2 / 44
第1章 狩猟
1 王家の謀略
しおりを挟む
「なんで…なんでこんなことになったんですか!!
お父様!!お兄様!!」
鬼面の表情で訴えかけているのは…レティア王女殿下だ。
近くに王后陛下はいない。
狩猟大会まで、あと一週間と迫ったその日…、レティア王女殿下は部屋の外へ出ることを、
正式に許可された。
…というのは、表向き。
裏はと言えば…許可せざるを得なかった…だ。
狩猟大会は王家主催の一大イベントの一つ。
そこにまで欠席…と言う事になると、事実上、王女の地位を剥奪されたと見られかねない。
病欠…という手もあるのだが、王后陛下が許さなかった。
ここで補足を入れるが…王后陛下は他国の王族なのだ。
よくある友好関係のための政略結婚…として嫁いできた。
因みに両国のパワーバランスは同等。
だから離婚なんてちらつかせでもしたら、最悪それだけで即戦争になりかねない。
ギリアムがいるから負けないだろうが、それにしたって大義のない戦争は、勝ったところで
利益どころか損益をもたらすことの方が大きい。
そして何より…王家ただ今、金がねぇ!!
戦争って…すっごい金食い虫だからさぁ~。
だから王后陛下に対しては、国王陛下はかなり慎重に接しざるを得ない。
むしろ血のつながった息子である、ケイルクス王太子殿下の方が、遠慮なく話しているくらいだ。
「ギリアムの結婚を許す気は無い!!と、申していたではないですか!!」
すると国王陛下は、
「致し方あるまい…、ギリアムが一枚上手だったのだ」
そーね。
役所支部の件については…ギリアムが相当言っていたにも拘わらず、何もしなかったの王家だし。
「婚姻届けが正式に受理された以上…よほどのことが無い限り、取り消しはできん」
「こじつけなどいくらでも…」
「お前はどこまでバカになったんだ!!」
ケイルクス王太子殿下が出た。
「相手はあのギリアムだぞ!!
こじつけなんか通用するわけないだろうが!!」
「でっ、でも…!!」
まだ何か言おうとしたレティア王女殿下は、国王陛下に睨まれる。
「とにかく…狩猟大会ではおとなしくしておれ!!
でなくば次は…謹慎ではすまん!!」
うん、よかった。
国王陛下はマトモだ。
対してレティア王女殿下は、悪態付いて、泣きながら走り去ってしまった。
「今回も、しっかり見張っておけ、ケイルクス」
「はい、父上…しかし」
「ん?」
「やはりギリアムには…レティアは無理でも、せめて王家傍流の令嬢と婚姻を結ばせたく
思います」
「……何か手があるのか?」
「はい…成功しましたら、動いた者たちには、過分な褒美を与える事、お許し願いたく…」
「ふむ…よかろう。
だが、わかっているな?」
国王陛下の眼光が鋭くなる。
「くれぐれも醜聞になるような真似はするな」
「心得ております」
「ならばよい…」
国王陛下とケイルクス王太子殿下の話は、それで終わった。
一方、レティア王女殿下は…。
「お母様!お母様!!私悔しい!!悔しいです!!」
レティア王女殿下が王后陛下に泣きついていた。
「私の可愛いレティア…、お前の苦しみはよくわかります…。
スタリュイヴェ侯爵!!」
呼ばれて出てきたジョノァド・スタリュイヴェ侯爵は…、いつもと変わらぬ、能面の笑顔を
その顔に張り付けている。
「お前が連れてきた者ども…ハッキリ言って、ぬるすぎます!!
もっと…私の娘を苦しめている者共に、絶え間なく訪れる苦痛と絶望を与えなさい!!」
「かしこまりました…しかし…」
「なんです?お金ならしっかりと…」
「いえ…そうではなく、確認させていただきたいことがあります」
「なんじゃ?」
王后陛下の言葉がキツイ。
「お二人が今回の観劇を…絶対に近くでご覧になりたいか否か…をです」
「どういう事じゃ?」
かなりイライラしている。
お~い、アンタの娘は自業自得なんだけどぉ~。
「まず、劇が生ぬるくなってしまう原因といたしまして…、お二人が近くにいる以上、少しでも
お二人の危険になるようなものは、全て排除する必要があります。
ゆえに、使えるものが限られてしまうのです」
「なるほど…」
王后陛下が考え出す。
「ならば…私とレティアが近くに居なければ…もっと凄惨なことができると?」
「嫌よ!!お母様!!
私は近くで、あの女が苦しむさまを見たいわ!!」
「……」
王后陛下は少しの間眼を閉じ、
「レティア…」
開くと、
「今回は…私たちは遠く離れましょう」
「お母様!!」
「考えてもみなさい」
王后陛下はレティア王女殿下に、諭す様に話す。
もっとも、相手が王后陛下でなくば、レティア王女殿下はいつもの癇癪を起すだろうが。
「お前は今回…やっと謹慎がとけたばかり…。
もし少しでも、企みに関わっていると思われれば…、私も庇いきれない」
レティア王女殿下は押し黙る。
「しかしスタリュイヴェ侯爵よ…即死させずに、じわじわと苦しめる…。
そんな状態にできますか?」
するとスタリュイヴェ侯爵は、能面笑顔をさらに濃くして、
「もちろんでございます、王后陛下…。
むしろ、そう言ったものをご所望と思いましたので…、その用意をしっかりとしておりました」
すると王后陛下の顔が、初めてほころんで、
「さすがですね。
して、どういったものかしら?」
「単刀直入に申し上げれば…毒の一種です」
「ほう…」
「即効性のあるものではなく、じわじわと苦しめるもの…。
しかし仮にも相手はファルメニウス公爵夫人…少しも疑われない為には、盛るための小道具に少々
凝らねばなりません。
その小道具は扱いが難しく…近くにお二人がいては、最悪飛び火してしまいかねないのです」
「そういうことですか…」
王后陛下は改めてレティア王女殿下に、
「聞きましたね、レティア…。
今回私たちは席を外しましょう…いいですね?」
「……あの女の苦しむさまは…後からでも見れるのね?
スタリュイヴェ侯爵…」
「もちろんでございます、レティア王女殿下」
するとレティア王女殿下は、いつものキッツイ目になって、
「わかったわ…。
今回の観劇は我慢してあげる…でも」
「ご期待を裏切るような真似は、一切致しません」
「わかっているなら、いいわ」
レティア王女殿下はようやっと、矛を収めたようだ。
「ところで…レベッカはどうしているのかしら?」
能面笑顔を崩さないスタリュイヴェ侯爵は、使用人に手で合図をする。
するとしばらくして、レベッカが姿を現した。
「あら、準備がいいのね…。
だから、アナタ好きなのよ…」
「恐縮でございます」
「私がファルメニウス公爵夫人になったら…アナタを一番の側近にしてあげるわ」
「ありがとうございます」
能面笑顔もここまで変化がないと、ある意味人間か?と、言いたくなる。
「じゃあ、アナタは下がりなさい。
準備も色々あるでしょうから」
「わかりました」
スタリュイヴェ侯爵は、すぐに部屋から出て…後にはレベッカが残った。
「今度の狩猟大会…なにをすればいいか、わかっているわね?」
「はい…近衛騎士団を上手く纏められるよう…」
「違うわよ!!あの忌々しい女にしっかり粉をかけなさい!!
ああ、ポリネア嬢とラファイナ嬢も連れて行くのよ!!」
すると澄ましたレベッカの顔が、途端に崩れ、
「おっ、お待ちください!!
あの2人は絶対に、足手まといになります!!」
「そんなのあなたが何とかすればいいでしょ!!
いいわね!!
