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第4章 現状
3 フィリーはいくつの顔を持つ?
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「みんな~、元気にしてたぁ~」
私達が今日…やって来たのは、ハートのお気に入りの場所だった。
「まあぁ!!オルフィリア公爵夫人!!ようこそおいでくださいました!!」
その場所は…どう見ても裏路地にある…雑居ビルのような建物だった。
モノが散乱した周囲は、人1人隠れていても、直ぐにはわからないだろう…と思わせる。
まばらにいる人は…皆どこか荒んだ眼をし…気だるげに過ごしていた。
そして…沢山の女性たちに囲まれながら入ったそこは…多分私と…一番馴染みがあり、
感慨深い場所だった…。
今世でのことではない。
前世でのことだ。
だってその場所は…娼館だから…。
まだ…日が高く、稼ぎ時の時間から外れるからだろう…。
ほぼすべての娼婦たちが集まってきてくれて、口々に私を…迎えてくれた。
私が…慈善事業にお金を湯水が如く仕えるようになった時…、真っ先に手掛けたものの1つが
娼婦に対する支援だ。
前世の世界だって…昔はそうだったみたいだが…。
この世界の娼婦の扱いは…かなりひどい。
口減らしのため、売られてくる人間…。
奴隷として売られていたのを、買われてくる人間…。
もっと酷いと、まだ小さな子を攫ってきて、そのまま娼館で仕込み、男の相手をさせるなど…。
そんな事をしている所は、当然金の折り合いさえつけば、未成年どころか、子供の状態でも
客を取らせる。
そしてそれなりの店だって…性病は蔓延するし、休みも満足にもらえない。
救済措置は…ほぼなかった。
私は…この世界に転生した後も、子供のころからコッソリ娼館の様子は見に行っていた。
だから…そのあまりの酷さも、目の当たりにしていた。
でも…食い詰めていたし、子供だった私に、何ができるわけでもなく、何度も涙をのんだ。
私がギリアムに見初められたとき…。
真っ先にその現状を訴え、救済システムを組んでくれるようお願いした。
もちろん…骨組みは私がやるから…と。
……ギリアム、私が一番最初にどうしても欲しいと言ったものが、ドレスでも宝石でもなく
コレだったこと…すごく喜んでたなぁ…。
私が作ったのは…娼婦に対しての保証制度。
まず…娼婦は基本使い捨てで…、体を壊して追い出された時、ゆく当てが無いのが殆ど。
特に…そう言った職業をしていると、普通の救護施設でも受け入れてもらえないことも多かった。
だから…娼婦の受け入れ施設を、専門に作った。
そして…性病に対する処置。
前にも話したが、この世界…性病に対する特効薬は残念ながらない。
しかし…完治は難しくても、緩和する薬草や、しっかり休息を取ることで、死なずに済むように
出来る場合もある。
だから…こっちも民間病院に、それ専門の医療設備と施設を作った。
こちらは…引退していようが、現職だろうが…かかることが出来るようにした。
そしてもし…休職したことで店を追い出されたら、職業の斡旋も出来るようにした。
借金のせいで、働いてもらわねば…と言う店側との交渉をする人間達も雇った。
駆け足で作ったのはこれくらい…。
あとは…実際にどうかを見てみて、日々改良をしている。
「女将さん!!どう?調子は?」
女将さんと呼ばれた…縦にもそうだが、横にも恰幅のいい…いかにも難波のおかんと思わしき
人が、
「良好だよ!!オルフィリア公爵夫人が色々整備してくれたおかげで…やり易くなった」
ケラケラ笑いつつ、私を迎えてくれた。
ドローチェさん…。
もう60を過ぎるが、本人も娼婦として随分長い事活躍した人だ。
その稼ぎをもとに娼館を立ち上げてからは…かなり娼婦の事を考えた経営をしていた。
自分の店の娘だけでなく、他で追い出されて食い詰めた娘の世話までしていたというのだから、
本当に頭が下がる。
「私の方こそ…いきなり来たにも関わらず、話を聞いてくれて…協力してくれたこと、
とても嬉しく思っていますよ」
私が…この世界でシステム構築しようとした時…絶対に現場の声は欠かせないと思った。
だから…ファルメニウス公爵家の情報収集能力を駆使して、一番…娼婦の事を考えた経営を
している所を探した。
それが…この、マダム・ドローチェの店だった。
「何言ってるんだい!!こんな商売してりゃ、人を見る目には自信がある。
オルフィリア公爵夫人は…本当に私らみたいな人間の事を…思ってくれていた!!
