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第9話
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「で、この後はどうするの?」
そうレイラはアンドリューに話しかける。
「どうもこうも、お前の事をこの金を使って訴える」
そうアンドリューはお金の詰まったトランクを指差す。
要するに裁判に突き出すということだ。
「そう、でもそれは少し待って貰えないかしら?」
そうレイラはお願いする。
「は?何でだよ。俺は昨日からお前の事を早く殺したくて仕方がないのに」
と少し荒い口調でアンドリューは否定する。
「そうだけれど、この街が私のせいでこうなったんなら、死ぬ前に罪滅ぼししたいの」
私はそう申し出た。
「罪滅ぼし?死んで詫びる以外に?」
そうアンドリューはまた馬鹿にした様な顔でいう。
「ええ、そのお金を半分使って、この街を立て直したい。貴方みたいに貧しい人が出ない様にしていきたいの」
「は!貧しい貧民でどーもすみませんねぇ!」
レイラの言動が気に入らず、アンドリューは嫌味を言う。
しかし、レイラは気にせず話を続けた。
「確か、この街は10年くらい前から税金があがって、給金が少なくなり、宝石類なんかは全部献上させられたのよね?」
私はこの街に来て最初に話したおばさんの言葉を思い出す。
「ああそうだよ、どっかの誰かさんのせいでな!」
そうアンドリューはイライラしながら聞いていた。
「その他には何がある?」
私はアンドリューに尋ねる。
「何かって?」
「ここが悪いとか、この辺を直して欲しいとか」
アンドリューはそんなの沢山あると答えた。
「まず俺みたいなごろつきが多い、金がないからと捨てられる孤児も多い。
そのくせ警備する人もろくにいないから犯罪がいつだって横行している。
まともに働いている人ももちろんいるけどな。
後は働いても税金取られるのが嫌だからって、中には金が無いふりをする奴もいるし、働かない奴もいる」
それを聞いてレイラは考える。
「成る程、警備を強化して、犯罪を少なくするのと、労働面ね。
よし!」
そうレイラは勢いよく立ち上がった。
「じゃあ先ずは警察へ行きましょうか!」
「いや、ちょっと待てよ」
そうアンドリューはレイラの腕を掴みながら言う。
「勝手に話が進んでるけど、俺はあんたを訴えて」「私を訴えて、殺して、その後は?」
「その後?」
アンドリューは聞かれて首を捻った。
復讐した後のことなど特に考えていなかった。
「まあ、適当に生きる」
「こうやって、一生ごろつきのまま?」
そう尋ねられ、アンドリューは答えに詰まる。
「どうせ私を殺すなら、環境が整った後でもいいんじゃないかしら?」
そうレイラはアンドリューに提案する。
「お前、またそう言って自分の死を先延ばしにしたいだけだろ!」
そうアンドリューは怒鳴る。
「私はただ貴方を思って言っているだけよ。別に強制はしない。
もし貴方が私をささっと殺したいというならそれも構わないけど?」
そうレイラはニコリと微笑む。
アンドリューは頭をガシガシと掻く。
このレイラの言っている事がよく分からない。
新聞やテレビではもっと我が儘で宝石や金目の物に目がなく、そのせいで民衆は貧しい思いをさせられていると言われていた。
しかし実際俺が目の前で話しているレイラはそんな人物像からかけ離れている。
宝石を簡単に手放し、大金をゲットしたのにそれで街を立て直すとか言うし、挙句には今の方が楽しいとか言い出すし……
こいつがこの街の惨状を見て心変わりしたということか?
そんな簡単に人は変わるのか?
何かきっかけがあったとか?
