馬鹿ばっか

田原摩耶

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ヒーロー失格

07※

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 というわけで、岩片奪還のために言われた通り四階ラウンジへ来たのはいいんだけれども。
 元は生徒たちの憩いと交流の場としての役割として作られたであろうラウンジはいかにもな連中の巣窟と化していて。

「よー、ハジメちゃんー。マジで来たんだ?」
「すげー、マジやべー」
「俺生ハジメ初めて見たわ」

 全く知らないやつしかも男に呼び捨てにされるとムカつくものがあるが、ここまでくると誰の類友なのかわかりやすいのでまあよしとする。
 まあ、最初から想像はついてたが。

「なあ、VIPルームってどこにあんの?」

 面倒なので一番近くにいた連中に聞いてみる。
 こういう連中はノリでしか動かないのでフランクな感じのがウケがいいのだ。俺豆知識。

「てめえ二年のくせに誰にタメ使ってんだコラ!」

 ブチ切れたチャラ男に胸ぐら掴まれる。
 俺豆知識の役立たずめ。

「ちょっとちょっとちょっと~、俺のハジメ君に何してくれてんのー?」

 うわやべえ面倒くせえとか思った矢先だ。
 背後から聞こえてくるその緊張感のない声に、一瞬にして周囲が静まり返る。
 俺の胸倉を掴んでいたそいつは青くなり、「マドカさん」と慌てて俺から手を離す。
 神楽が自ら出てきてくれたのはよかった。よかったけれども。

「俺、いつお前のものになったんだよ」
「え~? ハジメ君俺のこと嫌いなのー?」
「それとこれは関係ねえよ。……って、お前、なんかまた頭すげーことになってんな」
「黒飽きちゃったからさぁ~、今度は色抜いてみたんだー」

「どーかなぁ?」なんて、自分の毛先を指で弄ぶ神楽の髪は白に近い金髪で。
 色が白いのでよく馴染んでいるが、ここ最近金髪とも良い思い出がない俺は構えずにはいられなくて。

「なんか、ガイコクジンみてぇ」
「ん? そう? 頭良さそう?」

 もしかして神楽の中では英語できる=天才みたいな形式でも成り立ってんのだろうか。
 嬉しそうに笑う神楽はいつもと変わらない。
 そう、人に脅迫状を叩きつけておいて、だ。

「神楽、それで、わざわざこんなもの人の部屋置いてどういうつもりだ?」

「岩片はどこにいるんだ」と、尋ねれば神楽はつまらなさそうには頬を膨らませる。

「野暮だねぇ、ハジメ君。野暮野暮さんだよぉ。それは」
「悪いけど、俺は忙しいんだよ」
「そんな忙しいって中であんなやつのこと迎えにくるわけ?……面白くないなぁー」

 なかなか本題に入ろうとしない神楽に焦れ、「神楽」とやつの名前を口にしたとき。

「ついておいで」

 くるりと踵を返す神楽。
 どこへ、と聞き返すよりも先に「ちゃんと手紙読んだんでしょお?」と神楽は首を傾げた。

「お話はぁ、VIPルームで」

「約束したしね」と無邪気にはにかむ神楽は、ラウンジのその奥、一際重厚なその扉を指さした。
 その扉を立ち塞ぐように立つ、ラウンジに巣食ってるチャラ男たちとは打って変わって厳つい男子生徒たちの姿になんだかもう嫌な予感しかしないが、岩片のことだ。そんな俺を見て愉しんでるに違いない。
 ならば、そんな岩片をさっさとぶん捕まえて帰るまでだ。

 以前、神楽にラウンジ奥の個室へと連れて来られたことがある。
 あの時のあのクーラーガンガンの個室がVIPルームかと思っていたがどうやら違うようだ。

「ようこそハジメ君、俺のVIPルームへ!」

 俺の?妙な言い方をする神楽に引っ掛かったが、今俺にとってそんなことどうでもいい。
 広い室内。赤いカラーライトに照らされたその部屋に踏み入れた瞬間、鼻腔に染み付いてくる甘ったるい匂い。
 アロマだかなんだかだろうか、部屋には消臭剤を常に置いている俺からしてみれば臭くて堪らない。
 先程までと違う空間だからか、異常なまでの赤い部屋はいるだけで気分が悪くなった。
 視覚的なものは勿論、匂いもだ。

