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おまけ
転生姫は神様に感謝する(リースの前世関係者の話)※残酷な表現があります(やや15禁)
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私は鈴峰茜。生まれた時から幼なじみがいる。隣に住んでいる1つ上のお兄さん。桐生葵。
小さい頃から、仲がよく、いつも世話していたお兄ちゃん。
お兄ちゃんは、いつも無口で、いつも周りから誤解を受けている。
しかし、私はそれをフォローすることは無い。
お兄ちゃんは天使なので、性別なんかないのだ。男の子の友達も女の子の友達も私以外必要ないと思っている。
「あかね。・・・いってくる。」
そう言って、おにいちゃんは、大学に行こうとしている。そんなお兄ちゃんの腕を思わず掴む。
「・・・?」
お兄ちゃんが首をかしげる。
かわいい。
「絶対、変な人から声をかけられてもついて行っちゃだめだよ?どこか行こうとか言われても駄目だからね?知り合っても、ちゃんと私に相談してからにしてね?」
と私が言うとお兄ちゃんは困ったように苦笑いして
「大丈夫だよ。・・・うん。・・・だって、誰も・・・。」
どんどんテンションダウンするお兄ちゃん。
「お兄ちゃんは、私の友達だよ!」
と言ってにっこり笑うとお兄ちゃんも花が開くみたいに笑って
「・・・うん。茜、ありがとう。」
という。
もう、どこにも行かせたくない。
そう思ったが、学校に行かせないという選択肢を取らせることは無理だ。
なんで年齢差があるんだろうか。
くやしいぃ・・・。
高校を飛び級出来たら、飛び級して、お兄ちゃんと同じ大学に行きたかった。この1年差が非常につらい。一応、お兄ちゃんの同級生に同志が出来たので、そっちに監視をして貰っている。そっちは男だが、お兄ちゃんに性知識をつけさせないという意見は同じだ。
多分、お兄ちゃんは精通していないと確信している。同志明智さんの考えも同じだ。
そんなことを考えていたら、自分も学校の時間になった。急いで準備をして、高校に向かう。
高校は1年前までお兄ちゃんの通っていた商業高校。今年、卒業なので色々大変。でも、お兄ちゃんと一緒に勉強してきたので、少し余裕がある。正直、お茶の子さいさい。でも、時間だけはかかるタイプの作業がある。それをこなして、急いでうちに帰る。
大学の授業が終わったら、基本的に鬼ちゃんは真っすぐうちに帰ってくれるので、クッキーでも焼こうとホットケーキミックスとか卵を準備し始めた。そこにお姉ちゃんがドタドタと玄関から台所の私のところまで駆けてきた。
片方靴を履いたままだ。
「茜!葵ちゃんが事故に遭った!!」
思わず、ボールを落とす。粉が舞う。
「え?」
世界が暗転する。
「葵ちゃんが、大学の帰り道で、その…あれの…ふざけて遊んでいる同級生が道路に飛び出して、そこに車が来て、それを・・・。」
「だれ?そいつ。やってくるから。」
「そんなことは後でいいから。葵ちゃんの、いる、病院、早く行こう!!」
そう言われ、急いで、近くにある財布を掴んで、お姉ちゃんと一緒に病院に向かう。
病院には同志が既に来ていて、真っ白になっている。
「ど・・・明智さん、お兄ちゃんは?!」
うつむいていた顔が私を確認して
「ど・・・茜くん。・・・葵くんが・・・。」
戸惑って、涙で赤くなった目がこちらを虚ろに見ている。そして、腕をガシッと掴んで
「ダメだった。」
と悔しそうに言った。
「何言って。」
