眠れる森のホムンクルス

鼻眼鏡26号

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グルス王国編

グルス王国7

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 扉を開けたその先については語りたくない。

 そうして地下道を歩く足取りは重くすごくゆっくりだった。

「少し誤算だった…まさかあんなに魔力を溜め込んでいたとは」

「…………」

「計画を前倒しする必要があるな…欠乏症のこいつには悪いが明日には決行するか」

「…………」

 ユイトはバルザックを背負いながらも考えホムはその後ろをついて行くだけで一言も話そうとはしなかった。

 まぁ、あんなものを見てしまってはこうなるのも十分理解できる。
 だからと言ってこのままでは計画に支障が出る。

「出たら何か飯食うか?」

「……あれ見た後は食欲湧かない」

「…そっか」

そりゃあ、あれ見た後は食欲湧かないか。

「ねぇユイト」

「どした」

「人ってどこまで堕ちることができるのかな?」

ホムの問いは今の段階で人について考えているのだろう。
人によって作られた彼女は人について考えて自分がどうあるべきか考えるのは自然だろう。
だが、知れば知るほどいい部分より悪い部分の方がよく見えてしまうのだろう。

「考えられる残虐な手段は一通り全部可能だろう…人はほっとけば簡単に何かの為にってことでどこまでも堕ちることは出来る。」

「………人ってすごいね」

「ああ、もはやそういう生き物なんだって納得しちまってる…平和が続いていればそれに飽きて刺激を求めて、それでいて自分が安全な場所だったら心無い事を平気で言える…堕ちる底は果てしない」

「果てしない」

「だから僕はそれをなんとかする為に魔王を復活させて一度滅ぼしてまた作り直してもらう……それが僕の目的だ」

もはや僕は人に絶望していた、1000年もの間異世界を旅したが1つとして同族を殺さない世界は無かったのだ。
異世界が無限にある中ほんの一部にも満たないものしか見ていないが俺が人へ諦めるには十分過ぎたのだ。

「どうだ?少しは役に立ったか?」

「少しだけ…でも、1000年生きてるからもっと確信ついたような話聞きたかった」

「ハハハ…無理無理…1000年経とうがこんな一般論しか考えつかない時点で俺の中で完結してるしそれ以上のことは考えられないんだよ」

笑い声がトンネルの中で響き渡り2人は歩き続ける。
2人の視線の先には外の光が見えた。

「でもさ…そんなんでもホムはしっかりと考え続けろよ。まだ決めつけるには早いと思うぜ」

「………」

ユイトのその言葉には重みがあったように感じた。

ようやく臭い地下下水道の出口に辿り着き外の夕焼けを体に浴びていた瞬間に

「止まれっ!!」

出た瞬間に発せられる声に目を向ける。
そこにはたくさんの鎧を着込んだ騎士が立ち塞がっていた。
騎士団はすでに剣を抜いており少なくとも臨戦態勢にはすでに入っていた。
こちらが下手な動きをした瞬間にはすぐに突入する気だろう。

