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夢にまで願った異世界召喚
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夢にまで願った異世界召喚
僕は所謂中学生、それを体現したような容姿で成績も運動も平均、そしてクラスの男子の中心グループの隅っこに位置する凡庸な生徒だ。
基本的に陽気に振る舞い、周りの人達に合わせて行動をする。
そんなつまんない人間だ。
今日も僕は朝起きる時、目覚まし時計がけたたましく僕の脳を振るい立てようとする騒音を起きなくてはならない義務感とまだまどろみに浸かっていたいという欲望の間に揺れながら止めた。
そこから顔を洗い、朝ご飯を食べたりとルーティーンをこなしていき、「行ってきます」と言い残して家を出る。
そこから独りで登校し、教室に辿り着いたら自分の席について読書。
友達が来たら合流して適当に雑談する。
呆れる程つまらない平凡な毎日を繰り返しているだけだが、僕の一日の最も楽しみな時間は学校なんかじゃない。
僕はなるべく早く帰る為だけに帰宅部に属していて、その利点をフル活用して毎日速攻で帰る。
そしてネットでラノベを漁る。
好きなのを見つけたらそれを最新話まで読み倒す。
殆どの人にダメなやつだと思われるが、僕はそれに生き甲斐を感じる。
それに一応将来的な仕事などにももう目星をつけてるし、流石にこのまま大人になってヒキニートっていう事にはならないように手は打ってる。
そうやってほぼ堕落的な生活を送っていく中、ある日異変が起きた。
今日も僕はいつも通り登校しようと駅まで来ていた。
そして僕はスマホを使い改札口を通り、電車のホームに移動していつもの電車に乗った。
そして中に入って手すりを掴んだ直後、それは起きた。
突然僕の頭上から謎の青紫の光がオーロラのように降りてきたかと思ったら僕は世界からまるでそこには何もなかったかのように消えた。
そして次の瞬間、僕はどこかの部屋にいた。
勿論この時の僕はスマホでラノベを読んでおり、周りの異変に何ら気づいていなかった。
「...様?」
なんか電車の中で話している人がいるな。
珍しい。
でも僕は今非常に忙しいのだ。
今主人公が魔王との最終決戦をしている!
たかが話し声に僕の読書を邪魔されるわけにはいかない!
「...者様?」
なんかこっちに話しかけてきている気がしないでもないが、取り敢えず無視。
悪いが今いい所なのだ!
魔王が最期の悪足掻きに勇者に呪いをかけようとしている!
勇者はどうやって止めるつもりだ!?
「勇者様!!!いい加減答えたらどうなんですか!?」
と唐突に聞き覚えのない叫び声が僕の鼓膜を爆撃した。
急に知らない人の耳に核をブチ込むとは、こいつマナーがなってないな!
「ちょっと、何で僕の至福の一時を邪魔するんです...」
そこには西洋風の造りの円形の巨大な部屋を背景に金髪紫眼の美女が静謐な神秘さを携えて佇んでいた。
まるで世界は全て彼女の美しさを引き出す為の道具に過ぎず、この世のが彼女を祝福するような美貌だった。
僕がそんな彼女に見惚れていると美女は突然こう言った。
「勇者様、突然の召喚、心よりお詫びいたします。この度は貴方様にこの世界を救って貰う為に急遽来訪して頂きました。私、エリーナ・クリスティナイト、クリスティナイト王国第一王女が父、現国王陛下クリストファー・クリスティナイトが謁見を求めている為、是非ついてきて頂きたく。」
僕は感動していた。
なんと、夢にまで見た念願の異世界召喚が今、自分の前で起こっているのだ!
この状況にそんな事ほざいているのはよっぽど重症なんだろうと思われるだろう。
でもそんな事一切気にしない!
僕は今異世界にいるんだ!
周りに法衣を着た老人達が杖を持って青い輝きを生み出して魔法を行使している!
まさしく異世界!
僕は感極まって号泣しそうになったが、文字通り必死に堪える。
こんな所で泣き出したりなんかしたらそれこそ「勇者」の面目丸潰れだ。
取り敢えずこのお姫様らしい人をついていく。
通っていく廊下は豪華な紅い絨毯のような物が壁に掛けてあり、それを金色の縁がなんとも鮮やかに彩っていた。
途中にある彫刻等はローマとかで見れそうな白い物ばかりで目が離せないような素人でも分かる技術の結晶だった。
しかもその廊下をリアルお姫様が歩いている!