協力するのは当り前さ!!」
どこまでも…切符のいい人だ。
……舞子さんを…思い出すなぁ…。
「まあ…私も食い詰めていた時、娼婦の人たちにはお世話になりましたから…」
これは…今世での本当の話。
私は…好き好んで娼館に行っていたりした時、私にお菓子をくれたりした人…結構いた。
極めつけは…ヤバい大人から逃げていた時、スカートの中に私を隠してくれたり…したりも
したんだよ。
「それこそ、何言ってんだい!!
恩知らずをたくさん見てきたからこそ、そんな些細な事、ずっと覚えていてくれて…。
お金が入ったらいの一番に、恩返しをしようなんて人間…思っている以上に少ないんだよ!!」
まあそんな前置きをしつつ…私は新しく施行された法案の事も踏まえ…今後の娼婦支援の
枠組みを説明した。
「ひとまず…公的支援が受けられる部分は、その申請を使う事にしました。
それ以外は…引き続き、ファルメニウス公爵家とフィリアム商会…それに王立騎士団が主体で
行います」
「まあま、今回も…本当に良く考えてきてくれたんですねぇ…。
あの新法だって…みんなに大好評よ。
ま、一部の貴族や金持ちはブーブー言ってるけど…、だったらこの国出てけばいいのよ」
…本当に話が早い人だ。
「奥様~、奥様~、寝てた娘も起きてきて、奥様にご挨拶したいって~」
ハートが…奥から結構な人数を連れてきた。
「あはは、みんな、久しぶり~」
私は…1人1人と挨拶を交わしていたんだが、
「そういえば…この前のいけ好かない客!!制裁したんですか!!」
……グレリオの事だろう。
「上手くいったよ~。みんなが飲み屋の人間含め、焚きつけてくれたんでしょ?
どうもありがとう」
「当然ですよ!!
ファルメニウス公爵家の悪口言いやがって!!
今度、客で来たら…切り落としてやる!!」
皆が…息巻いている。
男性陣が…ちと青くなっているね…うん。
「あ、そうだ、ドローチェさん。
これ…みんなにお礼として持ってきましたから、配ってください」
そう言って私は…フィリアム商会の試供品を、たくさん出した。
「まあま、いつもありがとうございます。
フィリアム商会の商品は、質が良いから助かりますよ」
ドローチェさんも…喜んでいる。
「でも…ハートちゃんも良かったわね…。いい就職先が見つかって」
「あはは、本当ですよ~」
ドローチェさんとハートは…実は知り合いだったのだ。
ハートは…先ほど話した娼婦の現状の…まさに被害者だった。
物心つく前に、親に娼館に売られ、下働きをしながらテクを仕込まれ…初潮前に客の相手を
させられてたってんだから…。
元娼婦でさえ、怒りがこみ上げた。
そして…病気になり、動けなくなると…まるでゴミのように捨てられた。
捨てられたところを…ジョーカーに拾われ、育てられたそうな。
ただ…ハート曰く、確かに子供の頃にやらされたことは、嫌だった。
でも…仲間が食い詰めた時、金を稼げるものを与えてくれたことには、感謝している。
そして…大人になってから、男の相手をするのは、それほど嫌だとは思わなかったそう…。
私と同じで…娼婦が性に合っていたのだろう…。
金が必要な時、その地その地の娼館に、ちょくちょく言っては、臨時雇いで金貰ってたらしく、
ドローチェさんとも、その時に…知り合ったそうな。
私は…それを聞いた時、本当に良かったと思った。
幼いころに…性的に嫌な目に遭うと、大人になってからも非常に暗い影を落とす。
でも…ハートにはそれは無かったよう。
そして…仲間の為に、自分の身一つで稼いできたことだって、素晴らしいと思う。
素直に感動したもんさ。
それを包み隠さず伝えたら…随分と喜んでいたなぁ…。
「あ、そうそう…。さっき切り落とす…とか、言ってたけど。
貴族相手にそれはまずいから、やめときなさいな」
「え~~~」
残念そうだね…。
「本当よ。まして上位貴族なんて、この店全体がヤバいわよ」
ドローチェさん…加勢してくれた。
「そうよ!!だから…復習したいなら、もう少し頭を使った方法に切り替えなさいな」
私が言えば、
「というと?」
皆が耳を傾けてくれた。
「いい?金はたっぷり持ってるんだからさぁ…。簡単に使えなくするなんて、つまんないでしょ。
皆のテクを総動員して…とにかく虜にしなさいな。
それで…金と共にちょっとずつ生気を吸ってあげるの…。
そうすれば…みんなの稼ぎにもなるし、やりがいも出るでしょ?
