幽霊探偵は男の娘⁉︎

本田ゆき

文字の大きさ
3 / 14

第3話

しおりを挟む

「うわああああ!!!!」

勢いで玄関を開け、靴を蹴り捨て自室のドアを開けては思い切りバンっと閉めた。

リビングから、「ちょっと、うるさいよ!ご近所迷惑でしょーが!」と母の怒鳴り声が聞こえてきたが、そんなものは頭のに入らない。

部屋の鍵を閉めてぜーはーと荒くなった息を落ち着ける。

数分前のアレはなんだったのだろうか?

いや、そもそもアレは存在しないんだ、もう考えるのも思い出すのもやめよう。

目を閉じて深ーく深呼吸する。
段々と落ち着いてきた。

そうだ、俺は本屋に行って、カノンの最新巻を買ったんだ。

早く続きが読みたくて、ああ、気になる!犯人が気になるー!あの密室トリックはどうやって作ったんだろう!手紙の謎は?

よし、早く読もう!

パッと俺は目を開けると。

「はーい⭐︎」

目の前にはさっきの男の娘が手をひらひらとさせて満面の笑みで立っていた。

「なんで!俺の部屋に!いるんだよおおお!!」

「翔うるさい!」

俺の大声に母親がまたも叫んでくるが、それも頭に入らない。

「もうさ、そんなに驚かれると、逆にこっちも引くからやめてくんない?」

一方男の娘はというと、落ち着き払って俺のベッドにすとんと腰を下ろす。

「いやいやいや!お前誰何だよ!ユーレイとか信じてねーし!!つーか男!?意味わかんねー!!」

俺は男の娘を指差しながら叫ぶ。

「あんまり叫ぶなよ、またかーちゃんに叱られるぞ」

と言うタイミングで俺のドアが少し強めにどんどんと叩かれた。

「ちょっと、何があったの?開けなさい!」

母親だ。

そうだ、この男の娘は不法侵入者だ。
母にすぐ様伝えなくては。

俺は急いで鍵を開ける。

「かーちゃん!こいつが俺の部屋に勝手に入ってきたんだ!とっ捕まえて警察に通報しようよ!」

俺はベッドですっかり腰を下ろして落ち着き払っている男の娘を思いっきり指差しして、懇願した。

しかし、返ってきた返事は予想外のものだった。
いや、ある意味予想通りかもしれない。

「翔、何言ってるの?こいつって、誰もいないじゃない。」

母は俺を本気でおかしいという目で見ている。

「いや、え?かーちゃん、見えないの?」
俺は顔が真っ青になって、冷や汗が出てきた。

「あんた、漫画の読み過ぎで幻覚でも見えたんじゃないの?あんなに猛ダッシュで帰ってきたから、顔色も悪いじゃない、着替えてベッドで少し休んだら?」

着替え持ってくるわね、と言って、母は俺の部屋を出て行ってしまった。

「…え?」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

母の下着 タンスと洗濯籠の秘密

MisakiNonagase
青春
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。 颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。 物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。 しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。 センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。 これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。 どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

還暦の性 若い彼との恋愛模様

MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。 そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。 その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。 全7話

17歳男子高生と32歳主婦の境界線

MisakiNonagase
恋愛
32歳の主婦・加恋。冷え切った家庭で孤独に苛まれる彼女を救い出したのは、ネットの向こう側にいた二十歳(はたち)と偽っていた17歳の少年・晴人だった。 「未成年との不倫」という、社会から断罪されるべき背徳。それでも二人は、震える手で未来への約束を交わす。少年が大学生になり、社会人となり、守られる存在から「守る男」へと成長していく中で、加恋は自らの手で「妻」という仮面を脱ぎ捨てていく…

セーラー服美人女子高生 ライバル同士の一騎討ち

ヒロワークス
ライト文芸
女子高の2年生まで校内一の美女でスポーツも万能だった立花美帆。しかし、3年生になってすぐ、同じ学年に、美帆と並ぶほどの美女でスポーツも万能な逢沢真凛が転校してきた。 クラスは、隣りだったが、春のスポーツ大会と夏の水泳大会でライバル関係が芽生える。 それに加えて、美帆と真凛は、隣りの男子校の俊介に恋をし、どちらが俊介と付き合えるかを競う恋敵でもあった。 そして、秋の体育祭では、美帆と真凛が走り高跳びや100メートル走、騎馬戦で対決! その結果、放課後の体育館で一騎討ちをすることに。

筆下ろし

wawabubu
青春
私は京町家(きょうまちや)で書道塾の師範をしております。小学生から高校生までの塾生がいますが、たいてい男の子は大学受験を控えて塾を辞めていきます。そんなとき、男の子には私から、記念の作品を仕上げることと、筆下ろしの儀式をしてあげて、思い出を作って差し上げるのよ。

処理中です...