映える!
マジ異世界かよ!
いやそういえばそうだった!
そうやって歩いて少しすると、正に玉座の間とも言うべき部屋に辿り着いた。
天井はウチの学校の高さでもあるのかというぐらい高かった。
ぶっちゃけ心の中で「これ二階を作った方がよっぽど空間の有効活用できんじゃね?」と思ったのは口には出さない。
そして王の鎮座する玉座まで行くと王女様が跪く。
慌てて習うと王様から声がかかる。
「よい。楽にせよ。余は現クリスティナイト王国国王クリストファー・クリスティナイトじゃ。其方が先程召喚されし勇者じゃな?名はなんという?」
「僕は田中太郎と申します。謁見に預かり光栄です。所で話完全に切っちゃって申し訳ないんですけど、この世界って魔法があったりモンスターがいたりするんですか!?」
先ずは召喚の定番!世界が間違ってたらほぼ終わり!これでもし銃火器とかの紛争世界だったら詰む!
「ほう、もう使命に燃えてきたか。其方が心配せずともこの世界はお主の期待通りのファンタジー世界じゃ。魔法が使えるかどうかはお前の素質によるがね。早速鑑定してもらうか?」
「はい!よろしくお願いします!」
最高のシナリオのラノベ世界だやったぜ!
しかもなんと!もうチートが貰えるとは!これはいける!
そして鑑定士なる者が僕に魔法をかける。
なんか変な感じだけど結果の方が大事だ!
さあ!早く!結果は如何に!
「ええー端的に言うと平凡ですね。職業も町人です。ステータスは全てこの世界の住民の平均よりやや低めです。ハズレですね。」
。。。
今何て?超チートスペックじゃないですと?ザ・平・凡ですと?
王様が顔を顰める。
「そうか。なら送り返せ。仮召喚なのだろう?」
「承知しました。直ちに送還魔法を行使します。」
王と鑑定士がサラサラと送還を告げる。
そして次の瞬間、僕の足元に魔法陣が現れ、世界が暗転したかと思ったら、僕は電車の手すりに掴まったまま呆然としていた。
僕の平凡な一日は始まったばかり。
僕は所謂中学生、それを体現したような容姿で成績も運動も平均、そしてクラスの男子の中心グループの隅っこに位置する凡庸な生徒だ。
基本的に陽気に振る舞い、周りの人達に合わせて行動をする。
そんなつまんない人間だ。
今日も僕は朝起きる時、目覚まし時計がけたたましく僕の脳を振るい立てようとする騒音を起きなくてはならない義務感とまだまどろみに浸かっていたいという欲望の間に揺れながら止めた。
そこから顔を洗い、朝ご飯を食べたりとルーティーンをこなしていき、「行ってきます」と言い残して家を出る。
そこから独りで登校し、教室に辿り着いたら自分の席について読書。
友達が来たら合流して適当に雑談する。
呆れる程つまらない平凡な毎日を繰り返しているだけだが、僕の一日の最も楽しみな時間は学校なんかじゃない。
僕はなるべく早く帰る為だけに帰宅部に属していて、その利点をフル活用して毎日速攻で帰る。
そしてネットでラノベを漁る。
好きなのを見つけたらそれを最新話まで読み倒す。
殆どの人にダメなやつだと思われるが、僕はそれに生き甲斐を感じる。
それに一応将来的な仕事などにももう目星をつけてるし、流石にこのまま大人になってヒキニートっていう事にはならないように手は打ってる。
そうやってほぼ堕落的な生活を送っていく中、ある日異変が起きた。
今日も僕はいつも通り登校しようと駅まで来ていた。
そして僕はスマホを使い改札口を通り、電車のホームに移動していつもの電車に乗った。
そして中に入って手すりを掴んだ直後、それは起きた。
突然僕の頭上から謎の青紫の光がオーロラのように降りてきたかと思ったら僕は世界からまるでそこには何もなかったかのように消えた。
そして次の瞬間、僕はどこかの部屋にいた。
勿論この時の僕はスマホでラノベを読んでおり、周りの異変に何ら気づいていなかった。
「...様?」
なんか電車の中で話している人がいるな。
珍しい。
でも僕は今非常に忙しいのだ。
今主人公が魔王との最終決戦をしている!
