1 / 1
夢と現実を見て
しおりを挟む
こんな夢を見たんだ。
ある日、少年と少女が出会って一つの誓いを立てるんだ。しかし、それを切っ掛けに少年と少女の物理的な距離は広がり、そして二人は二度と会えなくなってしまうんだ。
少年は少女を思い続けたし、少女もまた少年を思い続けた。しかし、物理的断絶に次いで、今度は時間的な断絶が訪れる。もう十年の月日が流れていた。止まることなく流れる時間は、少年にも少女にも、現実という現実を叩き付けた。少女は女性に、少年は男性になった。諦めた女性は他の男と結婚したし、諦めなかった男性は精神を病んだ。ただそれだけ、そこで夢は終わった。
また違う日には、こんな夢を見たんだ。
ある人間に拾われたメスの子猫には家の中が退屈で、だから夏への扉を開けて、太陽の下を狂ったように駆け回った。陽射しの世界は楽しくて、けれどやがて疲れて、お腹がすいた。エサはない。飢え死にしそうになっても、野性を忘れていて狩りができない。ゴミを漁って生き延びるしかなかった。一週間した頃に、因縁を付けてきた凶暴なオス猫に犯され、傷つき、人間が待つ家へと帰った。
冬に生まれる子猫たちは、来年の夏には家の中で一番陽射しが暖かい場所で寝ていることだろう。
最後に見た夢はこんな感じだ。
君と僕が一緒の自転車を漕いで、夜明けの太陽を追い抜くんだ。山々と重なり合った太陽が、君と僕を照らす。永遠にこの時を感じていたかった。けれど、無情にも時は過ぎ去っていき、
そして今、僕は目覚めた。
時刻は朝7時05分。夜明けを追い抜くには遅い時間だ。現実の君と僕はただの友達で、一緒の自転車に乗って夜明けを追い抜くなんてことは、まずありえない。だけど、僕はそれを現実の出来事にしてみたくなった。
僕は今日の放課後、体育館の裏で君に告白することを決意した。
ある日、少年と少女が出会って一つの誓いを立てるんだ。しかし、それを切っ掛けに少年と少女の物理的な距離は広がり、そして二人は二度と会えなくなってしまうんだ。
少年は少女を思い続けたし、少女もまた少年を思い続けた。しかし、物理的断絶に次いで、今度は時間的な断絶が訪れる。もう十年の月日が流れていた。止まることなく流れる時間は、少年にも少女にも、現実という現実を叩き付けた。少女は女性に、少年は男性になった。諦めた女性は他の男と結婚したし、諦めなかった男性は精神を病んだ。ただそれだけ、そこで夢は終わった。
また違う日には、こんな夢を見たんだ。
ある人間に拾われたメスの子猫には家の中が退屈で、だから夏への扉を開けて、太陽の下を狂ったように駆け回った。陽射しの世界は楽しくて、けれどやがて疲れて、お腹がすいた。エサはない。飢え死にしそうになっても、野性を忘れていて狩りができない。ゴミを漁って生き延びるしかなかった。一週間した頃に、因縁を付けてきた凶暴なオス猫に犯され、傷つき、人間が待つ家へと帰った。
冬に生まれる子猫たちは、来年の夏には家の中で一番陽射しが暖かい場所で寝ていることだろう。
最後に見た夢はこんな感じだ。
君と僕が一緒の自転車を漕いで、夜明けの太陽を追い抜くんだ。山々と重なり合った太陽が、君と僕を照らす。永遠にこの時を感じていたかった。けれど、無情にも時は過ぎ去っていき、
そして今、僕は目覚めた。
時刻は朝7時05分。夜明けを追い抜くには遅い時間だ。現実の君と僕はただの友達で、一緒の自転車に乗って夜明けを追い抜くなんてことは、まずありえない。だけど、僕はそれを現実の出来事にしてみたくなった。
僕は今日の放課後、体育館の裏で君に告白することを決意した。
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
私のドレスを奪った異母妹に、もう大事なものは奪わせない
文野多咲
恋愛
優月(ゆづき)が自宅屋敷に帰ると、異母妹が優月のウェディングドレスを試着していた。その日縫い上がったばかりで、優月もまだ袖を通していなかった。
使用人たちが「まるで、異母妹のためにあつらえたドレスのよう」と褒め称えており、優月の婚約者まで「異母妹の方が似合う」と褒めている。
優月が異母妹に「どうして勝手に着たの?」と訊けば「ちょっと着てみただけよ」と言う。
婚約者は「異母妹なんだから、ちょっとくらいいじゃないか」と言う。
「ちょっとじゃないわ。私はドレスを盗られたも同じよ!」と言えば、父の後妻は「悪気があったわけじゃないのに、心が狭い」と優月の頬をぶった。
優月は父親に婚約解消を願い出た。婚約者は父親が決めた相手で、優月にはもう彼を信頼できない。
父親に事情を説明すると、「大げさだなあ」と取り合わず、「優月は異母妹に嫉妬しているだけだ、婚約者には異母妹を褒めないように言っておく」と言われる。
嫉妬じゃないのに、どうしてわかってくれないの?
優月は父親をも信頼できなくなる。
婚約者は優月を手に入れるために、優月を襲おうとした。絶体絶命の優月の前に現れたのは、叔父だった。
真実の愛ならこれくらいできますわよね?
かぜかおる
ファンタジー
フレデリクなら最後は正しい判断をすると信じていたの
でもそれは裏切られてしまったわ・・・
夜会でフレデリク第一王子は男爵令嬢サラとの真実の愛を見つけたとそう言ってわたくしとの婚約解消を宣言したの。
ねえ、真実の愛で結ばれたお二人、覚悟があるというのなら、これくらいできますわよね?
夫から「用済み」と言われ追い出されましたけれども
神々廻
恋愛
2人でいつも通り朝食をとっていたら、「お前はもう用済みだ。門の前に最低限の荷物をまとめさせた。朝食をとったら出ていけ」
と言われてしまいました。夫とは恋愛結婚だと思っていたのですが違ったようです。
大人しく出ていきますが、後悔しないで下さいね。
文字数が少ないのでサクッと読めます。お気に入り登録、コメントください!
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
愛していました。待っていました。でもさようなら。
彩柚月
ファンタジー
魔の森を挟んだ先の大きい街に出稼ぎに行った夫。待てども待てども帰らない夫を探しに妻は魔の森に脚を踏み入れた。
やっと辿り着いた先で見たあなたは、幸せそうでした。
【完結】精霊に選ばれなかった私は…
まりぃべる
ファンタジー
ここダロックフェイ国では、5歳になると精霊の森へ行く。精霊に選んでもらえれば、将来有望だ。
しかし、キャロル=マフェソン辺境伯爵令嬢は、精霊に選んでもらえなかった。
選ばれた者は、王立学院で将来国の為になるべく通う。
選ばれなかった者は、教会の学校で一般教養を学ぶ。
貴族なら、より高い地位を狙うのがステータスであるが…?
☆世界観は、緩いですのでそこのところご理解のうえ、お読み下さるとありがたいです。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる