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第1章
1-68 ルルロロノラムスル出発
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「さぁ、行くぞい!」
『ルルロロノラムスル』に逗留する事3日ばかり、フィリやノーレルン達への挨拶もそこここにリーン達は早くも旅立つのであった。暴走しているレーネを、今にも他の世界にまで無差別攻撃の手を繰り広げてしまうレーネを阻止したい、一刻も早く取り戻したい、そんな強烈な感情がリーンをはじめ3人を突き動かしていた。作戦会議の取り決め通り、先導にはロックとザイラート、万一の事の発覚を恐れてノーレルンによる彼らへの『青の解呪法』も施される。
「もう行ってしまうのね、リーン。。。ザイラート、ロック、彼女たちを無事に『イスティファルド』地下迷宮まで頼んだわよ。」
「は、命に代えましても。」
「そんな気張らなくても良いわよ。『イスティファルド』まではこれと行った危険も無いはずだし、、、。」
「だといいんじゃがな、最近『炎の巨人領』は物騒じゃからの。何かあってもワシの斧の錆にしてやるが、ハッハッハ。」
「ロック、我々『ライラックガーデン』と『炎の巨人領』は、永世和平条約を締結しているはずでしょう。冗談でもそんな事を口に出してはいけないわ。」
「そ、そうでしたな、、、。(しゅん)」
フィリに窘められて小さくなるロック。他の者には活火山のように見える彼も、フィリには形無しのようである。
「ロッティー、フィリさんに頭が上がらないようだけど、歳いくつなの?フィリさんより年下なんてことないんでしょ?」
「ワシか?ワシは今年で469歳じゃ、そろそろ引退じゃよ。フィリ様などは千、、、イテッ!」
フィリに魔杖『シャロス』で脇腹を小突かれるロック。歳を聞くのはノームの女性の間でも間違いなようであった。
「えぇ~!!ノームってそんなに長寿なんですか!?」
「は、人間と違って生き急ぎはせんわい。7、800年は生きるよ。ワシら健康第一じゃな!」
「そ、それで、なぜだか穏やかな雰囲気だったんですね~。。。」
「人間の基準でお年寄り扱いしないでほしいわね(笑)。もちろん私の歳も聞くのはエチケット違反よ(笑)。」
ノーレルンはちょっと警戒してそう言った。
「コホン、、、そう、それであなた達人間にはすでに神話世界のものとして忘れ去られてしまっている、この世界の成り立ちやルーンの道理も、私達にとっては歴史として脈々と受け継がれているのよ。」
「そうだったんですね、リーンが『時空水晶』を壊してからこの方感覚が麻痺しちゃってましたけど、ホントは『風の馬』も『アースドラゴン』も『死者の海』ファニステールも『海神エーギル』も、この世界に当然あるべき事柄なんですね。」
ガラハドが礼儀正しく反応する。
「ええ、そうよ。だって『ユグドラシル』はあなた達だって知っているでしょ?」
「あ、そういえばそうですね、あの巨大さ荘厳さは何よりも神話的なのかも。。。」
「そうでしょ、ふふふ、、、。」
(そして、あなたには神話の時代から既に定まっている使命があるのだけれど、ここで言うにはあまりに酷ね。。。。)
「それじゃ、リーン、私はここからあなた達の健闘を祈るわ。」
フィリはそう言うと、そっとリーンを抱擁する。フィリは少し照れ頬が紅くなる。母の顔すら知らないリーンにとっては、実際は千年以上も生きているノームの女王であっても、外見上は少し若めの母親のような年齢に見えるフィリに優しくされるのは、慣れない気恥ずかしい体験なのであった。リーンは、そっとフィリの抱擁から身を解きお礼を言った。
「え、ええ、フィリさん。元はと言えば私達の仲間内の問題なのに、こんなに良くしてくださってありがとうございます。」
「さ、私からの贈り物よ。」
そう言うノーレルンから、リーン、メル、ガラハドに軽石のような材質で出来た小さなリングが手渡される。
「これを身につけた人の周辺、そうねこの部屋の空間くらいの広さかしら、時空魔法に対する解呪が発動されるように仕組んでおいたわ。『時空水晶』の壊れた今、そんな可能性は少ないのかもしれないけれど、もしレーネがあなた達の様子を探っていたとして、指輪をはめた今よりその位置を見つけ出す事は不可能になるはずよ。」
「ノンちゃん、ありがとう!」
先回の読心術を恐れてか、腹蔵無く無邪気な素振りで、それを取り付けるメル。と、突然呪文の詠唱を唱えだした。
《ジァオホァンシーコーンモォグィ!》(低級時空鬼召喚!)