認めたくなくて、つい、聞き直した。
「間に合わなかった。」
「意味が分かりません。」
「認めなき…
「認めません!!」
お兄ちゃんの家族が病院の一室から出てきた。私たちも入っていいと言われ、恐る恐る、お姉ちゃんと同志明智さんと一緒に部屋に入った。
ほとんど顔に傷が無いままのお兄ちゃんが眠っていた。
顔に触れても、反応が無い。
既にほんのり冷たくなっていて、少しいつもより固い気がする。
苦痛を感じていた様子は全く無く、ただ、眠っているようにしか見えない。
・・・間に合わなかった。
その言葉が頭にリフレインする。
隣の同志明智さんも、固まった顔になっている。
・・・もう、世界は全て砂色だ。
そこからのことはイマイチ覚えていない。
気付いたらお兄ちゃんの葬式だった。葬式には、意外に一杯参列者が居た。近所のおばちゃんとかおばあちゃん、おじいちゃんとかが主だが。知らない話を少し聞く。いつも吠える犬が、ジッとお兄ちゃんのことを見てたとか、猫に挨拶しているとか・・・。
知らなかったお兄ちゃんの行動に少し笑顔が出る。
初七日が終わってすぐ、明智さんが自殺したと聞いた。
明智さんとは連絡先を交換していたので、ご家族から電話があったのだ。
自殺の理由を知らないか?って。
知らないと答えた。
次の日、誰か知らないおばさんが、玄関にいた。
「どな・・・。」
どなたですか?と聞こうと思ったら、その人は私に抱き着いてきた。意味が分からず、それでも、彼女から身を放そうとした。突き放したところまで出来たのだが、足の力が入らなかった。
「は?」
下腹部が熱い。
見れば、右の脇腹に包丁が刺さっている。
「は、はははははは!!!!」
思わず、笑った。
「この、泥棒猫!武を返して!!!」
武とは同志明智さんの下の名前である。恐らく、彼女は同志明智の関係者だろう。年齢から言えば、母親と言ったところだろうか?
私が笑ったせいで、彼女がさらに殺気だった。刺さった包丁を抜かれて、再度突き刺してきた。その後は何度も同じ行動を彼女はし続けた。振り上げる。降ろす。振り上げる。降ろす。
「これで、お兄ちゃんのところに行ける。」
そう、口にしたつもりだったのだが、声は出なかった。
目を覚ますと豪華ベットに寝ていた。
「姫様!目を覚まされたのですね!!」
メイドさんの格好の人や医者っぽい人たちが騒ぐ。王様みたいな仮装の人が
「メイツよ!目を覚ましたか!心配したぞ!」
と言ってきた。急激に記憶が流れ込んでくる。
私は、メイツ・リーマン。この国の王女。色んな情景がどんどん浮かび上がり、気付く。ここは、『カルマゴスの花嫁』という乙女ゲームによく似た世界。
王城から北にいったところにある祠に封印された巨人族の末裔を起こすことで様々なイベントが発生するそんな乙女ゲーム。
「却下で!」
つい、そう言ってしまった。
第一、あのゲームの結末は、巨人の力を利用せんと、陛下やその他貴族、隣の国が戦争するのが最後のエンディングだ。正直、最悪じゃないか。いくら王子と一緒になれたとしても戦争があったら意味ないだろうに。
・・・まぁ、王子とヒロインがその封印を解いちゃうのがOPだから、仕方ないけど。それは、王子の責任だ。
・・・というか、王子って、つまり、私の兄上なのでは??
ふと思い当たり、顔をあげるとみんながギョッとした顔になっている。
あれ?わたし、さっきなんか言ったね。なんて言ったっけ?
『却下で!』
え?ヤバくない?思い出して、青くなる。
陛下の心配していたぞ→却下でになるよね。これ。
ど、どうする?よし!
