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番外編3 事情
5 マギーとフィリー、ギリアムとローカス
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「大丈夫?マギー」
物置へと行った私が、シーツを頭からかぶって、顔だけ出しているマギーに話しかけると、
「あ…えと…フィリー…あの…」
「何も言わなくてもいいわ…でも…、そろそろいい加減帰らないとまずいかなって…」
「あ…もう…そんな時間…」
マギーの表情に、暗い影が落ちる。
「立てる?」
私はマギーの体をさすってあげるが…初めてなのにかなり無理をしたようだ。
「あ、あのさぁ…オレが抱えて連れて帰るから…」
まあ確かにそれぐらいして当然とは思うが…、
「そういうワケにはいきません。
私が連れて帰ります…ローカス卿はここの掃除をしてください」
「え、えええ~」
多分…マギーの家に行って、色々確認したいのだろうが…ちょっとそれはまずいんよ。
「ここって…子供たちが割とお手伝いのため、よくはいるんですよぉ」
本当は、危ないから大人同伴でないと、入れていないがね。
「ここで何があったのぉ?って聞かれたら、ローカス卿に聞いてって言いますね」
にっこやかーに言ってやったら、
「一切痕跡を残さず、綺麗さっぱり掃除しておくであります!!」
と、随分堅苦しい口調で言われたから、これでこっちはほーち…と。
「じゃあ、行こう、マギー」
私はマギーを支えつつ、馬車に乗せてあげた。
家紋も何もついていない、どっちかって言うとぼろい、平民が使う馬車だ。
「フィリー…あの…」
なんか、よそよそしいので、
「良かったじゃない」
笑顔を向ける。
「へ?」
「だって…ずっとローカス卿が好きだって、言ってたよね?
マギー…抵抗なんかしなかったんでしょ?
むしろ嬉しかったんじゃない?」
するとマギーは真っ赤になって下を向きつつ、
「…うん」
と、小さな声で言った。
これは…本当に良かったなぁ。
「それじゃ…今後の事を話し合おうか?」
「こ、今後の事?」
「そ、いろんな事態が予測できるからさ…。
マギーが…最終的に本当に…どうしたいのか?…をよ」
「私…まだ…わからない…」
下を向いて…今度は本当に悲しそうにする。
「じゃあ…わかっている事だけでもいい。
すぐに全部を決めろって、言っているワケじゃない。
だから…そんなに気負わなくていいよ」
私が背中を撫でてあげると、マギーは言葉ではなく、頷くことで私に返答してくれた。
そうして馬車は…夕暮れ時の街を…乾いた音を立てて、通っていくのだった。
--------------------------------------------------------------------------------
「おい、ギリアム」
掃除用具をひっさげたローカス卿が、部屋で私を待っていたギリアムに声をかけた。
「奉仕精神が豊かなのは良い事だ」
ギリアムは本当に、私のこと以外どうでもいいと言いたげな態度だ。
これも調教せな、いかんね。
ローカス卿は普通だったら、皮肉の一つも返すのだろうが…
「頼みがある」
とだけ。
「……珍しいな」
ギリアムがこう言うくらい、ローカス卿がギリアムに頼み事などしない。
私の婚約発表の時は、さすがに…色んな絡みから言わざるを得なかったのだろうが。
「この施設に来た…貴族名簿を見せてくれ」
「なに?」
太陽の家に限らず、他の施設でも、貴族がご来客となれば、色んな用意が必要だ。
だから、貴族は来るときには必ず連絡を入れる。
ボランティアの際にももちろんだ。
だから、貴族名簿を見れば、今定期的に来ている人も、必ず本名と何をやるかとか…
偽名を使うなら、その偽名も一緒に記載することになっている。
