155 / 209
雲の谷
4 ルーシェン、今頃なにしてるかな。
しおりを挟む
たっぷり時間をかけられて上半身が終わった。まさかと思うけど下半身もかな。と思ったらそのまさかだった。
「手を離してもらえますか?」
『え……?』
「薬が塗れませんので」
『い、痛くしないでください』
持つところを失い、仕方なくベッドに敷かれたカバーを握りしめる。恥ずかしくて死にそう。薬の塗布で完全に勃ってるとか、極秘事項のひとつに加えてもらおう。
『あっ、ああっ……!』
手はカバーではなく口に持ってくることに決めた。口を押さえて喘ぎ声が漏れないようにする。ついでに顔も隠そう。敏感なところをペタペタとブラシの先が往復してたえられない。
「ミサキ様のお身体は敏感ですね。王子様が夢中になっているのも頷けます」
いや、そんな感想いりません。
「でも、ご存知でしたか? ここにも魔法の呪いが到達しようとしています」
『えっ?』
急に冷水を浴びせられたように頭が冷静になった。少し身体を起こしてみると、俺の身体は塗られた薬で真っ黒になってる。顔や背中はまだ塗られていないけど。
女の人が俺のアソコを持ち上げ、黒く塗られた薬を少しだけこすり落とす。その刺激でイキそうになったけど、なんとか耐え、その下から現れた黒い模様に愕然とした。
何だこれ……文字?
こんな模様、いつか見た事がある。盗賊のアニキが身体に持っていた呪いの模様と同じだ。
「一番酷いのは心臓の周りじゃが、左手も酷い。全身に到達しようとしておる。左手は、何か原因がありそうじゃな」
左手、と聞いて真っ先に妖精さんを思い出した。ずっと成仏できない妖精さんがぶら下がっていて重かったんだ。それが魔法の呪いにも悪影響を及ぼしてたのか。
『この薬を塗れば、治るんですか?』
それなら頑張って耐えよう。そう思ったのに、二人ともあっさりと否定した。
「これは薬ではありません。ミサキ様の魔法の症状を浮かび上がらせて、目に見える状態にするための物です」
え、薬じゃないの? 嘘だろ?
股間の周りに念入りに薬が塗られたあと、今度は足にうつる。これはこれでくすぐったくてたまらない。動くなと何度も注意されたけどイかなかっただけ褒めて欲しい。
背中は少しだけマシだった。お尻の周りはやっぱり少しだけ気持ちよくて声が出たけど、前側ほどじゃない。さすがに中まで薬は塗られなかったし。そしてようやく全身に薬の塗布が終わった。
「それではこのまま時間をおきますね。浸透するまでお待ちください」
終わったと思って油断している間に、白い布でくるくると包まれて、気づけば簀巻き状態になっていた。動けないんだけど。
「喉が渇いたと思うのでこれをどうぞ」
身体を起こしてとろっとした水を飲ませてもらえる。甘い。
「よし、これでしばらく置けば、お前さんの身体の呪いが鮮明に現れる。それが出たら、回復の水で洗浄、これの繰り返しじゃな」
回復の水、という言葉だけだととても綺麗な響きなのに、洗浄とつくとなぜか卑猥な単語に聞こえるのはなぜだろう。俺はセクハラ治療を受けすぎて頭がそれしか考えられなくなってしまったのだろうか。それとも普通はこの治療で喘いだりしないものなのか?
そんな疑問をぶつける暇もなく、俺は簀巻きのまま部屋に取り残された。時間を置くってどのくらい?