「……おい、岩片はどこだよ」

 さっさと終わらせて早くここから出たい。
 けれど、部屋の中にはL字に沿って並べられた革ソファーとローテーブル、その他雑貨でごちゃついてるばかりで、あの目障りなくらいのもじゃもじゃ野郎の姿は見当たらない。
 部屋の中までついてきた厳つい男二名をバックに、神楽は「えー」と不満そうに唸る。

「お部屋の感想はないの~?」
「感想って言われてもな……目が痛いな」
「……本当にそれだけ?」

 そう、にやりと神楽の口元が緩むのが見えた。
 どういう意味かわからず、「は?」と聞き返そうとした時だった。
 ドクン、と鼓動がやけに大きく響く。

「……別に、それだけだけど?」

 汗が滲む。やけに落ち着かない。どこに目を向けてもちらつく赤の色が目障りで、呼吸をして落ち着かせようとしても体内に流れ込んでくる甘い薫りに吐き気が込み上げてくる。
 対する神楽はいつもと変わらない様子で。

「ふーん、ふんふん、なるほどねぇ~。ありがと、参考になったよー」

 言いながら、制服から携帯を取り出す神楽は目の前でそれを弄り始める。
 自分がこいつのペースに飲まれそうになっているのが悔しくて、「ちょっと待てよ」とやつの携帯を取りあげた。

「あっ、もーハジメ君返してよ~」
「岩片はどこにいるんだよ」
「はぁ? もじゃ~? まだハジメ君そんなこと言ってたんだ? うけるー」

 楽しそうに笑う神楽。対する俺はなんかもうブチ切れる寸前だった。
 結論から言えば、岩片はここにはいない。
 それが全てを物語っているわけで。
 騙された。
 ……いやでも待てよ、だったらなんだあのメールは。しかも、部屋も荒らされてたわけだし。

「もじゃもじゃならここにはいないよぉ? どこにいるかは気が向いたら教えてあげる~」
「なんだよそれ……」
「ああ、もーそんな顔しないでよー。別に教えないっては言ってないんだからさぁ~」

「ただ、ハジメ君がその気にさせてくれたらねって話でしょ~?」ほら、簡単でしょ。そうにこっと笑う神楽の笑顔が酷く気味悪く見えたのはこの室内の照明のせいだろうか。
 背後でガチャリと鍵が掛けられる音がして、額から流れ出した汗が頬を伝い顎へと落ちる。

「その気って……」
「も~、ハジメ君ったらそーやって知らないフリするんだもんねぇ。初めてじゃないくせにさぁ? 酷いよねぇ、俺、ハジメ君のこと信じてたのに~」
「いや、なんのこと言ってるんだよ、まじで」

 ナニが初めて云々は残念なことに察することは出来たが、俺が初めてじゃない?意味がわからない。いつの間に俺は経験済みになったというのか。というかそんなことを当たり前のように会話している時点で相当俺も毒されているが、こんな状況だ。少しでも最悪の事態だけは避けたかった。

「風紀のバカ連中にヤラれたんでしょ~? あーあ、ほんと最悪ー。あいつらの後になるんならやっぱさっさとヤっとけばよかったなぁ」
「ちょっと待てって、風紀だって?」
「風紀の眼鏡と金髪に一番取られたって会長が泣いてたよ?」

 政岡零児、またあいつか!!

「んなわけねーだろ! あいつの言うこと信じてんじゃねーよ!」

 流石にブチ切れそうになった。知らぬ間に脱処女疑惑掛けられてわけもわからん部屋に閉じ込められるわ岩片はいねえし完全に無駄足じゃねえか。
 怒鳴る俺に少しだけ神楽は目を丸くさせる。

「本当に? ほんっとーに、ハジメ君まだ処女なのぉ?」
「しょッ……そうだよ」

 なんでこんなことごつい男たちがにやにや見守ってる仲告白しなければならないのか全くもって理解できないが、なぜだろうか。この部屋にいると頭が働かなくて、言葉を選ぶ余裕がなくて。
 意味もなく、気が急く。