ああ、そうそう。
他の子にも声をかけたから、狩猟大会の晩餐会では、全員集合する予定よ。
皆でくれぐれも私のモノを横取りした、あの忌々しい女を苦しめるのよ!!」
それだけ言うとレティア王女殿下は、レベッカを部屋から追い出す様に、出してしまった。
1人廊下を歩くレベッカは、
「大丈夫よ…大丈夫…、私は…幸せになれるの…幸せになるの…。
私はあいつらとは違う…馬鹿な真似はしない…もうちょっと…もうちょっとだから…」
まるで壊れたレコーダーのようにぶつぶつと呟きながら…王宮の長い廊下をただ…歩いて行った。
お父様!!お兄様!!」
鬼面の表情で訴えかけているのは…レティア王女殿下だ。
近くに王后陛下はいない。
狩猟大会まで、あと一週間と迫ったその日…、レティア王女殿下は部屋の外へ出ることを、
正式に許可された。
…というのは、表向き。
裏はと言えば…許可せざるを得なかった…だ。
狩猟大会は王家主催の一大イベントの一つ。
そこにまで欠席…と言う事になると、事実上、王女の地位を剥奪されたと見られかねない。
病欠…という手もあるのだが、王后陛下が許さなかった。
ここで補足を入れるが…王后陛下は他国の王族なのだ。
よくある友好関係のための政略結婚…として嫁いできた。
因みに両国のパワーバランスは同等。
だから離婚なんてちらつかせでもしたら、最悪それだけで即戦争になりかねない。
ギリアムがいるから負けないだろうが、それにしたって大義のない戦争は、勝ったところで
利益どころか損益をもたらすことの方が大きい。
そして何より…王家ただ今、金がねぇ!!
戦争って…すっごい金食い虫だからさぁ~。
だから王后陛下に対しては、国王陛下はかなり慎重に接しざるを得ない。
むしろ血のつながった息子である、ケイルクス王太子殿下の方が、遠慮なく話しているくらいだ。
「ギリアムの結婚を許す気は無い!!と、申していたではないですか!!」
すると国王陛下は、
「致し方あるまい…、ギリアムが一枚上手だったのだ」
そーね。
役所支部の件については…ギリアムが相当言っていたにも拘わらず、何もしなかったの王家だし。
「婚姻届けが正式に受理された以上…よほどのことが無い限り、取り消しはできん」
「こじつけなどいくらでも…」
「お前はどこまでバカになったんだ!!」
ケイルクス王太子殿下が出た。
「相手はあのギリアムだぞ!!
こじつけなんか通用するわけないだろうが!!」
「でっ、でも…!!」
まだ何か言おうとしたレティア王女殿下は、国王陛下に睨まれる。
「とにかく…狩猟大会ではおとなしくしておれ!!
でなくば次は…謹慎ではすまん!!」
うん、よかった。
国王陛下はマトモだ。
対してレティア王女殿下は、悪態付いて、泣きながら走り去ってしまった。
「今回も、しっかり見張っておけ、ケイルクス」
「はい、父上…しかし」
「ん?」
「やはりギリアムには…レティアは無理でも、せめて王家傍流の令嬢と婚姻を結ばせたく
思います」
「……何か手があるのか?」
「はい…成功しましたら、動いた者たちには、過分な褒美を与える事、お許し願いたく…」
「ふむ…よかろう。
だが、わかっているな?」
国王陛下の眼光が鋭くなる。
「くれぐれも醜聞になるような真似はするな」
「心得ております」
「ならばよい…」
国王陛下とケイルクス王太子殿下の話は、それで終わった。
一方、レティア王女殿下は…。
「お母様!お母様!!私悔しい!!悔しいです!!」
レティア王女殿下が王后陛下に泣きついていた。
「私の可愛いレティア…、お前の苦しみはよくわかります…。
スタリュイヴェ侯爵!!」
呼ばれて出てきたジョノァド・スタリュイヴェ侯爵は…、いつもと変わらぬ、能面の笑顔を
その顔に張り付けている。
「お前が連れてきた者ども…ハッキリ言って、ぬるすぎます!!