なーなーにしている施設もあるが、ウチは貴族だけでなく、平民だってしっかり記録を
取っている。
これはもちろん、何かあった時の対処のため…私が来る前から、ギリアムの方針で
やっているのだ。
ギリアムは暫く、無言で考えていたのだが…。
「いいだろう」
と、一言だけ。
「理由は聞かないのかよ?」
「…ローカス卿が何か悪事を働いたり、少なくとも弱者に迷惑をかけている姿を…見たことは
無いのでね」
「はっ、なるほど」
この2人って…口で説明するの難しいけど…なんかいいね。
そして出された貴族名簿を、ギリアムの前で確認するローカス卿。
一通り見終えると、
「サンキュー、もういいよ」
「……わかった」
ギリアムは黙って貴族名簿をしまう。
「ありがとな。
この埋め合わせは、いつかするよ」
「もう帰るのか?」
「ああ、いい加減暗くなるからな。
オレも帰らないと…明日は仕事だ」
そう言って手を振ると、振り返らずに行ってしまった。
夜の帳が降り始めた空を…まばらな星が彩っている。
ボケっとそれを眺めながら、馬にまたがり家に帰るローカス卿。
そして思う…。
(貴族名簿に…マギーの名前は無かった…)
(どこか品があって…平民っぽくなかったから…もしかしてと思ったけど…。
ギリアムが書き損じなんかしないだろうし、ギリアムの施設で嘘をつくような度胸の
ある奴はいない…)
「くそっ」
呟くように出た、悪態…。
「深入りしない方が…いいってことかよ…」
苦しそうに…でも何かの願いを込めて…ローカス卿は夜空の星を見つめながら、一路家路に
付くのだった…。
----------------------------------------------------------------------------------
場末の街の酒場…そこは…。
様々な人々が行きかい、町の暗部であると同時に、真実を暴露する場でもある。
酒場の喧騒は、どの世界も変わらずで…中央で羽目を外し騒ぐ者もいれば、隅で静かな時間を
楽しむ者もいる。
「よお、楽しんでるかぁ?」
そんな重低音の声を響かせた…筋肉の塊みたいな男が、隅っこでチビチビ飲んでいる者たちに
声をかける。
「あ?何だよ…オレらに何か用か?」
男の身長が…ゆうに2メートルは超えているため、少々ビビっている飲兵衛たち。
「いや…いろいろ噂を聞いてな…。
お前ら…――――――――だろう?」
すると飲兵衛たちが、途端に椅子から腰を踏み外し、
「ななな、何でそれを!!」
怯えて…どうしてこうなったかわからず…どうしていいかわからず…そんな感じに見える。
「別にお前らを、どうこうしようってんじゃない…逆に…おまえ等やお前らの…お仲間みたいな
連中に、声をかけて…一大パーティーをやらないかって話さ」
すると飲兵衛たちは顔を見合わせ…、
「ほ…本当に…捕まえに来たんじゃないのか?」
「もちろんだ…ほれっ」
男は金の入った袋を、無造作に飲兵衛たちの前に放り投げる。
袋の中は…銅貨ではなく、金貨だった…。
「お、おい!!全部金貨だぞ!!」
「ほ、本物か?」
飲兵衛たちは次々と金貨を手に取り、一つ一つ確認している。
「わかっただろう?
お前らみたいなのに、出来るだけ声をかけて…楽しいカーニバルをやろうじゃないか…」
先ほどの静かさが嘘のように、沸き立つ飲兵衛たち。
筋肉の塊男はその様子を見つつ、
(オルフィリア・ステンロイドよ…)
静かに思う…。
(お前が底知れぬ忍耐力の持ち主だと言うことは、醜聞を流してよくわかった)
いや…だからさ、私にとって醜聞でもなんでもなく、ありのままの姿を流布されただけだって…。
だから心の底から気になってないだけだって。
何度言やーわかるんだ?
(だから試そうじゃないか…)
(お前がこれから…オレが与える精神的苦痛に対して…)
(どこまで耐えられるか…をな!!)
