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☆ Familiar10 ☆ 告白
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「え――じゃあ、首の包帯はシリルに呪術をかけられた後、ケテルが解呪しちゃったのを隠すために巻いてただけ!?」
アローナから聞かされた衝撃の事実に、頭を抱える。
「つまり、もう解決しちゃってたってわけか……しかも、ケテルがアローナに冷たくしてたのは、他の家族にそれ以上酷い目に合わせられないようにっていう配慮って――」
「色々と誤解させてしまい、すみません。ケテル様はああ見えてとても心根の優しい方なのです。私は別にどんな苦痛であろうと耐えられるのですが、その度にあの方が枕を濡らしているのが耐えられず――」
「枕を濡らすって――アイツ、そんなタマか?」
アローナの中でかなり脚色があるような気はするが、心根が優しいというのは少しだけあるのかもしれない。
(まあ、私のグレイスほどではないけどね!)
「とりあえず、そんなわけで――貴女を利用してしまい、申し訳ありません」
「は? 利用?」
「はい、貴女はグレイス様のお気に入り。貴女が私の包帯に食いついてきた時、もしかしたらという思いがあり、あえて貴方がより一層、のめり込むような言葉を選びました。そうすれば、興味を持った貴女が危険な行動に出る前にグレイス様が何かしらの手を打つのではないかと……」
「のめり込むような言葉……」
「もちろん、グレイス様にもしっかりとこちらの状況が伝わるよう、言葉を選びました」
「まさか『一身上の都合』『私達に関わらないで』とか?」
「はい、隠れたメッセージでした。『一身上の都合』は家庭に問題あり、『私達に関わらないで』は私達――私とケテル様に関わらせないようにしてほしいという――」
「そんなの、分かるかああぁぁ!!!」
私の怒声が朝日を浴びる学校の廊下に響き渡るが、現在は防音魔法を発動させているため、その大声はアローナの耳にしか届かない。
「何はともあれ、ありがとうございます。おかげで、ケテル様の憂いが少しだけ晴れました」
そう言い、いつも無表情な彼女がふんわりと笑ったのを見て、怒るに怒れなくなり、先程までの怒りはどこへやら、気付けば私も笑っていた。
そんな私達を見つめる存在がいたことに、この時の私はまったく気付かなかった……。
★ ★ ★
「ねぇ、ナタリア、昨日は大丈夫だった?」
「ああ、うん、バッチリ解決だよ!」
教室に戻るなり声をかけてきた心配そうな顔のリリアンに、満面の笑みで返す。彼女はチョーカーに触れながらホッと息をついた。
「じゃあ、アルテナ様との話はついたのね。昨日の放課後、グレイス様と揉めたって話があったから、ナタリアに何かなかったか心配だったの……ほら、アルテナ様って、その――感情的なお方でしょ?」
彼女の話に、思わずポカンと口を開けてしまう。てっきりアローナ達の話だと思い、解決などと言ったが、よくよく考えればリリアンにそのことは言っていなかった。
(アルテナって誰? そもそも、グレイスが揉めたって……)
「ええと、ナタリア? もしかして、知らなかった? その……アルテナ様がグレイス様に告白したらしいんだけ――」
「グレイスウウウゥゥゥッ!?」
「あ、ちょっと、ナタリア! 今から授業があるんだから行っちゃダメだって!」
「止めないで、リリアン! 女にはやらなくちゃならない時がグッ――ゴホゴホゴホッ!」
「ナタリアッ!」
朝っぱらから大声を出しすぎて、喉の痛みが再発する。こんなことなら、苦いけど効果は抜群な真っ赤な回復魔法薬を我慢してでも飲むんだった……
私は少しの後悔を抱えつつ、リリアンに背中をさすられながら教室へと引き返したのだった。
アローナから聞かされた衝撃の事実に、頭を抱える。
「つまり、もう解決しちゃってたってわけか……しかも、ケテルがアローナに冷たくしてたのは、他の家族にそれ以上酷い目に合わせられないようにっていう配慮って――」
「色々と誤解させてしまい、すみません。ケテル様はああ見えてとても心根の優しい方なのです。私は別にどんな苦痛であろうと耐えられるのですが、その度にあの方が枕を濡らしているのが耐えられず――」
「枕を濡らすって――アイツ、そんなタマか?」
アローナの中でかなり脚色があるような気はするが、心根が優しいというのは少しだけあるのかもしれない。
(まあ、私のグレイスほどではないけどね!)
「とりあえず、そんなわけで――貴女を利用してしまい、申し訳ありません」
「は? 利用?」
「はい、貴女はグレイス様のお気に入り。貴女が私の包帯に食いついてきた時、もしかしたらという思いがあり、あえて貴方がより一層、のめり込むような言葉を選びました。そうすれば、興味を持った貴女が危険な行動に出る前にグレイス様が何かしらの手を打つのではないかと……」
「のめり込むような言葉……」
「もちろん、グレイス様にもしっかりとこちらの状況が伝わるよう、言葉を選びました」
「まさか『一身上の都合』『私達に関わらないで』とか?」
「はい、隠れたメッセージでした。『一身上の都合』は家庭に問題あり、『私達に関わらないで』は私達――私とケテル様に関わらせないようにしてほしいという――」
「そんなの、分かるかああぁぁ!!!」
私の怒声が朝日を浴びる学校の廊下に響き渡るが、現在は防音魔法を発動させているため、その大声はアローナの耳にしか届かない。
「何はともあれ、ありがとうございます。おかげで、ケテル様の憂いが少しだけ晴れました」
そう言い、いつも無表情な彼女がふんわりと笑ったのを見て、怒るに怒れなくなり、先程までの怒りはどこへやら、気付けば私も笑っていた。
そんな私達を見つめる存在がいたことに、この時の私はまったく気付かなかった……。
★ ★ ★
「ねぇ、ナタリア、昨日は大丈夫だった?」
「ああ、うん、バッチリ解決だよ!」
教室に戻るなり声をかけてきた心配そうな顔のリリアンに、満面の笑みで返す。彼女はチョーカーに触れながらホッと息をついた。
「じゃあ、アルテナ様との話はついたのね。昨日の放課後、グレイス様と揉めたって話があったから、ナタリアに何かなかったか心配だったの……ほら、アルテナ様って、その――感情的なお方でしょ?」
彼女の話に、思わずポカンと口を開けてしまう。てっきりアローナ達の話だと思い、解決などと言ったが、よくよく考えればリリアンにそのことは言っていなかった。
(アルテナって誰? そもそも、グレイスが揉めたって……)
「ええと、ナタリア? もしかして、知らなかった? その……アルテナ様がグレイス様に告白したらしいんだけ――」
「グレイスウウウゥゥゥッ!?」
「あ、ちょっと、ナタリア! 今から授業があるんだから行っちゃダメだって!」
「止めないで、リリアン! 女にはやらなくちゃならない時がグッ――ゴホゴホゴホッ!」
「ナタリアッ!」
朝っぱらから大声を出しすぎて、喉の痛みが再発する。こんなことなら、苦いけど効果は抜群な真っ赤な回復魔法薬を我慢してでも飲むんだった……
私は少しの後悔を抱えつつ、リリアンに背中をさすられながら教室へと引き返したのだった。
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