もっと…私の娘を苦しめている者共に、絶え間なく訪れる苦痛と絶望を与えなさい!!」
「かしこまりました…しかし…」
「なんです?お金ならしっかりと…」
「いえ…そうではなく、確認させていただきたいことがあります」
「なんじゃ?」
王后陛下の言葉がキツイ。
「お二人が今回の観劇を…絶対に近くでご覧になりたいか否か…をです」
「どういう事じゃ?」
かなりイライラしている。
お~い、アンタの娘は自業自得なんだけどぉ~。
「まず、劇が生ぬるくなってしまう原因といたしまして…、お二人が近くにいる以上、少しでも
お二人の危険になるようなものは、全て排除する必要があります。
ゆえに、使えるものが限られてしまうのです」
「なるほど…」
王后陛下が考え出す。
「ならば…私とレティアが近くに居なければ…もっと凄惨なことができると?」
「嫌よ!!お母様!!
私は近くで、あの女が苦しむさまを見たいわ!!」
「……」
王后陛下は少しの間眼を閉じ、
「レティア…」
開くと、
「今回は…私たちは遠く離れましょう」
「お母様!!」
「考えてもみなさい」
王后陛下はレティア王女殿下に、諭す様に話す。
もっとも、相手が王后陛下でなくば、レティア王女殿下はいつもの癇癪を起すだろうが。
「お前は今回…やっと謹慎がとけたばかり…。
もし少しでも、企みに関わっていると思われれば…、私も庇いきれない」
レティア王女殿下は押し黙る。
「しかしスタリュイヴェ侯爵よ…即死させずに、じわじわと苦しめる…。
そんな状態にできますか?」
するとスタリュイヴェ侯爵は、能面笑顔をさらに濃くして、
「もちろんでございます、王后陛下…。
むしろ、そう言ったものをご所望と思いましたので…、その用意をしっかりとしておりました」
すると王后陛下の顔が、初めてほころんで、
「さすがですね。
して、どういったものかしら?」
「単刀直入に申し上げれば…毒の一種です」
「ほう…」
「即効性のあるものではなく、じわじわと苦しめるもの…。
しかし仮にも相手はファルメニウス公爵夫人…少しも疑われない為には、盛るための小道具に少々
凝らねばなりません。
その小道具は扱いが難しく…近くにお二人がいては、最悪飛び火してしまいかねないのです」
「そういうことですか…」
王后陛下は改めてレティア王女殿下に、
「聞きましたね、レティア…。
今回私たちは席を外しましょう…いいですね?」
「……あの女の苦しむさまは…後からでも見れるのね?
スタリュイヴェ侯爵…」
「もちろんでございます、レティア王女殿下」
するとレティア王女殿下は、いつものキッツイ目になって、
「わかったわ…。
今回の観劇は我慢してあげる…でも」
「ご期待を裏切るような真似は、一切致しません」
「わかっているなら、いいわ」
レティア王女殿下はようやっと、矛を収めたようだ。
「ところで…レベッカはどうしているのかしら?」
能面笑顔を崩さないスタリュイヴェ侯爵は、使用人に手で合図をする。
するとしばらくして、レベッカが姿を現した。
「あら、準備がいいのね…。
だから、アナタ好きなのよ…」
「恐縮でございます」
「私がファルメニウス公爵夫人になったら…アナタを一番の側近にしてあげるわ」
「ありがとうございます」
能面笑顔もここまで変化がないと、ある意味人間か?と、言いたくなる。
「じゃあ、アナタは下がりなさい。
準備も色々あるでしょうから」
「わかりました」
スタリュイヴェ侯爵は、すぐに部屋から出て…後にはレベッカが残った。
「今度の狩猟大会…なにをすればいいか、わかっているわね?」
「はい…近衛騎士団を上手く纏められるよう…」
「違うわよ!!あの忌々しい女にしっかり粉をかけなさい!!
ああ、ポリネア嬢とラファイナ嬢も連れて行くのよ!!」
すると澄ましたレベッカの顔が、途端に崩れ、
「おっ、お待ちください!!
あの2人は絶対に、足手まといになります!!」
「そんなのあなたが何とかすればいいでしょ!!
いいわね!!
