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第11章 氷河期と明るくない未来

その4 とりあえず、パスタ茹でよう

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※今回の話も作者の独断と偏見の根拠のない論調がふんだんに含まれています。


さて、今回も国債の話じゃ!
前回の話で、国債は徴税という形で国民の負担になっていくと話をしたじゃろ。


で、でも徴税されても払えない人も多いわよ、氷河期世代のひとたちとか!


イエーイ! 社会的弱者! 弱者から金を取れるものなら取ってみろ!


そうじゃな、金が無い所から取る事はできん。


それに、増税は景気が悪くなるわよ。
そうなると益々税収が減って、本末転倒だわ。


それじゃぁ、歳出を抑えるかの。


でも日本の歳出って全然減ってないわね? なんで?


それには表の理由と裏の理由があるのじゃ。


表の理由は?


『社会保障を充実させ、安心、安全で暮らせる社会を維持するため』じゃ


裏の理由は?


官僚や政治家にとって予算、すなわち金は権力じゃ!

『その権力を減らすなんて、とんでもない!』
※作者の偏見です


おいおい


そしてな、どうせ予算を操るなら、自分の裁量が効く所を増やしたい。
逆を言えば、裁量が効かない所を減らしたいじゃ。

では、裁量が効かない所はどこじゃと思う?


えっと……国債費!


うむ、一番はそれじゃ、これは償還するだけじゃからの。
では次は?


社会保障費だね……


その通りじゃ! 社会保障費を減らして、プライマリーバランスを黒字化して国債費を減らす!
国の財政も良くなるように見える。

社会保障費の削減は一石三鳥の手なんじゃよ。

では、どこを減らすかというと

・年金費用
・医療費用
・介護費用

のどれかじゃ

この中で特に大きい2つ『年金費用』と『医療費用』を減らすべきじゃな。

じゃが、年金費用を減らすと、消費が減って経済に悪影響を与える。
逆に医療費用を減らすと、減るのは病院に掛かった患者の財布だけじゃ!
病院の儲けは変わらん!


そうだ! 医療費負担を上げよう! それを上げて! 国債を減らそうよ!


うむ、現在、後期高齢者(75歳以上)の医療費自己負担は1割じゃ。
(年金や不労所得等による年収の高い人を除く)
今からそれを3割(成人と同レベル)に増やせば国債の増加を防げるかもしれぬ。
名付けて! 

『財産がなく健康を崩した老人死ね死ね』政策じゃ!

まあ、これを40年も続ければ、以降の世代は救われるじゃろ。


えっ!? そんなに長く!?


40年以上掛けて増やしたのじゃから、減らすにもそれくらい掛かるのじゃよ。


でもこれって最大世代数を誇る団塊に大不評にならない?
なんせ、今の3倍の負担だわ。


うむ、団塊の大反発は必至じゃ
それを実施した政党は間違いなく選挙で負ける。


それじゃぁ、実施されないって事?


うむ、その可能性が高い。


でも、このままって訳にはいかないでしょ。


うむ、いつかは限界を迎え、老人の医療費負担を増やす事になる。
10年後は大丈夫かもしれんが、20年後は危ない、30年後には健全化の道筋が見えなくなる。
そうなった時、それを先送りしたツケが一気にやって来る。


あっ(察し)


これは政府も薄々感づいておってな、『高額療養費制度』という毎月の医療費上限を押さえる制度があるのじゃが、2018年8月より年収に応じて、この上限が引き上げらるようになったぞい。


年収が高い老人は自分の財産で何とかしろって事ね。


そうじゃ、じゃが、まだまだ足りんし、これから増えていく事が予想されておる。
医療費の自己負担は、今すぐ増やすなら20年後もなら3割負担で済むかもしれないが、
もし、このままでいくと、20年後の氷河期が老人になる頃には5割負担じゃないと足りんかもしれん。
しかも、この場合、負担増がいつ治まるかはわからぬ。


つまりこういう事?

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1.今、負担を増やす 40年で収束コース 作者45歳~85歳まで
 団塊~氷河期(団塊Jr)は負担が増えて死ぬ
 以降の世代は助かる

2.20年後、負担をすごく増やす 作者が65歳くらいから~未定
 氷河期世代以降が負担がすごく増えて死ぬ
 助かる世代は不明、20年後に生まれる世代くらい?
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その通りじゃ!


結局氷河期は死ぬんじゃん!


そうじゃ、俺が足りない頭で考えたが、どーしようもない
世代人口の多い氷河期世代を含めないという選択肢がないのじゃよ。
しかも2.の可能性の方が高いくらいじゃ


そういえば、前回もプライマリーバランス黒字化(国債の新規発行をゼロにする)の達成目標を、2020年から2025年に延期したという話があったわね。


うむ、当初(2002年)では2010年代初頭に黒字化を目標にしておったが、リーマンショックの影響で2010年代半ばとなり、そして東日本大震災と2014年の消費税増税による不景気から2020年目標になり、今や2025年になっておる。

ここまで計画が狂い続けると、政府の計画実行能力に疑問を持たざるを得ん。
なんせ、日本の政治力はイタ公以下じゃからの


えっ!? あの第二次世界大戦の逸話で揶揄されるイタ公以下!?


うむ、イタ公……いやイタリアさんじゃな。
ここにG7の政府純債務残高の対GDP比がある。





ごめんなさい! イタリアさん!


どうやったら、ここまで悪く出来るのかが疑問なくらいじゃ


それを考えると、今までの政府のやり方じゃダメってわけね。


うむ、老人負担を一気に増やしてでも、プライマリーバランス黒字化を強行しなくてはならんのじゃ。


(あれ? なんか博士がいつもと違う……)


要するに”作者”の主張は
このままだと『団塊世代が天寿まで逃げ切れた世代』になるので、
団塊の負担を増やして『氷河期世代でもギリギリ逃げ切れるかもしれない』にしたいって事ね!


ばれたかー(パカッ)


本当は団塊は作者の親世代なので、幸せに天寿を全うして欲しいとも思っているが、それが実現すると、俺の老後が壊滅しちゃうのです。
必ずどちらかが犠牲になり、もはや超好景気の神風でも吹かない限り無理なのです。

だから、神に救いを求めるしかない現実に……



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