今世、悪女が消えた世界で

shinonome

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何もない日に訪れた再会

1.

次の日は、イリアスの所へ行く日でもなく
ただ何も無い日だった。
リリアーナは、朝起きて食事などをした後
書斎の方へ向かった。
昨晩は、自分の未来のことを計画して
今日は、ルナティアが覚醒させた「奇跡の力」や時を戻す魔法があるか調べようと考えた。
ノートを開いてペンを持つ。
まずは、「奇跡の力」から。
といっても、奇跡の力に関する情報は最小限しかなく
知っていることなら
100年に1度にそれを持った者が生まれる。
奇跡の力を持った者はこの国の次期国王の妃になることが決められている。
という情報だけ。
教会へ行けば、教えてくれるだろうが聞いた所でそう簡単に教えてくれない。
(奇跡の力に関してはこれくらいの情報しか書くことはできないわね。進展があればまたここに付け足そう。)
そう思って、奇跡の力に関することを書いたページに
何か進展があったらのために印を付けておいた。
そうして、ペンを置いたら書斎の扉がノックされた。
「入ってちょうだい。」
そう言えば、扉が開かれロロナが入ってきた。
「リリアーナ様、奥様がお呼びです。」
「お母様がなんで?」
ルナティアのことしか見てないくせに先日からといい
どうして自分の方を気にかけてくれるのか分からない。
だからなんでとしか出てこなかった。
「ドレスやらアクセサリーをブティックで見に行かないかとの事です。」
「…。」
ロロナがそう言えば呆れてため息をつきそうになった。
前世、ルナティアとしかブティックへ行ったことがないのになぜルナティアではなく自分を選ぶのか。
安易に想像できた。この前のことをまだあの人は引きずっているようだった。
自分は、もうとっくに吹っ切れているのにあの人は未だに引きずっている。仲直りをする項目でブティックへ行こうと考えたのだろう。
今までは、昨日のように簡潔的な書いた手紙を添えられたお詫びの品しか送らなかったのに。今さら何のつもりだろうか。それに、母とブティックへ行ったとしても
母の好みのフリルやリボンが沢山ついたものばかりのものを押し付けてくる。前世でもあなたに似合うものを買ってきたと言って渡されたのは自分に似合わない可愛いドレスものばかり。着れば絶望的に似合わない。
だから、母とブティックなど行っても楽しくない。
もうどうだっていい。
今世は、母の愛情に期待などしない。
そっちが先に自分を捨てたのだから。
ロロナから視線を外してノートの方に視線を向け
リリアーナは口を開く。
「私はやらなければいけないことがあるからと言って断っておいて頂戴。」
そう言えば、ロロナは何も追求したりせず
「かしこまりました。」と言って書斎から出ていった。

それからは、時を戻す魔法について調べた。
書斎には、魔導書や魔法道具などが置いてある。
高祖父が魔法書や魔法道具などを集めることが生前の趣味だったらしく書斎にはそういうものが沢山保管されているためその中から時を戻す魔法に関するヒントになる物を探した。
様々な魔導書を見つけて、時を戻す魔法に関する情報を探そうとしてもそういったものは見つからず
行き詰まる。
(やっぱり、時を戻す魔法に関する情報は
奇跡の力のようにあまりないわね。あ、でも
魔道士であるイリアス様なら知っていそうね。
今度、聞いてみよう。あ、後、例の店にも行ってみてもいいかも。)
時を戻す魔法と書いてある箇所に
今度、イリアス様に聞くことを忘れないように
ペンで丸く囲んで置いた。
(とりあえず、情報収集は終了っと。)
そうすれば、今まで感じなかった疲れが波のように押し寄せてきた。何か石のようなものを置かれたのか身体も
重く感じる。
疲れを感じていたら、クレアに報告へ行ってから以降
ほぼ付きっきりであるロロナがリリアーナに話しかける。
「色々情報収集していて、お疲れでしょう?
気分転換で外へ出てみませんか?」
「気分転換…確かにそうね。
外へ行こうかしら。」
「では、市内へいきましょう。
リリアーナ様が行きたい所へいってどうぞ構いません。
着いてきます。」
「じゃあ、早速準備しようかしら。」
「では、私もお供します。」
書斎の椅子から立ち上がり、引き出しの中に使っていたノートやペンなどを閉まっておき他の人に知られないように鍵も閉めておき書斎を後にした。
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