「これでいいだろ、だから、別に神楽が気にすることなんてな……」
「なら、誰かに取られちゃう前に貰っとかなきゃねえー」
「……は?」

 どうしてそうなるのがまじで理解できなくて、ほんの一瞬。俺は思考を放棄してしまった。
 それがまずかった。

「っ、ぐッ」

 伸びてきた神楽の手に胸倉を掴まれ、体ごと引き寄せられる。
 どんな馬鹿力だと驚いたが、違う、ただ単に俺の抵抗力が低迷してしまっているだけなのだろう。
 そんなこと、どうでもいい。

「てめ、ぇ……ッ」
「なるほどなぁ、ハジメ君は赤だと口が悪くなっちゃうんだねぇ。勉強になるな~」
「何言って……」

 咄嗟に神楽を引き離そうとした矢先、そのまま頬へ触れてくる神楽の指先。
 両頬を挟むように顔面を固定され、必死に藻掻くが呆気もなく唇を重ねられてしまう。

「ふ、……ッ」

 脊髄反射で唇を硬く閉じれば、間一髪神楽の舌の侵入を防ぐことに成功したが、身についてしまったいらん学習能力に自分で悲しくなる。
 舌が入らなければ、あとはコイツを突き飛ばせばいい。
 そう、思うけど。

「ぅ、……ッ! んん……ッ!」

 閉じられた唇にお構いなく、這わされる薄い舌の生々しい動きに気が遠くなる。
 舐められた箇所が酷く熱くて、やつの薄い胸板を叩こうと拳を固めるが、少しでも気を許したら唇を開いてしまいそうで。

「っ、ん、……ハジメ君って結構強情だよねぇ……」

 強情という問題ではないが、もう二度と男に舌入れられたくない、その思いは揺るがないはずだろう。だとしたら、俺は強情でもいい。

「まっ、いーけどさぁ……」

 長い神楽の舌が離れた矢先、「えいっ」と神楽に鼻を摘まれる。
 頑なに唇を閉じている俺、勿論、唯一呼吸器官として機能していたそこを塞がれたら息が出来ないわけで。

「……ッ!」

 すぐにやつの魂胆は理解できた。それでも、意地でも口を開きたくなくて。
 赤い部屋の中、息を止める俺を楽しそうに眺めている神楽と視線がぶつかった。

「さぁーて、ハジメ君はどれくらい保つんだろうねぇ~」

 正直のところ、既にもう苦しい。頭に血が昇りそうになるのがわかって、なんとしてでも神楽を振り払おうとやつの手首を掴むが、ぎゅっと握り締めたつもりでも力が入らない。
 気ばかりが焦る。苦しくて、既に酸欠状態の俺だが、だけどどうしても自ら口を開くような真似はしたくなくて。
 目の前が白くなる。
 暑くもないのに汗が流れ落ち、神楽の声がやけに遠く響いた。

「……っ、は」

 それはもう、俺の意思とは関係ない本能的な動作だった。
 このままではダメだと察した俺の防衛本能が、勝手に唇を開いて空気を吸おうとしたのだ。
 口いっぱいに広がる新鮮な酸素にホッとしたのも束の間、すぐに自分のしたことに気付く。
 そして、目の前の神楽の笑顔にも。

「四十二秒」

「おめでとうっ!」とはにかんだ神楽は、そのまま問答無用で舌を咥内へと深く挿入させてきた。
 新鮮な空気とともに口いっぱいに入ってくる他人の舌。
 それを慌てて押し出そうとするが、窄まったこちらの舌に絡み付かれればろくに動かすことも出来なくて。

「っ、は、ぁ……ッ」

 吐息混じり、神楽の舌と口の中で絡む度に響く濡れた音がただただ不愉快だった。
 座ってる体勢ならまだよかった、蹴ることも出来る。
 なのに、立ったまま上半身を引き寄せられてしまえば、思うように動かない。
 それ以上に、なんか甘い味が神楽の舌から流れ込んでくるみたいで、余計、立ってられない。

「ふ……んんぅ……ッ」

 何かがおかしいとか、わかっていたはずだ。
 酸欠のせいでふわふわしていた頭の中は神楽の舌で余計掻き乱され、ろくに考えることもままならない。
 ただ、口の中で蠢き、根本から先端までを擦り合わせるように絡んでくる神楽の舌の感覚だけがやけに鮮明だった。
 それでも空気が欲しくて、求めるように呼吸を繰り返せばその度に室内に充満した甘ったるい匂いが流れ込んできて、立ってられない。
 この自分の思い通りにならないような不愉快極まりない感覚には身に覚えがあった。
 神楽に妙な飲み物を飲まされた時と同じだ。俺相手に二番煎じとはいい度胸だ。
 目が回る。赤い色に酔いそうになって、そこにきて神楽に根こそぎ酸素ごと舌を吸い上げられれば頭の中は真っ白になったまま暫く機能麻痺する始末で。
 長いキスの間、まるで生きた心地がしなかった。
 死んでいるのかもわからない、自分がなにしてることすらも。
 ちゅぼんと小さく音を立て漸く神楽の舌は引き抜かれた。
 そして、開きっぱなしで唾液駄々漏れていた口元を舐め取られる。
 その舌の感触に驚いて顔を上げれば、ニコニコと笑う神楽がいて。

「んー……やっぱ、ハジメ君可愛いねえ。でもでもでもっ、俺以外とこういうことしちゃ駄目だよ~?」
「っ、するかよ……ッ」

 というかお前ともしたくないが言ったところで聞いてはくれないのだろう。
 咄嗟に唇を拭おうとした矢先だった。

「本当っ? 嬉しいなぁ」
「っ、おいっ!」

 抱き着かれ、思わずバランスを崩しそうになる。
 けれど、背後、腰に回された神楽の腕に抱き留められ、みっともなく尻餅をつかずに済む。
 しかし、すぐに尻餅でもついてでも奴の腕から逃げた方がよかったと後悔するハメになるのだけれども。

「神楽、おい……っ」

 人が見ている前で、というかこいつらも神楽とグルなのだが、それでもやっぱり俺にとって人目以外の何者でもない。
 腰に絡み付いてくる神楽の腕を引き剥がそうと掴んだ瞬間、丁度腰回りを支えていた神楽の手がもぞりとケツに伸びてきて。
 次の瞬間、衣類越しに両方のケツをぎゅっと揉まれ、口から心臓が飛び出しそうになる。

「ッな、てめ、手ぇ離せって!」

 逃げ腰になって逃れようとするが、離れれば離れようとするほど腕に力を込めて抱き締めてくる神楽から逃げることが出来なくて。
 咄嗟に神楽の腕を掴むが、輪郭を確かめるようにぐしゃぐしゃに揉みしごかれれば衣類越しとは言えもどかしい刺激に下腹部の力が抜け落ちそうになる。
 そして、終いにはこいつだ。

「んー? どうしてぇ?」
「ど、うしてって……っ」
「ハジメ君のお尻はこぉーんなに柔らかくて気持ちいーのにさぁ?」

 やめるどころかにやにや笑う神楽の手の動きは大胆になってきて、腿の間、股倉に挿し込まれた指に割れ目を探るように穿られればぞくりと全身に寒気が走る。

「ぅ、……ッ」

 やばい。妙なこの部屋のせいか、力が入らない。
 こんなことになってると岩片にバレたら何を言われるかわかったものではない。

「か、ぐら……ッ」
「どうしたの? ハジメ君。そんなに辛そうな顔して……」

 お前のせいだよ馬鹿という言葉をなんとか寸でのところで飲み込んだ。
 もうこいつはあれだ、ヘタに逆らったら余計厄介なことになるから取り敢えず下手に出てやろうと試みる。
 が、

「せめて、座って」
「嫌だ」
「はぁ?」
「その目、分かるよぉ俺。何か企んでんでしょ?何回も逃げられるわけにはいかないからさぁ?」

 座ったところを膝蹴り食らわしてやろうとしたのだがバレてる。こいつ学んでやがる。
 神楽がただのちゃらんぽらんではないということか。
 それはそれでいいことなのだろうが今の俺にとって学習機能搭載神楽は厄介以外の何者でもない。

