転生しました。

TOKYOなめこ

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トラックにどーん。

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 それは、今でも脳裏に焼き付いている。
あの日の衝撃的な出来事が。

「最近、転生もの多くね?『異世界転生したらチート貰って平穏に生きてきますー』とか、『最弱職と思われてて、追い出されたら実は最強でしたー』とかさー」
 学校からの帰り道。僕、三島は友達の田中と話しながら帰っていた。
「うん、まぁ分かる」
「あれってさ、ぶっちゃけ面白いか?」
 これまた、聞く人が聞いたら燃えそうな話題を……
「……まぁ、人によると思うよ」
そう、はぐらかす。
「ってかさー、俺が考えた小説の方がぜってー面白いと思うんだよねー!」
「うん、そうかもね……」
こいつは、対して面白くないSFを書いていることを僕は知っている。ほんとに、つまらないのだ。マジで。
「転生トラックばーん!知らない世界にどーん!チートで俺、つえーー!ってさ」
 身振りや手振りを大袈裟に田中は表現する。
「無理がありすぎるってか、トラックに轢かれるってどんだけ間抜けなんだよってさ」
「けど、ほら猫とか子供を庇って転生することも……」
 すると、田中はケタケタと笑いながら
「お前なら、いざって時にわざわざ他人や動物助けるか?無理ありすぎるだろー笑」
田中は、バカにしたように笑いながら歩く。
「ぷはー!俺も転生してーわー!」
目の前に横断歩道。しかも、赤。
「おっ、猫じゃーん!」
猫が横断歩道へと飛び出す。
「待ちなー!にゃんころ!」
田中も横断歩道へと飛び出す。
「おっしゃー!捕まえた!」
横断歩道の真ん中で猫を捕まえ、田中はピースをする。
こいつは、どこまでバカなんだ……。
「おい、やばくねぇか!べえって!」
パパーっと、鳴るクラクション音。
トラックが突っ込んでくる。
「おい、助けろ!三島ー!」
いや、自分も危ないし助けるわけ……。
「うぎゃぁぁぁ」
泣き喚く。そりゃもう、無様に。
仕方ない、助けに行くか。
……と、なるわけもなく。
「じゃあな、田中」
バン!と音がしてその日僕の友達は死んでしまった。





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