
ほんの・・・つい少し前まで知っていた日常が、当たり前が、
今では信じられない程遠くに、それも手が届かない位に感じてしまう。それの感覚を信じてしまいそうになる。
そんな情けない自分がいる。そう分かっていてもどうする事も出来ない。だから悔しい。
*
そしてある時。ホッドさん達の作業の内容に変化が見えた。
「何かあるんですか?。」
「まだ先の事だが、寒さで外にでられなくなる時期がある。その準備だ。今からしないと間に合わない。手伝え。」
「あっはい。」
僕の質問に顔を向けずに答え、僕に手伝うように言うホッドさん。
そして僕としても断る理由は無い、だから手伝う。
もしかしたら未だ一歩すら進めていないかもしれない現実。
それでも時間は進む。確実に、残酷に・・・・・・。
でもやる事を、やれる事をするしかない。
この世界で生きていく為に、ゆいを助け出す為に・・・・・・。
日々の作業からの疲れも原因一つだったけど、空気が乾燥している事が多く、作業内容から水に触れる機会が多いからだ。
つまり乾燥による肌のひび割れが起き、それも手が痛いと感じる原因になっている。
割れたところからの出血も珍しくない。
小さな痛みだけど、何かで抉られるようなじくじくとした痛みが不快に感じる。
正直大丈夫かな?と思ってしまう。こんな小さな傷でも消毒を行った方が良いのは知っている。
けどこの世界で消毒という概念が無いのはホッドさん達の対応、態度を見ていれば分かる。
じゃあ水で小まめに洗えばって思うけど。それは間違いなく元いた世界での感覚、当たり前。
そもそもここでは水が清潔だという保証すらない。
僕達の世界でどうやって清潔な水を確保しているのか?。
それは学校の授業で習うので、実感は無くとも知識として知る事は出来る。
こうして見ると僕達は少し前まで恵まれた、贅沢な環境に居た事を実感する。
それでも以前の生活に不便さや不満足感があったのは、あくまでも恵まれた環境での感覚として、というもの。
きつい労働。ほぼ全ての事に安全が保証されていない実態、そして何一つ満足出来ない貧しさ。
正直リーシア村の状況にまで目を向ける余裕は今まで無かったけれど。
でもその余裕が出来て、改めて見てみるとこの村に希望という感覚は無いのだと、伝わって来るもので感じる。
早朝の畑仕事が終わり物足りないと感じる朝食が終わるとホッドさん達は畑仕事に戻るけど僕には別の仕事が待っていた。
ゆいの世話だ。当然だけどアンデット化している彼女の世話を好き好んでする人はいない。
なにより外に彼女の存在を知られる訳にはいかない。
そしてホッドさんからゆい世話を僕がするというのをここで住む条件の一つにしている。
ただリーシア村全体にはゆいの事は伝わっている。
そのせいで当然だけど僕への対応は冷たい。
基本的にゆいは自分に用意されたベッドにいる。そこから動く事は殆ど無い。
いや、動けないというのが正しい。
アンデット=死体というこの世界でも同じようで、実際ゆいもある程度死体化していると言えた。
腐臭とかはしないけど、だけど誰かの助けがなければベッドを出る事もままならない。
そして死体めいた見た目。正直彼女を元に戻せるとは聞いているけど。
本当に完全に戻せるの?。という不安が今になって出て来ている。
そんな彼女に朝食を持っていく。けど最初にするのはそれを与える事じゃない。
運んで来た食事を適当な所に置き、まずはゆいをベッドの上で起こす。
と言っても足は地に付けて、実はゆいの体は上手く曲がってくれず、こうしないと安定しない。
そして近くの椅子を寄せて向かい合うように僕も座る。
一番最初にする事。それは僕が魔力を物質化してゆいに与える事。
ゆい胸部にある心臓の代わりをしている結晶石。
これに魔力巡回をさせる事で彼女を完全なアンデットになるのを止めているようだ。
しかしこの結晶石、常に魔力を消費していて、しかもゆい自身にはそれを補給する事は出来ないようだ。
じゃあ外部から補給するしかない。でもそれが出来るのは魔力を物質化出来る僕だけ。
確かにエルダさん言った通り、約に立つ能力?、スキル?。まぁ良いか・・・。
でも何度こうしてゆいと向かい合っても慣れない。
鬱血した左目。石の様に変色した肌。実際触ってみてもそんな感触。
これらは僕のせいではない。分かっていても罪悪感を覚え、消える事は無く、痛みとなって伝わる・・・・。
・・・・と考えても仕方ないのでゆいのディスプレイの様なもの・・・勝手にステータスボードと命名したものを開く。
ホッドさんによると本来他人のステータスボードを見る事は出来ないとの事。
ただ其なりに信頼関係があったり等例外はあると言う。
そしてゆいの場合もそれかもという事と、イレギュラーな状況だからかも?と曖昧感じ。
