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第4章 悲劇
4 ガルドベンダ公爵家での非公式会談
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「ご主人様…お願いでございます…少しはお食事をとられてください…」
バドセットの声もむなしく、ツァリオは…振り向かない。
視線の先には…アイリン夫人がいた。
ヒラテスは…処方について指示していったし、ぎりぎりまで残ってくれたのだが…。
もはや問題が国家間のものとなると、個人の意思だけでとどまることは出来なかった。
ヒラテスが帰ってからずっと…片時も離れずアイリンのそばにいる。
手を握り…時には使用人のするような世話を…自分でしていた。
「あの…失礼いたします…」
メイドが…かなりおずおずと入ってきた。
「お客様が…」
「客はすべて、断れと言っただろう!!」
かなり苛ついた様子で…バドセットが言うが、
「しかし…ローエン閣下でして…」
「なに…?」
これは予想外だったようだ。
まあ、あのじい様の性格よく知ってれば…二度と来ないと言ったら、本当に来ないだろうからな…。
「行こう…」
ツァリオが…普段からは予想もできないくらい、弱々しく声で言った。
「そ、それが…」
メイドが…さっきよりもさらに口に出しづらそうに、
「お、奥様の病室に…お通ししろと…」
「そ、それはいくら何でも…」
バドセットが慌てるが、
「お通ししろ…」
やっぱり…弱々しい声だ。
バドセットとメイドは…それ以上何も言わず、ローエンじい様を通した。
じい様は…結構大きい荷物…自分の体がすっぽり入るくらいの箱を、滑車で引いてきた。
使用人がやると言ったが、絶対に自分で運ぶと譲らなかった。
「随分と…やつれたな…ツァリオ…。
まあ、当たり前だろうが…」
「ロ、ローエン閣下…あの…」
バドセットが何も喋らぬツァリオの代わりに言葉を紡ごうとしたが、
「人払いせい!!ツァリオ…お前とわし…アイリン夫人以外、この部屋の周囲にも置くでない」
「バドセット…言う通りにしろ…」
バドセットは…やはり何かを言おうとしたようだが、一瞬だけツァリオの目が鋭く光ったため、
一礼して、メイドと共に、出て行った…。
気配がなくなったことを、確認したローエンじい様は、自身の運んで来た箱のふたを取り、
中をのぞく。
「ありゃ…起きて下さ~い」
何やら覗きつつ…声をかけている…。
「あの…ローエン閣下…」
さすがにツァリオが不思議そうに声をかけると、
「いやな、お前に一つ…聞きたい事があるが、お前の所に来るのを、誰にも見られたくない、
悟られたくもない…ということで、わしが連れてきたんじゃ。
でも…寝てらっしゃるから、しばし待て」
「は…はあ…」
やっぱり訳が分からないよう…。
普段だったら、頭が回るのだろうが…こんな状態では余計だ。
「あ?着いたんれぅかぁ?」
「ええ、着きました」
箱の中から聞こえる、ボケボケした声は、ローエンじい様のはきはきした声と対比されて…
さらに強調される。
「ん~、気持ちよかったから寝ちゃったぁ…。
もう少し寝ていたいなぁ~」
「寝ぼけていないで、起きてくだされ、お願いですから…」
じい様…ちょっと困ってる…。
私は…箱の中で目をこすりつつ、頭をぶんぶん振って、覚ました。
ひょっこりと…箱から顔を出す。
「あ、ツァリオ閣下~、お久しぶりれ~す」
箱から出てきた人物の姿が目に映ったツァリオは…、一瞬自分が…何を見ているのか
わからない…と、言いたげだった。
脳みそが…一瞬だけでも停止するなんて、ツァリオにとっては…非常に珍しい事だろう。
だが…遅れたとはいえ、理解するとすぐに、
「オルフィリア公爵夫人!!!!」
まだ箱の中で、手だけ箱の淵を掴み、頭を出しているフィリーの元にすぐさま駆け寄り、
「先の評議会の件…いくら詫びた所で、詫び尽くせるものではありません!!」
もう…ただただ平伏した。
「しかし…どうか、お願いです!!」
泣きじゃくりながら…。
「なにとぞっ!!我が妻アイリンをお助け下さい!!」
潰れたカエル…っていうか、体の大きさからしたら、イノシシか…。
いずれにしても、潰れた何か…だ。
「……ひとまず、座って話しましょう。
私も箱から出たいんで。
ああ、お茶とかいりませんよ。
長居する気、ないですから…」
------------------------------------------------------------------------------------
箱の中は…気持ちよかったが、話をするには窮屈だからね。
私たち3人は…寝室にあるソファーに座った。
私は…今は眠っているアイリン夫人を見つつ、
「……話しには聞いていましたが、大分ひどいようですね。
ヒラテス閣下の処方…見せて頂いても?」
ツァリオ閣下が黙って紙を差し出した。
私は…それを確認しつつ…、
「なるほど…第3期の痛みを抑える…強い鎮痛剤を薄めて使ったのですね。
対処療法ですが、痛みが酷すぎると、精神的にも肉体的にも、衰弱しますから…。
賢い方法です…。
しかし、原因を取り除くワケではないから、長くは使えない…。
もうすでに、どんどん効く時間が短くなっていませんか?」
「仰る通りです…」
ツァリオ閣下…凄く項垂れてる…。
「では…最初に私があなたに聞きたいことがあります。
答えてください…」
「はい…」
「答えは見つかりましたか?」
「え…」
少し…固まったが、直ぐに何の事だか察したようで、
「いいえ…未だに…」
と。
「ただ…」
下を向いたまま、
「アナタが…わしを…凄く頭のいい大馬鹿者…と仰ったこと…。
大変的を得ていると…最近になって…ようやっとわかりました…」
私は…その姿を見つめながら…思う…。
ツァリオ閣下は…今…どんな気持ちなんだろう…。
やりきれないって言葉じゃ…本当に表現できないだろうな…。
自分の主義・主張を…性分を…散々まげて…耐えて…苦しんで…。
そこまでして手に入れた奥さんの薬が…薬どころか毒だったなんてね…。
創作の悲劇だって、もう少し…救いがありそうだ。
「あのですね…ツァリオ閣下…」
私はそれを踏まえつつ…
「私には今…会いたいと希望される方が、殺到しています…。
それはギリアムに話をするより…私に話をした方が…通りやすいと思っているからです。
つまり…私をバカにしていると判断しましたので、一切拒絶しております」
話してみる事にした。
「それでもあなたにだけは、会ってみようと思いました。
それは…ローエン閣下からお願いされたこと、アナタがフィリアム商会に来た時に…
私を出せと一切言わなかったこと…」
これ…デカいんだよね。
「そして何より…アナタがジョノァドを信用しているワケではなかったこと…です」
ツァリオ閣下は…ここで初めて顔を上げた。
「ですが残念ながら…、ヒラテス閣下の事は信用していたのでしょう?
違いますか?」
すると…ツァリオ閣下の堅い顔が、少しだけ緩んで、
「仰る通りです…」
と。
「わしは…ジョノァドなんぞを、一から十まで信用しておりません…。
だから…アイリンがゴギュラン病とわかった時点で、ヒラテス閣下に連絡を取りました。
あの方は…高い身分と知識を持つ上、大変…人格者ですので、信用できます。
ヒラテス閣下が…ダイロの事を褒めていて…自分も落ち着いたら行くから、それまでは
指示に従うように…と」
これが…通信設備の整っていない世界の…限界だろうな。
顔も見えない、声も聞けない以上…確認のしようがない…。
「ツァリオ閣下…私はここに長居するつもりはございません…。
ゆえに…会話は本題のみで、話してください」
「は…はい…」
「私が…今回すがってくる人間を…家族ごと切り捨てると判断したのは…、許してくれ
許してくればかりで…具体的に何をするとも、言わないからです」
「相手に…処罰を決めてもらうのは、ある意味妥当ではあります。
しかし…その裏に、処罰を受ければ許して貰えて当然…という心が見え隠れしては、
話しを聞く気にもなりません」
「それも…おっしゃる通りです」
ツァリオ閣下…神妙だなぁ…。
ま、私の言ったことがわかっていたから…、ただ詫びる…その一択しか行わなかったん
だろーなぁ。
「その上で…アナタに問います。私の…ギリアムの…」
私は…胸に手を当てる。
「一番欲していることが何か…わかりますか?」
と、問うた。
バドセットの声もむなしく、ツァリオは…振り向かない。
視線の先には…アイリン夫人がいた。
ヒラテスは…処方について指示していったし、ぎりぎりまで残ってくれたのだが…。
もはや問題が国家間のものとなると、個人の意思だけでとどまることは出来なかった。
ヒラテスが帰ってからずっと…片時も離れずアイリンのそばにいる。
手を握り…時には使用人のするような世話を…自分でしていた。
「あの…失礼いたします…」
メイドが…かなりおずおずと入ってきた。
「お客様が…」
「客はすべて、断れと言っただろう!!」
かなり苛ついた様子で…バドセットが言うが、
「しかし…ローエン閣下でして…」
「なに…?」
これは予想外だったようだ。
まあ、あのじい様の性格よく知ってれば…二度と来ないと言ったら、本当に来ないだろうからな…。
「行こう…」
ツァリオが…普段からは予想もできないくらい、弱々しく声で言った。
「そ、それが…」
メイドが…さっきよりもさらに口に出しづらそうに、
「お、奥様の病室に…お通ししろと…」
「そ、それはいくら何でも…」
バドセットが慌てるが、
「お通ししろ…」
やっぱり…弱々しい声だ。
バドセットとメイドは…それ以上何も言わず、ローエンじい様を通した。
じい様は…結構大きい荷物…自分の体がすっぽり入るくらいの箱を、滑車で引いてきた。
使用人がやると言ったが、絶対に自分で運ぶと譲らなかった。
「随分と…やつれたな…ツァリオ…。
まあ、当たり前だろうが…」
「ロ、ローエン閣下…あの…」
バドセットが何も喋らぬツァリオの代わりに言葉を紡ごうとしたが、
「人払いせい!!ツァリオ…お前とわし…アイリン夫人以外、この部屋の周囲にも置くでない」
「バドセット…言う通りにしろ…」
バドセットは…やはり何かを言おうとしたようだが、一瞬だけツァリオの目が鋭く光ったため、
一礼して、メイドと共に、出て行った…。
気配がなくなったことを、確認したローエンじい様は、自身の運んで来た箱のふたを取り、
中をのぞく。
「ありゃ…起きて下さ~い」
何やら覗きつつ…声をかけている…。
「あの…ローエン閣下…」
さすがにツァリオが不思議そうに声をかけると、
「いやな、お前に一つ…聞きたい事があるが、お前の所に来るのを、誰にも見られたくない、
悟られたくもない…ということで、わしが連れてきたんじゃ。
でも…寝てらっしゃるから、しばし待て」
「は…はあ…」
やっぱり訳が分からないよう…。
普段だったら、頭が回るのだろうが…こんな状態では余計だ。
「あ?着いたんれぅかぁ?」
「ええ、着きました」
箱の中から聞こえる、ボケボケした声は、ローエンじい様のはきはきした声と対比されて…
さらに強調される。
「ん~、気持ちよかったから寝ちゃったぁ…。
もう少し寝ていたいなぁ~」
「寝ぼけていないで、起きてくだされ、お願いですから…」
じい様…ちょっと困ってる…。
私は…箱の中で目をこすりつつ、頭をぶんぶん振って、覚ました。
ひょっこりと…箱から顔を出す。
「あ、ツァリオ閣下~、お久しぶりれ~す」
箱から出てきた人物の姿が目に映ったツァリオは…、一瞬自分が…何を見ているのか
わからない…と、言いたげだった。
脳みそが…一瞬だけでも停止するなんて、ツァリオにとっては…非常に珍しい事だろう。
だが…遅れたとはいえ、理解するとすぐに、
「オルフィリア公爵夫人!!!!」
まだ箱の中で、手だけ箱の淵を掴み、頭を出しているフィリーの元にすぐさま駆け寄り、
「先の評議会の件…いくら詫びた所で、詫び尽くせるものではありません!!」
もう…ただただ平伏した。
「しかし…どうか、お願いです!!」
泣きじゃくりながら…。
「なにとぞっ!!我が妻アイリンをお助け下さい!!」
潰れたカエル…っていうか、体の大きさからしたら、イノシシか…。
いずれにしても、潰れた何か…だ。
「……ひとまず、座って話しましょう。
私も箱から出たいんで。
ああ、お茶とかいりませんよ。
