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11~美弥子視点~。
しおりを挟むイライラする!
新婚初夜だというのに、普通いなくなるなんて有り得ない!
慧一さんは何処に行ったのかしら!
金持ちで、顔も良い。
こんな良い条件の男は今までいなかった。
だから、見合いをして直ぐに結婚したというのに、この私を一人にするなんて!
自慢じゃないけど、そこら辺の男は私を見たら口説いて来た。
慧一さんだって、私を気に入ったはず。
なのにどうして、新婚初夜に一人寝するはめになるのよ!
「何なのよ!」
そろそろ十時半になる。
部屋を出る時間だわ!
その時部屋の扉が開き、慧一さんが入って来た。
「ちょっと!何処に行ってたのよ!私を一人にするなんて!」
私は慧一さんに掴み掛かり、文句を言う。
「支度は出来ているみたいだな。早いが、レストランで昼食を取る事になった。お前のご両親も呼んである。荷物は運ばせるから、そのままで来い。」
「何よ!私を一人にして、そんな事一人で決めてきたっていうの!」
慧一さんは、うるさ気に顔を背ける。
「さあ、行くぞ。」
それだけ言って、部屋から出で行ってしまう。
「ちょっと!どういうわけ!何も言い訳もしないつもり!この私を一人にしたのよ!」
慧一さんを追いかけて、私も部屋を出る。
「ああ、お義父さん。良く寝られましたか?」
部屋の外に出ると、父と母がいた。
「慧一君、おはよう。君達こそ良く寝られたかい?」
「ええ、勿論です。良く寝られました。」
その答えにムッとする。
私といなくて、一人で良く寝ていたなんて!
「美弥子、何を怒っているの?」
母は、何も知らずにニコニコしている。
「いいえ、何も。」
「さあ、行きましょう。家元ももう起きてレストランに行ってます。」
「おお、そうかい。待たせてはいけないな。いこうか。」
はらわたが煮えくりかえっていたが、慧一さんに付いていき義父に挨拶をする。
「おはようございます。お義父様。」
「ああ、おはよう。」
義父は茶道のか家元なんてしているので、堅苦しい。
お婆さんも年のわりに元気で矍鑠としており、いつも背を伸ばしていなければいけない。
義母は静かな人だが、何を考えているか分からない所がある。
義妹になる香織は、大人しくて会話が合いそうもない。
本当にこんな人達とやっていけるのか心配になる。
「香織、顔色が悪いな。さあ、そこに座りなさい。」
慧一さんは、甲斐甲斐しく香織の世話を焼いている。
そんな子道でも良いでしょ!
私を気に掛けなさいよ!
「皆さん、座りましょう。」
そう言うと慧一さんは、香織の隣に座ってしまった。
私は、香織と反対側の慧一さんの隣に座る。
何なのよこの子!
少しは遠慮しなさいよ!
イライラしながら食事をしていて、他の家族の話しなど聞いていなかった。
「分かりましたか?美弥子さん。」
「・・・え?」
「まあ、聞いていなかったの?これからの事ですよ。次期家元の嫁なのだから、茶道の他に華道も習っておきましょう。茶道は私が教えます。華道は貴女が教えてあげなさい。もう、貴女の嫁なのだから。」
お婆さんが、義母に言いつけている。
私が茶道と華道を習うの?
勘弁してよ。
堅苦しいのは嫌いなのに。
「美弥子さん、分かりましたか?」
「はい。」
嫌々頷く。
「分からない事は、香織さんに教えてもらいなさい。年も近いし、良いかしら香織さん?」
「はい。お婆様。」
香織は、静かに頭を下げる。
私がこんな子に教わるの?
全く嫌になるわね。
義理の妹でも、慧一さんと血なんて繋がっていない子なのに。
「何分、自由に育ててしまいましたので、宜しくお願い致します。」
父は頭を下げるが、誇らし気だ。
「こちらこそ、宜しくお願いします。」
義父も頭を下げる。
全く煩わしいわね。
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