「っ、おい、神楽……」

 いい加減にしろ、と神楽の手首を掴む。
 けれど、

「待たない」

「待つ必要ないよねえ、ここ、俺の部屋だし」そう、無茶苦茶なことを言い出す神楽。
 弄るように下着の中、滑り込んでくる神楽の手に全身から血の気が引く。
 なんとかして引き抜こうと指先に力を込めるが、神楽は全く気にしていなくて。
 ケツの穴、触れる神楽の濡れた指に心臓が口から飛び出そうになる。
 デジャブ、それもあまりよくない方のデジャブだ。

「やめろって、まじッ」

 慌てて目の前の神楽の腕を掴むが、躊躇いもなく体内に捩じ込まれる指にその後の言葉は続かなかった。
 有り得ねえ、まじかよこいつ、流石にまずいと思って腰を引こうとすればそれを見抜かれ腰を抱き寄せられる始末で。

「っ、てめ」

 逃げようとすればするほど強く腰を抱き寄せられ、逃げられなくなった下腹部へ深く、中へと入り込んでくる細い指に全身が強張った。
 いつの日かのクソ眼鏡たちに鉄の医療器具突っ込まれたときに比べれば異物感はなかったが、密着した体から流れ込んでくる神楽の体温が不愉快で。
 そしてなにより、ひんやりとした神楽の指に反応する自分に腹立って仕方がない。

「っ、離せ」
「ハジメ君結構腰細いねー」
「……ッ」
「腰、動いちゃってるよ?」

 耳元、囁かれるその声に喉が震える。
 そんなはずない、ハッタリに決まってる。そう思い込もうとすればするほど意識が下腹部に集中し、先ほど以上にその指の動きが生々しく伝わってくる始末だ。

「ふ、ぅ……ッ……」

 唇を噛んで堪える。
 けれど、腹の奥を抉られる度に全身の筋肉が硬直し、汗が滲んだ。円を描くように中をなぞる指に言い表し難い何かが競り上がってくるのが自分でも分かってしまうものたから、嫌になる。

「かぐ、ら……ッ」
「中、こぉーやってぐちゃぐちゃに掻き回されたら気持ち良くない?」
「ッ、ん、ぅッ」

 矢先、大胆になるその指の動きに一瞬頭の中が真っ白になる。
 腰から力が抜けそうになったところを神楽に抱き寄せられ、慌てて離れようとするにも力が入らなくて。

「きもち、よく……ねえから……っ全ッ然ッ」

 そう毒づくことが精一杯で、睨み付けたその先、きょとんとしていた神楽だったがそれも束の間。
「あはっ」と笑みを零す。

「そうだよねえ……もっと、深くしなくちゃね」

 その笑顔にただならぬ嫌な予感を覚え、身を引こうとした矢先のことだった。
 上半身を腕で抱えるよう抱きかかえられる。
 強制的に突き出された下腹部にまずいとバタつくものの、間に合わなかった。

「っ、ぁ……ッ?!」

 指一本でもちょっとケツの中がやばい感じがするそこに容赦なく二本目を捩じ込まれる。
 肛門を押し広げるよう挿し込まれる指に、ぞくりと背筋が凍り付いた。

「ぁっ、て、め……ぇ……ッ」
「ん~、流石にキツイみたいだねぇ。でも、安心したよぉ」

「おい」と、傍に立っていた男に呼び掛ける神楽。
 視界いっぱいの神楽にばかり気を取られていたが、そうだ、人がいるんだった。
 余計なことを思い出してしまったため居た堪れなくなっている俺を他所に男から何かを受け取る神楽。
 それが何なのか、掠れる視界の中やつの手に目を向けようとするがすぐに俺の背後に回されてしまう。

「想像よりも締まりよくて、俺も勃起しちゃいそう」

 頬を触れ合わせるように顔を寄せてくる神楽になんだかもう生きた心地がしない。
 言葉通り下半身になんか嫌なものがゴリゴリ当たってるしこれはもう、これ以上は耐え切れない。
 使いたくなかったが、岡部から授かった殺人スプレーを使うしかないようだ。
 そう、制服のポケットに手を伸ばそうとしたのとほぼ同時に、背後で神楽が手を動かすのがわかった。
 次の瞬間、

「んんぅ……ッ!」

 腰から下、丸出しになっているであろうケツに液体を垂らされる。冷たくはなかったものの、人の体温に暖められている余計な気遣いが余計気持ち悪くて、皮膚を滑り落ちていく粘っこいその感触に思考停止する。

「……ッ、な、んだよ、これ」
「んん? あれぇ? ハジメ君知らないのぉ?」

 いや知ってるけども、残念ながら知ってるけれども。
 なぜそんなものが俺のケツに練り込まれなければならないのかが理解出来ない。
 ローション絡ませた神楽の指にケツの穴拡げられたかと思えば問答無用で入り込んでくる複数の指に、流れ込んでくる生温いそれに、背筋が震えた。

「っ、や、め」
「言ったでしょー? 俺、初めての子には優しくする主義だってさぁ」

 こんな優しさいらない。
 神楽から離れたいのに、ケツを揉んでくるその手を止めるだけでも精一杯で、それすらまともに止めることも出来ない今ポケットの殺人スプレーを取ることすらままならない。
 せめて、隙を。そう思うのに、体の中、蠢く複数の指に乱雑に内部を刺激されれば頭の中が真っ白になって、あ、ちょっと待ってまじでやばい。なんか、めっちゃ涎止まらない。

「ッ、指、やめろ……っ」
「いいよぉ、止めてあげる」

 耳元、囁かれる予期せぬ言葉にまじで、と動きを止めたとき。
 神楽の薄い唇が笑みを浮かべる。

「君が俺と付き合ってくれるんならねえ」

 どうせそんなことだろうとは思っていた。
 土下座くらいならしてやろうかと思ったが、俺にも事情ってものがあるのだ。
 これくらいで屈服したことでネチネチ岩片に詰られるくらいなら、ケツ弄くり回されるくらいどうってこと……あるけど、その言葉にだけは従う気にはなれない。

「い、やだ……ッ」
「あれえ? なんでえ? 結構、俺達上手く行くと思うんだけど」

 何を根拠に、性生活の擦れ違いから付き合って二日で破綻するのは目に見えているだろう。
 そもそも、大前提として俺は男と付き合うつもりはない。
 ないのだが、

「っ、は、ァ」
「ほぉら、すごいハジメ君のナカ、俺の指に吸い付いてくるしぃ? ぜーったい相性いいって、俺達」
「……ッ」
「ねえ、ハジメ君?」

 耳元、寄せられた唇にそのまま耳朶を舐められればぞわりと全身に鳥肌が立つ。
 同時に執拗に中を揉み解してくる神楽の指の感触に、全身の熱が上がるのが分かった。
 腹の奥底、不快感とともに競り上がってくるなにかに息が苦しくなって、視界が霞む。サウナに入ったみたいな、あまりの熱で脳味噌茹で上がったんじゃないかと思うほどだ。

「や、めろ……ッ」

 ローションを練り込むように動くやつの指先に腰が震えそうになる。
 口だけでも、否定しなければそれこそどうにかなってしまいそうだった。
 そして、その度に神楽は、

「じゃあさ、付き合ってくれるの?」

 耳元で囁かれるその声は酷く甘く響く。
 付き合えば、やめてもらえるというのか。
 執拗にケツばかりを弄ばれられ、そろそろ肛門の形が変形してきたのではないかと思いはじめていた俺だったが脳裏を掠めるモジャ野郎の顔に慌てて思考を振りはらった。
 唇をきつく結び、何も応えない俺に神楽は少しだけむすっとした。それも束の間のことだ。

「……まあいいけどねえ。持久戦は俺、得意だからさぁ」
「っ、ぃ」

 指を挿入したまま腰を掴まれたかと思えばそのままぎゅうっと抱き締められる。真正面から抱き締められ、上半身も下半身も密着した状態、下腹部、擦れる嫌なその感触にまるで生きた心地がしない。

