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最終章 最終決戦だヒャッハーな件
ビーム撃ってくるデッサン人形やべぇ
しおりを挟む「城から何か出てきたみたいだけど……何だいあれは――?」
目の良い浅田がソレを発見したのは当然といえば当然の流れだった。降りっぱなしの跳ね橋を渡る異様な集団。その数、約二十。
「見た所、まんまデッサン人形っぽいけど」
懐から出したお手製望遠鏡を覗き込んだ友瀬が一言。
「いや、あたしが言いたいのはさ、なんでデッサン人形が徒党を組んで動いてるのかってコト!」
「恐らくゴーレムの一種なんでしょうね。……こっちに襲いかかってくるんじゃないかしら?」
「って、そんな冷静に――」
言ってる場合か。とは言えなかった。浅田達に気付いた一体の顔からビームが発射されたのだ。何とか避ける一同。
「ちょ、顔からビーム出るデッサン人形とかどう相手しろってのよぉぉ!?」
「全部が全部ビーム打てる訳じゃ無いみたいよ! なんかほっそい目があるやつだけ!」
取り敢えず迎撃迎撃! と、急かす友瀬。彼女自身は動くそぶりもない。
「八田(はった)ぁ、八代(やつしろ)ぉ! あんたら前衛の出番だよ!」
お声がかかったのは戦斧使いの八田と、槍使いの八代。この場でまともに戦えるのがこの二人しかいないというのもあるのだが……。
「えぇ!? あんなん相手に二人だけで特攻とか姐さんマジキツイっしょ!」
「いやまあ、やれと言われればやるっすけどー」
「援護はしたげるから、思い切って死んできな!」
二人に活を入れる浅田。
「ひでぇ、やられるの前提だし!」
「……まあ、顔からビーム出るヤツ混じってるしなー」
やや、あきらめの入った八代。まさかファンタジー世界でロボットじみた相手と戦うことになるとは……といったていだ。
「ドーピングしたいなら、沢山用意があるけど要る? 飲んだら即、効果あるやつ」
「それ副作用とかは……?」
最近、マッド属性が見え隠れする友瀬印の薬品。一番の心配はそこである。
「……効果が切れたら反動がドカンと」
「いまから俺ら時間の読めない持久戦するんですけどー!?」
途中で反動きたらやばいじゃん! と、ドーピングを固辞した二人。正解である。
「それじゃあ、攻撃力にイマイチ難がありそうな八代君にコレをプレゼント」
懐からドクロマークの描かれた、いかにもなビンを取り出した友瀬。
「……オレ、地味にディスられてる? ディスられてるよな?」
「それより、友瀬のやつあからさまにヤバイの出してきたぞ……」
「それは何なんだい?」
「王水よ。金属なら何でも溶かせるわ。あのデッサン人形、金属製みたいだから効果はばつぐんじゃないかしら?」
手早く用意を済ませた頃には、人形たちは目前に迫ってきていた。ビームを撃てる個体はそんなに多くないうえに時間がかかるようで、二発目発射とはならなかったのは幸いというべきか。
「じゃあ、景気付けに一発どでかいの行っとこうか!」
気合いの入った声と共に射られた数本の矢は、人形部隊の足元にズササッと刺さると派手に爆発を起こした。人形たちの足が止まる。
「今だ、行きな!」
「おうっ!」
「りょうかーい」
浅田の合図で、勇ましく飛び出す二人だったが――
「ぎゃーッ、再生したぁぁぁッ!?」
「王水っ、王水掛けないとぉぉ!!」
やはり前衛がたったの二人では戦力的に不足していたようである。それでも何とか戦線を維持する三人。
「二人がやられてしまうのも時間の問題かもしれないわね……」
「そう思うんなら、何か助太刀して欲しいんだけど!?」
ため息をつくばかりの友瀬に対して、間断なく屋矢を放つ浅田から悲鳴のような文句があがる。せめて戦える人数がこの十倍はいれば……とは思うが、他に残っているのは戦闘能力に自信のない生産職や非戦闘職だけである。
「じゃあ私はとりあえず、王水作っておくわ。なんだかんだ言っても金属製な敵が相手だし役には立つでしょ」
「ええっ、ここで作るの!?」
「杵築さんもヒマを持て余してるなら手伝ってくれる?」
「あ、はい……」
そんな感じで唐突に始まる錬金術師の錬金作業。特に出来ることもなく戦いを見守るだけだった面子がそれを手伝い始めた頃――
「お待たせっしたー! アルスター冒険者組合の腕利き一行様ごあんなーい!」
革命軍の反逆の狼煙となる斉藤の声が明るく響き渡った。
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