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第1章
1-H-1 アールヴヘイム の フレイ と エストリ
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「フレイ様、見えましたか?『時空の賢者』の手の者かしら?『ロキの瞳』をもった少女が原初魔法【無限に広がってゆく朽ちてゆく時】を放ったようです。ファーシオンに教えてあげなくちゃだわ。捕獲間に合うかしら?」
エルフの女王エストリが、『アールヴヘイム』のエルフ達の守護神フレイに向かって言った。薄い黄緑色の風のドレスを着て、同系統の色の半透明のケープを羽織っている。耳は人間のそれと違い大きく上へ尖っている。その形は形而学上の何か象徴的な物を感じさせる。
彼女の羽織っているケープは自身意志を持ちふわふわとエストリの周りを漂い、風のルーンで彼女の周りをそれとなくガードしている。数百年に一度くらいしか無いものの、何らかの諍いが起こったときの万一の防護措置であった。しばらく前にあった、『ミズガルズ』から突如として火の雨が降ってきた際にも、その効果を発揮して彼女の半径100mはまったくの無傷なのであった。
そして彼女は水晶のような綺麗な青い瞳と、輝くブロンドの髪をしている。身長は150cm程か。多くのエルフの女がそうであるように、とても妖精的で幻想的でそして美しかった。
齢は10,000歳ほどであるが、寿命を持たないエルフにとって、年齢はあって無いもののようであった。彼女は数百年前にそれまで女王であったリュートからその任を引き継いでいた。
代々エルフの女王は同時に『風の賢者』を任じてもいた。7年前『時空の賢者』アーデルヘイトを封印した際にも、『七賢』の長、『光の賢者』ファーシオンの助援要請に応え『猖獗』まで出向いている。ただし、エルフはその特性上、自身から積極的に『七賢』の秩序逸脱を正そうという意志はないのであった。
「うむ~、『世界創世』よりこの方、相変わらず『ミズガルズ』は戦乱が絶えないようだな。しかし、『時空の賢者』は何を狙っているのか?奴も人間だ。いたずらに『ミズガルズ』の人口を減らして荒廃させたところで、自分の首を絞めるだけであろうに。。。まぁ、この程度の事なら我々が手出しするような擾乱ではないが。。。『ロキ』を復活させる手段を手に入れたというならば話は別だがな。」
『アールヴヘイム』のエルフ達の守護者であり、眉目秀麗な『豊穣神』フレイはのんびりとこう言った。神々の中でも最も美しいとされる男神である。生死を感じさせない神話的なエルフの女王エストリとは好一対であった。
ここは、『ミズガルズ』のはるか上空に浮かぶ島々、歴史書に言うエルフの桃源郷『アールヴヘイム』である。統治者である女王『風の七賢』エストリと、その守護者である豊穣の神『フレイ』は、『ミズガルズ』で起こっている戦乱を、風魔法宝具『風鏡望遠鏡』を通して彼女の居城『フラーレン』の最上階にある展望台から見ていた。
エストリ達エルフの構築した風魔法宝具『風鏡望遠鏡』は、『アースガルズ』にある神の玉座『フリズスキャールヴ』ほどの千里眼は無いものの、物理的な風魔法原理を応用駆使し、風景を風魔法を使って合わせ鏡のように鏡面反射させることにより、筒を向けたはるか数100km先の光景を『アールヴヘイム』の観測者まで揺らぎ無しで送り届けるようなシステムであった。
当然ながらその作りは精巧そのもので、原初のドワーフたちの創り出した神具達とはまったく別系統ながら、エルフの高い魔法技術を体現する代物であった。
「おっと、美しいゲルズちゃんに呼び出されちゃったから『アースガルズ』へ戻らないといけないよ。じゃ、エストリまた何か進展があったら教えてくれよ!ひょっとしたら神々の定例会で議論しないといけないかもしれないし。」
彼の妻は、遙か昔神話の時代に彼の従者であり親友でもある『輝く者』スキールニルが仲を取り持った、この世界で一番美しいと言われる霜の巨人ゲルズである。フレイは最愛の妻ゲルズへ1万年経った今でもべったりなのであった。一方のゲルズは幾分食傷気味なようではあったが。
「は~い。(まったく、フレイ様はゲルズさえいればホントにこの世界の事など、どうでもいいみたいね。。。)」
展望台からアースドラゴンの元精霊王『オーグレイド』が気持ちよさそうに風を切って飛んでいるのをぼんやり見つつ、エストリは、ふと『ミズガルズ』に起こったちょっとした変化に気がついた。
「あら?気のせいかしら?」
「ん?どうした?」
「なんだか、流れ星みたいなものが『ミズガルズ』から天空へ飛び込んでくるように感じたので。何か『時空の賢者』の魔法の燻りとかですかね?」
「ふ~ん、そうか、ふ、じゃぁな。」
フレイは、興味なさそうにそう言うと、王城の天辺から『アースガルズ』へ向けて優雅に飛び立っていった。
実は、エストリは『ユグドラシル』の大枝をめがけて飛び上がったショウキとワカ・タツキ兄弟を目に留めたのであったが、彼らの『アールヴヘイム』における活劇は第3章に話を譲るとして、リーンとレーネ達の話を先に進める。
エルフの女王エストリが、『アールヴヘイム』のエルフ達の守護神フレイに向かって言った。薄い黄緑色の風のドレスを着て、同系統の色の半透明のケープを羽織っている。耳は人間のそれと違い大きく上へ尖っている。その形は形而学上の何か象徴的な物を感じさせる。
彼女の羽織っているケープは自身意志を持ちふわふわとエストリの周りを漂い、風のルーンで彼女の周りをそれとなくガードしている。数百年に一度くらいしか無いものの、何らかの諍いが起こったときの万一の防護措置であった。しばらく前にあった、『ミズガルズ』から突如として火の雨が降ってきた際にも、その効果を発揮して彼女の半径100mはまったくの無傷なのであった。
そして彼女は水晶のような綺麗な青い瞳と、輝くブロンドの髪をしている。身長は150cm程か。多くのエルフの女がそうであるように、とても妖精的で幻想的でそして美しかった。
齢は10,000歳ほどであるが、寿命を持たないエルフにとって、年齢はあって無いもののようであった。彼女は数百年前にそれまで女王であったリュートからその任を引き継いでいた。
代々エルフの女王は同時に『風の賢者』を任じてもいた。7年前『時空の賢者』アーデルヘイトを封印した際にも、『七賢』の長、『光の賢者』ファーシオンの助援要請に応え『猖獗』まで出向いている。ただし、エルフはその特性上、自身から積極的に『七賢』の秩序逸脱を正そうという意志はないのであった。
「うむ~、『世界創世』よりこの方、相変わらず『ミズガルズ』は戦乱が絶えないようだな。しかし、『時空の賢者』は何を狙っているのか?奴も人間だ。いたずらに『ミズガルズ』の人口を減らして荒廃させたところで、自分の首を絞めるだけであろうに。。。まぁ、この程度の事なら我々が手出しするような擾乱ではないが。。。『ロキ』を復活させる手段を手に入れたというならば話は別だがな。」
『アールヴヘイム』のエルフ達の守護者であり、眉目秀麗な『豊穣神』フレイはのんびりとこう言った。神々の中でも最も美しいとされる男神である。生死を感じさせない神話的なエルフの女王エストリとは好一対であった。
ここは、『ミズガルズ』のはるか上空に浮かぶ島々、歴史書に言うエルフの桃源郷『アールヴヘイム』である。統治者である女王『風の七賢』エストリと、その守護者である豊穣の神『フレイ』は、『ミズガルズ』で起こっている戦乱を、風魔法宝具『風鏡望遠鏡』を通して彼女の居城『フラーレン』の最上階にある展望台から見ていた。
エストリ達エルフの構築した風魔法宝具『風鏡望遠鏡』は、『アースガルズ』にある神の玉座『フリズスキャールヴ』ほどの千里眼は無いものの、物理的な風魔法原理を応用駆使し、風景を風魔法を使って合わせ鏡のように鏡面反射させることにより、筒を向けたはるか数100km先の光景を『アールヴヘイム』の観測者まで揺らぎ無しで送り届けるようなシステムであった。
当然ながらその作りは精巧そのもので、原初のドワーフたちの創り出した神具達とはまったく別系統ながら、エルフの高い魔法技術を体現する代物であった。
「おっと、美しいゲルズちゃんに呼び出されちゃったから『アースガルズ』へ戻らないといけないよ。じゃ、エストリまた何か進展があったら教えてくれよ!ひょっとしたら神々の定例会で議論しないといけないかもしれないし。」
彼の妻は、遙か昔神話の時代に彼の従者であり親友でもある『輝く者』スキールニルが仲を取り持った、この世界で一番美しいと言われる霜の巨人ゲルズである。フレイは最愛の妻ゲルズへ1万年経った今でもべったりなのであった。一方のゲルズは幾分食傷気味なようではあったが。
「は~い。(まったく、フレイ様はゲルズさえいればホントにこの世界の事など、どうでもいいみたいね。。。)」
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「あら?気のせいかしら?」
「ん?どうした?」
「なんだか、流れ星みたいなものが『ミズガルズ』から天空へ飛び込んでくるように感じたので。何か『時空の賢者』の魔法の燻りとかですかね?」
「ふ~ん、そうか、ふ、じゃぁな。」
フレイは、興味なさそうにそう言うと、王城の天辺から『アースガルズ』へ向けて優雅に飛び立っていった。
実は、エストリは『ユグドラシル』の大枝をめがけて飛び上がったショウキとワカ・タツキ兄弟を目に留めたのであったが、彼らの『アールヴヘイム』における活劇は第3章に話を譲るとして、リーンとレーネ達の話を先に進める。
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