眠れる森のホムンクルス

鼻眼鏡26号

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序章

眠れる森のホムンクルス 1話

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 かつてこの地には魔王が存在しました。
 その魔王は人々を蹂躙し人間を滅ぼそうとしていました。
 しかし、その魔王を倒すべく8人の異世界人が現れました。
 8人の異世界人は魔王の配下を倒し人々を救います。
 ついに迎えた魔王との最終決戦。
 恐ろしく強い魔王と戦う異世界人達は苦しみながらも魔王を封印する事に成功しました。

 しかし、ここで転生者である錬金術師は魔王を復活させるために裏切ったです。
 幸い他の転生者達が見事、錬金術師を打ち倒しましたが、その弟子が逃げてしまいました。

 異世界人達は逃げた1人がまたいつ来るかわからない為、私達は生き続けねばならないそう言って彼ら7人は7つの国を作った。それぞれ7人の異世界人が王として君臨する国それがーーー

 引用:私たちの国の歴史(絵本)





 1000年後


 小さな村の冒険者案内所(通称ギルド)
 異世界人である7人の王が創設した冒険者制度によりこの星の開拓が進み現在では村を作る上で一つはギルドを作るという義務が課せられ建設費用などは1回目は国から支給されるが維持費に関してはその村負担になる。
 その他細かいことはあるが詳細は省く。

 ギルドには、実力主義の人間が多く在籍し見た目おそろしい連中などが溜まり場としてなっている。
 賑やかなギルド内、昼間っから酒盛りなどで年中馬鹿騒ぎしている。そんな中ギルドの扉が音を上げて開いた。

 馬鹿騒ぎも一瞬にして冷めて全員がその音の鳴る扉を見る。
 扉から入る日の光で人の形で4人映し出された。
 1番前に居る男は新品であろうゴツい鎧に背中にある自身の身長ほどある大剣。
 そして、女性が二度見するであろうイケメン顔に綺麗な金髪だった。

「臭いな、ここは」

 その後ろの2人は女性で1人は格闘家で体の凹凸がしっかり現れ腹を出すその腹筋には男顔負けの筋肉がそこにあった。可愛らしい顔に後ろで束ねた髪が揺れる。
 明らかに顔とのバランスが取れていないように見えた。
 もう1人は体の凹凸は服によって隠されていてわからないが綺麗な碧眼に絡まるはずがない程の流れるような綺麗な金髪。

「第一印象悪すぎ」

「信用を失いますよ」

 そして、この3人よりも資産を集めているのは1番後ろの3人と比べてかなり幼く頭ひとつ分小さく、それでいて背負うリュックは明らかに積載量を超えてはちきれんばかりであるがそれを持ち上げていた。
 顔は魔法使いのとんがり帽子で隠れていて服も大きな服に腕を通しているだけで謎に包まれた体をしていた。

 そして何よりバックが大きすぎて扉を通り抜けられていなかった。

「と…通れない。」

 奇妙なパーティメンバーにギルド内は緊張感が高まる。
 冒険者達は、職業柄相手の力量をある程度感じ取ることができる。そして魔法使いの格好をした男以外は強大な魔力を放つ。ここにいる冒険者全員で襲いかかっても傷一つつかないだろう。その威圧に誰も動けなかった
 1番前の男は通り抜けられない男を無視し依頼案内所のカウンターまで歩く。
 ちなみに魔法使いの格好をした男はまだ通り抜けられない。

「黒竜の依頼を受けたい。」

 ガタッ

 その言葉にギルド内は大いに揺れた。

「え?…ええっと、黒竜ですか。」

 受付嬢もその言葉に動揺して並べてあった依頼書をばら撒いた。
 ちなみに魔法使いの格好をした男はまだ通り抜けられない。

「…おい小僧。…そりゃあ何の冗談だ?その名を知ってるって事は奴さんがどんなかぁ理解してんのかい?」

 ギルドの奥に座っていた隻腕で片目に引っ掻き傷のある老人が発する。周りもその老人を見るが事情を知っている為声を上げずにいた。

「無論だ。」

 男は一言だけ返す。その声には動揺がなく理解しているのだと取れるのだが周りはそれが1番理解できなかった。
 老人は無くした方の肩を触り男に視線を向ける。
 ちなみに魔法使いの格好をした男は通るのを諦めバックを見ながら考える。

