43 / 43
番外編3 事情
5 マギーとフィリー、ギリアムとローカス
しおりを挟む
「大丈夫?マギー」
物置へと行った私が、シーツを頭からかぶって、顔だけ出しているマギーに話しかけると、
「あ…えと…フィリー…あの…」
「何も言わなくてもいいわ…でも…、そろそろいい加減帰らないとまずいかなって…」
「あ…もう…そんな時間…」
マギーの表情に、暗い影が落ちる。
「立てる?」
私はマギーの体をさすってあげるが…初めてなのにかなり無理をしたようだ。
「あ、あのさぁ…オレが抱えて連れて帰るから…」
まあ確かにそれぐらいして当然とは思うが…、
「そういうワケにはいきません。
私が連れて帰ります…ローカス卿はここの掃除をしてください」
「え、えええ~」
多分…マギーの家に行って、色々確認したいのだろうが…ちょっとそれはまずいんよ。
「ここって…子供たちが割とお手伝いのため、よくはいるんですよぉ」
本当は、危ないから大人同伴でないと、入れていないがね。
「ここで何があったのぉ?って聞かれたら、ローカス卿に聞いてって言いますね」
にっこやかーに言ってやったら、
「一切痕跡を残さず、綺麗さっぱり掃除しておくであります!!」
と、随分堅苦しい口調で言われたから、これでこっちはほーち…と。
「じゃあ、行こう、マギー」
私はマギーを支えつつ、馬車に乗せてあげた。
家紋も何もついていない、どっちかって言うとぼろい、平民が使う馬車だ。
「フィリー…あの…」
なんか、よそよそしいので、
「良かったじゃない」
笑顔を向ける。
「へ?」
「だって…ずっとローカス卿が好きだって、言ってたよね?
マギー…抵抗なんかしなかったんでしょ?
むしろ嬉しかったんじゃない?」
するとマギーは真っ赤になって下を向きつつ、
「…うん」
と、小さな声で言った。
これは…本当に良かったなぁ。
「それじゃ…今後の事を話し合おうか?」
「こ、今後の事?」
「そ、いろんな事態が予測できるからさ…。
マギーが…最終的に本当に…どうしたいのか?…をよ」
「私…まだ…わからない…」
下を向いて…今度は本当に悲しそうにする。
「じゃあ…わかっている事だけでもいい。
すぐに全部を決めろって、言っているワケじゃない。
だから…そんなに気負わなくていいよ」
私が背中を撫でてあげると、マギーは言葉ではなく、頷くことで私に返答してくれた。
そうして馬車は…夕暮れ時の街を…乾いた音を立てて、通っていくのだった。
--------------------------------------------------------------------------------
「おい、ギリアム」
掃除用具をひっさげたローカス卿が、部屋で私を待っていたギリアムに声をかけた。
「奉仕精神が豊かなのは良い事だ」
ギリアムは本当に、私のこと以外どうでもいいと言いたげな態度だ。
これも調教せな、いかんね。
ローカス卿は普通だったら、皮肉の一つも返すのだろうが…
「頼みがある」
とだけ。
「……珍しいな」
ギリアムがこう言うくらい、ローカス卿がギリアムに頼み事などしない。
私の婚約発表の時は、さすがに…色んな絡みから言わざるを得なかったのだろうが。
「この施設に来た…貴族名簿を見せてくれ」
「なに?」
太陽の家に限らず、他の施設でも、貴族がご来客となれば、色んな用意が必要だ。
だから、貴族は来るときには必ず連絡を入れる。
ボランティアの際にももちろんだ。
だから、貴族名簿を見れば、今定期的に来ている人も、必ず本名と何をやるかとか…
偽名を使うなら、その偽名も一緒に記載することになっている。
なーなーにしている施設もあるが、ウチは貴族だけでなく、平民だってしっかり記録を
取っている。
