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第3章 反撃
4 冤罪…?
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「この子はねぇ…収穫祭の中日に、私に飲食物をかけて、侮辱したの。
それに対する罰を…マーガレット夫人が与えるって言ってたのに…ちっともやる気が
ないみたいだから…アナタがやってちょうだい!!」
ウェリナは…下を向いたまま、震えて…呼吸もおぼつかない。
私は…そんなウェリナにそっと近づき、肩に触れると…。
びくり…として、さらに震え出す。
「そんなに震えたら…呼吸がしずらくなってしまうわ。
ゆっくりと…深呼吸しなさいな」
そのまま…背中を優しくさすってあげたら…少しばかり落ち着いたようで、
震えが…止まった。
「あ、あの…オルフィリア公爵夫人…」
「大丈夫よ…悪夢は覚めるモノだから…」
私のゆっくりとした口調と言葉に…だいぶ落ち着いてくれた。
とりあえず…過呼吸の心配はなくなったな。
「ちょっと、何しているの?罰を与えなさいって、言ったわよね!!」
「……罰と仰るなら…確たる証拠があっての事ですよね?」
「なんですって?」
「証拠もなしに言っているなら…冤罪もいい所ですよ?王女殿下…」
「私が!!飲食物をかけられた!!って言っているのよ!!」
「パーティー会場であれば…みな飲食物を持っている場合があります。
そして…人同士が不意に、ぶつかってしまう事もあります。
それが故意かどうか…判別するのは、不可能に近い。
かくたる証拠もなしに、罪人扱いは、それこそ非人道的行為そのものですよ」
私は…一言一句をかみ砕くように、話した。
だが…バカ王女は眼を吊り上げて、
「はあ?私の言ったことが、信じられないって言うの?
王家に対する、不敬罪もいい所よ!!わかってる!!」
一気にまくし立てるが、
「もし…処罰をしなければいけないほどの罪であるならば…、当然しっかりと
調べた上で、証拠をそろえるのが筋です。
それまでは…如何なる身分の人間であっても、人を罪人扱いしてはいけません。
そもそもこれは…法律で決まっている事でございますよ?王女殿下…」
わたしゃ、王立騎士団に遊びに行ってるだけじゃねぇ!!
そういう判例を学ばせてもらってるんだ!!
だから…結構詳しくなれたんだぜ、本当に…。
「そんな大事にする必要はないわ!!むち打ちの1つもくれてやればいいのよ!!」
「鞭打ちは…犯罪者にのみ、認められている処罰です。
犯罪者と確定していない者に…やることではございません」
これも本当…。
鞭って…皮膚に食い込んで、一生残るような痕が出来る。
だから…簡単にやっていいことじゃない。
「この私に無礼を働いたのだから、重い罰を与えるのは、当然でしょ!!」
「そうおっしゃるなら…彼女の行為が確実に故意であると、裁判官や陪審員の誰もが
認める証拠をご提出ください。
それで初めて…無礼と認められるのでございます」
ウェリナを背中に入れたまま…私は冷静にのたまった。
「そこまで犯罪者を庇うなら!!アナタも同罪よ!!」
「ですから…犯罪者だとおっしゃるなら、その証拠をお示しください。
証拠が無ければ犯罪者ではございませんので、私も犯罪者ではございません」
シレっとね。
さてと…そろそろまた、本当に倒したい奴らの所に、爆弾落とそ。
「アナタ、本当に往生際が悪いわね!!」
「往生際も悪くなりますわ…。私は私自身もこの子も…犯罪者と思っておりません。
王女殿下と…レベッカ嬢とミュレファ夫人と違って…です。
だって…証拠もないのに、犯罪者扱いなど…いちゃもんもいい所です。
この国の法律に…全くのっとっていませんので」
私は…扇子からのぞかせた目が、またニンマリとした…。
予想通り…ポーカーフェイスが僅かに曇った。
外野も…スゴイざわざわしだしたねぇ…。
「お待ちください…オルフィリア公爵夫人」
おお、レベッカ?なんじゃい。
「確かに…法律にのっとればそうです。
しかし…対王族においては、特例として…侮辱や傷害をくわえた場合…裁判をせずに、
即処罰に当たることは、認められております」
なるほどね…。確かにそれは聞いたことがある。
王族特権ってやつだ。
「その通りです…。相手が王女殿下でなければ…、オルフィリア公爵夫人の言う事は
正しいですが…。
この件に関しては、王族特権の範疇ゆえ、むち打ちが妥当かと…」
ミュレファも…追い風と見て、来たか。
さて…どうするかな…。
王族特権ってな、突き詰めると王族の差配によって、決められてしまう事が多い。
だから…基準があいまいなんだよな…。
ただ…。
「……しかし、そもそも侮辱や傷害である…という、かくたる証拠が無いでしょう?
それについては…言及されていませんよね。お2人とも…」
もっともらしく話そらそうとしても…、一番最初が抜けている!!
見逃さないよ、そういうの!!
「それは…王女殿下に飲食物をかけたことで、十分では?」
「いいえ。故意であれば確かに認められると思われますが…、故意でなければ
単なる事故です。
犯罪者扱いは、妥当ではございません」
私は…納得できなきゃ引かんよ。
「それはもう…判別がつきませんので、過去の判例から判断しては?」
レベッカ…少し余裕を取り戻した表情にみえる…。
ちょっと、ヤな予感がするな。
「判例とは?」
「裁判の…判例ですわ。過去にあった…ね」
ミュレファも…少し落ち着いたっポイ。
なんか…突破口でもあるのかな…。
「過去に…王族に飲食物をかけたことで、打ち首になった判例があるのです。
それに比べれば…むち打ちなど可愛い者ではありませんか」
「……それは、故意であると立証されたものでは?
どういう立証方法を?」
「それは…書かれてございませんでした。つまり…王族に飲食物をかけた…その行為をもって、
不敬罪および、侮辱罪と判断されたのです」
「…いつの判例か、お聞きしても?」
「正確には覚えておりませんが…100年近く前…と、記憶しております」
……あくまでハッキリとは言わない…か。
「それでは…余計その判例の詳細をしっかりと見てから、判断するべきですねぇ」
それならこっちだって、こうなるっての。
「あら、オルフィリア公爵夫人…何もその一つじゃありませんわ」
今度はミュレファかよ。
「確か…50年くらい前でしたかしら。
やっぱり飲食物をかけたことで…鞭打ちになった事例がございます」
「でしたらそれも…調書をしっかりと確認させてください。話はそれからとさせて
いただきます」
私は…ここで少し疑問に思った。
判例なんて…ギリアムが来れば、嘘かどうか一目瞭然でわかっちまう。
それなのに…ワザと曖昧にして、出す理由はなんだ?
バカ王女はまだしも、取り巻き2人は…すぐばれる嘘なんざつく質じゃない。
狙いは…なんだ?
「オルフィリア公爵夫人は…ご存じないのですね」
ミュレファが…ポーカーフェイスに嘲笑うような目だけを張りつけ、言ってきた。
「王族に関する判例は…王族の許可がないと、閲覧も確認もできないのです」
……まいったな。それは初耳だ。
だが問題は…王族の許可が必要って辺りで…、捏造も視野に入れなきゃいけないってこと。
いくらギリアムの記憶力がいいと言っても、目に見えるモノじゃない。
証明できるものが…必要になる。
私が考え込んでいると…手がなくなったと思ったのかな。
バカ王女が下卑た笑顔を顔に張りつけ、私に…。
「そうそう…その子を助ける方法が、1つだけあるわ。
でも、オルフィリア公爵夫人に、わかるかしらぁ?」
私は…バカ王女のこのセリフで確信した。
この舞台も…ゾフィーナくそばばぁが絵を描いてやがるって!!