「降参したくなったらいつでも言ってよ。止めてあげるからね?」

 そういって、もう片方の空いた手、指に舌を這わせた神楽は笑う。
 岩片、お前が今まで神楽を嫌っていたわけがわかったぞ。

「っ、く、ふ……ッ」
「可愛いねえ、ハジメ君。声我慢しなくていいのにさぁ?」

 ねちねちねちと下半身主にケツに絡み付いてくる神楽の細い指が鬱陶しくて堪らない。
 振れられれば触れられるほど焼けたように熱くなるケツの穴に下半身まで痺れが回り、神楽が支えてくれなければとっくに崩れ落ちていたかもしれない。
 そんな、この状況がただ不快で、それでもまだ頭の中は靄がかったままで。
 正直、長時間この体制のお陰で自分の中のあらゆるものが決壊し始めていた。
 このままではまずい。
 なけなしの理性で踏ん張りつつ、俺は状況打破のため視線を動かした。
 取り巻き含め四対一。まともじゃない今、神楽一人相手にすることすらままならないだろう。
 ならば、と俺は決心する。整復のポケット、封印していた岡部特製唐辛子スプレーを取り出そうと手を伸ばした時だった。

「っ、ぁ……?!」

 体内奥深く、複数の指に同時に一点を抉られ、ほんの一瞬、全身の筋肉の機能が停止する。
 そして、そうとなれば掴みかけていた殺人スプレーは俺の指から擦り抜けるわけで。
 カラン、と軽快な音を立て足元に落ちるそれを神楽が見逃すはずがなかった。

「ん? ……何これ」
「っそ、れは……」

 やばい、これはやばい。
 加速する脈。毛穴から汗が噴き出す。
 慌てて拾おうとするも、しゃがむことすら許してもらえないこの体制じゃ叶わぬ夢で。
 そんな俺の代わり、何気ない顔をしてスプレーを拾った神楽は不思議そうに指で弄び、そして、蒼白な俺を見る。

「なんだろうねえ、これ。ハジメ君で試してみようか?」
「やめろッ!」

 しまった、と思ったのは神楽の嫌な笑顔を見てからだ。
 自分の失言に気付いたところで何もかもが遅い。

「なるほどねぇ、ろくなもんじゃないと」

 確かに、ろくでもないけど。そりゃもう想像つくくらい。

「そんな危ないものはぁ、没収でーす!」
「ぁ……ッ!」
「ハジメ君はぁ、俺のことだけを考えてたらいいんですうー」

 拗ねた子供のような口調でそうダダ捏ねる神楽。
 一気に指を引き抜けれ、腹の中の異物感がなくなると同時に微かに湧き上がる喪失感にも似た感覚に苛まれる。
 これで終わり、なのだろうか。こいつに限ってそんなわけないのだろうが。
 そして、案の定、

「……っ!」

 ソファーの上、押し倒されるように寝かされ、頭の中がぐわんと揺れる。
 浮遊感、というかまだ夢を見ているようで。
 覆い被さってくる神楽の手に腿を掴まれ、全身が緊張した。

「っ、ぅ……ッ」
「こうやったらハジメ君の恥ずかしいところ丸見えだねぇ」
「言うな、ってば……ッ」
「アハハっ! だってほら、指だって……すんなり入っちゃうし」

 腰を上げさせるよう抑え付けられた両足の間、剥き出しになってあるでろうそこにずぷりと音を立て捩じ込まれる神楽の指に背筋に寒気にも似たものが走る。
 体制もあり、息苦しい。
 それ以上に、顔を覗き込まれるこの体制が、予想以上にキツイ。

「っ、ん、ぅ、うぅ……ッ」
「ハジメ君が挿れて下さいーって可愛くお願いしてくれたらもーっと気持ちよくさせてあげるよぉ?」

 ローションでぐちゃぐちゃになったそこはすんなりと神楽の指を受け容れる。そりゃあもう、俺の意思も無視して。
 体内、円を描くよう掻き混ぜてくる神楽の指に落ち着きかけていた呼吸が浅くなり、視界が、霞む。

「もっと太いの挿れて欲しくて堪らないんじゃない?」
「んなわけ……っ」
「本当に?」

「少し撫でただけでもすごいヒクヒクしてるよ?」そう無邪気な顔をして躊躇いもなく品の欠片もないことを口にする神楽。
 同時に、肛門付近を親指でなぞられ、顔がカッと熱くなる。

