21 / 44
魔王の回想
しおりを挟む
現在、魔王達は砂漠の真っ只中で立ち往生していた。
「もう何回目だが分からんが何故にこうなった!!!」
「他にネタはないんですかウオマさん。語彙力が足りません」
「いや冷静に突っ込んでる所悪いけど今ちょっとガチな非常事態なんでしっかりしましょうよ!?リーナちゃんが心細そうに涙流してますよ!?」
「何ぃ!?それは一大事だ!リーナちゃん心配するな!俺達がついてる!」
「リーナさん。泣かないでください。ここはウオマさんが何とかしますので」
「そこをもうちょっと自分でなんかしようよクレイ!」
「脱線しないでくれません!?」
只今絶賛漫才中の魔王一味。
若干状況に対してそんなに慌てた素振りは見せていないが、愉快で少々というか多少、いや、かなり頭に問題がある面子だが、いつも以上に獣人の少女を可愛がっている所を見ると、やはりというか、流石の歴戦の戦士達も少々緊張していると伺える。
恒例の回想シーン、行きます!
新・魔王一行は街道に沿って移動していた。
「いやー、やっぱ平和だな!」
「そんなのウオマさんが放っている威圧の効果で近隣の魔物が全て委縮しちゃって出てこないだけでしょう」
「違いねぇ!」
「そ、そうなんですか?てっきり外の世界は血で血を洗うどす黒い穢れ荒廃しきって常に戦争をしている魔物の溢れる世界だと聞いていたのですが。。。」
「どんだけ過保護だったんだ犬人族!」
「そんだけ昔の森の外の環境が悪かったのか。。。」
「余程今の世代には辛い思いをさせずに森で幸せに暮らしていて欲しかったんですね」
「テンション違いすぎて自分が空気読めてない奴みたいな雰囲気にするのやめてくんない!?」
魔王が快晴の大空を仰ぎながら平和を噛みしめる発言をすると、クレイが至極まともな指摘を入れそれにアランが同意する。
しかしそんな平和そうな三人を見た新人リーナが今まで教えられてきた外の世界についての常識を口にし三者三様の突っ込みを入れられたじろぐ。
そして自分だけ陽気な反応をしたことに多少罪悪感を感じながら魔王が相棒二人に文句を言う。
「あの、森の外って常日頃から敵と戦って四六時中魔物を相手取って命がいつふいに消されたとしても不思議じゃない所じゃないんですか?」
生まれも育ちも故郷の森であって一度も村から出たことすらないリーナが無邪気な質問をする。
「実はな、リーナちゃん、それはあくまで二十年前一時的にそういう国際情勢の危うい時代があっただけでその戦争では人族が勝ちやがって大陸全土を統一したから平和になったんだよ。だから今の時代もうそんなものに怯えて暮らす日々はもう心配しなくてもいいんだよ。勿論、魔物は出現するが、そこまで危険はない!何せ俺らがいるからな!俺たちの倒せない相手なんていねぇ!」
「正しくはウオマさんに倒せない相手はいない、ですね。僕らはまだ未熟です。特にアランさんは」
「俺の方がお前より強いじゃんか!」
「いや、アラン。よく考えろ。クレイが強い。」
「畜生!」
魔王が少々世間知らずな箱入り娘に最近の世間常識を伝えると、最後の意見を少しばかり修正するクレイ。
そのセリフの最後の事実という名の嫌味を聞くとアランが憤慨する。
しかし、やはりアランはいじられキャラなのか、というか本当に弱いのか、魔王からのクレイへの援護射撃に悪態を吐く。
実際、アランとクレイが正面戦闘をしたとしたら、白旗を上げるのはアランとなるだろう。
何故なら、そもそもクレイがウオマについてきた理由は強くなる為である。
不死身の魔王に訓練をつけられ、更には日頃の鍛錬の褒美として短刀型の魔剣を授かった日には戦闘力が大幅に強化された。
今のクレイの単独の戦闘能力は旧魔王軍の参謀シュムトに僅かに劣る程のレベルまで達している。
自分では倒せない敵が数多くいると公言しているが、今や人類でも上位に属する強者である。
未だその力を試すに値する強敵が出現してない為無自覚だが、旅の当初とは比べ物にならない程の覇気を纏っている。
そのクレイも今は猛者であるが、アランも引けを取らない。
アランは元が既にかなり強かったので、ウオマは特に稽古をつけなかったが、もし魔王が彼も直々に鍛えたらアランも魔力保有量以外は魔王軍の幹部級の実力を身に着けるだろう。
「ま、結局は俺が最強って話で全部丸く収まるんだけどね!」
「結論が尖り切ってんだろうが!」
「否定はしません」
「う、ウオマさんはお強いんですね!」
最終的な満場一致の結論で場を結ぼうとすると、仲間三人がそれぞれの反応をする。
そしてその中でも一つ魔王的にとても気に入った意見があったのでそれに返答する。
「おう、俺は強いぞ?多分お前ら全員が思っているよりずっとな!」
「そんな方についていけて光栄です!」
「……よし!その意気気に入った!お前にも修行つけてやろう!」
そして、意図せずに犬人の少女は地獄の鍛錬への道を切り開いてしまった。
「もう何回目だが分からんが何故にこうなった!!!」
「他にネタはないんですかウオマさん。語彙力が足りません」
「いや冷静に突っ込んでる所悪いけど今ちょっとガチな非常事態なんでしっかりしましょうよ!?リーナちゃんが心細そうに涙流してますよ!?」
「何ぃ!?それは一大事だ!リーナちゃん心配するな!俺達がついてる!」
「リーナさん。泣かないでください。ここはウオマさんが何とかしますので」
「そこをもうちょっと自分でなんかしようよクレイ!」
「脱線しないでくれません!?」
只今絶賛漫才中の魔王一味。
若干状況に対してそんなに慌てた素振りは見せていないが、愉快で少々というか多少、いや、かなり頭に問題がある面子だが、いつも以上に獣人の少女を可愛がっている所を見ると、やはりというか、流石の歴戦の戦士達も少々緊張していると伺える。
恒例の回想シーン、行きます!