男の思惑を知らず、いつまでも沸き立つ飲兵衛たちを飲み込み…酒場の夜は更けていくのだった。
------------------------------------------------------------------------------------------
どうでもいいおまけ。
この世界の通貨の大まかなレート
銅貨1枚(1ブロンズ)=100円
銀貨1枚(1シルバー)=1000円
金貨1枚(1ゴールド)=10000円
です。
あ、あと第3部はここで閉めさせていただきます。
第4部は…8月1日から公開いたしますので、楽しんでいただけたら幸いです。
物置へと行った私が、シーツを頭からかぶって、顔だけ出しているマギーに話しかけると、
「あ…えと…フィリー…あの…」
「何も言わなくてもいいわ…でも…、そろそろいい加減帰らないとまずいかなって…」
「あ…もう…そんな時間…」
マギーの表情に、暗い影が落ちる。
「立てる?」
私はマギーの体をさすってあげるが…初めてなのにかなり無理をしたようだ。
「あ、あのさぁ…オレが抱えて連れて帰るから…」
まあ確かにそれぐらいして当然とは思うが…、
「そういうワケにはいきません。
私が連れて帰ります…ローカス卿はここの掃除をしてください」
「え、えええ~」
多分…マギーの家に行って、色々確認したいのだろうが…ちょっとそれはまずいんよ。
「ここって…子供たちが割とお手伝いのため、よくはいるんですよぉ」
本当は、危ないから大人同伴でないと、入れていないがね。
「ここで何があったのぉ?って聞かれたら、ローカス卿に聞いてって言いますね」
にっこやかーに言ってやったら、
「一切痕跡を残さず、綺麗さっぱり掃除しておくであります!!」
と、随分堅苦しい口調で言われたから、これでこっちはほーち…と。
「じゃあ、行こう、マギー」
私はマギーを支えつつ、馬車に乗せてあげた。
家紋も何もついていない、どっちかって言うとぼろい、平民が使う馬車だ。
「フィリー…あの…」
なんか、よそよそしいので、
「良かったじゃない」
笑顔を向ける。
「へ?」
「だって…ずっとローカス卿が好きだって、言ってたよね?
マギー…抵抗なんかしなかったんでしょ?
むしろ嬉しかったんじゃない?」
するとマギーは真っ赤になって下を向きつつ、
「…うん」
と、小さな声で言った。
これは…本当に良かったなぁ。
「それじゃ…今後の事を話し合おうか?」
「こ、今後の事?」
「そ、いろんな事態が予測できるからさ…。
マギーが…最終的に本当に…どうしたいのか?…をよ」
「私…まだ…わからない…」
下を向いて…今度は本当に悲しそうにする。
「じゃあ…わかっている事だけでもいい。
すぐに全部を決めろって、言っているワケじゃない。
だから…そんなに気負わなくていいよ」
私が背中を撫でてあげると、マギーは言葉ではなく、頷くことで私に返答してくれた。
そうして馬車は…夕暮れ時の街を…乾いた音を立てて、通っていくのだった。
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「おい、ギリアム」
掃除用具をひっさげたローカス卿が、部屋で私を待っていたギリアムに声をかけた。
「奉仕精神が豊かなのは良い事だ」
ギリアムは本当に、私のこと以外どうでもいいと言いたげな態度だ。
これも調教せな、いかんね。
ローカス卿は普通だったら、皮肉の一つも返すのだろうが…
「頼みがある」
とだけ。
「……珍しいな」
ギリアムがこう言うくらい、ローカス卿がギリアムに頼み事などしない。
私の婚約発表の時は、さすがに…色んな絡みから言わざるを得なかったのだろうが。
「この施設に来た…貴族名簿を見せてくれ」
「なに?」
太陽の家に限らず、他の施設でも、貴族がご来客となれば、色んな用意が必要だ。
だから、貴族は来るときには必ず連絡を入れる。
ボランティアの際にももちろんだ。
だから、貴族名簿を見れば、今定期的に来ている人も、必ず本名と何をやるかとか…
偽名を使うなら、その偽名も一緒に記載することになっている。
なーなーにしている施設もあるが、ウチは貴族だけでなく、平民だってしっかり記録を
取っている。
これはもちろん、何かあった時の対処のため…私が来る前から、ギリアムの方針で
