1976年生まれ、氷河期世代の愚痴

相田 彩太

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第5章 氷河期と崩壊していくバブル

その4 だめだコイツら…… 早くなんとかしないと……

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さて、一旦は下火になった不良債権問題じゃが……
とある問題を契機に1995年に再び不良債権問題が再燃する。
今度は不良債権の定義を広げ、地方銀行や信金も含めて調査した結果……


結果……どうなったの?


1995年12月に公表された1995年9月末時点の不良債権は40兆円に達しておったんじゃ!


もうだめだー! 早く! 早く! なんとかしないと!


そう思うじゃろ、じゃが現実は非情なんじゃ


そう言えば、さっき『とある問題』って言っていたわね。


うむ『とある問題』とは1995年に起きた『住専問題』じゃ
これは、不良債権で破綻しかけている住専に公的資金を注入して救済するかどうかという問題じゃ


ああ、あのヤバい物件を押し付けられたいた住専ね。


うむ、その住専が破綻したのじゃ。
さあ、公的資金を注入すべきか否か?


救わなくていいんじゃない。
勝手にリスクが高い融資をして自滅したんでしょ。


そうね、住専は通常の銀行と違い、一般市民から預金を集めていないノンバンクなので預金者も大丈夫だしね。


そう考える国民も多かったのじゃが、結果、住専には公的資金が6,850億円も注入されて破綻処理された。


えーなんでー!? ずるーい。


理由は多々ある。
破綻処理に政府が手を出さないと、その負債は住専の資金を出している銀行や証券会社が負担する事になる。


そーだね


資金を出しているのは大手銀行(第一勧銀や住友銀行、日本債券信用銀行、日本長期信用銀行等)や証券会社(野村証券、大和証券、日興証券、山一証券等)や保険会社各社や農林中央金庫……etcじゃ。


大手金融機関や証券会社が大半なのね。


うむ、ただでさえ不良債権問題や土地や株価の低迷で経営が苦しいこれらの会社に、住専の破綻により負担が増えると、この金融機関や証券会社まで破綻しかねん。
それだけは絶対防がねばならのじゃ。


まあ、わからんでもない


金融不安を防ぐのはしょうがないかもね


そして、何よりも重要だったのが……


重要だったのが!?


8社ある住専は7社が破綻した、その7社中……

7社中、6社の社長が元大蔵省官僚の天下りだったのじゃ!!
さらに、住専の出資者の農林中央金庫は、農協(JA)の資金から設立されておる。
ここにダメージがある≒政治家の支持母体である農協にダメージがある。
なので政治家が便宜を図った可能性が高い。


ふざけんな、ゴラァ!!


ああっ、作者がネオサイタマの住人に!?


作者の怒りはもっともじゃが、そんな裏事情もささやかれるほど、この頃の政治家・金融機関・大蔵省官僚は腐敗しておったのじゃ。


あれ? でも……出資していた大型金融機関の中にあった『日本債券信用銀行』『日本長期信用銀行』『山一証券』って……


おっユキちゃんは物知りじゃの
それらの金融機関は後年、結局破綻しておるぞい。


やっぱダメだったんじゃん!


この少し前から東京の信用組合が破綻しており、金融機関の破綻危機が現実のものとなってきたのじゃ。


バブル崩壊が明らかになったのね


「「「わたしのお金を預けている銀行が危ない! 早く預金を引き出さないと!」」」


こんな取り付け騒ぎも一部では見られたのじゃ。
この市民の不安を防ぐため、1996年6月に政府はペイオフを凍結したぞ


ペイオフって?


金融機関が破綻した時に上限額までの預金を預金保険機構(≒政府)が保証する事じゃ。
この凍結前までは1000万円の元本のみ保証されておったのじゃ。

ペイオフの凍結とは、その上限を無くし全額保証する事じゃ!


これは緊急事態ね!
ところで、今はどうなっているの?


今は再びペイオフが実施され、1000万円とその利息まで保証される。
まあ今は利息は雀の涙じゃが


俺は1000万円も貯金がないから大丈夫!


とまあ、作者のような貧乏人には関係ない話なのじゃが、金のある人にとっては大問題じゃ。

これを凍結したという事は
『あまりにも金融機関が破綻しすぎて社会不安が増大するので、政府が預金を全額保証しますよ』
という事じゃ


もう、破綻するって言ってるようなものじゃん。


その不安は的中し、今までは比較的小さい金融機関が破綻したのじゃが……
ついに中規模~大規模の金融機関まで破綻し始めたのじゃ!


あっ……あの大会社が破綻するなんて……これは大変なことかも。


まず、1997年11月3日に中堅の証券会社である三洋証券が破綻した。
上場証券会社の破綻は戦後初じゃ。
続けて、同年11月15日に北海道拓殖銀行が破綻、そして同年11月24日に山一證券が破綻した。

山一證券は証券会社の中でも大会社で四大証券の一角と呼ばれておったのじゃ


野村證券『山一がやられたようだな……』
日興証券『フフフ…奴は四大証券の中でも最弱…』
大和証券『”飛ばし”如きにやられるとは証券のツラ汚しよ…』


”飛ばし”って?


含み損を抱えた資産を子会社やペーパーカンパニー、時には取引先を使って決算期のズレを利用して簿外債務にして債務を隠す事じゃ。
これはバブル発生期の1988年頃から『損失補填』や『不良債権』隠しのために行われていた伝統的手法……



そして、この頃、この四天王+1(第一勧業銀行)はこの1997年頃に発覚した総会屋利益供与事件で追及されておったのじゃぞ。
総会屋とはありていに言えば、暴力団関係者で構成される企業ゴロじゃ

結局、この総会屋利益供与事件では、第一勧業銀行(現みずほ銀行)11人、野村證券3人、山一證券8人、日興証券4人、大和証券6人の計32人が逮捕されておる。


ソウカイシンジケートとソウケン四天王はネンゴロであった!
サツバツ!


もう炎上しちゃえよ……
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