バフンと気を失う振りをして、ベッドに倒れこんだ。
「姫様!!」
「姫よ!!」
とみんなが騒ぎ立てる。無視して、気を失ったふりをしていたら、本当に眠ってしまった。
目を覚ますとメイドさんが一人。医者が一人。今度は騒がずに、医者が
「お目覚めですか?」
と静かに聞いてきた。
「はい。」
と答える。
「皆は退出させました。まだ興奮しない方がいいでしょう。」
そう言って、医者がこれまでの経緯を話してくれる。
私は、毒を盛られて、死にかけたらしい。犯人はわかっていないということだったが、なんとなくヤクマ子爵あたりだと私の記憶が言っている。証拠がないので、口にはしないが。
現在、私は3歳。そう言えば、公爵家の令嬢も同い年だと聞いた気がする。
マグノイア公爵家は皇族のお姫様が恋愛結婚したとこだ。陛下よりも継承順位が上だったのだが、女性であるということと公爵と結婚したいという理由で私の父に王の椅子を譲ったと記憶している。
そのため、王位継承者の順位としては、あちらの令嬢の方が上だったはずだ。すぐ上の兄貴がバカだと私が苦労するなぁと思わずため息が出る。どうせ、兄貴のことだ。ゲームでもバカなことしかしなかったのだから、十中八九順位の意味が分かっていないだろう。一応、今は婚約者だが、時期が来たら、破棄になるだろう。なにせ、公爵夫人の希望は年の近い男児だったはずだから。一つ下の弟が婚約者になると思う。それまでは、今の私みたいに命を狙われないために一番上の兄貴が婚約者になるんだと思うけど…乙女ゲームのまんまなら、喧嘩売ってそうだなぁ。
ゲームの内容とイベントシーンを思い出し、公爵令嬢が悪役令嬢だと思い出す。とっても綺麗な女の子だったのだ。性格は、最悪で、サディストなんだけど。よくあのゲーム18禁じゃなかったなーと思いながら、ボーーっとしていたら、いつの間にか医者は部屋から退出していた。
メイドさんが、私が眠れるように色々整えだし始めた。
「ねぇ、マグノイア公爵令嬢ってどんな子?」
と聞いてみたらメイドが凄くうっとりとした顔で
「天使です。」
と答えた。
「は?」
「非常に無口なのですが、気配りができるお嬢様と聞いています。遠くから見た時、花に向かって、喋る練習をしていました。もう、なんか、天使としか言いようがない感じで・・・。」
そこからメイドはマシンガンの様にしゃべり始めた。聞いた内容が、お兄ちゃんの葬式で聞いたおばあちゃんとおじいちゃんの内容と同じで・・・。
ま、まさかな?
と思ったが、そう思ったら、確認せずにはいられなかった。来る人来る人に、公爵令嬢のリースちゃんのことを聞く。聞けば聞くほど、おにいちゃんそのものだった。
ちょっとドジっ子なのも、喋ろうとして、口を開いて、止まるのも。お花好きなのも。
直感した、リース公爵令嬢はお兄ちゃんだ。確実に。
神様に感謝した。
「神様、感謝いたします。」
そう言って、太陽を拝んでいたら、父である陛下が戸を開けて、すぐに出て行ってしまった。別に言い訳する気もないので、そのまま神様に感謝をし続けたのであった。
小さい頃から、仲がよく、いつも世話していたお兄ちゃん。
お兄ちゃんは、いつも無口で、いつも周りから誤解を受けている。
しかし、私はそれをフォローすることは無い。
お兄ちゃんは天使なので、性別なんかないのだ。男の子の友達も女の子の友達も私以外必要ないと思っている。
「あかね。・・・いってくる。」
そう言って、おにいちゃんは、大学に行こうとしている。そんなお兄ちゃんの腕を思わず掴む。
「・・・?」
お兄ちゃんが首をかしげる。
かわいい。
「絶対、変な人から声をかけられてもついて行っちゃだめだよ?どこか行こうとか言われても駄目だからね?知り合っても、ちゃんと私に相談してからにしてね?」
と私が言うとお兄ちゃんは困ったように苦笑いして
「大丈夫だよ。・・・うん。・・・だって、誰も・・・。」
どんどんテンションダウンするお兄ちゃん。
「お兄ちゃんは、私の友達だよ!」
と言ってにっこり笑うとお兄ちゃんも花が開くみたいに笑って
「・・・うん。茜、ありがとう。」
という。
もう、どこにも行かせたくない。
そう思ったが、学校に行かせないという選択肢を取らせることは無理だ。
なんで年齢差があるんだろうか。
くやしいぃ・・・。
高校を飛び級出来たら、飛び級して、お兄ちゃんと同じ大学に行きたかった。この1年差が非常につらい。一応、お兄ちゃんの同級生に同志が出来たので、そっちに監視をして貰っている。そっちは男だが、お兄ちゃんに性知識をつけさせないという意見は同じだ。
多分、お兄ちゃんは精通していないと確信している。同志明智さんの考えも同じだ。