しかし、こいつが俺の両親の仇である事に変わりはない。
こいつがどれだけ変わって人の役に立とうと、これまで犠牲にあった人たちはもう救えないんだ。
こんな事で俺の気持ちは変わらない。
こいつを俺がこの手で殺す。ただそれだけだ。
「今はあんたの言う通り街の立て直しに協力してやる。ただし、本当に立て直せるか甚だ疑問だがな。
それと、それが成功しようが失敗しようが、俺はあんたを殺す。
いいな?」
アンドリューはレイラを睨みつけながらそう言った。
「ええ。異論はないわ」
レイラはそれにあっさりと答えた。
そうレイラはアンドリューに話しかける。
「どうもこうも、お前の事をこの金を使って訴える」
そうアンドリューはお金の詰まったトランクを指差す。
要するに裁判に突き出すということだ。
「そう、でもそれは少し待って貰えないかしら?」
そうレイラはお願いする。
「は?何でだよ。俺は昨日からお前の事を早く殺したくて仕方がないのに」
と少し荒い口調でアンドリューは否定する。
「そうだけれど、この街が私のせいでこうなったんなら、死ぬ前に罪滅ぼししたいの」
私はそう申し出た。
「罪滅ぼし?死んで詫びる以外に?」
そうアンドリューはまた馬鹿にした様な顔でいう。
「ええ、そのお金を半分使って、この街を立て直したい。貴方みたいに貧しい人が出ない様にしていきたいの」
「は!貧しい貧民でどーもすみませんねぇ!」
レイラの言動が気に入らず、アンドリューは嫌味を言う。
しかし、レイラは気にせず話を続けた。
「確か、この街は10年くらい前から税金があがって、給金が少なくなり、宝石類なんかは全部献上させられたのよね?」
私はこの街に来て最初に話したおばさんの言葉を思い出す。
「ああそうだよ、どっかの誰かさんのせいでな!」
そうアンドリューはイライラしながら聞いていた。
「その他には何がある?」
私はアンドリューに尋ねる。
「何かって?」
「ここが悪いとか、この辺を直して欲しいとか」
アンドリューはそんなの沢山あると答えた。
「まず俺みたいなごろつきが多い、金がないからと捨てられる孤児も多い。
そのくせ警備する人もろくにいないから犯罪がいつだって横行している。
まともに働いている人ももちろんいるけどな。
後は働いても税金取られるのが嫌だからって、中には金が無いふりをする奴もいるし、働かない奴もいる」
それを聞いてレイラは考える。
「成る程、警備を強化して、犯罪を少なくするのと、労働面ね。
よし!」
そうレイラは勢いよく立ち上がった。
「じゃあ先ずは警察へ行きましょうか!」
「いや、ちょっと待てよ」
そうアンドリューはレイラの腕を掴みながら言う。
「勝手に話が進んでるけど、俺はあんたを訴えて」「私を訴えて、殺して、その後は?」
「その後?」
アンドリューは聞かれて首を捻った。
復讐した後のことなど特に考えていなかった。
「まあ、適当に生きる」
「こうやって、一生ごろつきのまま?」
そう尋ねられ、アンドリューは答えに詰まる。
「どうせ私を殺すなら、環境が整った後でもいいんじゃないかしら?」
そうレイラはアンドリューに提案する。
「お前、またそう言って自分の死を先延ばしにしたいだけだろ!」
そうアンドリューは怒鳴る。
「私はただ貴方を思って言っているだけよ。別に強制はしない。
もし貴方が私をささっと殺したいというならそれも構わないけど?」
そうレイラはニコリと微笑む。
アンドリューは頭をガシガシと掻く。
このレイラの言っている事がよく分からない。
新聞やテレビではもっと我が儘で宝石や金目の物に目がなく、そのせいで民衆は貧しい思いをさせられていると言われていた。
しかし実際俺が目の前で話しているレイラはそんな人物像からかけ離れている。
宝石を簡単に手放し、大金をゲットしたのにそれで街を立て直すとか言うし、挙句には今の方が楽しいとか言い出すし……
こいつがこの街の惨状を見て心変わりしたということか?
そんな簡単に人は変わるのか?
何かきっかけがあったとか?
しかし、こいつが俺の両親の仇である事に変わりはない。
こいつがどれだけ変わって人の役に立とうと、これまで犠牲にあった人たちはもう救えないんだ。
こんな事で俺の気持ちは変わらない。
こいつを俺がこの手で殺す。ただそれだけだ。
「今はあんたの言う通り街の立て直しに協力してやる。ただし、本当に立て直せるか甚だ疑問だがな。
それと、それが成功しようが失敗しようが、俺はあんたを殺す。
いいな?」
アンドリューはレイラを睨みつけながらそう言った。
「ええ。異論はないわ」
レイラはそれにあっさりと答えた。
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