「あれは化け物なんて次元じゃねぇ。俺らの理解を超える”何か”だ。この無くした腕を見ろ。」

 老人はマントで隠していた肩を見せる。
 そこには黒く焦げ無くした腕は溶けたのだと分かる傷跡であった。

「俺は当時まぁまぁ有名な冒険者でな、奴さんに挑むと息巻いて他のパーティと組んで100人で挑んだが生き残ったのは片手で数えるほど。殆どが死体すら残さず消えちまった。俺もこのざまだからな。」

「そうか」

 老人の話を聞くも態度を変えない男は、自身の首にかけたネックレスを取る。

 ビュッ

 突風が通り過ぎるように聞こえる音がギルド内に響いた。

「俺が奴の歴史に終止符を打つ。」

 ギルドのカウンターには男が投げたタグがありそれは銀色に輝いていた。
 それを見た受付嬢は目が飛び出るほど見開き慌てる。

「銀のタグ…S級冒険者それも三つ星!?」

 その受付嬢の言葉にまたギルド内がざわつく。
 ちなみに魔法使いの格好をした男はバックを諦め扉の邪魔なので外に置いておく事にした。

「さっさと依頼書を渡してくれ。」

 受付嬢はタグを見て理解したのか鍵を取り出し金庫から取り出し渡す。
 男はその紙を受け取り踵を返し外へ出る。

 一緒に来ていた女武道家と聖職者は出て行かずギルドに残って席についていた。そして女武道家から音が鳴り胸の谷間から薄い板を取り出した目を通す。
 胸から取り出す瞬間ギルドの男性陣が一斉に凝視していた。

「今日一日自由行動だって。」

「では、ここらでお昼にしましょうか。」

「そうね、おーい荷物持ち君!!お昼食べましょ~。」

 静まりかえっていたギルド内は少しずつざわざわと明るさが戻ってきた。

「いい匂いだな」

 魔法使いの格好をした男が席につきメニュー表を開いた。
 そして、即決でカウンターに向かい言い放つ。

「チャレンジメニューを一つ。」

 ガタッ

 その言葉にギルドは再度大いに揺れた。

「え?…ええっとチャレンジメニューですか。」

 ウェイターはその言葉に動揺し注文書を地面にばら撒いた。

「…おい少年、それは何の冗談だ?その名を知ってるって事は、それがどんなものか理解しているというのか?」

 ギルドの奥から歩いてきたピザを片手に話しかけてくる巨漢の男。周りもその巨漢の男を見るが事情を知っている為、誰も声を上げなかった。

「無論だ」

 男は一言だけ返す。その声には動揺がなく理解しているのだと取れるのだが周りはそれが1番理解できなかった。
 巨漢の男は自身の腹をを触り男に視線を向ける。

「あれは化け物なんて次元じゃねぇ。俺らの理解を超える”何か”だ。この丸くなった腹を見ろ。」

 巨漢の男は対して隠れていなかった腹を見せる。
 そこには丸く丸く丸くその言葉でしか表せないほどの腹であった。

「俺は当時まぁまぁ有名なフードファイターでな、各地の料亭を荒らし回り出禁になるのはしょっちゅう、ブラックリストなど必要なしなほどに顔が知れ渡っていた。そんな俺が挑んだギルド内チャレンジメニューに俺は完全敗北。敗北という烙印にこの腹を与えられた。」

