今世、悪女が消えた世界で

shinonome

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全ての始まりのお茶会

1.

「朝からいきなり帝国暦を聞き始めて、びっくりしましたわ。何か恐ろしい夢でも見たのですか?」
「…恐ろしい夢というか。」
あまりにも生々しすぎる恐ろしい夢だと感じている
リリアーナ。死んだはずがどうして侯爵家にいるのか不思議だし、冤罪をかけられても庇ってくれたロロナがいるのも不思議だし自分も幼くなっているのも不思議だしとどれもこれも不思議に思ってしまう。
「恐ろしい夢を見るのも無理ありませんわ。今日は、皇宮でお茶会がありますからね。」
自分の髪をとかしてくれながら言ったその言葉に
「へ…っ?」と思わず口に出してしまったリリアーナ。
「え…待って。お茶会って…!」
「…?本日午後3時頃からの王家主催のお茶会のことですよ?」
そう言われ思い出す記憶。
王家主催の、お茶会。それには裏があり
王太子の婚約者を決めるという項目があった。
前世のリリアーナは王太子に一目惚れをして全力でアピールをしていた。
あんな結末を迎えるなんて想像せずに…。
「…嫌だな。」と吐露してしまう。
が、お茶会へはギーベンラート公爵家ここも参加する形となっている。
仕方がない。お茶会には参加しよう。
けれど前世のようにアピールなどはしない。
そんなことしたらどうなるのか自分が1番知っている。
どこか端の所で終わるまでひっそりといよう。
そう決めるリリアーナ。
(もう、ごめんだから。)
そう思い深くため息をつくリリアーナ。
「?」
突然、ため息をついた彼女に
少し首を傾けるロロナだった。


「大変お美しいですわ。リリアーナ様。」
化粧やメイクなどをしてからお茶会へ参加するためのドレスを身に纏う。いつもとは違う可憐なドレスを着ているリリアーナを見て感激するロロナ。
それに対してリリアーナは
「ありがとう。」と優しく微笑む。
時間になりロロナと一緒に父達の元へ行く。
応接室の扉を軽くノックして
「入りなさい。」と言われ入れば
自分の父親であるアッシュと母親のクレア、
妹のルナティアが立っていた。
前世、自分が冤罪をかけられた時庇いもせずに捨てていった2人に私の人生がおかしくなる原因を作った妹。
貴族の笑顔で「お待たせ致しました。」と言って軽くカーテシーをこなすリリアーナだが、内心は自分を追い詰めた人達を見て今すぐにでも逃げ出してしまいたいという思いが強かった。が何とか耐えた。心を生贄にして。
カーテシーをして未だに顔を上げないリリアーナに
アッシュが「リリアーナ!?」と声を発して
「はっ…!」と声を出して思わず顔を上げる。
すると、1人を除いてアッシュとクレアが自分を心配するかのように見てくる。
そのせいでまた、また逃げ出したいと思うようになってしまう。そしてクレアを見れば、冤罪をかけられ牢獄に入れられた時に
『貴女なんか…!生まれてこなければ良かったのよっ!!』
悪意のある言葉を牢獄で言われたことを思い出してしまう。
下をずっと向き続けていたため
2人は追求してこようとするとリリアーナは予測して
また貴族の笑顔を見せて
「…ごめんなさい呆然としてしまいました。」と誤魔化した。
そうすると2人はほっとして胸を撫で下ろすが
ルナティアは「全く、私たちを驚かさないでくださいよ。」と嫌味を言って頬を膨らませていたが、リリアーナは華麗に無視した。


――お茶会を楽しみにしているルナティア達である
一方、そのお茶会が全ての始まりだということを知るのは私だけであった。

感想 8

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