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最終章 最終決戦だヒャッハーな件

いま俺にできること

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「…………うーん、干からびたミイラになるのは嫌だー………はっ!?」

 どうやらまた意識が途切れていたらしい。しかも、なんかさっきより体がコアに取り込まれてるような……具体的には胸の辺りまで。えっ、これ最終的には全身持ってかれるパターンなん!? 息とかどーすんだよ!?

 それにしても何かを吸い取られてるっつー実感がないんだが……一体何を吸い取られてるんだろうな、俺?

「ステータス!」

 ほんの気まぐれでやってみた。たぶん発動しねーだろと思いつつ。

 そしたら――

レベル:56
クラス:龍神

HP:1300/1300
MP:39/40
(TP:14500/15000)

 MP減ってない。減ってるのはステータス魔術発動分だけだ。ということは……TP? 吸い取られてんのTPさんなん!? 普段あんまり使わないから存在も忘れかけてたTPさんが潜在魔力ぅ!?

 しかし、これである意味一安心である。これだけ時間が経っているにもかかわらず五百しか減ってないって事は、ミイラ化という未来は無い。あと、魔術も使えないわけでは無いようだ。つっても、俺が使えるのステータス魔術くらいだけどな!
 今この状況で威圧さんをオフってもMPの無駄だしなぁ……。野生のモンスターカモーン! そしてこのコアを壊して頂きたい、まじで。とか思っても無理なのである。始まりの街周辺モンスターの脆弱さをナメてはいけない。

「今の状況で俺にできる事ってあるんかなー……?」

 できる事。周囲を眺めることくらいなのだが……。何かさっきとは違う場所だな、ここ。具体的にはなんか狭い。部屋とすら呼べないくらいに狭い。さっきまでいた格納庫のような場所と比べて静かだ。誰もいない。っつーか、そもそも他の人間が入れるスペースが無い。

 ――これは一体どういう状況だろうか?

 「そういえばあのクソ王、このコアのこと何て言ってたっけ……?」

 魔術兵器の動力源がどうとか言ってたような……。動力源というと、電池みたいなものか? つまり、これって何かにこのコアがセットされてる……? それも俺ごと。……なにそれこわい。
 こんなデカイコアが収納できるんだから、件の魔術兵器とやらは巨大ロボット並みのデカさなのではなかろーか? それに外の様子がわからないイコール、外からもここの事がわからないのでは……?
 あ、これ人知れずやられるパターンだ。全てが判明した時には手遅れ、みたいなー。

 俺が絶望していると、異変が起こった。ゴウンゴウンという何かの駆動音と共に、上下に揺れ始めたのだ。メカが歩いてるっぽいぎこちない振動。

「…………二足歩行ロボ確定なんですね、わかります」

 ――わかってる場合じゃなかったァァ! 死へのカウントダウンが始まってるぅぅ!? 何か、何か無いのか!? 俺が生き延びる方法ーっ! 生命のピンチなんだから、新能力的なものが目覚めても良いと思いますぅぅ!

 差し当たってはこのコアから脱出する方法を――


名称:魔術回路のコア
充填率:80/100
耐久度:96/100

魔力源を取り込む事で機能するタイプのコア。何度でも充填できるので、エコ。ただし、耐久回数には注意!


 ……へっ? 森羅さん使えないんじゃなかったん? いや、もしかして外に出せないだけで鑑定能力は生きてたのか?
 それにしても、なんか充電乾電池みたいな解説だなこれ。でも耐久度の辺りが突破口になりそうな気がする。電池ってほら、充電しすぎたら壊れるじゃん? むしろ爆発する? ……やっぱやめとこう。俺に自爆は早すぎる。どっかの兄貴みたいに流星を見せるわけにはいかんのだ。

 となると出来ることは、ほぼない訳で……俺ってば無力だなー。


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