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異世界での、あれこれ

魔力と筋トレとお爺様

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帰ってきた。

さて、練習練習!
……単に魔力を出すだけっていうよく分からん練習なんだけども……

うおおおおおイメージだ俺!!!
うおおおおおお……

はい。

そりゃ気合だけじゃだめだよね、まあわかってたさ。

まず、目を瞑る。

そして魔力の生成を行ってる場所……心臓の左と仮定しよう。

ここから魔力を生み出して……俺の右腕まで持っていくイメージ。

それを一気に外へ出す!

……どうだ?

目を開けると、手になにか白いもやもやが出ていた。

……

でた!でたぞ!

うん、やっぱりイメージをしっかりすると大丈夫みたいだ。

もう一回……よし!もうあんまりイメージしなくても出来るようになったぞ。
あれ?俺もしかして凄い?……っと、だめだだめだ。これは誰でも出来る事なんだ…

それにしても、よく分からない感覚だな。ほんと、違う世界に来たって感じだ。

うーん……思ったよりすぐ出来ちゃって時間が余ったな、まだ寝るには早いんだが。

……

よし、とりあえずランニングするか!暇だし!あと筋トレもしとこう。
このスタッフも今のままじゃ振り回すのもきついだろうからな……

そうと決まれば訓練所に行こう。あそこなら誰もいないだろうからな。


――――――――――――――――――――――

着きました。

訓練所は最低限の灯がついているぐらいで、人っけがまったくない。
人がいないとほんとに広く感じる。実際広いのだろうけども。
ここを内周するだけで相当な距離になりそうだな。

……さてと、ランニングからだ。三十分ぐらい走ってみよう。腕時計で時間を確認と。

よーし、走りますかー!

―――――――――――――――――――

うん、なんか疲れにくくなってる……?ちょっと早めに走ってるのだが、あまり疲れない。
異世界補正ってやつか。時間を確認、ってもう三十分たってるじゃないか……

次は筋トレだ。
まずは腕立て五十回。うん、余裕だな…前の世界だとかなりきつかったんだけども。
増量で百回してみる。きつい!

次は背筋!スクワット!腹筋!エアダンベル!懸垂!

懸垂は適当な壁でやったから凄い図になってただろう……まあ誰もいないしな!
そして今はストレッチ中だ。

「おい!お前さっきから何やってるんだ!」

あ……え?うそでしょ?
俺の背筋に冷たい汗が流れる。

前から歩いてきたのは、白髪をオールバックにした、いかついおじい様って感じの人だ。
格好は薄い黒のシャツに、半ズボンという変わった姿だが。

「あー、俺は異世界からやってきたんですけど…聞いてませんか?」

「ん?聞いてるも何もわしはそいつらのせいで忙しいんだが…お前が?」

「そ、そうです!」

よかった、話が通じそうだ。

「それで…あなたは?」

「……秘密じゃ……」

「は?」

っとと声に出てしまった。それでも予想外すぎだろ!なんだよ秘密じゃって!

「そ……それよりも!お前が何をしてたか聞いとるんじゃ!さっきからよく分からぬ動きをしおって…」

……まあいい。怪しい人には見えないしな。

「筋肉トレーニングですよ。元いた世界の。」

「トレーニングじゃと?さっきのがか?」

「はい。やってみます?」

正直こんなおじいさんにやらしたくはないんだが…実体験が一番と言うしな。

―――――――――――――

「おおおっおおおっおっほほっ」

……

「おっほほ…凄いぞこれは…うおおおっう」

……

「こんな鍛え方があろうとは…おおおっほっほっほ」



この通りだよ!なんかすごい興奮してるんですけど!気持ち悪!

「ほっほ……お主……礼をいうぞ……体全体が鍛え上げられた感覚じゃ…」

「いえいえ…あ、鍛えた後はストレッチをするといいですよ。」

「ストレッチ?何だそれは?教えてくれ!」

予想以上に動いてたんだし、ストレッチもちゃんとやらないとな。

「えっと、足をこういう感じに開いてください。」

「こ、こうじゃな?」

「それで前に上半身をぐいーっと……」


――――――

ストレッチも一通り終わった。おじいさんは満足気である。

「いや、本当に礼を言うぞ。まさかこんな鍛え方があろうとは。異世界というのは凄いところじゃな。」

「はは……それじゃ俺はこれで。おやすみなさい」

うむ、とうなずくおじいさんに一敬してから、俺は部屋へと戻った。

なんか良い事をやった気分である。結局誰だったんだろうか…


ちなみにお風呂らしきものは部屋にある。魔法って便利だなと思いました。

お風呂にも入ったし、もう遅いから寝るとしよう。
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