「貴様らには国王城への侵入さらには機密保持、窃盗の容疑がかけられている!大人しく投降しろ!」

1番前の騎士が令状のような紙をこちらに掲げて声を高々に宣言する。
そんな状況にユイトはゆっくりとホムに話しかける。

「あれはこの国の騎士団でエリート集団だ。選ばれるには実力主義だからなんらかの結果を出すのと国に忠誠を誓えばなれる。この国のG級ハンターだ。」

「確か…めちゃくちゃ強いんだっけ?」

「ああ…それぞれがなんらかの達人だ。まぁ僕の敵じゃないけどな…僕らを狙うのも証拠を隠蔽とかだろうね」

「ふーん…あと、ムッかつく顔ね。」

「顔は関係ないと思うぞ。」

敵を前にしていつもと変わらないユイトら一行は相手を無視しまくる。
その姿にワナワナと震える騎士団。

「んじゃ…とりあえずバルザックをよろしくね」

「おっとと…」

ユイトは担いでいたバルザックをホムに投げ渡しゆっくりと騎士団に向かい歩き出す。

「全員殺すの?」

「おう、追ってこられても迷惑だからな…邪魔なやつは消すに限る」

「それが出来るのってやっぱり諦めてるから?」

「そうだね」

軽く言葉を交わしてユイトは騎士団の前に辿り着く。
下卑た顔で笑う顔が並び

「投降か?潔いな…こっちとしては抵抗するなり逃げるなりを期待していたんだかな」

「まぁどれを選ぶにしろ話を聞いて一族全てを根切りは変わらないけどな!!」

「「「ハハハッ!」」」

「そういう訳だからおまーーーえ」

その言葉が続くことはなくその頭が空を飛び回転しながら地面に落ちた。

「よし…次」

「か…かかれ!!」

首を切られて呆気に取られるわけではなくすぐに切り替えるあたりその実力が伺える。
しかし、その相手は魔力なしの剣技で首を飛ばした事実にはまだ気づいていなかった。

「元素精製”赤”
 元素精製”青”」

ユイトは両の掌に赤と青の陣を精製し騎士団の1人に叩きつける。

「へ……う…うわぁぁぁぁぁ!!」

叩きつけられた騎士団の男は、口や眼球などから煙を噴いて一瞬にして体が萎れてその場に倒れた。

「うん、これなら通じるな」

ユイトはどこから取り出したかわからないノートを取り出してメモを取っていた。

「元素精製”黄”
 元素精製”赤”」

今度は黄色と赤の陣でこれまた騎士団の1人に叩きつけると

「がッ……がががががぁぁぁ!」

男は震えながら身動きが取れず震えたその先は肌が焼けて焼き尽くし真っ黒に焦げていた。

「これもよし…あとは面倒だからまとめていくか。」

ノートに記入を終えると

「元素精製”赤”
 元素精製”青”」

指の先それぞれの手に赤と青の陣を作り出し天に向けて打ち上げた。
打ち上げた赤と青が衝突すると大量の水蒸気が放出されて辺りが少し暗くなるほどの雲が出来上がった。

「元素精製”黄”」

再び両手に黄色の陣を作り出すとユイトは残りの騎士団に接近し拳を叩きつけた。
騎士団全員につけた黄色の陣は騎士団の体を硬直させた。

「元素精製”黄”」

全員に叩きつけた後に次は上空の雲に向かって手を銃の形にして向ける。

「ホム!頭抱えてしゃがめ!」

「うえ!?…う…うん!」

そう言って頭に担いでいたバルザックを覆い地面にしゃがんだ。
幸いホムは地面に肌をつけなかった。

「降り注げ雷よ!」

発射された黄色の陣は雲に向かって飛んで行き雲にぶつかった瞬間に雷は一発づつ騎士団全員に当たっていった。

「ひぃぃぃぃぃ!!」

「ま…待ってくれ!俺にも家族がーーー」

「嫌だ!死にたくーー」

1人また1人と悲鳴を上げながら落雷にあたり体を焦がす、それを見た他の連中は命乞いを始めるが身体が動かないまま落雷に合う。

「まぁ、僕はお前らに復讐したいってわけじゃないし特に関係ないんだけど…お前らが殺したやつもそんな風に命乞いしてだんじゃ無いか?…まぁ、今回は運が悪かったってことで。」

「…!?…い…いやだぁぁぁぁ!」

真上を向いて光り続ける空に怯え一瞬にして落ちる雷に打たれて体を焼かれる。

「終わったね。さてと…元素精製”緑”」

ユイトは再度天に緑の陣を打ち上げてそれが雲に当たった瞬間に雲が吹き飛んで青空が現れた。

「よし…ホムもういいぞーーって何してんの?」

「おへそとられないために隠してた。」

ホムはバルザックを傘がわりに頭に乗せながら両手で自身のヘソを隠し覆っていた。

「どこで聞いた話よそれ。」

「なんか雷見たら体が勝手に。」

「そうか、記憶を失う前は雷が苦手だったんだね。」

「そうっぽい。」

そうして2人はバルザックを抱えながらも国を出る事とした。
その姿を追う影も居ながら。




国から離れ近場の森。

この場所は魔物は出ないが猛獣が出るだけの比較的安全な場所だった。

「………ハッ!ここは…」

硬い地面から体を起こすバルザックは、地震が最後に見た景色との違いに驚いた。

「あ…起きた。…随分と長く寝るもんなんだね魔力欠乏症って」

「個人差はかなりあるはずだ。…体力の差に魔力保有量、吸収量と人によって変わるはずだ。」

「へぇーそうなんだ。」

声の元を見るとユイトとホムは火を囲むように座っていた。
ホムは手にマグカップを持ちユイトはカップに入った麺を啜っていた。

「飲むか?」

ユイトが簡易机の上に置いていたカップを持ちバルザックに差し出す。
湯気を見る限り淹れたてだと分かる。

「ああ、頂こう……俺はどうなってたんだ?」

「王様に魔力吸われて気絶だよ…ここは国から1番近くの森だよ、絶賛身を隠してるところ。」

「魔力を吸われる…噂に聞いてはいたがそんな出鱈目な力があるなんてな。」

カップの飲み物を啜りながら一息をつく。

「7人の王達は女神からの祝福として魔力とは違い神聖力ってのを媒体に力を使う。」

「神聖力?」

「ああ…具体的な差は知らないが神聖力の源は魔力で、周囲にある魔力を無作為に吸収してそれを変換して神聖力を貯める。」

「魔力といえば…自然にもこの空気中にもあらゆるところに宿っている…ってことは王達は無限の魔力を持っているに等しいわけか…勝てなくね?」

普通に考えて勝てるわけがない。
この世界の住人達は魔力が主体でありそれによってランクがあるくらいたので重きの置き方が違うのである。

「その辺は大丈夫だよ。僕は魔力が無いし…ホムに至っては使ってるから吸収されない」

「「え?」」

ユイトが流すように話をした中に普通に言った重要事項に2人は声を揃え目を点にした。

「え?初耳なんだけど。」

「言ってないし確証無かったから教えて無かったけど、この前の騒動で確信したから今伝えた。」

「えぇぇ…報連相は大事でしょ。」

「逆にあの状況下で気づかない方もどうかと思うぞ。」

ホムは理解してないだろうが、王のいる場所まで近づいたにもかかわらず何ともなっていないのだ。

「気持ち悪いからそれで魔力取られてると思ったんだけど。」

「それは単にあの光景が受け入れられなかっただけだろ?」

「言われてみれば…」

「そんなわけで…僕らは大丈夫なんだよ。」

そう言ってユイトはカップ麺を啜る。

「そんなわけで…バルザック…あんたはどうする?大臣と騎士団長を政治的に陥れることになってるけど、僕らがやろうとしてることはその後に政治もクソも無いけど。」

「俺は……」

「まぁ、決行は明日だし急ぐ必要もあるがとりあえず飯食おうぜ。」

そう言って焚き火で焼いていた骨付き肉を2人に差し出す。
そうして、それぞれが飯を食べひと段落しユイトは酒を取り出した。

「酒でも飲んだら口が軽くなるからな。本音で話すにはいい機会だろ。」

「俺も結構飲む方だがその酒は見たことないぞ。」

「そりゃあ1000年前の酒だからな…安心しろいろんな方法で保存したから味は熟成されてるはず……」

「へへっ怖いもの見たさだが酒好きとしては飲まずにはいられないな。」

おおよそ危険かわからない酒をユイトとバルザックはコップに注ぎ用意する。

「あれ?私の分は?」

「いや、生まれて一年経ってない奴にあげられるかよ」

「どう見ても身体的に成人してるでしょ!」

「いや、その体も細胞組織的に調べたけど16やそこらだったぞ。」

「ええ~!!飲みたい飲みたい!!」

ホムは飲めない為駄々をこね始め地面に転がる。

「ほら、服が汚れるだろ。…こっちの酒もどきのジュースやるから。」

「うわっ!ありがとう!!」

「やっぱ子供じゃねぇか。」

差し出されたジュースに飛びついて飲み始めるホムにバルザックは冷静にツッコミを入れる。

