夢と現実を見て

伯爵

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夢と現実を見て

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 こんな夢を見たんだ。
 ある日、少年と少女が出会って一つの誓いを立てるんだ。しかし、それを切っ掛けに少年と少女の物理的な距離は広がり、そして二人は二度と会えなくなってしまうんだ。
 少年は少女を思い続けたし、少女もまた少年を思い続けた。しかし、物理的断絶に次いで、今度は時間的な断絶が訪れる。もう十年の月日が流れていた。止まることなく流れる時間は、少年にも少女にも、現実という現実を叩き付けた。少女は女性に、少年は男性になった。諦めた女性は他の男と結婚したし、諦めなかった男性は精神を病んだ。ただそれだけ、そこで夢は終わった。

 また違う日には、こんな夢を見たんだ。
 ある人間に拾われたメスの子猫には家の中が退屈で、だから夏への扉を開けて、太陽の下を狂ったように駆け回った。陽射しの世界は楽しくて、けれどやがて疲れて、お腹がすいた。エサはない。飢え死にしそうになっても、野性を忘れていて狩りができない。ゴミを漁って生き延びるしかなかった。一週間した頃に、因縁を付けてきた凶暴なオス猫に犯され、傷つき、人間が待つ家へと帰った。
 冬に生まれる子猫たちは、来年の夏には家の中で一番陽射しが暖かい場所で寝ていることだろう。

 最後に見た夢はこんな感じだ。
 君と僕が一緒の自転車を漕いで、夜明けの太陽を追い抜くんだ。山々と重なり合った太陽が、君と僕を照らす。永遠にこの時を感じていたかった。けれど、無情にも時は過ぎ去っていき、
 そして今、僕は目覚めた。

 時刻は朝7時05分。夜明けを追い抜くには遅い時間だ。現実の君と僕はただの友達で、一緒の自転車に乗って夜明けを追い抜くなんてことは、まずありえない。だけど、僕はそれを現実の出来事にしてみたくなった。
 僕は今日の放課後、体育館の裏で君に告白することを決意した。
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