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学園潜入
13 洗濯場
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「変わった子が来たわねぇ」
洗濯場の監督官は女の人だった。でも目つきは鋭いし貫禄がある。
「この仕事ははじめてかい? なら作業服をやりなさい。大量にあるからサボるんじゃないよ」
「分かった」
洗濯場には女の人が多かった。岩を運ぶよりはマシだと思うけど、それでも大量の作業服を運んだり洗ったり干したりは大変だと思う。水を汲みに何往復もしないといけないし、濡れた服は重いし水は冷たい。俺は器用さがないから、みんなの代わりに水汲みとか、とにかく物を運ぶことにした。
何往復もして、あいた時間は作業服の泥汚れを取り、洗ったら物干場に干す。俺にとっては楽な仕事だ。
「あなたよく働くわね」
「それに力持ちだわ」
「助かるよ」
動き回っていたら、お姉さんやおばさんたちに声をかけられるようになった。それにいつもよりずっと早く終わったみたいだ。大量にあった洗濯物も全部洗い終わった。
「終わったら次は何するの?」
「お昼を食べて少し休憩して、服が乾くまでは別の衣装の破れを繕ったり、種類別に分けたりするのよ。でも今日は早く終わったから、おやつにしましょう」
お姉さんたちは洗濯場の軒先にあるテーブルにお茶とお菓子を準備しておしゃべりを始めた。俺にも芋みたいなお菓子を分けてくれる。おしゃべりの内容は、家族や恋人のこと。それに学園内の生徒の話といろいろだ。
「あんたのおかげで早く終わったから、夕方まで好きにしていていいわよ。洗濯物を取り込む時にまた来てちょうだい」
「全然疲れてないからまだ働けるけど」
「そうなの。じゃあ服を縫うことは出来る?」
「やったことない」
「服を畳むのはどう?」
「半分に折って、それから半分にするんだろ?」
そう言うとおばちゃんたちは笑った。
「わかったよ。あとは私たちがやっておくから、手に塗る軟膏を倉庫から取ってきてちょうだい。夕方までにね。暇なら他の作業場を手伝ってきてもいいよ」
「分かった」
見本を見せてもらって、倉庫までの道順を教えてもらう。ゆっくりでいいって言ってたから、寄り道して学園のどこかにヒースがいないか探そうかな。
外に出ると、誰もいないのを確認して木の茂みの中に姿をかくした。素早く服を脱いで丸める。マントみたいな大きな布に包んで体に結びつけると、変身を解いた。
「キュッキュー」
久々に竜になったぞ。大きいと見つかりやすいから、中くらいの鳥と間違えそうなほどの大きさにとどめておいた。荷物はちょっと重いけどこれくらいならなんとかなりそうだ。
このまま宮殿の屋上までひとっ飛びだ。屋上から見ればヒースを見つけやすいはず。誰もいないことを確認すると、茂みから出て翼を広げた。
洗濯場の監督官は女の人だった。でも目つきは鋭いし貫禄がある。
「この仕事ははじめてかい? なら作業服をやりなさい。大量にあるからサボるんじゃないよ」
「分かった」
洗濯場には女の人が多かった。岩を運ぶよりはマシだと思うけど、それでも大量の作業服を運んだり洗ったり干したりは大変だと思う。水を汲みに何往復もしないといけないし、濡れた服は重いし水は冷たい。俺は器用さがないから、みんなの代わりに水汲みとか、とにかく物を運ぶことにした。
何往復もして、あいた時間は作業服の泥汚れを取り、洗ったら物干場に干す。俺にとっては楽な仕事だ。
「あなたよく働くわね」
「それに力持ちだわ」
「助かるよ」
動き回っていたら、お姉さんやおばさんたちに声をかけられるようになった。それにいつもよりずっと早く終わったみたいだ。大量にあった洗濯物も全部洗い終わった。
「終わったら次は何するの?」
「お昼を食べて少し休憩して、服が乾くまでは別の衣装の破れを繕ったり、種類別に分けたりするのよ。でも今日は早く終わったから、おやつにしましょう」
お姉さんたちは洗濯場の軒先にあるテーブルにお茶とお菓子を準備しておしゃべりを始めた。俺にも芋みたいなお菓子を分けてくれる。おしゃべりの内容は、家族や恋人のこと。それに学園内の生徒の話といろいろだ。
「あんたのおかげで早く終わったから、夕方まで好きにしていていいわよ。洗濯物を取り込む時にまた来てちょうだい」
「全然疲れてないからまだ働けるけど」
「そうなの。じゃあ服を縫うことは出来る?」
「やったことない」
「服を畳むのはどう?」
「半分に折って、それから半分にするんだろ?」
そう言うとおばちゃんたちは笑った。
「わかったよ。あとは私たちがやっておくから、手に塗る軟膏を倉庫から取ってきてちょうだい。夕方までにね。暇なら他の作業場を手伝ってきてもいいよ」
「分かった」
見本を見せてもらって、倉庫までの道順を教えてもらう。ゆっくりでいいって言ってたから、寄り道して学園のどこかにヒースがいないか探そうかな。
外に出ると、誰もいないのを確認して木の茂みの中に姿をかくした。素早く服を脱いで丸める。マントみたいな大きな布に包んで体に結びつけると、変身を解いた。
「キュッキュー」
久々に竜になったぞ。大きいと見つかりやすいから、中くらいの鳥と間違えそうなほどの大きさにとどめておいた。荷物はちょっと重いけどこれくらいならなんとかなりそうだ。
このまま宮殿の屋上までひとっ飛びだ。屋上から見ればヒースを見つけやすいはず。誰もいないことを確認すると、茂みから出て翼を広げた。
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