今世、悪女が消えた世界で

shinonome

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食事をしつつも人生計画

1.

リリアーナはトレイを机の前に置き
ロロナの所へ駆けつけ、腰を抜かしていたロロナに手を差し伸べた。
「驚かせてしまってごめんなさい。ロロナ。」
そう言えば、ロロナは「いえいえ!」と言いながら
リリアーナの手を取り立ち上がる。
「少し驚いてしまっただけです。
いつもなら、公爵家の玄関から入ってこちらに来ていましたので今回は、ここにいたので…。」
「あはは…。」
事情を話したい所だったが、どう話せば分からない。
とりあえず、イリアス様の温情でここに移転してくれたと伝えてからこの話は終わる。
鞄の中にある物を勉強机のタンスの中にしまっておいてからバスルームにある水道で、手を洗う。
それから、自室で食事をする際に使う椅子に座り
食事をとることに。

今夜の食事は、主食のパンと彩りのあるサラダとベーコンと豆のスープ、ローストビーフ。
前世とは変わらない公爵家のメニューだった。
が、今回はクリームたっぷりの小さなシフォンケーキの
デザートがあった。
それを見て、リリアーナは不思議に思いロロナに聞く。
「ロロナ。これって…。」
「それですか?リリアーナ様の食事を持っていく際に
奥様が、これも一緒に付けておいて欲しいと懇願されたものです。」
その話を聞いて、なるほどそういう事かと感じる他に
母ながら何をしているのかと思ってしまった。
きっと魔法塔へいく前にあったあの事に気に病んで
自分へのお詫びとして送ったのであろうシフォンケーキ。ケーキ類が好きなのはルナティアであって、リリアーナではなかった。リリアーナはそれよりも焼き菓子の方を好む。シフォンケーキがのった、皿の隣には
小さな手紙が置いてあり、見てみれば
「あの時はごめんなさい。」と簡潔的な文しか書いてなかった。
それを見て、ため息をつくリリアーナ。
いつも母であるクレアはそうだった。
自分に何か、傷つけるようなことをしてしまったことをする度にこういう手紙を送りつけるのと同時にお詫びの品を渡してくる。
傷つけてしまったことに気づいたのなら、直接謝れば済むというのにどうして時間を経たせてこのようにしてくるのか理解できない。
簡潔的な手紙は、読んだ後すぐに折り曲げてから
捨てておくようロロナに頼む。
シフォンケーキは食べなければ後々、クレアがどうなるのかなんて知れている。どうせ、呆然として倒れそうになる。そんな光景などもう見たくないので食べておくことに。
「いただきます。」といいながら、手を合わせた後
まず、ベーコンと豆のスープから食べた。
変わらない口当たりの良いスープで感激するのと
同時に久々にこんな気楽に食事をしたなと浸っていた。
前世、リリアーナは王太子と婚約してからは皇宮で過ごしおり食事は皇宮の食堂でしていた。
が、今のように気楽なものではなく。
自分自身を嫌っていた相手と対面で食べるのはとても
精神的に苦痛で食べ物がろくに通らなくてスープやサラダといったものしか食べれなかった。
今世ではこんなにも気楽に食べれることができて
心の中で安堵しつつ主食であるパンにバターナイフで
バターを塗りながらも頭の中でこれからのことについて
考えた。

感想 7

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