なんだかこれ、日本で髪をカラーリングする時に似てるな。髪じゃなくて全身だけど。
そして時間をおうごとに痒くて熱くなってきた。動けない、熱い、痒い。それにさっき弄られたせいでアソコとなぜかお尻の中もすごく疼いてる。
ルーシェン、今頃何してるかな。きっとみんなをまとめて先頭に立って戦ってるんだろうな。俺は簀巻きになってルーシェンのことを考えています。早く再会して、ルーシェンの手と口と身体で気を失うまでイかされたいよ。こんな緊急事態なのにエロいことばかり考えてると嫌われるかな。いや、でも婚約旅行だったんだ。毎日イチャイチャする予定だったのに離れ離れで頑張ってるんだから妄想くらい許して欲しい。
「手を離してもらえますか?」
『え……?』
「薬が塗れませんので」
『い、痛くしないでください』
持つところを失い、仕方なくベッドに敷かれたカバーを握りしめる。恥ずかしくて死にそう。薬の塗布で完全に勃ってるとか、極秘事項のひとつに加えてもらおう。
『あっ、ああっ……!』
手はカバーではなく口に持ってくることに決めた。口を押さえて喘ぎ声が漏れないようにする。ついでに顔も隠そう。敏感なところをペタペタとブラシの先が往復してたえられない。
「ミサキ様のお身体は敏感ですね。王子様が夢中になっているのも頷けます」
いや、そんな感想いりません。
「でも、ご存知でしたか? ここにも魔法の呪いが到達しようとしています」
『えっ?』
急に冷水を浴びせられたように頭が冷静になった。少し身体を起こしてみると、俺の身体は塗られた薬で真っ黒になってる。顔や背中はまだ塗られていないけど。
女の人が俺のアソコを持ち上げ、黒く塗られた薬を少しだけこすり落とす。その刺激でイキそうになったけど、なんとか耐え、その下から現れた黒い模様に愕然とした。
何だこれ……文字?
こんな模様、いつか見た事がある。盗賊のアニキが身体に持っていた呪いの模様と同じだ。
「一番酷いのは心臓の周りじゃが、左手も酷い。全身に到達しようとしておる。左手は、何か原因がありそうじゃな」
左手、と聞いて真っ先に妖精さんを思い出した。ずっと成仏できない妖精さんがぶら下がっていて重かったんだ。それが魔法の呪いにも悪影響を及ぼしてたのか。
『この薬を塗れば、治るんですか?』
それなら頑張って耐えよう。そう思ったのに、二人ともあっさりと否定した。
「これは薬ではありません。ミサキ様の魔法の症状を浮かび上がらせて、目に見える状態にするための物です」
え、薬じゃないの? 嘘だろ?
股間の周りに念入りに薬が塗られたあと、今度は足にうつる。これはこれでくすぐったくてたまらない。動くなと何度も注意されたけどイかなかっただけ褒めて欲しい。
背中は少しだけマシだった。お尻の周りはやっぱり少しだけ気持ちよくて声が出たけど、前側ほどじゃない。さすがに中まで薬は塗られなかったし。そしてようやく全身に薬の塗布が終わった。
「それではこのまま時間をおきますね。浸透するまでお待ちください」
終わったと思って油断している間に、白い布でくるくると包まれて、気づけば簀巻き状態になっていた。動けないんだけど。
「喉が渇いたと思うのでこれをどうぞ」
身体を起こしてとろっとした水を飲ませてもらえる。甘い。
「よし、これでしばらく置けば、お前さんの身体の呪いが鮮明に現れる。それが出たら、回復の水で洗浄、これの繰り返しじゃな」
回復の水、という言葉だけだととても綺麗な響きなのに、洗浄とつくとなぜか卑猥な単語に聞こえるのはなぜだろう。俺はセクハラ治療を受けすぎて頭がそれしか考えられなくなってしまったのだろうか。それとも普通はこの治療で喘いだりしないものなのか?
そんな疑問をぶつける暇もなく、俺は簀巻きのまま部屋に取り残された。時間を置くってどのくらい?
なんだかこれ、日本で髪をカラーリングする時に似てるな。髪じゃなくて全身だけど。
そして時間をおうごとに痒くて熱くなってきた。動けない、熱い、痒い。それにさっき弄られたせいでアソコとなぜかお尻の中もすごく疼いてる。
ルーシェン、今頃何してるかな。きっとみんなをまとめて先頭に立って戦ってるんだろうな。俺は簀巻きになってルーシェンのことを考えています。早く再会して、ルーシェンの手と口と身体で気を失うまでイかされたいよ。こんな緊急事態なのにエロいことばかり考えてると嫌われるかな。いや、でも婚約旅行だったんだ。毎日イチャイチャする予定だったのに離れ離れで頑張ってるんだから妄想くらい許して欲しい。
応援ありがとうございます!
5
お気に入りに追加
548
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる