1976年生まれ、氷河期世代の愚痴

相田 彩太

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第8章 氷河期と低賃金

その1 悪いのは時代か? 経営者か?

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ねぇ作者


なにかな?


どうして、作者は低賃金なの?




というか、氷河期世代は、他の世代はおろか、実は新氷河期世代より低収入じゃない!?




というか、生涯収入も低いって言われてるわよね。


うわーん! 俺のせいじゃない! 時代が悪いんだ!


作者はそう言っているけど、そうなの?


その通りじゃよ、氷河期世代の収入が低いのにはちゃんと理由があるのじゃ。


じゃあ! 今回は氷河期はなぜ低賃金なのか!? 
この謎に迫ってみましょう!


うむ!
では時間を少し遡って2002年3月から説明を開始しようか。

ユキちゃんはトヨタショックという言葉を知っておるかの?


あーなんか聞いた事がある。


実はトヨタショックが意味する事柄は多く、リコールや営業赤字の時を示す事もある。
じゃが、今回は春闘におけるトヨタショックを語るぞい。
2002年3月の出来事じゃ。

この頃は不良債権問題による氷河期の真っただ中で世間の景気は悪かったのじゃ。


なるほど、景気が悪く、営業利益が出なかったので、思ったより春闘の結果が悪く、トヨタショックが起きたのね。


それは大きな間違いじゃ!

なんとトヨタの2001年4月-2002年3月の営業利益(連結)は過去最高だったのじゃ。
日本初の1兆円超えの1兆1235億円じゃ!

バブル期絶頂の1989年4月-1990年3月の営業利益が6430億円じゃから2倍近い。
正確には春闘の3月時点だと業績は確定していないが、経営者はほぼ分かっていたはずじゃ。


そりゃ4~12月までの四半期決算で75%までは確定しているし、1~3月の売上状況も経営者なら知ってて当然だもんね。


この成果は従業員の頑張りと海外事業の拡大という経営者の手腕によるものじゃ!


これなら組合はボーナス満額、ベアも要求通りを期待するわね。


この時のベア要求額は1000円じゃ、前年の結果が600円じゃったから妥当な所じゃ


まあ、700円くらいが落としどころじゃない?
前年と同じ600円くらいだったら、衝撃的かな?


うむ、マスコミも経済学者もそう思っておった。
じゃが、結果はベア無し! (ボーナスは満額)
トヨタ経営史上初じゃ!


えっ!?


しかも定期昇給平均も過去最低の6500円じゃ!
(前年の2001年3月の定期昇給平均は7000円)

トヨタグループ社員は約30万人じゃ、月1000円のベアは年間約50億円しか会社の負担にならん。
これは1.12兆円の営業利益から見ると約0.5%程度しか影響せん。


これなら、経営に影響を与えるとは言い難いわね。


そうじゃ、じゃが、その程度の昇給すら経営者は拒絶したのじゃ。
これが2002年3月のトヨタショックじゃ。


どうしてそうなったの!?
利益はちゃんと出てるじゃない!?


正確な理由は当時のトヨタ経営者しか知らぬが
中国の安い労働力を脅威に思ったとか、
自動車は好調でも電機や鉄鋼が不調だったとか
組合がリストラを恐れて強気に出れなかったとか……




うわー


でも組合もバカじゃない?
営業利益を0.5%程度圧迫したところでリストラにあうはずないじゃん。


うむ、それにこの時期は政府がリストラ防止を各企業に呼び掛けておったのでの、
こんなに利益が出ているのにリストラしたら政府ににらまれる。

だが、哀しい事に、この不良債権問題による不景気下でのリストラを恐れ、組合はすっかり骨抜きにされておった。
普通ならあり得ない会社回答を飲んでしまったのじゃ。

経済界の盟主たるトヨタがベアゼロじゃから、その他の企業もそれに追従した。


『『『いやー、うちはトヨタほど利益でてないから』』』


そう言って、トヨタより業績の悪い企業が賃上げを拒んだ。
そして、トヨタより業績の悪い企業とは日本の会社全てじゃ

ちなみに、厚生労働省は春闘の結果を現行ベースと妥結額(ベア+定期昇給)を基に『民間主要企業における春闘賃上げ状況』という資料を発表しておる。
その中で賃上げ率を発表しておるのじゃが、この2002年3月が過去ワースト2となっておる。


あれ? ワースト1じゃないの?


うむ、ではワースト1はいつだと思う?
ヒントは、この2002年3月より未来じゃぞ。


えっと……わかった! リーマンショックの時ね! 2009年3月でしょ!


残念! 不正解じゃ!


ええっ!?

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