そんなことを考えていたら、自分も学校の時間になった。急いで準備をして、高校に向かう。
高校は1年前までお兄ちゃんの通っていた商業高校。今年、卒業なので色々大変。でも、お兄ちゃんと一緒に勉強してきたので、少し余裕がある。正直、お茶の子さいさい。でも、時間だけはかかるタイプの作業がある。それをこなして、急いでうちに帰る。
大学の授業が終わったら、基本的に鬼ちゃんは真っすぐうちに帰ってくれるので、クッキーでも焼こうとホットケーキミックスとか卵を準備し始めた。そこにお姉ちゃんがドタドタと玄関から台所の私のところまで駆けてきた。
片方靴を履いたままだ。
「茜!葵ちゃんが事故に遭った!!」
思わず、ボールを落とす。粉が舞う。
「え?」
世界が暗転する。
「葵ちゃんが、大学の帰り道で、その…あれの…ふざけて遊んでいる同級生が道路に飛び出して、そこに車が来て、それを・・・。」
「だれ?そいつ。やってくるから。」
「そんなことは後でいいから。葵ちゃんの、いる、病院、早く行こう!!」
そう言われ、急いで、近くにある財布を掴んで、お姉ちゃんと一緒に病院に向かう。
病院には同志が既に来ていて、真っ白になっている。
「ど・・・明智さん、お兄ちゃんは?!」
うつむいていた顔が私を確認して
「ど・・・茜くん。・・・葵くんが・・・。」
戸惑って、涙で赤くなった目がこちらを虚ろに見ている。そして、腕をガシッと掴んで
「ダメだった。」
と悔しそうに言った。
「何言って。」
認めたくなくて、つい、聞き直した。
「間に合わなかった。」
「意味が分かりません。」
「認めなき…
「認めません!!」
お兄ちゃんの家族が病院の一室から出てきた。私たちも入っていいと言われ、恐る恐る、お姉ちゃんと同志明智さんと一緒に部屋に入った。
ほとんど顔に傷が無いままのお兄ちゃんが眠っていた。
顔に触れても、反応が無い。
既にほんのり冷たくなっていて、少しいつもより固い気がする。
苦痛を感じていた様子は全く無く、ただ、眠っているようにしか見えない。
・・・間に合わなかった。
その言葉が頭にリフレインする。
隣の同志明智さんも、固まった顔になっている。
・・・もう、世界は全て砂色だ。
そこからのことはイマイチ覚えていない。
気付いたらお兄ちゃんの葬式だった。葬式には、意外に一杯参列者が居た。近所のおばちゃんとかおばあちゃん、おじいちゃんとかが主だが。知らない話を少し聞く。いつも吠える犬が、ジッとお兄ちゃんのことを見てたとか、猫に挨拶しているとか・・・。
知らなかったお兄ちゃんの行動に少し笑顔が出る。
初七日が終わってすぐ、明智さんが自殺したと聞いた。
明智さんとは連絡先を交換していたので、ご家族から電話があったのだ。
自殺の理由を知らないか?って。
知らないと答えた。
次の日、誰か知らないおばさんが、玄関にいた。
「どな・・・。」
どなたですか?と聞こうと思ったら、その人は私に抱き着いてきた。意味が分からず、それでも、彼女から身を放そうとした。突き放したところまで出来たのだが、足の力が入らなかった。
「は?」
下腹部が熱い。
見れば、右の脇腹に包丁が刺さっている。
「は、はははははは!!!!」
思わず、笑った。
「この、泥棒猫!武を返して!!!」
武とは同志明智さんの下の名前である。恐らく、彼女は同志明智の関係者だろう。年齢から言えば、母親と言ったところだろうか?
私が笑ったせいで、彼女がさらに殺気だった。刺さった包丁を抜かれて、再度突き刺してきた。その後は何度も同じ行動を彼女はし続けた。振り上げる。降ろす。振り上げる。降ろす。
「これで、お兄ちゃんのところに行ける。」
そう、口にしたつもりだったのだが、声は出なかった。
目を覚ますと豪華ベットに寝ていた。
「姫様!目を覚まされたのですね!!」
メイドさんの格好の人や医者っぽい人たちが騒ぐ。王様みたいな仮装の人が
「メイツよ!目を覚ましたか!心配したぞ!」
と言ってきた。急激に記憶が流れ込んでくる。
私は、メイツ・リーマン。この国の王女。色んな情景がどんどん浮かび上がり、気付く。ここは、『カルマゴスの花嫁』という乙女ゲームによく似た世界。
王城から北にいったところにある祠に封印された巨人族の末裔を起こすことで様々なイベントが発生するそんな乙女ゲーム。
「却下で!」
つい、そう言ってしまった。
第一、あのゲームの結末は、巨人の力を利用せんと、陛下やその他貴族、隣の国が戦争するのが最後のエンディングだ。正直、最悪じゃないか。いくら王子と一緒になれたとしても戦争があったら意味ないだろうに。
・・・まぁ、王子とヒロインがその封印を解いちゃうのがOPだから、仕方ないけど。それは、王子の責任だ。
・・・というか、王子って、つまり、私の兄上なのでは??
ふと思い当たり、顔をあげるとみんながギョッとした顔になっている。
あれ?わたし、さっきなんか言ったね。なんて言ったっけ?
『却下で!』
え?ヤバくない?思い出して、青くなる。
陛下の心配していたぞ→却下でになるよね。これ。
ど、どうする?よし!
バフンと気を失う振りをして、ベッドに倒れこんだ。
「姫様!!」
「姫よ!!」
とみんなが騒ぎ立てる。無視して、気を失ったふりをしていたら、本当に眠ってしまった。
目を覚ますとメイドさんが一人。医者が一人。今度は騒がずに、医者が
「お目覚めですか?」
と静かに聞いてきた。
「はい。」
と答える。
「皆は退出させました。まだ興奮しない方がいいでしょう。」
そう言って、医者がこれまでの経緯を話してくれる。
私は、毒を盛られて、死にかけたらしい。犯人はわかっていないということだったが、なんとなくヤクマ子爵あたりだと私の記憶が言っている。証拠がないので、口にはしないが。
現在、私は3歳。そう言えば、公爵家の令嬢も同い年だと聞いた気がする。
マグノイア公爵家は皇族のお姫様が恋愛結婚したとこだ。陛下よりも継承順位が上だったのだが、女性であるということと公爵と結婚したいという理由で私の父に王の椅子を譲ったと記憶している。
そのため、王位継承者の順位としては、あちらの令嬢の方が上だったはずだ。すぐ上の兄貴がバカだと私が苦労するなぁと思わずため息が出る。どうせ、兄貴のことだ。ゲームでもバカなことしかしなかったのだから、十中八九順位の意味が分かっていないだろう。一応、今は婚約者だが、時期が来たら、破棄になるだろう。なにせ、公爵夫人の希望は年の近い男児だったはずだから。一つ下の弟が婚約者になると思う。それまでは、今の私みたいに命を狙われないために一番上の兄貴が婚約者になるんだと思うけど…乙女ゲームのまんまなら、喧嘩売ってそうだなぁ。
ゲームの内容とイベントシーンを思い出し、公爵令嬢が悪役令嬢だと思い出す。とっても綺麗な女の子だったのだ。性格は、最悪で、サディストなんだけど。よくあのゲーム18禁じゃなかったなーと思いながら、ボーーっとしていたら、いつの間にか医者は部屋から退出していた。
メイドさんが、私が眠れるように色々整えだし始めた。
「ねぇ、マグノイア公爵令嬢ってどんな子?」
と聞いてみたらメイドが凄くうっとりとした顔で
「天使です。」
と答えた。
「は?」
「非常に無口なのですが、気配りができるお嬢様と聞いています。遠くから見た時、花に向かって、喋る練習をしていました。もう、なんか、天使としか言いようがない感じで・・・。」
そこからメイドはマシンガンの様にしゃべり始めた。聞いた内容が、お兄ちゃんの葬式で聞いたおばあちゃんとおじいちゃんの内容と同じで・・・。
ま、まさかな?
と思ったが、そう思ったら、確認せずにはいられなかった。来る人来る人に、公爵令嬢のリースちゃんのことを聞く。聞けば聞くほど、おにいちゃんそのものだった。
ちょっとドジっ子なのも、喋ろうとして、口を開いて、止まるのも。お花好きなのも。
直感した、リース公爵令嬢はお兄ちゃんだ。確実に。
神様に感謝した。
「神様、感謝いたします。」
そう言って、太陽を拝んでいたら、父である陛下が戸を開けて、すぐに出て行ってしまった。別に言い訳する気もないので、そのまま神様に感謝をし続けたのであった。
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