セイカイ〜全ての暗号を解き明かせ〜

雪音鈴

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☆4★

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Level3


(まずは①って書いてるところからやってみようと思ったんだけど……案外難しい)

「これ、カジノのゲームか何か? それなら、黒はノワール、赤はルージュ?」

「私達に聞いても教えませんよ。ご自分で考えて下さい」

「シオンのケチ、ヒントくらい良いじゃん」

「まあまあ、お堅いシオン様に言っても答えなんか帰ってこねーよ。それより、俺が教えてやろうか?」

 ギセルがニッコリと笑う。

「え、それな――」

「ギセル!!!」

 私の声を遮り、突然シオンが大きな声を出した。

 驚いてシオンの方を見ると、底冷えするような青い瞳がギセルを見据えていた。

「そんなことを言って、水鏡香から対価をもらう気ですね」

「たい……か?」

「あ、ばれた? つっても、ヒント程度の対価だから、そんなに獲らないって」

 ギセルはそう言いながらケラケラと笑い、近くに生えていた真っ赤なキノコをむしり取った。

「あの、私、今はお金とか持ってないから、対価って言われても……」

「金? そんなんいらねーよ。それよりも……」

 ギセルの瞳孔が大きくなり、まるで大型の獣にでも出くわしたかのような本能的な緊張感が私の身体を巡った。黒く鋭い爪が目前に迫り、息をするのも忘れて彼の次の行動に身構えてしまう。

「目が良いな」

「……?」

 さっきまでの生命の危機を感じるような雰囲気が一瞬で消え、ギセルはニタリと笑った。人差し指は今だに私の右目を指しているが、詰めていた息は吐き出せた。

(酸欠になるかと思った……夢でショック死なんてしたらシャレになんないんだけど!?)

「その黒い瞳……それだけで良いぜ」

「…………は?」

 少し乱れてしまった呼吸を整え、彼の要求内容を整理するが、やはり理解が追いつかない。

「今なら右目だけでも教えてやる。どうだ?」

「い、いや、どうだって言われても、何言ってんのってしか言えないと言うか……」

 冷汗が背筋を伝い、口の中が妙にカラカラになっていく。

「お前こそ、ただで教えてもらおうなんて甘すぎるんじゃねーか?」

「そ、そっちこそ、たかがヒントに目一個差し出せなんてどうかしてるでしょ!? だいたい差し出すものが全然対等じゃないじゃん!!!」

「お互いに欲しい物が手に入るんなら、対等だろう?」

 ギセルの鋭い眼光を受け、身体が震えた。





  ☆ ★ ☆

Level3 ヒント①・1
(こ、怖い――コイツ、住む世界が違うっていうか、闇社会で生きてる奴か何かなの!? てか、どんだけブラックなんだ……ん?)

  ☆ ★ ☆





「さて、言い争いはそこまでです。ほら、時間も少なくなってきていますよ」

 シオンが空中に浮かんでいる大きな砂時計を指差した。

「な、何あれ……」

「あなたのタイムリミットです。砂が落ち切ればゲームオーバーです」

「ああ、もう!! 夢でもなんでも絶対抜け出してやるんだから!!!」

「そうですね。抜け出すなら早めにしていただけると助かります」

「はいはい。それから、①の答え分かった。答えは【   】で、①の文字は【 】でしょ」

「へぇ、正解。よくできたじゃねーか」





  ☆ ★ ☆

Level3 ヒント①・2 
「これだけ答えの欄が違ったからね。あとは文字数に注意すれば答えに辿り着ける……でしょ?」

  ☆ ★ ☆





「おお、頼もしいね。まあ、次に分からねー暗号があったら遠慮なく俺に聞けよ」

 ニヤニヤしながらギセルが②の暗号が載っている看板に片手を置く。

「遠慮しとく……目、獲られたくないし」

「賢明な判断ですね。次の暗号に移りましょう」





  ☆ ★ ☆

Level3 ヒント②
「ええと、②の暗号では、見つけるには頭が大事なんだから……」

  ☆ ★ ☆





「これは楽勝! 答えは【   】で、②の文字は【 】でしょ」

「ええ、正解です。その調子でさくさく進んで下さい」

 シオンに促され、③の暗号を見る。






  ☆ ★ ☆

Level3 ヒント③
「なんだ、さっきのと似たようなものじゃん。タヌキ言葉の法則ね」

  ☆ ★ ☆





 私は得意げになりながらギセルに言う。

「答えは【    】で、③の文字は【 】でしょ?」

「正解。なんか、さくさく解いちまってるから、つまんねーなあ」

「私はその方が助かります。ギセル、つまらないからといって変な事をしないで下さいね」

「はいはい、それより、次の暗号に行くんだろ?」

 ギセルが渋々といった感じで持っていたキノコを遠くに飛ばす。途端、キノコが飛んで行った方で、爆竹の様な音が連続して響いた。

(何をする気だったんだ! 何を!!)

 ギセルの行動にツッコミをいれたい気持ちを抑え、私は④の暗号に集中することにした。

「④の暗号が解ければ、今回の暗号は完成なんだよね! よし、時間もない事だし、さっきの調子でさくさく……」

 暗号を見た瞬間、私はピタリと動きが止まってしまった。





  ☆ ★ ☆

Level3 ヒント④
「……これ、真ん中に漢字を入れて、熟語を完成させるやつだよね?」

  ☆ ★ ☆





「そうですね」

「これ、暗号って……いや、うん、何でもないです」

 シオンの冷たい視線を浴び、とりあえず解くことにする。暗号と言えるかはわからないが、こういった発想力を要するものは、なかなかに時間がかかることがある。

「うーん……」

「おい、まだか?」

「ちょっと待って」

「チッ……こんなん、さっさと解いちまえよ。ヒントの出しよーもねーし」

 ギセルが面倒くさそうに近くの木に寄りかかった。

「ごめん、分かってるんだけど……」

「たく、ここ、天気良すぎて好きじゃねーんだからとっとと――」

「あ、分かった! 答えは【   】で、④の文字は【 】でしょ!」

「正解です」

 突然閃いた私に、シオンが頷く。

「やった! じゃあ、①②③④の文字を読むと……最終的な答えは【    】になるんだよね!」

「ああ、正解だ。ようやく次のステージに進めるぜ」

 ギセルが口を歪めて笑うのと同時に、文字が光って緑色の球体が出てきた。

「よし、三個目ゲット!」

 私がその球体を手にした瞬間、突然周りにあったキノコが風船のように破裂していき、あっという間に白い霧に覆われてしまった。
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