たかが話し声に僕の読書を邪魔されるわけにはいかない!
「...者様?」
なんかこっちに話しかけてきている気がしないでもないが、取り敢えず無視。
悪いが今いい所なのだ!
魔王が最期の悪足掻きに勇者に呪いをかけようとしている!
勇者はどうやって止めるつもりだ!?
「勇者様!!!いい加減答えたらどうなんですか!?」
と唐突に聞き覚えのない叫び声が僕の鼓膜を爆撃した。
急に知らない人の耳に核をブチ込むとは、こいつマナーがなってないな!
「ちょっと、何で僕の至福の一時を邪魔するんです...」
そこには西洋風の造りの円形の巨大な部屋を背景に金髪紫眼の美女が静謐な神秘さを携えて佇んでいた。
まるで世界は全て彼女の美しさを引き出す為の道具に過ぎず、この世のが彼女を祝福するような美貌だった。
僕がそんな彼女に見惚れていると美女は突然こう言った。
「勇者様、突然の召喚、心よりお詫びいたします。この度は貴方様にこの世界を救って貰う為に急遽来訪して頂きました。私、エリーナ・クリスティナイト、クリスティナイト王国第一王女が父、現国王陛下クリストファー・クリスティナイトが謁見を求めている為、是非ついてきて頂きたく。」
僕は感動していた。
なんと、夢にまで見た念願の異世界召喚が今、自分の前で起こっているのだ!
この状況にそんな事ほざいているのはよっぽど重症なんだろうと思われるだろう。
でもそんな事一切気にしない!
僕は今異世界にいるんだ!
周りに法衣を着た老人達が杖を持って青い輝きを生み出して魔法を行使している!
まさしく異世界!
僕は感極まって号泣しそうになったが、文字通り必死に堪える。
こんな所で泣き出したりなんかしたらそれこそ「勇者」の面目丸潰れだ。
取り敢えずこのお姫様らしい人をついていく。
通っていく廊下は豪華な紅い絨毯のような物が壁に掛けてあり、それを金色の縁がなんとも鮮やかに彩っていた。
途中にある彫刻等はローマとかで見れそうな白い物ばかりで目が離せないような素人でも分かる技術の結晶だった。
しかもその廊下をリアルお姫様が歩いている!
映える!
マジ異世界かよ!
いやそういえばそうだった!
そうやって歩いて少しすると、正に玉座の間とも言うべき部屋に辿り着いた。
天井はウチの学校の高さでもあるのかというぐらい高かった。
ぶっちゃけ心の中で「これ二階を作った方がよっぽど空間の有効活用できんじゃね?」と思ったのは口には出さない。
そして王の鎮座する玉座まで行くと王女様が跪く。
慌てて習うと王様から声がかかる。
「よい。楽にせよ。余は現クリスティナイト王国国王クリストファー・クリスティナイトじゃ。其方が先程召喚されし勇者じゃな?名はなんという?」
「僕は田中太郎と申します。謁見に預かり光栄です。所で話完全に切っちゃって申し訳ないんですけど、この世界って魔法があったりモンスターがいたりするんですか!?」
先ずは召喚の定番!世界が間違ってたらほぼ終わり!これでもし銃火器とかの紛争世界だったら詰む!
「ほう、もう使命に燃えてきたか。其方が心配せずともこの世界はお主の期待通りのファンタジー世界じゃ。魔法が使えるかどうかはお前の素質によるがね。早速鑑定してもらうか?」
「はい!よろしくお願いします!」
最高のシナリオのラノベ世界だやったぜ!
しかもなんと!もうチートが貰えるとは!これはいける!
そして鑑定士なる者が僕に魔法をかける。
なんか変な感じだけど結果の方が大事だ!
さあ!早く!結果は如何に!
「ええー端的に言うと平凡ですね。職業も町人です。ステータスは全てこの世界の住民の平均よりやや低めです。ハズレですね。」
。。。
今何て?超チートスペックじゃないですと?ザ・平・凡ですと?
王様が顔を顰める。
「そうか。なら送り返せ。仮召喚なのだろう?」
「承知しました。直ちに送還魔法を行使します。」
王と鑑定士がサラサラと送還を告げる。
そして次の瞬間、僕の足元に魔法陣が現れ、世界が暗転したかと思ったら、僕は電車の手すりに掴まったまま呆然としていた。
僕の平凡な一日は始まったばかり。
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