長居する気、ないですから…」
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箱の中は…気持ちよかったが、話をするには窮屈だからね。
私たち3人は…寝室にあるソファーに座った。
私は…今は眠っているアイリン夫人を見つつ、
「……話しには聞いていましたが、大分ひどいようですね。
ヒラテス閣下の処方…見せて頂いても?」
ツァリオ閣下が黙って紙を差し出した。
私は…それを確認しつつ…、
「なるほど…第3期の痛みを抑える…強い鎮痛剤を薄めて使ったのですね。
対処療法ですが、痛みが酷すぎると、精神的にも肉体的にも、衰弱しますから…。
賢い方法です…。
しかし、原因を取り除くワケではないから、長くは使えない…。
もうすでに、どんどん効く時間が短くなっていませんか?」
「仰る通りです…」
ツァリオ閣下…凄く項垂れてる…。
「では…最初に私があなたに聞きたいことがあります。
答えてください…」
「はい…」
「答えは見つかりましたか?」
「え…」
少し…固まったが、直ぐに何の事だか察したようで、
「いいえ…未だに…」
と。
「ただ…」
下を向いたまま、
「アナタが…わしを…凄く頭のいい大馬鹿者…と仰ったこと…。
大変的を得ていると…最近になって…ようやっとわかりました…」
私は…その姿を見つめながら…思う…。
ツァリオ閣下は…今…どんな気持ちなんだろう…。
やりきれないって言葉じゃ…本当に表現できないだろうな…。
自分の主義・主張を…性分を…散々まげて…耐えて…苦しんで…。
そこまでして手に入れた奥さんの薬が…薬どころか毒だったなんてね…。
創作の悲劇だって、もう少し…救いがありそうだ。
「あのですね…ツァリオ閣下…」
私はそれを踏まえつつ…
「私には今…会いたいと希望される方が、殺到しています…。
それはギリアムに話をするより…私に話をした方が…通りやすいと思っているからです。
つまり…私をバカにしていると判断しましたので、一切拒絶しております」
話してみる事にした。
「それでもあなたにだけは、会ってみようと思いました。
それは…ローエン閣下からお願いされたこと、アナタがフィリアム商会に来た時に…
私を出せと一切言わなかったこと…」
これ…デカいんだよね。
「そして何より…アナタがジョノァドを信用しているワケではなかったこと…です」
ツァリオ閣下は…ここで初めて顔を上げた。
「ですが残念ながら…、ヒラテス閣下の事は信用していたのでしょう?
違いますか?」
すると…ツァリオ閣下の堅い顔が、少しだけ緩んで、
「仰る通りです…」
と。
「わしは…ジョノァドなんぞを、一から十まで信用しておりません…。
だから…アイリンがゴギュラン病とわかった時点で、ヒラテス閣下に連絡を取りました。
あの方は…高い身分と知識を持つ上、大変…人格者ですので、信用できます。
ヒラテス閣下が…ダイロの事を褒めていて…自分も落ち着いたら行くから、それまでは
指示に従うように…と」
これが…通信設備の整っていない世界の…限界だろうな。
顔も見えない、声も聞けない以上…確認のしようがない…。
「ツァリオ閣下…私はここに長居するつもりはございません…。
ゆえに…会話は本題のみで、話してください」
「は…はい…」
「私が…今回すがってくる人間を…家族ごと切り捨てると判断したのは…、許してくれ
許してくればかりで…具体的に何をするとも、言わないからです」
「相手に…処罰を決めてもらうのは、ある意味妥当ではあります。
しかし…その裏に、処罰を受ければ許して貰えて当然…という心が見え隠れしては、
話しを聞く気にもなりません」
「それも…おっしゃる通りです」
ツァリオ閣下…神妙だなぁ…。
ま、私の言ったことがわかっていたから…、ただ詫びる…その一択しか行わなかったん
だろーなぁ。
「その上で…アナタに問います。私の…ギリアムの…」
私は…胸に手を当てる。
「一番欲していることが何か…わかりますか?」
と、問うた。
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