ああ、そうそう。
他の子にも声をかけたから、狩猟大会の晩餐会では、全員集合する予定よ。
皆でくれぐれも私のモノを横取りした、あの忌々しい女を苦しめるのよ!!」
それだけ言うとレティア王女殿下は、レベッカを部屋から追い出す様に、出してしまった。
1人廊下を歩くレベッカは、
「大丈夫よ…大丈夫…、私は…幸せになれるの…幸せになるの…。
私はあいつらとは違う…馬鹿な真似はしない…もうちょっと…もうちょっとだから…」
まるで壊れたレコーダーのようにぶつぶつと呟きながら…王宮の長い廊下をただ…歩いて行った。
71
あなたにおすすめの小説
「がっかりです」——その一言で終わる夫婦が、王宮にはある
柴田はつみ
恋愛
妃の席を踏みにじったのは令嬢——けれど妃の心を折ったのは、夫のたった一言だった
王太子妃リディアの唯一の安らぎは、王太子アーヴィンと交わす午後の茶会。だが新しく王宮に出入りする伯爵令嬢ミレーユは、妃の席に先に座り、殿下を私的に呼び、距離感のない振る舞いを重ねる。
リディアは王宮の礼節としてその場で正す——正しいはずだった。けれど夫は「リディア、そこまで言わなくても……」と、妃を止めた。
「わかりました。あなたには、がっかりです」
微笑んで去ったその日から、夫婦の茶会は終わる。沈黙の王宮で、言葉を失った王太子は、初めて“追う”ことを選ぶが——遅すぎた。
『白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?』
夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」
教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。
ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。
王命による“形式結婚”。
夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。
だから、はい、離婚。勝手に。
白い結婚だったので、勝手に離婚しました。
何か問題あります?
天然だと思ったギルド仲間が、実は策士で独占欲強めでした
星乃和花
恋愛
⭐︎完結済ー本編8話+後日談7話⭐︎
ギルドで働くおっとり回復役リィナは、
自分と似た雰囲気の“天然仲間”カイと出会い、ほっとする。
……が、彼は実は 天然を演じる策士だった!?
「転ばないで」
「可愛いって言うのは僕の役目」
「固定回復役だから。僕の」
優しいのに過保護。
仲間のはずなのに距離が近い。
しかも噂はいつの間にか——「軍師(彼)が恋してる説」に。
鈍感で頑張り屋なリィナと、
策を捨てるほど恋に負けていくカイの、
コメディ強めの甘々ギルド恋愛、開幕!
「遅いままでいい――置いていかないから。」
望まぬ結婚をさせられた私のもとに、死んだはずの護衛騎士が帰ってきました~不遇令嬢が世界一幸せな花嫁になるまで
越智屋ノマ
恋愛
「君を愛することはない」で始まった不遇な結婚――。
国王の命令でクラーヴァル公爵家へと嫁いだ伯爵令嬢ヴィオラ。しかし夫のルシウスに愛されることはなく、毎日つらい仕打ちを受けていた。
孤独に耐えるヴィオラにとって唯一の救いは、護衛騎士エデン・アーヴィスと過ごした日々の思い出だった。エデンは強くて誠実で、いつもヴィオラを守ってくれた……でも、彼はもういない。この国を襲った『災禍の竜』と相打ちになって、3年前に戦死してしまったのだから。
ある日、参加した夜会の席でヴィオラは窮地に立たされる。その夜会は夫の愛人が主催するもので、夫と結託してヴィオラを陥れようとしていたのだ。誰に救いを求めることもできず、絶体絶命の彼女を救ったのは――?
(……私の体が、勝手に動いている!?)
「地獄で悔いろ、下郎が。このエデン・アーヴィスの目の黒いうちは、ヴィオラ様に指一本触れさせはしない!」
死んだはずのエデンの魂が、ヴィオラの体に乗り移っていた!?
――これは、望まぬ結婚をさせられた伯爵令嬢ヴィオラと、死んだはずの護衛騎士エデンのふしぎな恋の物語。理不尽な夫になんて、もう絶対に負けません!!
で、お前が彼女に嫌がらせをしている理由を聞かせてもらおうか?
Debby
恋愛
ヴェルトが友人からの手紙を手に辺境伯令嬢であるレィディアンスの元を訪れたのは、その手紙に「詳細は彼女に聞け」と書いてあったからだ。
簡単にいうと、手紙の内容は「学園で問題を起こした平民──エボニーを妻として引き取ってくれ」というものだった。
一方その話を聞いてしまった伯爵令嬢のオリーブは動揺していた。
ヴェルトとは静かに愛を育んできた。そんな自分を差し置いて、言われるがまま平民を妻に迎えてしまうのだろうか。
そんなオリーブの気持ちを知るはずもないエボニーは、辺境伯邸で行儀見習いをすることになる。
オリーブは何とかしてヴェルトを取り戻そうと画策し、そのことを咎められてしまう。もう後は無い。
オリーブが最後の望みをかけてヴェルトに自分を選んで欲しいと懇願する中、レィディアンスが静かに口を開いた。
「で、そろそろお前が彼女に嫌がらせをしている理由を聞かせてもらおうか」
「はい?」
ヴェルトは自分が何を言われたのか全く理解が出来なかった。
*--*--*
覗いてくださりありがとうございます。(* ᴗ ᴗ)⁾⁾
★全31話7時19時更新で、全話予約投稿済みです。
★★「このお話だけ読んでいただいてもOKです!」という前提のもと↓↓↓
このお話は独立した一つのお話ですが、「で。」シリーズのサイドストーリーでもあり、第一弾「で、私がその方に嫌がらせをする理由をお聞かせいただいても?」の「エボニーその後」でもあります(あるいは「最終話」のその後)。
第一弾「で、私がその方に嫌がらせをする理由をお聞かせいただいても?」
第二弾「で、あなたが私に嫌がらせをする理由を伺っても?」
第三弾「で、あなたが彼に嫌がらせをする理由をお話しいただいても?」
どれも女性向けHOTランキングに入り、特に第二弾はHOT一位になることが出来ました!(*´▽`人)アリガトウ
もしよかったら宜しくお願いしますね!
幼馴染みの婚約者が「学生時代は愛する恋人と過ごさせてくれ」と言ってきたので、秒で婚約解消を宣言した令嬢の前世が、社畜のおっさんだった件。
灯乃
ファンタジー
子爵家の総領娘である令嬢の前に、巨乳美少女と腕を組んだ婚約者がやってきた。
曰く、「学生時代くらいは、心から愛する恋人と自由に過ごしたい。それくらい、黙って許容しろ」と。
婚約者を甘やかし過ぎていたことに気付いた彼女は、その場で婚約解消を宣言する。
前半はたぶん普通の令嬢もの、後半はおっさんコメディーです。
処刑前夜に逃亡した悪役令嬢、五年後に氷の公爵様に捕まる〜冷徹旦那様が溺愛パパに豹変しましたが私の抱いている赤ちゃん実は人生2周目です〜
放浪人
恋愛
「処刑されるなんて真っ平ごめんです!」 無実の罪で投獄された悪役令嬢レティシア(中身は元社畜のアラサー日本人)は、処刑前夜、お腹の子供と共に脱獄し、辺境の田舎村へ逃亡した。 それから五年。薬師として穏やかに暮らしていた彼女のもとに、かつて自分を冷遇し、処刑を命じた夫――「氷の公爵」アレクセイが現れる。 殺される!と震えるレティシアだったが、再会した彼は地面に頭を擦り付け、まさかの溺愛キャラに豹変していて!?
「愛しているレティシア! 二度と離さない!」 「(顔が怖いです公爵様……!)」
不器用すぎて顔が怖い旦那様の暴走する溺愛。 そして、二人の息子であるシオン(1歳)は、実は前世で魔王を倒した「英雄」の生まれ変わりだった! 「パパとママは僕が守る(物理)」 最強の赤ちゃんが裏で暗躍し、聖女(自称)の陰謀も、帝国の侵略も、古代兵器も、ガラガラ一振りで粉砕していく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる