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彼らの目的

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では、私たちの目的について話そう」
「魔法からの脱却だ。」
白い髪の性格の悪そうな少年が口を開く。
「ミクジに魔法を使用できなくする結界があると聞いて……まずなぜ魔法から脱却しようとしているから話すべきか。人間の体、通常種は心臓と脳の仕組みを魔法に依存している。一度魔法不可結界の中に人を入れてみたのだが、廃人同然になってしまってな。」
「こちらの人間は、だけどね。」
センと呼ばれていた人は口を挟む。
「自分たちの世界では、魔法は本の中にしか存在しないものだったり、物理型魔法に移行されたのが現状でね。珍しいんだよ、この世界は」
「私たちも脳のキャパを無理やり上げているだけだから、君と同じただの人間に過ぎないんだよ。」
パを上げる、とはなんなのだろうか。

「私に関してはもう人間辞めてるからね」
人間の見た目に羽が生え、頬には鱗、背中にはホースのような物が刺さっている。
「シューニャ。私の元の体は、三年前に死んだ。だから、魔法で肉体を作って生活している。流行りの顔や髪色に時々作り変えるから、『誰だろう? 』はだいたい私。」
「さすがに錬金術を極めて、生き続ける人は見たことがなくてね、三年前ノアとミクジと俺で偶然見かけてしまったんだよ、そうしたら引き入れることになってね」

バケモノが揃ったこのメンツで自分はなぜこんな強そうな人たちの一員なんだろう、と思った。
続々の紹介が続き、ノアが、
「君は、マルチタスクの消化が可能だろう? シューニャも肉体を作ることはできても、別々に動かすことは出来ないんだ。」
「まさか人員不足で、と言うわけだはありませんよね? 」
そう尋ねると、
「それもなくないけど、それ以前に僕たちは完全な人間の上位種を作りたいんだ。僕らはまだ人間の器でしかない。シューニャはあくまでも人間にオプションを付けて人間を超える性能を作り出しているだけだよ。というか、人間でもなくてほぼ魔力の塊みたいなものだ」

なくはないのか。

「まあ、僕たちは君のことを歓迎するよ。」
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