「な、何やってんだよ!?」
「な、何やってんのよ!?」
彼女のトラブルメークな行動にガラハドとリーンは堪忍袋の緒を切ったが、フィリとノーレルンはニコニコその様子を眺めている。呪文の詠唱は高々と空に響き渡ったが、それに反して炎も水も、頬をなでるようなほんのわずかなそよ風さえも、まったく何の魔法物理現象も起きないのであった。
「あら~、ホントね、びた一文時空魔法が出ないわ(笑)。指輪に解呪法を埋め込むなんて高度なことが水魔法だけで出来るって、、、。」
「メル、あなた面白いわね。急に心を読まれずにそんな呪文唱えられるようになるなんて、すごいわ。解呪法は術者の力量にもよるけど簡単な魔法ならほとんどキャンセルできるわね。探知系の魔法は薄く広くがその特徴だから、このリングで十分に防ぐ事ができるはずよ。」
解呪法と言われて、リーンはレーネに掛けられそうになったあの恐ろしい死の呪文の事を思い出して、暗澹とした気持ちになるのであった。
「え、何で時空属性の魔法が使えるんだとか、聞かないの?」
「『七芒星魔道士』メルなんでしょ(笑)?」
「あら、完全に読まれたか(がくっ)。」
辺りを笑いの渦に包み込み、一路『イスティファルド』地下迷宮』に向けて旅立つリーン達一行であった。
『ルルロロノラムスル』に逗留する事3日ばかり、フィリやノーレルン達への挨拶もそこここにリーン達は早くも旅立つのであった。暴走しているレーネを、今にも他の世界にまで無差別攻撃の手を繰り広げてしまうレーネを阻止したい、一刻も早く取り戻したい、そんな強烈な感情がリーンをはじめ3人を突き動かしていた。作戦会議の取り決め通り、先導にはロックとザイラート、万一の事の発覚を恐れてノーレルンによる彼らへの『青の解呪法』も施される。
「もう行ってしまうのね、リーン。。。ザイラート、ロック、彼女たちを無事に『イスティファルド』地下迷宮まで頼んだわよ。」
「は、命に代えましても。」
「そんな気張らなくても良いわよ。『イスティファルド』まではこれと行った危険も無いはずだし、、、。」
「だといいんじゃがな、最近『炎の巨人領』は物騒じゃからの。何かあってもワシの斧の錆にしてやるが、ハッハッハ。」
「ロック、我々『ライラックガーデン』と『炎の巨人領』は、永世和平条約を締結しているはずでしょう。冗談でもそんな事を口に出してはいけないわ。」
「そ、そうでしたな、、、。(しゅん)」
フィリに窘められて小さくなるロック。他の者には活火山のように見える彼も、フィリには形無しのようである。
「ロッティー、フィリさんに頭が上がらないようだけど、歳いくつなの?フィリさんより年下なんてことないんでしょ?」
「ワシか?ワシは今年で469歳じゃ、そろそろ引退じゃよ。フィリ様などは千、、、イテッ!」
フィリに魔杖『シャロス』で脇腹を小突かれるロック。歳を聞くのはノームの女性の間でも間違いなようであった。
「えぇ~!!ノームってそんなに長寿なんですか!?」
「は、人間と違って生き急ぎはせんわい。7、800年は生きるよ。ワシら健康第一じゃな!」
「そ、それで、なぜだか穏やかな雰囲気だったんですね~。。。」
「人間の基準でお年寄り扱いしないでほしいわね(笑)。もちろん私の歳も聞くのはエチケット違反よ(笑)。」
ノーレルンはちょっと警戒してそう言った。
「コホン、、、そう、それであなた達人間にはすでに神話世界のものとして忘れ去られてしまっている、この世界の成り立ちやルーンの道理も、私達にとっては歴史として脈々と受け継がれているのよ。」
「そうだったんですね、リーンが『時空水晶』を壊してからこの方感覚が麻痺しちゃってましたけど、ホントは『風の馬』も『アースドラゴン』も『死者の海』ファニステールも『海神エーギル』も、この世界に当然あるべき事柄なんですね。」
ガラハドが礼儀正しく反応する。
「ええ、そうよ。だって『ユグドラシル』はあなた達だって知っているでしょ?」
「あ、そういえばそうですね、あの巨大さ荘厳さは何よりも神話的なのかも。。。」
「そうでしょ、ふふふ、、、。」
(そして、あなたには神話の時代から既に定まっている使命があるのだけれど、ここで言うにはあまりに酷ね。。。。)
「それじゃ、リーン、私はここからあなた達の健闘を祈るわ。」
フィリはそう言うと、そっとリーンを抱擁する。フィリは少し照れ頬が紅くなる。母の顔すら知らないリーンにとっては、実際は千年以上も生きているノームの女王であっても、外見上は少し若めの母親のような年齢に見えるフィリに優しくされるのは、慣れない気恥ずかしい体験なのであった。リーンは、そっとフィリの抱擁から身を解きお礼を言った。
「え、ええ、フィリさん。元はと言えば私達の仲間内の問題なのに、こんなに良くしてくださってありがとうございます。」
「さ、私からの贈り物よ。」
そう言うノーレルンから、リーン、メル、ガラハドに軽石のような材質で出来た小さなリングが手渡される。
「これを身につけた人の周辺、そうねこの部屋の空間くらいの広さかしら、時空魔法に対する解呪が発動されるように仕組んでおいたわ。『時空水晶』の壊れた今、そんな可能性は少ないのかもしれないけれど、もしレーネがあなた達の様子を探っていたとして、指輪をはめた今よりその位置を見つけ出す事は不可能になるはずよ。」
「ノンちゃん、ありがとう!」
先回の読心術を恐れてか、腹蔵無く無邪気な素振りで、それを取り付けるメル。と、突然呪文の詠唱を唱えだした。
《ジァオホァンシーコーンモォグィ!》(低級時空鬼召喚!)
「な、何やってんだよ!?」
「な、何やってんのよ!?」
彼女のトラブルメークな行動にガラハドとリーンは堪忍袋の緒を切ったが、フィリとノーレルンはニコニコその様子を眺めている。呪文の詠唱は高々と空に響き渡ったが、それに反して炎も水も、頬をなでるようなほんのわずかなそよ風さえも、まったく何の魔法物理現象も起きないのであった。
「あら~、ホントね、びた一文時空魔法が出ないわ(笑)。指輪に解呪法を埋め込むなんて高度なことが水魔法だけで出来るって、、、。」
「メル、あなた面白いわね。急に心を読まれずにそんな呪文唱えられるようになるなんて、すごいわ。解呪法は術者の力量にもよるけど簡単な魔法ならほとんどキャンセルできるわね。探知系の魔法は薄く広くがその特徴だから、このリングで十分に防ぐ事ができるはずよ。」
解呪法と言われて、リーンはレーネに掛けられそうになったあの恐ろしい死の呪文の事を思い出して、暗澹とした気持ちになるのであった。
「え、何で時空属性の魔法が使えるんだとか、聞かないの?」
「『七芒星魔道士』メルなんでしょ(笑)?」
「あら、完全に読まれたか(がくっ)。」
辺りを笑いの渦に包み込み、一路『イスティファルド』地下迷宮』に向けて旅立つリーン達一行であった。
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