バカ王女はこんな複雑な言い回し…的確にできる奴じゃない。
となると…。
いよいよ捏造が信憑性を帯びてきた。
判例記録なんざ公的文書だ。
偽造したり改ざんしたりは普通できんが…ゾフィーナくそばばぁは…仮にも王族の娘だからな。
可能かもしれない…。
私がそれに気づくことまで…キッチリ計算に入れてやがるな…。
……………………………………。
…やってみるか…うん。
上手くいくか…わからんが。
「王女殿下…」
私は静かに言葉を紡ぐ。
「王女殿下の意図するところ…なんとなくですが、私にはわかりました…。
ですが…あくまで私の考えゆえ、確認させていただきとうございます」
「もちろんいいわよ。言ってみなさい」
「まず私は…建国記念パーティーに始まり…王女殿下に数々の不敬を働きました…。
これは…お間違いございませんか?」
すると…バカ王女がちょっときょどった…。
やっぱり…台本になかったんだな、こんなこと。
だが…さすが真正バカは大バカだ。
直ぐに…すっげーいい笑顔になって、
「あら…ようやっと認める気になったのかしらぁ?」
だってさ。
「…私の罪…確定させたいのですか?王女殿下…」
「そりゃー、もちろん」
「でしたら…」
ここからが重要な所…。
「私の罪を炙り出すために巻き込んだ人間は…、もう、解放してあげていただけませんか?」
「?どういうことかしら?」
「ウェリナ嬢は…本当は、よそ見をしていて、王女殿下に気付かなかっただけなのでございましょう?
デビュタントをしたばかりのご令嬢…通常なら広い心で、お許しになっていたかと思われます。
しかし…私が再三、王女殿下に対しての罪を言い逃れしていたことをもち、彼女のことも許すことが
できなくなったのでは、ございませんか?」
「つまり…私が罪を認めれば、本来許されてしかるべきであった者は…もう、罪人に仕立て上げる
必要性などございますまい」
仕立て上げる…ってのは、強調したよ、もちろん。
私は…そのまま、バカ王女の言葉を待つ。
さて…どうかな…。
それに対する罰を…マーガレット夫人が与えるって言ってたのに…ちっともやる気が
ないみたいだから…アナタがやってちょうだい!!」
ウェリナは…下を向いたまま、震えて…呼吸もおぼつかない。
私は…そんなウェリナにそっと近づき、肩に触れると…。
びくり…として、さらに震え出す。
「そんなに震えたら…呼吸がしずらくなってしまうわ。
ゆっくりと…深呼吸しなさいな」
そのまま…背中を優しくさすってあげたら…少しばかり落ち着いたようで、
震えが…止まった。
「あ、あの…オルフィリア公爵夫人…」
「大丈夫よ…悪夢は覚めるモノだから…」
私のゆっくりとした口調と言葉に…だいぶ落ち着いてくれた。
とりあえず…過呼吸の心配はなくなったな。
「ちょっと、何しているの?罰を与えなさいって、言ったわよね!!」
「……罰と仰るなら…確たる証拠があっての事ですよね?」
「なんですって?」
「証拠もなしに言っているなら…冤罪もいい所ですよ?王女殿下…」
「私が!!飲食物をかけられた!!って言っているのよ!!」
「パーティー会場であれば…みな飲食物を持っている場合があります。
そして…人同士が不意に、ぶつかってしまう事もあります。
それが故意かどうか…判別するのは、不可能に近い。
かくたる証拠もなしに、罪人扱いは、それこそ非人道的行為そのものですよ」
私は…一言一句をかみ砕くように、話した。
だが…バカ王女は眼を吊り上げて、
「はあ?私の言ったことが、信じられないって言うの?
王家に対する、不敬罪もいい所よ!!わかってる!!」
一気にまくし立てるが、
「もし…処罰をしなければいけないほどの罪であるならば…、当然しっかりと
調べた上で、証拠をそろえるのが筋です。
それまでは…如何なる身分の人間であっても、人を罪人扱いしてはいけません。
そもそもこれは…法律で決まっている事でございますよ?王女殿下…」
わたしゃ、王立騎士団に遊びに行ってるだけじゃねぇ!!
そういう判例を学ばせてもらってるんだ!!
だから…結構詳しくなれたんだぜ、本当に…。
「そんな大事にする必要はないわ!!むち打ちの1つもくれてやればいいのよ!!」
「鞭打ちは…犯罪者にのみ、認められている処罰です。
犯罪者と確定していない者に…やることではございません」
これも本当…。
鞭って…皮膚に食い込んで、一生残るような痕が出来る。
だから…簡単にやっていいことじゃない。
「この私に無礼を働いたのだから、重い罰を与えるのは、当然でしょ!!」
「そうおっしゃるなら…彼女の行為が確実に故意であると、裁判官や陪審員の誰もが
認める証拠をご提出ください。
それで初めて…無礼と認められるのでございます」
ウェリナを背中に入れたまま…私は冷静にのたまった。
「そこまで犯罪者を庇うなら!!アナタも同罪よ!!」
「ですから…犯罪者だとおっしゃるなら、その証拠をお示しください。
証拠が無ければ犯罪者ではございませんので、私も犯罪者ではございません」
シレっとね。
さてと…そろそろまた、本当に倒したい奴らの所に、爆弾落とそ。
「アナタ、本当に往生際が悪いわね!!」
「往生際も悪くなりますわ…。私は私自身もこの子も…犯罪者と思っておりません。
王女殿下と…レベッカ嬢とミュレファ夫人と違って…です。
だって…証拠もないのに、犯罪者扱いなど…いちゃもんもいい所です。
この国の法律に…全くのっとっていませんので」
私は…扇子からのぞかせた目が、またニンマリとした…。
予想通り…ポーカーフェイスが僅かに曇った。
外野も…スゴイざわざわしだしたねぇ…。
「お待ちください…オルフィリア公爵夫人」
おお、レベッカ?なんじゃい。
「確かに…法律にのっとればそうです。
しかし…対王族においては、特例として…侮辱や傷害をくわえた場合…裁判をせずに、
即処罰に当たることは、認められております」
なるほどね…。確かにそれは聞いたことがある。
王族特権ってやつだ。
「その通りです…。相手が王女殿下でなければ…、オルフィリア公爵夫人の言う事は
正しいですが…。
この件に関しては、王族特権の範疇ゆえ、むち打ちが妥当かと…」
ミュレファも…追い風と見て、来たか。
さて…どうするかな…。
王族特権ってな、突き詰めると王族の差配によって、決められてしまう事が多い。
だから…基準があいまいなんだよな…。
ただ…。
「……しかし、そもそも侮辱や傷害である…という、かくたる証拠が無いでしょう?
それについては…言及されていませんよね。お2人とも…」
もっともらしく話そらそうとしても…、一番最初が抜けている!!
見逃さないよ、そういうの!!
「それは…王女殿下に飲食物をかけたことで、十分では?」
「いいえ。故意であれば確かに認められると思われますが…、故意でなければ
単なる事故です。
犯罪者扱いは、妥当ではございません」
私は…納得できなきゃ引かんよ。
「それはもう…判別がつきませんので、過去の判例から判断しては?」
レベッカ…少し余裕を取り戻した表情にみえる…。
ちょっと、ヤな予感がするな。
「判例とは?」
「裁判の…判例ですわ。過去にあった…ね」
ミュレファも…少し落ち着いたっポイ。
なんか…突破口でもあるのかな…。
「過去に…王族に飲食物をかけたことで、打ち首になった判例があるのです。
それに比べれば…むち打ちなど可愛い者ではありませんか」
「……それは、故意であると立証されたものでは?