新・魔王一行は街道に沿って移動していた。
「いやー、やっぱ平和だな!」
「そんなのウオマさんが放っている威圧の効果で近隣の魔物が全て委縮しちゃって出てこないだけでしょう」
「違いねぇ!」
「そ、そうなんですか?てっきり外の世界は血で血を洗うどす黒い穢れ荒廃しきって常に戦争をしている魔物の溢れる世界だと聞いていたのですが。。。」
「どんだけ過保護だったんだ犬人族!」
「そんだけ昔の森の外の環境が悪かったのか。。。」
「余程今の世代には辛い思いをさせずに森で幸せに暮らしていて欲しかったんですね」
「テンション違いすぎて自分が空気読めてない奴みたいな雰囲気にするのやめてくんない!?」
魔王が快晴の大空を仰ぎながら平和を噛みしめる発言をすると、クレイが至極まともな指摘を入れそれにアランが同意する。
しかしそんな平和そうな三人を見た新人リーナが今まで教えられてきた外の世界についての常識を口にし三者三様の突っ込みを入れられたじろぐ。
そして自分だけ陽気な反応をしたことに多少罪悪感を感じながら魔王が相棒二人に文句を言う。
「あの、森の外って常日頃から敵と戦って四六時中魔物を相手取って命がいつふいに消されたとしても不思議じゃない所じゃないんですか?」
生まれも育ちも故郷の森であって一度も村から出たことすらないリーナが無邪気な質問をする。
「実はな、リーナちゃん、それはあくまで二十年前一時的にそういう国際情勢の危うい時代があっただけでその戦争では人族が勝ちやがって大陸全土を統一したから平和になったんだよ。だから今の時代もうそんなものに怯えて暮らす日々はもう心配しなくてもいいんだよ。勿論、魔物は出現するが、そこまで危険はない!何せ俺らがいるからな!俺たちの倒せない相手なんていねぇ!」
「正しくはウオマさんに倒せない相手はいない、ですね。僕らはまだ未熟です。特にアランさんは」
「俺の方がお前より強いじゃんか!」
「いや、アラン。よく考えろ。クレイが強い。」
「畜生!」
魔王が少々世間知らずな箱入り娘に最近の世間常識を伝えると、最後の意見を少しばかり修正するクレイ。
そのセリフの最後の事実という名の嫌味を聞くとアランが憤慨する。
しかし、やはりアランはいじられキャラなのか、というか本当に弱いのか、魔王からのクレイへの援護射撃に悪態を吐く。
実際、アランとクレイが正面戦闘をしたとしたら、白旗を上げるのはアランとなるだろう。
何故なら、そもそもクレイがウオマについてきた理由は強くなる為である。
不死身の魔王に訓練をつけられ、更には日頃の鍛錬の褒美として短刀型の魔剣を授かった日には戦闘力が大幅に強化された。
今のクレイの単独の戦闘能力は旧魔王軍の参謀シュムトに僅かに劣る程のレベルまで達している。
自分では倒せない敵が数多くいると公言しているが、今や人類でも上位に属する強者である。
未だその力を試すに値する強敵が出現してない為無自覚だが、旅の当初とは比べ物にならない程の覇気を纏っている。
そのクレイも今は猛者であるが、アランも引けを取らない。
アランは元が既にかなり強かったので、ウオマは特に稽古をつけなかったが、もし魔王が彼も直々に鍛えたらアランも魔力保有量以外は魔王軍の幹部級の実力を身に着けるだろう。
「ま、結局は俺が最強って話で全部丸く収まるんだけどね!」
「結論が尖り切ってんだろうが!」
「否定はしません」
「う、ウオマさんはお強いんですね!」
最終的な満場一致の結論で場を結ぼうとすると、仲間三人がそれぞれの反応をする。
そしてその中でも一つ魔王的にとても気に入った意見があったのでそれに返答する。
「おう、俺は強いぞ?多分お前ら全員が思っているよりずっとな!」
「そんな方についていけて光栄です!」
「……よし!その意気気に入った!お前にも修行つけてやろう!」
そして、意図せずに犬人の少女は地獄の鍛錬への道を切り開いてしまった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【アイテム分解】しかできないと追放された僕、実は物質の概念を書き換える最強スキルホルダーだった
黒崎隼人
ファンタジー
貴族の次男アッシュは、ゴミを素材に戻すだけのハズレスキル【アイテム分解】を授かり、家と国から追放される。しかし、そのスキルの本質は、物質や魔法、果ては世界の理すら書き換える神の力【概念再構築】だった!