尤も今ゆいは話す事が出来ない。それを知った時は絶望感から胸が苦しくなった。
どちらにしても今は推測するしかない。
で、ステータスボードを見ながら魔力補給開始。
一応数値化されているので分かり易い。
しかも多くのRPGゲームと同じく生命力(HP)の下の所。
だとしたら突っ込みたいところが一つ。何で生命力表示は数値じゃなくてゲージ表記?分かり難いよ。
と、言ったところでどうにもならないので一旦置いておく。
この作業、一応一回で終わるのでそう苦にはならない。けど問題が一つ。
結晶石の魔力量この表示もゲームッぽく左現在値/右最大値という感じ。
で、問題その最大値。最初に見た時も思ったけど低い・・・。
このせいで一日に数度この作業をやらなければいけない。
面倒だけど結晶石の魔力を切らせる訳にはいかない。そしてホッドさん達の手伝いの合間にも・・・・・。
幸いだったのは慣れてくると魔力補給は朝昼晩とちょうどに区切るが可能と分かり。
一応ながらゆいへの心配事が減ったと言えた。
なによりゆいへの魔法補給によって少しずつ、じりじりと僕の魔力量は増えている。
そしてホッドさん達の手伝いの間に時間があるとエルダさんから魔法を習った。
これが思ったより難しく、魔法発動は・・・これもよくゲームに似ていて、詠唱を必要とする。
しかし、この詠唱がなんとも難しい。
単に僕が向いていないだけかもだけど、自分の中に流れる魔力に集中しながら言葉を発するというのが上手くいかない。
今のところ殆ど失敗するし、成功したとしても・・・・・・。
「うん、あまり”力”が乗っていないね。」
僕が発動させた魔法をみてエルダさんは苦い表情をしながら言う。
元々僕の魔力は低いし、そもそも魔法の無い世界に居た訳だし。
て、全部言い訳になってる。それにエルダさんの言った事は別の事・・・だよね。
そして夜。僕が先に夕食を取ってからゆいに食べさせる。これもいつものとなった事。
残念ながらいつも満足出来る程の食事にありつけるとは限らない。
むしろ足りないと感じる日の方が多い。けどそれはホッドさん達も同じ。
そしてこれは毎日ではないけど寝る前に体を洗う。当然僕がやる・・・・・。
いくら清潔ではないにしても水も貴重。実際ホッドさんの許可無しに水は使えない。
そして使用後の水を汚いからと安易に捨ようものなら盛大に怒られる事になる。
で、僕達の感覚ではあり得ないだけど、水を沸かしてお湯を使うなんて以ての外。
でもそれがホッドさん達の当たり前。実は燃やす物も貴重で、
着火材・・・で良いのかな?。これは更に貴重で滅多に手に入らないとの事。
実際これまでの生活でホッドさん達は殆ど火を使わない。
一応なんとか火を起こす方法が有るとの事だけど、面倒なのであまりやらないらしい。
で、体を洗うとなると当然冷たい水を我慢しながらになる。
だからというのもあるけど、僕自身はあまり体を洗う事はしなくなった。
けどゆい出来るだけしてあげるようにしている。一応女の子だしね。
まずはゆいを脱がす。なんとなく白っぽく見えるワンピース。ゆいが着ているのはこれだけ。下着は無い。
そしてベッドを濡らさない為でもあるけど、布を水につけ、十分に絞ってから彼女の体を拭く。
僕達が来る前から使っていたのだろう。汚らしく変色した布。
それを生気の感じない彼女の灰色の肌に当てていく・・・。
「ぐっ・・・・・・・。!」
もう何度か繰り返した作業。けど慣れる気がしない。
悔しいから?。多分それもある。現実を見せられるから?。ああ・・・そうだね。痛い程に。
ゆいとは何度か体を重ねた事がある。勿論彼女の裸を見るのはこれが初めてじゃない。
だからこそ悔しいのかもしれない。きつく、つらいのかもしれない。
ほんの・・・つい少し前まで知っていた日常が、当たり前が、
今では信じられない程遠くに、それも手が届かない位に感じてしまう。それの感覚を信じてしまいそうになる。
そんな情けない自分がいる。そう分かっていてもどうする事も出来ない。だから悔しい。
*
そしてある時。ホッドさん達の作業の内容に変化が見えた。
「何かあるんですか?。」
「まだ先の事だが、寒さで外にでられなくなる時期がある。その準備だ。今からしないと間に合わない。手伝え。」
「あっはい。」
僕の質問に顔を向けずに答え、僕に手伝うように言うホッドさん。
そして僕としても断る理由は無い、だから手伝う。
もしかしたら未だ一歩すら進めていないかもしれない現実。
それでも時間は進む。確実に、残酷に・・・・・・。
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この世界で生きていく為に、ゆいを助け出す為に・・・・・・。
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