「「「腹は最初からだろーが!」」」

「そうか」

 巨漢の男の話を聞いて尚落ち着いている男は、自身の首にかけたネックレスを取る。そして机に置いた。

 ビュッ

 突風が通り過ぎるように聞こえる音がギルド内に響いた。

「僕が奴の歴史に終止符を打つ。」

 ウェイターに男はメダルを投げ渡す。

「こ…これは!…あっお金か。」

 チャレンジメニューの挑戦料であった。
 ちなみにチャレンジメニューは失敗すればさらに倍額払うペナルティで、完食すれば特に景品もなくただ名誉を獲得するだけだった。
 そのため挑戦が馬鹿らしいためやる人間はあまりいないのだ。

「失敗すればあの額に飾ってある無様な写真を飾ることになるから気をつけろよ。」

 巨漢の男が指差す先に飾られた額には
 ・大皿の山盛りの料理に頭を突っ込んでる巨漢の男
 ・大皿の山盛りの料理に頭を抱える巨漢の男
 ・大皿の山盛りの料理にあさっての方向に向いて現実逃避している巨漢の男
 ・大皿の山盛りの料理を食わずにジョッキの水をめちゃくちゃ飲んでる巨漢の男

「「全部アンタじゃない。」」

「しかも、最後は食べてすら無くなってるな。」

そうこう話していると厨房から

「チャレンジメニューが通りますが重いのでみなさん手伝ってくださーい!」

「「「はーい」」」

「顔怖いくせにみんないい子か。」

人は見かけによらずみんないい子だった。

「はい、チャレンジメニュー、一点お待ち。」

 そうこうしているとついにそいつが姿を現した。
 まず初めにそれを見た瞬間に山を思い浮かべた。それも並の山ではなかった。
 銀色の大皿にこれでもかと大量に乗せられた焼き肉にハンバーグが3段重なりしっかりと旗が立っていた。
 周りにはソーセージも添えられて焼き肉の上にはステーキがもたれかかっていた。
 これでもかという肉のオンパレードで支えている内側を覗くと白米が10合をそのままひっくり返したであろうその姿が見えた。
 チャレンジメニューが登場した瞬間にその場の空気が張り詰めてシリアスモードになった。

「こっ…こんなのどうやって攻略なんて。」

「恐ろしい。なんて禍々しいオーラ…ここにいるだけで吐き気が…」

「フッ…相手にとって不足はない。受けてたとう。」

 魔法使いの格好をした男は、スプーンを片手に食べ始める。

「ハフっ…ハフッ…あつッ」

「「「意外と遅い!」」」

「しかも猫舌」

 周りも落ちないペースに盛り上がり全員の視線を奪う。
 ハンバーグ3段重ねを食べ切ったあたりでは周りは大盛り上がりで大声で歓声を上げる。

「まぁまぁな難敵だったな。」

 スプーンを投げ皿に収まる。
 それと同時に周りから歓声が上がりもうお祭り騒ぎだった。

「いや~開店以来初めての挑戦成功だよ~料理人としては嬉しい限りだね」

「美味しかったですよ店長。」

 魔法使いの格好をした男と店長は友情が芽生えていた。
 しかし、その2人の前を通り過ぎる一台のワゴンがその場の空気を変えた。
 一同はその気配に鳥肌が立ちその元凶に目を向けた。

「お待たせしました。究極の極みなスイーツタワー改mark2パート1です。」

 名前に色々言いたかったがそんなことよりも圧倒的なこの大きさに一同が驚く。先程のチャレンジメニューなど比にならないほど大きかった。そしてそれは2つ運ばれていた。
 それに挑もうとしているのは

「あら?メニューに写ってるやつより少し小さいわね。」

「まぁ、作ってからお時間も経ちますから多少の……本当に小さいですね。」

 そいつを小さいと言い放つ女性2人組、パーティ仲間である聖女と格闘家であった。
 その後2人はそんなに時間をかけずに食べきり更にその後、普通に料理を注文し普通に食事を楽しんだ。
 魔法使いの格好をした男はその夜泣いた。
 必死こいて食べたのに敗北を覚えて。
 ちなみにその2人は隣の部屋で夜の大運動会を開いていた。
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