辺境で出会った、心優しき元女騎士エルフや、好奇心旺盛な天才獣人少女。過去に傷を持つ彼女たちと共に、アッシュは忘れられた土地を理想の楽園へと創り変えていく。
一方、アッシュを追放した王国は謎の厄災に蝕まれ、滅亡の危機に瀕していた。彼を見捨てた幼馴染の聖女が助けを求めてきた時、アッシュが下す決断とは――。
追放から始まる、爽快な逆転建国ファンタジー、ここに開幕!
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
ギルドの片隅で飲んだくれてるおっさん冒険者
哀上
ファンタジー
チートを貰い転生した。
何も成し遂げることなく35年……
ついに前世の年齢を超えた。
※ 第5回次世代ファンタジーカップにて“超個性的キャラクター賞”を受賞。
※この小説は他サイトにも投稿しています。
生贄にされた少年。故郷を離れてゆるりと暮らす。
水定ゆう
ファンタジー
村の仕来りで生贄にされた少年、天月・オボロナ。魔物が蠢く危険な森で死を覚悟した天月は、三人の異形の者たちに命を救われる。
異形の者たちの弟子となった天月は、数年後故郷を離れ、魔物による被害と魔法の溢れる町でバイトをしながら冒険者活動を続けていた。
そこで待ち受けるのは数々の陰謀や危険な魔物たち。
生贄として魔物に捧げられた少年は、冒険者活動を続けながらゆるりと日常を満喫する!
※とりあえず、一時完結いたしました。
今後は、短編や別タイトルで続けていくと思いますが、今回はここまで。
その際は、ぜひ読んでいただけると幸いです。
『冒険者をやめて田舎で隠居します 〜気づいたら最強の村になってました〜』
チャチャ
ファンタジー
> 世界には4つの大陸がある。東に魔神族、西に人族、北に獣人とドワーフ、南にエルフと妖精族——種族ごとの国が、それぞれの文化と価値観で生きていた。
その世界で唯一のSSランク冒険者・ジーク。英雄と呼ばれ続けることに疲れた彼は、突如冒険者を引退し、田舎へと姿を消した。
「もう戦いたくない、静かに暮らしたいんだ」
そう願ったはずなのに、彼の周りにはドラゴンやフェンリル、魔神族にエルフ、ドワーフ……あらゆる種族が集まり、最強の村が出来上がっていく!?
のんびりしたいだけの元英雄の周囲が、どんどんカオスになっていく異世界ほのぼの(?)ファンタジー。
【完結】うさぎ転生 〜女子高生の私、交通事故で死んだと思ったら、気づけば現代ダンジョンの最弱モンスターに!?最強目指して生き延びる〜
旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
女子高生の篠崎カレンは、交通事故に遭って命を落とした……はずが、目覚めるとそこはモンスターあふれる現代ダンジョン。しかも身体はウサギになっていた!
HPはわずか5、攻撃力もゼロに等しい「最弱モンスター」扱いの白うさぎ。それでもスライムやコボルトにおびえながら、なんとか生き延びる日々。唯一の救いは、ダンジョン特有の“スキル”を磨けば強くなれるということ。
跳躍蹴りでスライムを倒し、小動物の悲鳴でコボルトを怯ませ、少しずつ経験値を積んでいくうちに、カレンは手応えを感じ始める。
「このままじゃ終わらない。私、もっと強くなっていつか……」
最弱からの“首刈りウサギ”進化を目指して、ウサギの身体で奮闘するカレン。彼女はこの危険だらけのダンジョンで、生き延びるだけでなく“人間へ戻る術(すべ)”を探し当てられるのか? それとも新たなモンスターとしての道を歩むのか?最弱うさぎの成り上がりサバイバルが、いま幕を開ける!
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる