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第1章 夢のおわり
1-20.民衆の盾 キング・オー・サマー
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皆、初めはショーだと思った。
パレードの前後左右に現れた巨大な影。
巨大な体躯と長い首。
雷竜とも呼称されるその生物の名はブラキオサウルス。
剣竜とも呼ばれていたステゴサウルス。
そして恐竜図鑑の代表格、暴君竜ことティラノサウルス。
かつて、この地球で最も栄えていた恐竜たち。
それが一度に現れたなら、普通ならパレードのショーだと思うだろう、普通ならば。
だが、ここには普通ではない者たちがいた。
超常を知るものたちがいた。
とある日本人が叫んだ。
「逃げろ! 頑丈な建物か地下へ!」
その時は誰も反応しなかった。
巨大な影がさらに増え、パレードの車がひとつ雷竜の足に踏みつぶされた時、やっと人々は気付いた。
これは明らかに普通じゃないと。
キャーと女性の悲鳴がきっかけとなり、人々は我先にと建物へと走り出す。
悲鳴と怒号が入り混じり、人が人を押しのけ、転倒する者、泣き出す者、祈り出す者が現れた時、スピーカーを通じて声が響き渡った。
キングの声が。
「み、みなのもの、どうか安心して欲しい。どうやら機材にトラブルがあったようだ。おちついて、おちつきながら避難するのだぞ」
キングは気付いていた。
この事態は誰かが”祝福”を使ったことによるものだと。
だが、それを伝えたところで無意味だということも理解していた。
だから、彼はいつもの通り役者を演じることにした。
「さあ、我の号令に合わせて避難だ! 右手と右足を前に出して、おいっちにっ、さんしっ!」
パレード車の上でコミカルに足踏みするキングの姿に、人々は軽く笑い、足並みをそろえて避難しようとした。
人間より頭ひとつ大きい恐竜の鉤爪にキングの喉笛が掻き切られるまでは。
王の下手人は、後脚に巨大な鉤爪を持つデイノニクス。
90年代の大ヒット恐竜映画の中でもモデルとして登場した、白亜紀の凶悪な狩人。
再び悲鳴が上がり、人々は襲い来るデイノニクスの群れから逃げ出した。
キングの最後の言葉は『逃げろアイシャ』であり、キングが最後に見た光景は自身に覆いかぶさるアイシャの姿であった。
そしてキングの最後の行動は、彼女と体勢を入れ替え、彼女に覆いかぶさることだった。
パレードの前後左右に現れた巨大な影。
巨大な体躯と長い首。
雷竜とも呼称されるその生物の名はブラキオサウルス。
剣竜とも呼ばれていたステゴサウルス。
そして恐竜図鑑の代表格、暴君竜ことティラノサウルス。
かつて、この地球で最も栄えていた恐竜たち。
それが一度に現れたなら、普通ならパレードのショーだと思うだろう、普通ならば。
だが、ここには普通ではない者たちがいた。
超常を知るものたちがいた。
とある日本人が叫んだ。
「逃げろ! 頑丈な建物か地下へ!」
その時は誰も反応しなかった。
巨大な影がさらに増え、パレードの車がひとつ雷竜の足に踏みつぶされた時、やっと人々は気付いた。
これは明らかに普通じゃないと。
キャーと女性の悲鳴がきっかけとなり、人々は我先にと建物へと走り出す。
悲鳴と怒号が入り混じり、人が人を押しのけ、転倒する者、泣き出す者、祈り出す者が現れた時、スピーカーを通じて声が響き渡った。
キングの声が。
「み、みなのもの、どうか安心して欲しい。どうやら機材にトラブルがあったようだ。おちついて、おちつきながら避難するのだぞ」
キングは気付いていた。
この事態は誰かが”祝福”を使ったことによるものだと。
だが、それを伝えたところで無意味だということも理解していた。
だから、彼はいつもの通り役者を演じることにした。
「さあ、我の号令に合わせて避難だ! 右手と右足を前に出して、おいっちにっ、さんしっ!」
パレード車の上でコミカルに足踏みするキングの姿に、人々は軽く笑い、足並みをそろえて避難しようとした。
人間より頭ひとつ大きい恐竜の鉤爪にキングの喉笛が掻き切られるまでは。
王の下手人は、後脚に巨大な鉤爪を持つデイノニクス。
90年代の大ヒット恐竜映画の中でもモデルとして登場した、白亜紀の凶悪な狩人。
再び悲鳴が上がり、人々は襲い来るデイノニクスの群れから逃げ出した。
キングの最後の言葉は『逃げろアイシャ』であり、キングが最後に見た光景は自身に覆いかぶさるアイシャの姿であった。
そしてキングの最後の行動は、彼女と体勢を入れ替え、彼女に覆いかぶさることだった。
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