これはもちろん、何かあった時の対処のため…私が来る前から、ギリアムの方針で
やっているのだ。
ギリアムは暫く、無言で考えていたのだが…。
「いいだろう」
と、一言だけ。
「理由は聞かないのかよ?」
「…ローカス卿が何か悪事を働いたり、少なくとも弱者に迷惑をかけている姿を…見たことは
無いのでね」
「はっ、なるほど」
この2人って…口で説明するの難しいけど…なんかいいね。
そして出された貴族名簿を、ギリアムの前で確認するローカス卿。
一通り見終えると、
「サンキュー、もういいよ」
「……わかった」
ギリアムは黙って貴族名簿をしまう。
「ありがとな。
この埋め合わせは、いつかするよ」
「もう帰るのか?」
「ああ、いい加減暗くなるからな。
オレも帰らないと…明日は仕事だ」
そう言って手を振ると、振り返らずに行ってしまった。
夜の帳が降り始めた空を…まばらな星が彩っている。
ボケっとそれを眺めながら、馬にまたがり家に帰るローカス卿。
そして思う…。
(貴族名簿に…マギーの名前は無かった…)
(どこか品があって…平民っぽくなかったから…もしかしてと思ったけど…。
ギリアムが書き損じなんかしないだろうし、ギリアムの施設で嘘をつくような度胸の
ある奴はいない…)
「くそっ」
呟くように出た、悪態…。
「深入りしない方が…いいってことかよ…」
苦しそうに…でも何かの願いを込めて…ローカス卿は夜空の星を見つめながら、一路家路に
付くのだった…。
----------------------------------------------------------------------------------
場末の街の酒場…そこは…。
様々な人々が行きかい、町の暗部であると同時に、真実を暴露する場でもある。
酒場の喧騒は、どの世界も変わらずで…中央で羽目を外し騒ぐ者もいれば、隅で静かな時間を
楽しむ者もいる。
「よお、楽しんでるかぁ?」
そんな重低音の声を響かせた…筋肉の塊みたいな男が、隅っこでチビチビ飲んでいる者たちに
声をかける。
「あ?何だよ…オレらに何か用か?」
男の身長が…ゆうに2メートルは超えているため、少々ビビっている飲兵衛たち。
「いや…いろいろ噂を聞いてな…。
お前ら…――――――――だろう?」
すると飲兵衛たちが、途端に椅子から腰を踏み外し、
「ななな、何でそれを!!」
怯えて…どうしてこうなったかわからず…どうしていいかわからず…そんな感じに見える。
「別にお前らを、どうこうしようってんじゃない…逆に…おまえ等やお前らの…お仲間みたいな
連中に、声をかけて…一大パーティーをやらないかって話さ」
すると飲兵衛たちは顔を見合わせ…、
「ほ…本当に…捕まえに来たんじゃないのか?」
「もちろんだ…ほれっ」
男は金の入った袋を、無造作に飲兵衛たちの前に放り投げる。
袋の中は…銅貨ではなく、金貨だった…。
「お、おい!!全部金貨だぞ!!」
「ほ、本物か?」
飲兵衛たちは次々と金貨を手に取り、一つ一つ確認している。
「わかっただろう?
お前らみたいなのに、出来るだけ声をかけて…楽しいカーニバルをやろうじゃないか…」
先ほどの静かさが嘘のように、沸き立つ飲兵衛たち。
筋肉の塊男はその様子を見つつ、
(オルフィリア・ステンロイドよ…)
静かに思う…。
(お前が底知れぬ忍耐力の持ち主だと言うことは、醜聞を流してよくわかった)
いや…だからさ、私にとって醜聞でもなんでもなく、ありのままの姿を流布されただけだって…。
だから心の底から気になってないだけだって。
何度言やーわかるんだ?
(だから試そうじゃないか…)
(お前がこれから…オレが与える精神的苦痛に対して…)
(どこまで耐えられるか…をな!!)