「……ッ」
「指だけじゃ物足りないでしょ?」

 物足りない、なんて思うわけがない。
 なのに、何故だろうか。神楽の甘い言葉に、神楽に挿入される自分を想像したら酷く気分が滅入って、それ以上に焼けるように胸の奥が熱くなって。
 恐らく、これも神楽の妙な薬のせいだろう。
 そう、思いたい。

「そんな目で見たってダメだよ。……ちゃーんと言ってよ、ハジメ君の口から」

「直接」と唇を甘く噛まれ、身が竦む。
 弄ばれ続け、ジンジンと疼く下半身に力が入るのが自分でも分かって、それが余計恥ずかしくてたまらない。

「っ、か、ぐら」
「んー?」

 霞む、視界の中、無意識に神楽の名前を呟いていた。無意識に神楽の服を掴んでいた。
 俺は、何をしているのだろうか。何をしようとしているのだろうか。落ち着け、落ち着け。けれどどうせ開放されてもらえるのならばケツの一つや二つ神楽に……いや、落ち着け俺。

「……」

 頭とは裏腹に、体の方は限界を感じているようで。
 自分の口が、次の言葉を発しようと動いた、その時だった。

「神楽ァ!! 此処か!!」

 遠くから聞こえてくる、聞き覚えのある喧しい声。
 あれ、確か、前にもこんなことがあったような気が。
 熱に当てられた脳味噌で、ぼんやりと考えながら声のする方を向けば、そこには政岡がいた。

「っな、なに、やってんだテメェ……」
「え~? 何って? 元君と親睦深め中みたいなぁ?」

 政岡が来たというのに手を止めようともしない神楽に心臓が死にそうになる。
 ただでさえどうしようもない状況だと言うのに馬鹿力の政岡まで来たらそれこそ突破できる気が出来なくなる。
 終わった。そう、今度こそ確信したときだった。

「……そいつを離せ」
「え?」
「いいから離れろっつってんだよ!」

 予想してなかった政岡の反応に、神楽も、舎弟も、そして俺も目を丸くした。

「ちょ、ちょちょちょ、何マジになってんのぉ? ……つーか、元君を最初に捕まえたのは俺だからねぇ。横取りはダメでしょ。…………ま、どうしても交ぜて欲しいって言うんなら――ルールに乗っ取ら……」
「ウォルァァ! 死ねブタ!!」

 神楽が喋ってる側から舎弟を殴り飛ばす政岡。
 見事なアッパー。

「ちょっと待ってせめて最後まで言わせて!」
「神楽テメェ何思い上がってんだよ、お前みてーなモヤシが俺に勝てると思ってんのか?あ?!」
「さっすが、空気読まない脳筋かいちょー……」

「でも、会長とタイマンだけはまじで避けたいんだけどな……っ」このままではまずいと思ったのだろう、俺の上から退いた神楽は制服のポケット何かを取り出した。

「っそ、れは……」

 神楽が取り出したそれは、俺から奪ったあの殺人スプレーだった。
 やばい、駄目だ、そう慌てて止めようとするが、麻痺してきた体は口も例外ではないようだ。上手く言葉が出なくて。

「えーいっ!」

 政岡の顔面目掛けて神楽がそれを思いっ切り噴出した。
 瞬間、先端部から勢い良く吹き出す霧状の何か。
 同時に、爽やかな柑橘の薫りが辺りに広がった。
 ん……?柑橘?

「……」
「……」
「……」
「……良い匂いだな」
「……そだね」

 流れる沈黙。痛がるどころか反応に困ってる政岡。
 頭の中で『僕お気に入りの香水スプレーと間違えました☆』と笑ってる岡部が浮かぶ。
 あ、あいつ……!肝心なところでドジやりやがって……!いや良かったけど!何もなくて何よりだけども!

「っ、うわ」
「元君ッ!」

 スプレーの中身が殺人スプレーでないことに安堵するも束の間、政岡に乱暴に抱えあげられる。

「会長~! せっかく俺元君捕まえたのに酷いよ~っ!」
「うるせぇ! 今度飯奢ってやるからいいだろ!」
「焼き肉じゃないとやだからねーー!」

 焼き肉で手を打たれてる事実を悔やめばいいのか、問答無用で政岡に連れ出された俺は一先ず神楽から逃げられたことにほっとした。状況が悪化してるとかそういうことは今は考えたくなかった。

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