やっているのだ。
ギリアムは暫く、無言で考えていたのだが…。
「いいだろう」
と、一言だけ。
「理由は聞かないのかよ?」
「…ローカス卿が何か悪事を働いたり、少なくとも弱者に迷惑をかけている姿を…見たことは
無いのでね」
「はっ、なるほど」
この2人って…口で説明するの難しいけど…なんかいいね。
そして出された貴族名簿を、ギリアムの前で確認するローカス卿。
一通り見終えると、
「サンキュー、もういいよ」
「……わかった」
ギリアムは黙って貴族名簿をしまう。
「ありがとな。
この埋め合わせは、いつかするよ」
「もう帰るのか?」
「ああ、いい加減暗くなるからな。
オレも帰らないと…明日は仕事だ」
そう言って手を振ると、振り返らずに行ってしまった。
夜の帳が降り始めた空を…まばらな星が彩っている。
ボケっとそれを眺めながら、馬にまたがり家に帰るローカス卿。
そして思う…。
(貴族名簿に…マギーの名前は無かった…)
(どこか品があって…平民っぽくなかったから…もしかしてと思ったけど…。
ギリアムが書き損じなんかしないだろうし、ギリアムの施設で嘘をつくような度胸の
ある奴はいない…)
「くそっ」
呟くように出た、悪態…。
「深入りしない方が…いいってことかよ…」
苦しそうに…でも何かの願いを込めて…ローカス卿は夜空の星を見つめながら、一路家路に
付くのだった…。
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場末の街の酒場…そこは…。
様々な人々が行きかい、町の暗部であると同時に、真実を暴露する場でもある。
酒場の喧騒は、どの世界も変わらずで…中央で羽目を外し騒ぐ者もいれば、隅で静かな時間を
楽しむ者もいる。
「よお、楽しんでるかぁ?」
そんな重低音の声を響かせた…筋肉の塊みたいな男が、隅っこでチビチビ飲んでいる者たちに
声をかける。
「あ?何だよ…オレらに何か用か?」
男の身長が…ゆうに2メートルは超えているため、少々ビビっている飲兵衛たち。
「いや…いろいろ噂を聞いてな…。
お前ら…――――――――だろう?」
すると飲兵衛たちが、途端に椅子から腰を踏み外し、
「ななな、何でそれを!!」
怯えて…どうしてこうなったかわからず…どうしていいかわからず…そんな感じに見える。
「別にお前らを、どうこうしようってんじゃない…逆に…おまえ等やお前らの…お仲間みたいな
連中に、声をかけて…一大パーティーをやらないかって話さ」
すると飲兵衛たちは顔を見合わせ…、
「ほ…本当に…捕まえに来たんじゃないのか?」
「もちろんだ…ほれっ」
男は金の入った袋を、無造作に飲兵衛たちの前に放り投げる。
袋の中は…銅貨ではなく、金貨だった…。
「お、おい!!全部金貨だぞ!!」
「ほ、本物か?」
飲兵衛たちは次々と金貨を手に取り、一つ一つ確認している。
「わかっただろう?
お前らみたいなのに、出来るだけ声をかけて…楽しいカーニバルをやろうじゃないか…」
先ほどの静かさが嘘のように、沸き立つ飲兵衛たち。
筋肉の塊男はその様子を見つつ、
(オルフィリア・ステンロイドよ…)
静かに思う…。
(お前が底知れぬ忍耐力の持ち主だと言うことは、醜聞を流してよくわかった)
いや…だからさ、私にとって醜聞でもなんでもなく、ありのままの姿を流布されただけだって…。
だから心の底から気になってないだけだって。
何度言やーわかるんだ?
(だから試そうじゃないか…)
(お前がこれから…オレが与える精神的苦痛に対して…)
(どこまで耐えられるか…をな!!)
男の思惑を知らず、いつまでも沸き立つ飲兵衛たちを飲み込み…酒場の夜は更けていくのだった。
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どうでもいいおまけ。
この世界の通貨の大まかなレート
銅貨1枚(1ブロンズ)=100円
銀貨1枚(1シルバー)=1000円
金貨1枚(1ゴールド)=10000円
です。
あ、あと第3部はここで閉めさせていただきます。
第4部は…8月1日から公開いたしますので、楽しんでいただけたら幸いです。
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