男の思惑を知らず、いつまでも沸き立つ飲兵衛たちを飲み込み…酒場の夜は更けていくのだった。
------------------------------------------------------------------------------------------
どうでもいいおまけ。
この世界の通貨の大まかなレート
銅貨1枚(1ブロンズ)=100円
銀貨1枚(1シルバー)=1000円
金貨1枚(1ゴールド)=10000円
です。
あ、あと第3部はここで閉めさせていただきます。
第4部は…8月1日から公開いたしますので、楽しんでいただけたら幸いです。
物置へと行った私が、シーツを頭からかぶって、顔だけ出しているマギーに話しかけると、
「あ…えと…フィリー…あの…」
「何も言わなくてもいいわ…でも…、そろそろいい加減帰らないとまずいかなって…」
「あ…もう…そんな時間…」
マギーの表情に、暗い影が落ちる。
「立てる?」
私はマギーの体をさすってあげるが…初めてなのにかなり無理をしたようだ。
「あ、あのさぁ…オレが抱えて連れて帰るから…」
まあ確かにそれぐらいして当然とは思うが…、
「そういうワケにはいきません。
私が連れて帰ります…ローカス卿はここの掃除をしてください」
「え、えええ~」
多分…マギーの家に行って、色々確認したいのだろうが…ちょっとそれはまずいんよ。
「ここって…子供たちが割とお手伝いのため、よくはいるんですよぉ」
本当は、危ないから大人同伴でないと、入れていないがね。
「ここで何があったのぉ?って聞かれたら、ローカス卿に聞いてって言いますね」
にっこやかーに言ってやったら、
「一切痕跡を残さず、綺麗さっぱり掃除しておくであります!!」
と、随分堅苦しい口調で言われたから、これでこっちはほーち…と。
「じゃあ、行こう、マギー」
私はマギーを支えつつ、馬車に乗せてあげた。
家紋も何もついていない、どっちかって言うとぼろい、平民が使う馬車だ。
「フィリー…あの…」
なんか、よそよそしいので、
「良かったじゃない」
笑顔を向ける。
「へ?」
「だって…ずっとローカス卿が好きだって、言ってたよね?
マギー…抵抗なんかしなかったんでしょ?
むしろ嬉しかったんじゃない?」
するとマギーは真っ赤になって下を向きつつ、
「…うん」
と、小さな声で言った。
これは…本当に良かったなぁ。
「それじゃ…今後の事を話し合おうか?」
「こ、今後の事?」
「そ、いろんな事態が予測できるからさ…。
マギーが…最終的に本当に…どうしたいのか?…をよ」
「私…まだ…わからない…」
下を向いて…今度は本当に悲しそうにする。
「じゃあ…わかっている事だけでもいい。
すぐに全部を決めろって、言っているワケじゃない。
だから…そんなに気負わなくていいよ」
私が背中を撫でてあげると、マギーは言葉ではなく、頷くことで私に返答してくれた。
そうして馬車は…夕暮れ時の街を…乾いた音を立てて、通っていくのだった。
--------------------------------------------------------------------------------
「おい、ギリアム」
掃除用具をひっさげたローカス卿が、部屋で私を待っていたギリアムに声をかけた。
「奉仕精神が豊かなのは良い事だ」
ギリアムは本当に、私のこと以外どうでもいいと言いたげな態度だ。
これも調教せな、いかんね。
ローカス卿は普通だったら、皮肉の一つも返すのだろうが…
「頼みがある」
とだけ。
「……珍しいな」
ギリアムがこう言うくらい、ローカス卿がギリアムに頼み事などしない。
私の婚約発表の時は、さすがに…色んな絡みから言わざるを得なかったのだろうが。
「この施設に来た…貴族名簿を見せてくれ」
「なに?」
太陽の家に限らず、他の施設でも、貴族がご来客となれば、色んな用意が必要だ。
だから、貴族は来るときには必ず連絡を入れる。
ボランティアの際にももちろんだ。
だから、貴族名簿を見れば、今定期的に来ている人も、必ず本名と何をやるかとか…
偽名を使うなら、その偽名も一緒に記載することになっている。
なーなーにしている施設もあるが、ウチは貴族だけでなく、平民だってしっかり記録を
取っている。
これはもちろん、何かあった時の対処のため…私が来る前から、ギリアムの方針で
やっているのだ。
ギリアムは暫く、無言で考えていたのだが…。
「いいだろう」
と、一言だけ。
「理由は聞かないのかよ?」
「…ローカス卿が何か悪事を働いたり、少なくとも弱者に迷惑をかけている姿を…見たことは
無いのでね」
「はっ、なるほど」
この2人って…口で説明するの難しいけど…なんかいいね。
そして出された貴族名簿を、ギリアムの前で確認するローカス卿。
一通り見終えると、
「サンキュー、もういいよ」
「……わかった」
ギリアムは黙って貴族名簿をしまう。
「ありがとな。
この埋め合わせは、いつかするよ」
「もう帰るのか?」
「ああ、いい加減暗くなるからな。
オレも帰らないと…明日は仕事だ」
そう言って手を振ると、振り返らずに行ってしまった。
夜の帳が降り始めた空を…まばらな星が彩っている。
ボケっとそれを眺めながら、馬にまたがり家に帰るローカス卿。
そして思う…。
(貴族名簿に…マギーの名前は無かった…)
(どこか品があって…平民っぽくなかったから…もしかしてと思ったけど…。
ギリアムが書き損じなんかしないだろうし、ギリアムの施設で嘘をつくような度胸の
ある奴はいない…)
「くそっ」
呟くように出た、悪態…。
「深入りしない方が…いいってことかよ…」
苦しそうに…でも何かの願いを込めて…ローカス卿は夜空の星を見つめながら、一路家路に
付くのだった…。
----------------------------------------------------------------------------------
場末の街の酒場…そこは…。
様々な人々が行きかい、町の暗部であると同時に、真実を暴露する場でもある。
酒場の喧騒は、どの世界も変わらずで…中央で羽目を外し騒ぐ者もいれば、隅で静かな時間を
楽しむ者もいる。
「よお、楽しんでるかぁ?」
そんな重低音の声を響かせた…筋肉の塊みたいな男が、隅っこでチビチビ飲んでいる者たちに
声をかける。
「あ?何だよ…オレらに何か用か?」
男の身長が…ゆうに2メートルは超えているため、少々ビビっている飲兵衛たち。
「いや…いろいろ噂を聞いてな…。
お前ら…――――――――だろう?」
すると飲兵衛たちが、途端に椅子から腰を踏み外し、
「ななな、何でそれを!!」
怯えて…どうしてこうなったかわからず…どうしていいかわからず…そんな感じに見える。
「別にお前らを、どうこうしようってんじゃない…逆に…おまえ等やお前らの…お仲間みたいな
連中に、声をかけて…一大パーティーをやらないかって話さ」
すると飲兵衛たちは顔を見合わせ…、
「ほ…本当に…捕まえに来たんじゃないのか?」
「もちろんだ…ほれっ」
男は金の入った袋を、無造作に飲兵衛たちの前に放り投げる。
袋の中は…銅貨ではなく、金貨だった…。
「お、おい!!全部金貨だぞ!!」
「ほ、本物か?」
飲兵衛たちは次々と金貨を手に取り、一つ一つ確認している。
「わかっただろう?
お前らみたいなのに、出来るだけ声をかけて…楽しいカーニバルをやろうじゃないか…」
先ほどの静かさが嘘のように、沸き立つ飲兵衛たち。
筋肉の塊男はその様子を見つつ、
(オルフィリア・ステンロイドよ…)
静かに思う…。
(お前が底知れぬ忍耐力の持ち主だと言うことは、醜聞を流してよくわかった)
いや…だからさ、私にとって醜聞でもなんでもなく、ありのままの姿を流布されただけだって…。
だから心の底から気になってないだけだって。
何度言やーわかるんだ?
(だから試そうじゃないか…)
(お前がこれから…オレが与える精神的苦痛に対して…)
(どこまで耐えられるか…をな!!)
男の思惑を知らず、いつまでも沸き立つ飲兵衛たちを飲み込み…酒場の夜は更けていくのだった。
------------------------------------------------------------------------------------------
どうでもいいおまけ。
この世界の通貨の大まかなレート
銅貨1枚(1ブロンズ)=100円
銀貨1枚(1シルバー)=1000円
金貨1枚(1ゴールド)=10000円
です。
あ、あと第3部はここで閉めさせていただきます。
第4部は…8月1日から公開いたしますので、楽しんでいただけたら幸いです。
72
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(1件)
あなたにおすすめの小説
ヤンデレ王子を闇落ちから救ったら愛執まみれの独占欲に囚われました
大江戸ウメコ
恋愛
幼い頃に精霊の祝福である未来視の力が開花し、「夫である第二王子ナハルドに殺される」という己の運命を知った伯爵令嬢ツィーラ。この悲惨な未来を変えるべく、ツィーラは彼を避けようとしたが、ひょんなことから婚約者に選ばれてしまった! ならば、ナハルドが将来闇落ちしないよう、側で彼を支えることを決意する。そんな努力の甲斐あって、ツィーラへの好意を隠さず伝えてくるほど、ナハルドとの関係は良好になった。だけど、彼の並々ならぬ執着心のすべてを、ツィーラはまだ知らなくて――
中身は80歳のおばあちゃんですが、異世界でイケオジ伯爵に溺愛されています
浅水シマ
ファンタジー
【完結しました】
ーー人生まさかの二週目。しかもお相手は年下イケオジ伯爵!?
