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longshu

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1 惨劇

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「殺して!もう、殺して!!」

少女は、度重なる苦痛に耐えかね、生まれたてのか弱い小鹿のような細い声を上げた。

外は悲しいばかりにしんしんと雪の降り注ぐ1月の夜のことである。

少女は、至る所黒くただれたライターオイルで焼かれた身体と、カッターでばらばらに切り刻まれてしまっている一か月前までは綺麗でふくよかだった胸と、ペンチで潰された無残な乳首の残骸と、繰り返し繰り返し殴打されたせいで監禁される前の2倍に膨れあがった元は華やかだった顔と、1か月間まったく栄養を与えらなかったため死せる幽鬼のように痩せてしまった四肢をもち、そして(至る所壊死していたが)全裸を強要されていた。

肛門と陰部は見るも無惨に破壊され、中には突っ込まれたままの栄養ドリンクと、それらが割れたできたガラスの破片と、タバコの灰や吸い殻(灰皿として使われていたのだった)がぐちゃぐちゃに入り込んでいる。動く度にそれらが踊り、すでに麻痺しつつあった痛覚を更なる刺激で呼び覚まし、全身を焦がすような耐え難い痛みを与えた。
部屋には、膿と体液と排泄物と血液と汗と体臭が入り交じった耐えがたい悪臭が立ちこめ、逃げ出す監禁仲間も多くいる。

高校三年生の沙紀は、年の頃同じくらいの鬼畜の集団に監禁されていたのであった。

つい2ヶ月ほど前までは、大輪の花を思わせるような瑞々しい高校生活を送る順風満帆を絵に描いたような彼女だった。テニス部のキャプテンを務め明朗快活で友達も多く、大学への進学も決まっていた。高校からの帰宅途中に本屋で雑誌を選り好みしながら店を出たところ、示し合わせたように訪れた宮野に恐喝され半分拉致されるように手下の家へ閉じ込められたのであった。これから幸せに送るはずであったかけがえのない人生も、不運にも遭遇してしまった出鱈目な鬼畜達のせいで蟻地獄にはまり込んだ蟻のように絶望的であった。

「うるせぇー!!!死ぬ気もねぇくせに、てきとーな事言いやがって!!!!!」

情の欠片もない、四角四面の薄汚れたガラスをイメージさせる汚い顔をした主犯格の宮野は、銅鑼鐘のような大声を張り上げるといつにも増して暴行の限りを尽くす。足の裏を焼かれ鉄パイプで足首を大きく砕かれ、既に立ち上がる気力も無くなった仰向けに横たわっている彼女に対して、幾度となく鳩尾に全力で拳を振り下ろす。ビルをスクラップする鉄球のようだ。周りにいる男たちは、正常な感覚が麻痺しているのか、それとも元来良心と言ったものが脳みそから抜け落ちているのか、ケラケラ笑ってその暴行を見ている。現世に限局的に出現した地獄であった。

すでに青アザに埋め尽くされた彼女の鳩尾は見る見る間に血袋のように鬱血し腫れ上がる。そして、殴られる度、活け作りのように激しく踊っていた彼女は、暴力の終焉と共に、やがてビクンッ、ビクンッと痙攣し出し、、、、
そして、、、口からおびただしい量の血とも臓物とも汚物ともつかないものを吐き出し、絶命した。

「お、動かなくなったな?」

副犯格の小倉が、この気違いの所業を主導した宮野の様子を恐る恐る振り返りながら、いくらかうろたえて少女の顔を覗き見る。そして、覗き込んだ小倉の目を沙紀が恨みを込め睨み返しているように見えると、酷くたじろいだ。
宮野はなんの躊躇も示さず、下っ端の垂水に向かってこう言い放った。

「おい、垂!おまえ土木だろ!セメント用意しろ!!!」

「はい!すぐに!!」

怒鳴りつけるように宮野が言うと、見張り番や連絡係をやっていた家主の息子の垂水が、100%従順にそう答えセメントを準備しに部屋を離れる。この子男の顔にも複数のあざが浮かんでいる。いつ暴行の矛先がこちらに向かってくるか分からないという微妙なバランスの上で、宮野のご機嫌をとりつつ、どこまでも姑息に残虐に身を処している。

宮野は、短い髪を赤く染め、ねじが一本足りないような外見を持つ、身体中に入れ墨をした中肉中背の17歳であった。幼少の頃、弁護士ではあるが冷酷無残な父親にスポイルされ、その後中学で教師への金属バットを使った暴行事件を引き起こして以来、教育機関とは一切縁を切り、暴行、恐喝、強姦、昼夜問わず悪事に悪事を重ねて生きている。

垂水は母一人子一人で、日常的に男を連れ込むホステスの母親にニグレクトされて育っている。当然のように高校には進学せず、宮野と言う巨悪に身を寄せているのであった。その他ここにいる多くの類も、家庭における境遇は似たり寄ったりであり、その後の行動も濃淡はあっても判で押したようなものであった。

「宮野さん、用意ができました。いつもの現場の倉庫前にまとめてあります。」

「おう、行くか、お前ら運んで来いよ!!」

そういうと、かつては輝かしい女子高生だった死骸を一瞥して、汚さに鼻に皺を寄せ目を背けると、宮野はいつも溜まり場にしている垂水が働いている土建会社の倉庫へ向かう。

そして、自らの手は決して汚さず、小倉や垂水に命じて血だるまになった沙紀をドラム缶に詰め込みコンクリートで塗り固めると、車で15分と離れていない海浜公園内の空き地へ打ち捨てさせたのだった。
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