楽しく行きましょう…せっかくだからさ」
「あら~、確かにその方がいいですね!!」
皆の…悪だくみ顔が印象的だ。
「さっすが、奥様~」
ハートもにっこにこ。
男性陣だけが…さらに青くなっていた…。
「奥様って…一体いくつの顔をお持ちなんだろう…?」
スペードが…ちょっとうすら寒くなった…と言いたげな声を出している。
「知らんよ…知らない方がいいと思う…」
この世には…触れてはならないものがある…と、言いたげなダイヤ。
「オレたち奥様のご命令に従うだけだし」
クローバは…脳筋ゆえの能天気ぶりを発揮している。
「まあ…わしらの世界じゃ、詮索はご法度じゃから、今が良ければよいじゃろ?」
「爺さんの言う通りだ」
ジョーカーとジェードは…あまり意に介していないよう。
こうして…私は久々に、楽しいお出かけを満喫した。
私達が今日…やって来たのは、ハートのお気に入りの場所だった。
「まあぁ!!オルフィリア公爵夫人!!ようこそおいでくださいました!!」
その場所は…どう見ても裏路地にある…雑居ビルのような建物だった。
モノが散乱した周囲は、人1人隠れていても、直ぐにはわからないだろう…と思わせる。
まばらにいる人は…皆どこか荒んだ眼をし…気だるげに過ごしていた。
そして…沢山の女性たちに囲まれながら入ったそこは…多分私と…一番馴染みがあり、
感慨深い場所だった…。
今世でのことではない。
前世でのことだ。
だってその場所は…娼館だから…。
まだ…日が高く、稼ぎ時の時間から外れるからだろう…。
ほぼすべての娼婦たちが集まってきてくれて、口々に私を…迎えてくれた。
私が…慈善事業にお金を湯水が如く仕えるようになった時…、真っ先に手掛けたものの1つが
娼婦に対する支援だ。
前世の世界だって…昔はそうだったみたいだが…。
この世界の娼婦の扱いは…かなりひどい。
口減らしのため、売られてくる人間…。
奴隷として売られていたのを、買われてくる人間…。
もっと酷いと、まだ小さな子を攫ってきて、そのまま娼館で仕込み、男の相手をさせるなど…。
そんな事をしている所は、当然金の折り合いさえつけば、未成年どころか、子供の状態でも
客を取らせる。
そしてそれなりの店だって…性病は蔓延するし、休みも満足にもらえない。
救済措置は…ほぼなかった。
私は…この世界に転生した後も、子供のころからコッソリ娼館の様子は見に行っていた。
だから…そのあまりの酷さも、目の当たりにしていた。
でも…食い詰めていたし、子供だった私に、何ができるわけでもなく、何度も涙をのんだ。
私がギリアムに見初められたとき…。
真っ先にその現状を訴え、救済システムを組んでくれるようお願いした。
もちろん…骨組みは私がやるから…と。
……ギリアム、私が一番最初にどうしても欲しいと言ったものが、ドレスでも宝石でもなく
コレだったこと…すごく喜んでたなぁ…。
私が作ったのは…娼婦に対しての保証制度。
まず…娼婦は基本使い捨てで…、体を壊して追い出された時、ゆく当てが無いのが殆ど。
特に…そう言った職業をしていると、普通の救護施設でも受け入れてもらえないことも多かった。
だから…娼婦の受け入れ施設を、専門に作った。
そして…性病に対する処置。
前にも話したが、この世界…性病に対する特効薬は残念ながらない。
しかし…完治は難しくても、緩和する薬草や、しっかり休息を取ることで、死なずに済むように
出来る場合もある。
だから…こっちも民間病院に、それ専門の医療設備と施設を作った。
こちらは…引退していようが、現職だろうが…かかることが出来るようにした。
そしてもし…休職したことで店を追い出されたら、職業の斡旋も出来るようにした。
借金のせいで、働いてもらわねば…と言う店側との交渉をする人間達も雇った。
駆け足で作ったのはこれくらい…。
あとは…実際にどうかを見てみて、日々改良をしている。
「女将さん!!どう?調子は?」
女将さんと呼ばれた…縦にもそうだが、横にも恰幅のいい…いかにも難波のおかんと思わしき
人が、
「良好だよ!!オルフィリア公爵夫人が色々整備してくれたおかげで…やり易くなった」
ケラケラ笑いつつ、私を迎えてくれた。
ドローチェさん…。
もう60を過ぎるが、本人も娼婦として随分長い事活躍した人だ。
その稼ぎをもとに娼館を立ち上げてからは…かなり娼婦の事を考えた経営をしていた。
自分の店の娘だけでなく、他で追い出されて食い詰めた娘の世話までしていたというのだから、
本当に頭が下がる。
「私の方こそ…いきなり来たにも関わらず、話を聞いてくれて…協力してくれたこと、
とても嬉しく思っていますよ」
私が…この世界でシステム構築しようとした時…絶対に現場の声は欠かせないと思った。
だから…ファルメニウス公爵家の情報収集能力を駆使して、一番…娼婦の事を考えた経営を
している所を探した。
それが…この、マダム・ドローチェの店だった。
「何言ってるんだい!!こんな商売してりゃ、人を見る目には自信がある。
オルフィリア公爵夫人は…本当に私らみたいな人間の事を…思ってくれていた!!
協力するのは当り前さ!!」
どこまでも…切符のいい人だ。
……舞子さんを…思い出すなぁ…。
「まあ…私も食い詰めていた時、娼婦の人たちにはお世話になりましたから…」
これは…今世での本当の話。
私は…好き好んで娼館に行っていたりした時、私にお菓子をくれたりした人…結構いた。
極めつけは…ヤバい大人から逃げていた時、スカートの中に私を隠してくれたり…したりも
したんだよ。
「それこそ、何言ってんだい!!
恩知らずをたくさん見てきたからこそ、そんな些細な事、ずっと覚えていてくれて…。
お金が入ったらいの一番に、恩返しをしようなんて人間…思っている以上に少ないんだよ!!」
まあそんな前置きをしつつ…私は新しく施行された法案の事も踏まえ…今後の娼婦支援の
枠組みを説明した。
「ひとまず…公的支援が受けられる部分は、その申請を使う事にしました。
それ以外は…引き続き、ファルメニウス公爵家とフィリアム商会…それに王立騎士団が主体で
行います」
「まあま、今回も…本当に良く考えてきてくれたんですねぇ…。
あの新法だって…みんなに大好評よ。
ま、一部の貴族や金持ちはブーブー言ってるけど…、だったらこの国出てけばいいのよ」
…本当に話が早い人だ。
「奥様~、奥様~、寝てた娘も起きてきて、奥様にご挨拶したいって~」
ハートが…奥から結構な人数を連れてきた。
「あはは、みんな、久しぶり~」
私は…1人1人と挨拶を交わしていたんだが、
「そういえば…この前のいけ好かない客!!制裁したんですか!!」
……グレリオの事だろう。
「上手くいったよ~。みんなが飲み屋の人間含め、焚きつけてくれたんでしょ?
どうもありがとう」
「当然ですよ!!
ファルメニウス公爵家の悪口言いやがって!!
今度、客で来たら…切り落としてやる!!」
皆が…息巻いている。
男性陣が…ちと青くなっているね…うん。
「あ、そうだ、ドローチェさん。
これ…みんなにお礼として持ってきましたから、配ってください」
そう言って私は…フィリアム商会の試供品を、たくさん出した。
「まあま、いつもありがとうございます。
フィリアム商会の商品は、質が良いから助かりますよ」
ドローチェさんも…喜んでいる。
「でも…ハートちゃんも良かったわね…。いい就職先が見つかって」
「あはは、本当ですよ~」
ドローチェさんとハートは…実は知り合いだったのだ。
ハートは…先ほど話した娼婦の現状の…まさに被害者だった。
物心つく前に、親に娼館に売られ、下働きをしながらテクを仕込まれ…初潮前に客の相手を
させられてたってんだから…。
元娼婦でさえ、怒りがこみ上げた。
そして…病気になり、動けなくなると…まるでゴミのように捨てられた。
捨てられたところを…ジョーカーに拾われ、育てられたそうな。
ただ…ハート曰く、確かに子供の頃にやらされたことは、嫌だった。
でも…仲間が食い詰めた時、金を稼げるものを与えてくれたことには、感謝している。
そして…大人になってから、男の相手をするのは、それほど嫌だとは思わなかったそう…。
私と同じで…娼婦が性に合っていたのだろう…。
金が必要な時、その地その地の娼館に、ちょくちょく言っては、臨時雇いで金貰ってたらしく、
ドローチェさんとも、その時に…知り合ったそうな。
私は…それを聞いた時、本当に良かったと思った。
幼いころに…性的に嫌な目に遭うと、大人になってからも非常に暗い影を落とす。
でも…ハートにはそれは無かったよう。
そして…仲間の為に、自分の身一つで稼いできたことだって、素晴らしいと思う。
素直に感動したもんさ。
それを包み隠さず伝えたら…随分と喜んでいたなぁ…。
「あ、そうそう…。さっき切り落とす…とか、言ってたけど。
貴族相手にそれはまずいから、やめときなさいな」
「え~~~」
残念そうだね…。
「本当よ。まして上位貴族なんて、この店全体がヤバいわよ」
ドローチェさん…加勢してくれた。
「そうよ!!だから…復習したいなら、もう少し頭を使った方法に切り替えなさいな」
私が言えば、
「というと?」
皆が耳を傾けてくれた。
「いい?金はたっぷり持ってるんだからさぁ…。簡単に使えなくするなんて、つまんないでしょ。
皆のテクを総動員して…とにかく虜にしなさいな。
それで…金と共にちょっとずつ生気を吸ってあげるの…。
そうすれば…みんなの稼ぎにもなるし、やりがいも出るでしょ?
楽しく行きましょう…せっかくだからさ」
「あら~、確かにその方がいいですね!!」
皆の…悪だくみ顔が印象的だ。
「さっすが、奥様~」
ハートもにっこにこ。
男性陣だけが…さらに青くなっていた…。
「奥様って…一体いくつの顔をお持ちなんだろう…?」
スペードが…ちょっとうすら寒くなった…と言いたげな声を出している。
「知らんよ…知らない方がいいと思う…」
この世には…触れてはならないものがある…と、言いたげなダイヤ。
「オレたち奥様のご命令に従うだけだし」
クローバは…脳筋ゆえの能天気ぶりを発揮している。
「まあ…わしらの世界じゃ、詮索はご法度じゃから、今が良ければよいじゃろ?」
「爺さんの言う通りだ」
ジョーカーとジェードは…あまり意に介していないよう。
こうして…私は久々に、楽しいお出かけを満喫した。
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