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魔法塔へ
6.
ギーベンラート侯爵家にて
自分の部屋のベッドで泣いているルナティアはお気に入りのピンク色のリボンがついたクマのぬいぐるみを抱きしめていた。
今頃、リリアーナを叱りにリリアーナの部屋に行っているであろうクレアをずっと待ち続けた。
昨日は散々な目にあった。
王宮で開かれたお茶会へ参加して
王太子であるレディス様が壇上にやってきて
すぐに彼の元へ走っていった。
可愛くなった自分を見てほしいと思い
何度もレディスにアピールをした。
なのに、せっかくレディスにアピールをしていたというのに誰かが自分の背中を押してきた。
押してきたせいでレディス様の前に転けてしまって
恥を晒すこととなってしまった。
転けたことで沢山の令嬢が馬鹿にするかのように笑っていた。
ひどい。ひどい。
せっかくレディス様に可愛く着飾った自分を見てほしかったのに。どうして邪魔をするのだろうか。
そして何より許せなかったのは
姉であるリリアーナ。
お茶会へ行く前に呆然とした様子だったし
何より、自分がこんなにも酷い目にあっているというのに呑気に誰かとお菓子を食べているなんて。
お姉様はもっと酷い。
今日の朝、クレアに泣きついた。
「お姉様は、酷いです…。
私があんな酷い目にあったのに、気づかずに呑気にしているなんて…っ」
「よしよし。辛かったわね。
リリアーナにはちゃんと叱っておくから。」
と言って慰めた後、クレアはすぐにリリアーナの所に
行った。きっと叱ってくれるに違いない。
でも不思議だった。
普段、クレアがリリアーナを叱る時は怒鳴り声と一緒にリリアーナの泣き声が自室から聞こえてくるはずなのに今回は聞こえることなくすぐにクレアは帰ってきた。
何故だろうか。さっきとは異なって青ざめた様子だった。
「お母様?…お姉様は叱ったのですか?」
「え、ええ…。
そうだわ。ルナティア、シフォンケーキを食べない?あなたの大好きな。それを食べて昨日のことは忘れましょう。」
「はい!」
悟られないように話題を変えれば
すぐに機嫌を直しているルナティアに安堵するクレアだった。
自分の部屋のベッドで泣いているルナティアはお気に入りのピンク色のリボンがついたクマのぬいぐるみを抱きしめていた。
今頃、リリアーナを叱りにリリアーナの部屋に行っているであろうクレアをずっと待ち続けた。
昨日は散々な目にあった。
王宮で開かれたお茶会へ参加して
王太子であるレディス様が壇上にやってきて
すぐに彼の元へ走っていった。
可愛くなった自分を見てほしいと思い
何度もレディスにアピールをした。
なのに、せっかくレディスにアピールをしていたというのに誰かが自分の背中を押してきた。
押してきたせいでレディス様の前に転けてしまって
恥を晒すこととなってしまった。
転けたことで沢山の令嬢が馬鹿にするかのように笑っていた。
ひどい。ひどい。
せっかくレディス様に可愛く着飾った自分を見てほしかったのに。どうして邪魔をするのだろうか。
そして何より許せなかったのは
姉であるリリアーナ。
お茶会へ行く前に呆然とした様子だったし
何より、自分がこんなにも酷い目にあっているというのに呑気に誰かとお菓子を食べているなんて。
お姉様はもっと酷い。
今日の朝、クレアに泣きついた。
「お姉様は、酷いです…。
私があんな酷い目にあったのに、気づかずに呑気にしているなんて…っ」
「よしよし。辛かったわね。
リリアーナにはちゃんと叱っておくから。」
と言って慰めた後、クレアはすぐにリリアーナの所に
行った。きっと叱ってくれるに違いない。
でも不思議だった。
普段、クレアがリリアーナを叱る時は怒鳴り声と一緒にリリアーナの泣き声が自室から聞こえてくるはずなのに今回は聞こえることなくすぐにクレアは帰ってきた。
何故だろうか。さっきとは異なって青ざめた様子だった。
「お母様?…お姉様は叱ったのですか?」
「え、ええ…。
そうだわ。ルナティア、シフォンケーキを食べない?あなたの大好きな。それを食べて昨日のことは忘れましょう。」
「はい!」
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すぐに機嫌を直しているルナティアに安堵するクレアだった。
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