「んじゃ…明日のために」

「「「乾杯!」」」

3人は自分のコップを高々に上げてグラスを鳴らす。
そのままぐいっと3人はコップを傾けてその器を空にする。

「くぅ~…うまい!決して強くない上に飲みやすい。」

「すっごいパチパチする~」

「おきにめしてなによりだ~~」

それぞれ反応する中明らかに1人だけ様子が違った。

「こいつ!たった一杯で顔真っ赤だ!」

「すっごい弱い!」

「ははは…なにいってんだよ~……ねる。」

ドサッ

ユイトはそう言って真後ろに倒れてそのまま目を閉じた。

「自由だなコイツ。」

呆れて一息ついたモゾっとユイトが動き

「…さけは…きゃくじんといっしょにのめよ~」

「「……ハァ?………っ!!」」

ユイトの一声に2人はすぐさま構える。
警戒を怠った訳ではないが気が緩んでいつのまにかこの場所が囲まれといるということに気づけなかった。

「……随分と腕が落ちましたねバルザック元隊長。」

「お前ら…」

茂みから次々と出てくる騎士団よりもかなりの軽装の男たちだった。

「昼間の騒ぎ見て隊長が居ましたので尾けさせてもらいました。まぁ…その人にはバレていてあえて見逃されてたみたいですが。」

その視線の先にはぐっすりといびきを掻いて寝ているユイトだった。

「話は聞かせてもらいました…単刀直入に言います。今すぐに錬金術師の身柄をこちらに引き渡してください。」

「……お前らまだ国の犬やってんのかよ。」

「あんたが余計な事したからだろうが。」

警備隊たちはバルザックの言葉に表情を変えた、明らかに怒っている。

「……あなたが処分されて我々は貴方みたいにはなりたく無いと思った結果がこれです。」

「まぁ、正しい判断だな…間違っちゃいねえわ。」

「そんな貴方がまだ何かをしようだなんて…最後の時に言った”俺みたいになるな”ってその言葉通り見て見ぬ振りして今まで従ってたのに…」

「………」

「もう諦めてください。貴方は弱い少数派なんです。何を言おうと変えられないんですよ。」

警備隊の人たちの目は諦めている目であったのは一目瞭然だった。
これは多分何言っても無駄なのだろう。
彼らは私たちと違って守りたいものがあるから。

「……それでも俺は辞めるつもりは無い。」

「ならば我々は実力行使をするまでだ。例え貴方が相手でも。」

そう言って両者が武器を手に取り緊張が走る。



「めちゃくちゃ話拗れてんじゃん。」

そう口にしたのはこの話の渦中の中の先ほどまで爆睡してた男だ。

「あんた達の話は並行線でどんなに頑張っても交わることは無い。戦って勝つ以外結果は決まらないよ。」

「だから我々があなたを捕らえーー」

「…てかそれさ、できると思ってんの?」

その一言にその場の全員が固まった。
おかしな話だが目の前にいる人間は魔力を持たない人間であって単純な力では、足元にも及ばないよわい存在のはずなのに背筋が凍った気がした。

「もし自分らの保身を気にしてんなら今すぐに帰って家族と荷造り始めてこの国から出て行きなよ、明日にはこの国滅ぼして無くなるわけだし。」

そう言ってユイトはいつのまにか手に持っていた剣を相手の首に当てた。

「まぁ、逃げた所で次の国も滅ぼしてこの世界もやり直すつもりだから、今死ぬか後で死ぬかの違いだけどね。」

笑いながら話すこの男は、テロリストでありこの国の敵で言っていることは無茶苦茶だが、それを実現できる気配を彼らは感じ取っていた。
故に、この状況で誰も動けなかったのだ。

「………」

ホムはこの状況で何も話さずただ見ているだけだった。

「……わかりました。ここであなたを捕らえるなど出来ない、例え争ってもこちらが全滅するだけだ。総員撤退と同時に家族を連れてこの国を脱出する。」

「「「はっ!!」」」

蜘蛛の子を散らすようにそれぞれがそそくさと退散して行った。

「ユイト…すまん。」

「邪魔になるのを排除しただけだ。かかって来たら全員斬ってたよ。」

「だが、…それでもだ。」

「………さて、飲み直すか。」

ユイトは酒を拾いまたコップに入れてそれを飲み干す。

ドサッ

そのまま地面に倒れて眠ってしまった。

「ギャグみたな奴だな。」

バルザックはユイトの酒を拾いそのまま座り直して晩酌を始めた。

「………弱者は強者に従う……か」

ホムは今の光景を思い出すように空を見上げた。
空は無数の星が光り広がっていた。
その光とは反対にホムの瞳は暗かった。
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