どういう立証方法を?」
「それは…書かれてございませんでした。つまり…王族に飲食物をかけた…その行為をもって、
不敬罪および、侮辱罪と判断されたのです」
「…いつの判例か、お聞きしても?」
「正確には覚えておりませんが…100年近く前…と、記憶しております」
……あくまでハッキリとは言わない…か。
「それでは…余計その判例の詳細をしっかりと見てから、判断するべきですねぇ」
それならこっちだって、こうなるっての。
「あら、オルフィリア公爵夫人…何もその一つじゃありませんわ」
今度はミュレファかよ。
「確か…50年くらい前でしたかしら。
やっぱり飲食物をかけたことで…鞭打ちになった事例がございます」
「でしたらそれも…調書をしっかりと確認させてください。話はそれからとさせて
いただきます」
私は…ここで少し疑問に思った。
判例なんて…ギリアムが来れば、嘘かどうか一目瞭然でわかっちまう。
それなのに…ワザと曖昧にして、出す理由はなんだ?
バカ王女はまだしも、取り巻き2人は…すぐばれる嘘なんざつく質じゃない。
狙いは…なんだ?
「オルフィリア公爵夫人は…ご存じないのですね」
ミュレファが…ポーカーフェイスに嘲笑うような目だけを張りつけ、言ってきた。
「王族に関する判例は…王族の許可がないと、閲覧も確認もできないのです」
……まいったな。それは初耳だ。
だが問題は…王族の許可が必要って辺りで…、捏造も視野に入れなきゃいけないってこと。
いくらギリアムの記憶力がいいと言っても、目に見えるモノじゃない。
証明できるものが…必要になる。
私が考え込んでいると…手がなくなったと思ったのかな。
バカ王女が下卑た笑顔を顔に張りつけ、私に…。
「そうそう…その子を助ける方法が、1つだけあるわ。
でも、オルフィリア公爵夫人に、わかるかしらぁ?」
私は…バカ王女のこのセリフで確信した。
この舞台も…ゾフィーナくそばばぁが絵を描いてやがるって!!
バカ王女はこんな複雑な言い回し…的確にできる奴じゃない。
となると…。
いよいよ捏造が信憑性を帯びてきた。
判例記録なんざ公的文書だ。
偽造したり改ざんしたりは普通できんが…ゾフィーナくそばばぁは…仮にも王族の娘だからな。
可能かもしれない…。
私がそれに気づくことまで…キッチリ計算に入れてやがるな…。
……………………………………。
…やってみるか…うん。
上手くいくか…わからんが。
「王女殿下…」
私は静かに言葉を紡ぐ。
「王女殿下の意図するところ…なんとなくですが、私にはわかりました…。
ですが…あくまで私の考えゆえ、確認させていただきとうございます」
「もちろんいいわよ。言ってみなさい」
「まず私は…建国記念パーティーに始まり…王女殿下に数々の不敬を働きました…。
これは…お間違いございませんか?」
すると…バカ王女がちょっときょどった…。
やっぱり…台本になかったんだな、こんなこと。
だが…さすが真正バカは大バカだ。
直ぐに…すっげーいい笑顔になって、
「あら…ようやっと認める気になったのかしらぁ?」
だってさ。
「…私の罪…確定させたいのですか?王女殿下…」
「そりゃー、もちろん」
「でしたら…」
ここからが重要な所…。
「私の罪を炙り出すために巻き込んだ人間は…、もう、解放してあげていただけませんか?」
「?どういうことかしら?」
「ウェリナ嬢は…本当は、よそ見をしていて、王女殿下に気付かなかっただけなのでございましょう?
デビュタントをしたばかりのご令嬢…通常なら広い心で、お許しになっていたかと思われます。
しかし…私が再三、王女殿下に対しての罪を言い逃れしていたことをもち、彼女のことも許すことが
できなくなったのでは、ございませんか?」
「つまり…私が罪を認めれば、本来許されてしかるべきであった者は…もう、罪人に仕立て上げる
必要性などございますまい」
仕立て上げる…ってのは、強調したよ、もちろん。
私は…そのまま、バカ王女の言葉を待つ。
さて…どうかな…。
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