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最終章 最終決戦だヒャッハーな件
チートってやばい(今更感)
しおりを挟む「迷惑かけた分は、戦いで取り戻ーす!」
幸か不幸か、ロボはまだ稼働中。友瀬の弾幕のおかげで動きが止まっている今が反撃のチャンスだ!
「見たところ武器が無いようですけれど、どうするつもりなのです?」
「はぅわぁ! しまった、すっかり忘れてたぁぁ!!」
シータのツッコミに俺、絶叫。現在、俺の相棒さんである『魔絶ち』君は絶賛行方不明中である。他の武器? 全部没収されてるよ! ……徒手空拳で、あのロボに立ち向かうのはちょっと……。
『ぬぅぅ、小癪な! 人質がどうなっても良いのか、邪神よ!』
あ、そうだヴァルさんたちが人質に取られてるんだった! あの王の事だから抜け目なく見張りを立てているに違いない。……どうしようか。いやでももう脱出しちゃったしなぁ。だからといって電池には戻りたくない。さて、マジでどうすれば?
「――人質ならば解放しました! 遠慮無く暴れていいですよ神山君!」
「神山っちー、武器ならここにあるよー」
声の方へ視線を向けると、先生と湯田、佐伯が息を切らしながら走り寄って来るところだった。他にも新名と北山、それに流がギルドの人たちの助っ人してたり。
「神山っち、はいこれ」
何故か湯田が『魔絶ち』を差し出してきた。それは良いけど今までドコにいたんだ?
「ちょっと、トレジャーハントをねー。お宝は見つからなかったけど」
残念そうに事の次第を呟く佐伯。ちょ、先生もついてたってのに、お前らこの大変な時に何やってんの!? 俺の無言の抗議が聞こえたのか、先生があたふたとしだした。
「じゃ、じゃあ、あのロボットの動きを止めますからみんな下がってー。……『|火炎よ(プロクス)』!」
先生の火炎魔術がロボの下半身を直撃。全力全開で放ったのであろう、高温すぎて白くすら見える炎がロボの足を溶かしていく。…………先生の魔術やべぇ。これルージオのやつ、マトモに戦ってたら負けてたんじゃなかろうか? だって勝つビジョンが全く見えねぇもん。この上、勇者とか聖騎士とか聖女とかもいるんだぜ?
「オレもやってやる! 『[重双撃|じゅうそうげき]』!」
なんか先生に触発された早乙女が張り切りだして、一撃で二回攻撃とかいうチートっぽい技出してやがる。あ、今の攻撃で足が破壊されたから、ロボがバランス崩して倒れた。
『おのれ、おのれおのれぇぇぇ!!』
為すすべ無くその巨体を倒された王が怨嗟の声を上げる。これ俺が暴れる余地なくね?
「……ほんとチートだよな先生たち」
「そんな神山っちにバフでも掛けてあげようか? ちょっとだけチート気分味わえるよ?」
悪魔のささやきがッ! ……惹かれるものはあります。俺だってチートしたかった!!
『こうなれば……せめて貴様らだけでも道連れにしてくれる!!』
不穏すぎるセリフ。すわ自爆か!? と、思いきや……ロボの胸元がパカリと開き、動きやすそうな格好をしたアルスター王が這い出てきた。ぴっちりパイロットスーツとかじゃなくて良かったわー。奴が向かうは魔術回路のコアがある背中方面。……いったい何を? 何にせよイヤな予感しかしない。
「とりあえず阻止した方が良さそうだが」
対デッサン人形戦を切り上げたのか流がぽつりと呟いたのだが、時すでに遅し。
「ワシの全魔力をコアにくれてやる!」
あ、うん。やっぱ自爆ですね、これ。過剰にエネルギー供給したって爆発するだけだろうに……これだからヤケになった奴ときたら。
「――いけない! 皆、アルスター王を止めるんだ!!」
あわてて急に声を荒げるリト。……ってお前いつアルスターに来たんだ? なーんてのんきな事を考えている場合ではなかった。
王の魔力をグングン吸収していったコアが、驚きの形態変化をはじめたのだ。俺の時とは違い、どす黒く赤黒い色に染まったコアは液体のようにウネウネと動き回り、王をその中に取り込んで肥大化していった。それはロボをも取り込んでいき――
最終的にグロテスクな怪獣のようなカタチに収束。……ラスボスの形態変化はお約束ですよねー……。
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