激動の時代を生き、八十歳でその生涯を終えた早川百合子。
目を覚ますと、そこは異世界。しかも、彼女は公爵家令嬢“エマ”として新たな人生を歩むことに。
もう恋愛なんて……と思っていた矢先、彼女の前に現れたのは、渋くて穏やかなイケオジ伯爵・セイルだった。
セイルはエマに心から優しく、どこまでも真摯。
戸惑いながらも、エマは少しずつ彼に惹かれていく。
けれど、中身は人生80年分の知識と経験を持つ元おばあちゃん。
「乙女のときめき」にはとっくに卒業したはずなのに――どうしてこの人といると、胸がこんなに苦しいの?
これは、中身おばあちゃん×イケオジ伯爵の、
ちょっと不思議で切ない、恋と家族の物語。
※小説家になろうにも掲載中です。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
『白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?』
夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」
教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。
ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。
王命による“形式結婚”。
夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。
だから、はい、離婚。勝手に。
白い結婚だったので、勝手に離婚しました。
何か問題あります?
冷徹宰相様の嫁探し
菱沼あゆ
ファンタジー
あまり裕福でない公爵家の次女、マレーヌは、ある日突然、第一王子エヴァンの正妃となるよう、申し渡される。
その知らせを持って来たのは、若き宰相アルベルトだったが。
マレーヌは思う。
いやいやいやっ。
私が好きなのは、王子様じゃなくてあなたの方なんですけど~っ!?
実家が無害そう、という理由で王子の妃に選ばれたマレーヌと、冷徹宰相の恋物語。
(「小説家になろう」でも公開しています)
【完結】平凡な魔法使いですが、国一番の騎士に溺愛されています
空月
ファンタジー
この世界には『善い魔法使い』と『悪い魔法使い』がいる。
『悪い魔法使い』の根絶を掲げるシュターメイア王国の魔法使いフィオラ・クローチェは、ある日魔法の暴発で幼少時の姿になってしまう。こんな姿では仕事もできない――というわけで有給休暇を得たフィオラだったが、一番の友人を自称するルカ=セト騎士団長に、何故かなにくれとなく世話をされることに。
「……おまえがこんなに子ども好きだとは思わなかった」
「いや、俺は子どもが好きなんじゃないよ。君が好きだから、子どもの君もかわいく思うし好きなだけだ」
そんなことを大真面目に言う国一番の騎士に溺愛される、平々凡々な魔法使いのフィオラが、元の姿に戻るまでと、それから。
◆三部完結しました。お付き合いありがとうございました。(2024/4/4)
積みかけアラフォーOL、公爵令嬢に転生したのでやりたいことをやって好きに生きる!
ぽらいと
ファンタジー
アラフォー、バツ2派遣OLが公爵令嬢に転生したので、やりたいことを好きなようにやって過ごす、というほのぼの系の話。
悪役等は一切出てこない、優しい世界のお話です。
悪役令嬢の私が姫に転生した件 ――それはいいのですが、なぜ魔王城に幽閉から始まるのですか?
しばたろう
ファンタジー
アウレリア王国の未来を憂い、改革を進めようとした結果、
「聖女いじめ」の汚名を着せられ断罪された悪役令嬢アレイシア。
絶望の末に命を落とした彼女は、気がつくと百年後の世界で、
同国の王女エリシアとして生まれ変わっていた。
だが平穏はなく、彼女は魔王に攫われ、魔王城に囚われの身となる。
毎日続く求婚と恐怖――しかし前世の記憶を取り戻したエリシアは、
魔王の語る「経済による世界支配」という理知的な思想に耳を傾ける。
武力ではなく、政治と経済で世界を変えようとする魔王。
その冷静で非情な正論に、かつて同じ理想を抱いた彼女は――
魔王の妻になるという、思いもよらぬ選択を下す。
これは、断罪された悪役令嬢が、
今度こそ世界の在り方そのものに手を伸ばす物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
続きを楽しみにしてました♪
期待してます!!