私の幸福

本田ゆき

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幸せになる為に

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 1歳の誕生日。初めての我が子の誕生日。

 それはそれは、とても特別な日だ。

 私は子供にとって何が幸せか考えた。

 きっと、両親揃って誕生日を迎える事が子供にとって1番幸せな事だろう。

 それに、もしかしたら、私が地元へ戻って来たこの2ヶ月ほどの間に彼も反省したかもしれない。

 そんな淡い期待もあり、祖母の家で限界を迎えた私は、子供の誕生日に合わせて家へと帰る事にした。

 帰る事に、してしまった。

 家へ帰ると、彼は私を睨んだ。

「どの面さげて帰ってきたんだ」と。

 私は負けじと答えた。

「明日はこの子の誕生日だから。せめて夫婦で祝ってあげたい。今は争いごとを忘れて子供の事だけ祝いたい」

 彼は「そんなすぐに感情を変えられる訳ないだろ」と怒っていた。

 私は内心やっぱり駄目だったかと思った。

 もう、私に行く宛などどこにも残っていなかった。

 息子の誕生日。1歳でも食べられるケーキセットでお祝いをした。彼は事前にケーキ屋で予約していたらしく子供の名前が書かれたケーキを持って来ていた。

 誕生日プレゼントに、私は子供に服をプレゼントとした。彼は法事帰りだっからと数珠をプレゼントした。

 誕生日が滞りなく過ぎた。

 私は、死ぬ準備をした。

 十分幸せだった。結婚して子供を産んで、子供の誕生日を迎えられた。

 今までの私の人生から考えて、もう十分幸せだった。

 これからどこに行っても辛い日々が来るのは目に見えて分かっていた。

 子供の誕生日の次の日。

 私はお酒と薬を飲んだ。

 オーバードーズした。

 だけど、私は別にお酒を早く飲める訳でない。薬も錠剤を飲むのが下手で、1錠ずつしか飲めなかった。

 途中で酔いが回る頭の中で気付いたのだ。

 これでは死ねない、と。

 そんなこんなで朝になり、子供が起きてきたので私は子供の横で横たわった。

 そして彼も起きて来て私のした事を知った。

 彼に言われた。「死ぬ気なんてないくせに」

 辛くて涙が溢れた。この現実が苦しくて苦しくて。

 私は精神科へ入院になった。

 あくまで私の意思でもう限界だと伝えた。

 携帯は預かられ、彼が持って帰った。

 入院初日は寝込んだが、その後同室の女の子と仲良くなった。

 子供の話を沢山した。

 私は話しながら気付いたのだ。

 どうして子供が側に居たのに、それだけで幸せだったのに。

 自ら手放してしまう様な真似をしたのだろう?

 今でも私は後悔している。

 1週間ほど入院した後、退院した私はやはり子供を連れて子供と2人でやり直そうと思った。

 しかし、退院すると子供は彼の実家へと連れて行かれてもう居なかった。


 彼からは「お前は地元に帰るんだろ? なら鍵を置いて出ていけ」と、夕方私は家の鍵を取られて追い出された。

 途方に暮れた。

 私の事を心配した父が「家に戻って来い」と言ってくれたが、私の地元まで飛行機の距離。今日中には帰れない。

 そもそも私の財布には6000円程しか入ってない。

 その事を警察に訴えた。

 しかし警察は私が何度か来てる事、私が精神科に入院していたいわゆる「私の方がおかしい」と決めつけられほとんど相手にしてもらえなかった。

 クレジットカードでなんとか一泊ビジネスホテルに泊まり、そこから私は父からお金を借りて再び父の元へ戻って来た。

 しかし、父と暮らしているとまたどんどんメンタルがやられてしまった。

 もう行くあてのなくなった私は、持って来た荷物を持って市役所の女性相談へと駆け込んだ。そこから精神科へ行き、精神病院にまた入院になった。

 帰る場所も、仕事も、子供すら奪われた私は、とりあえず生活保護を申請し、市役所からの勧めで弁護士さんを紹介してもらえた。

 それから子供を取り戻す為に監護権の申し立てや子の引き渡しの申し立てなどを行い、アパートを借りた。

 しかし、調停ではやはり私が自殺未遂をした事、子育てするメンタルが大丈夫なのか、また、私の親族からの手助けが彼のところと比べて手薄なところなどがあげられ、今現在もまだ調停中である。

 さて、ここまで勢いだけでざっと書いてしまったが、これが私の今までの人生である。

 私はまだ30歳。個人的にはもう30歳と落ち込んでいるが、周りからはまだまだ若いからいくらでも挽回出来ると言われる。

 5体満足で今は就活も始めている。

 趣味と言えば、YouTubeをだらだら見たり、音楽を聴いたり、小説を書いたり。

 メンタル不調を乗り越える為に、何とか毎日毎日小さな目標を立てて、それを達成して頑張ったらお菓子を食べるなど自分を甘やかしている。

 それでも、本音は子供と一緒に居たい。

 子供と離れて今は9ヶ月が経った。
 その間一度も直接的にも間接的にも会えて居ない。

 一目見ることすら出来ない。

 私の人生には何の意味があったのだろう?

 子供を1人産む事が出来た。
 子供は今、彼のところで元気にしているらしい。

 子供が生きているのなら、会えなくても幸せじゃないか。

 そう言い聞かせる日々に、いつ終わりが来るのだろうか?

 こんな駄文乱文を読んだ方には、是非選択を間違えないで欲しい。

 私は子供と2人で暮らせたらそれだけで幸せだった。

 それ以上もそれ以下も望んでいない。

 この小説が私の遺書にならない様に、子供の為に精一杯生きようと思う。

 その為に私は小説を書き続けようと思う。

 フィクションの中では、せめてハッピーエンドでありたい。

 私の人生も、フィクションだったらどれほど良かったか。

 きっと、何処にでもありふれた駄作になっただろう。
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