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13.処罰
しおりを挟むコショコショ
「おいっお前いま俺蹴った!!いたいって!」
「ごめんって!いちいちうるさい!!見つかったらどーすんの!」
「お前が蹴るからだろっ!もういいッオレが前に行く!どけ!」
「は!?この状況で前後を変われるわけないでしょ!こんなに狭いんだから!」
今、僕たちは学園の寮の通気口の中を移動している。何故こんなことになったかというと、それは数時間前に遡る。
* *
in寮の部屋
「あー、やっぱり暇だからちょっと外出て調べてこようかなー。気になることもあるし。」
「いまからか?」
「えー、夜こそ僕たちの活動時間じゃない?」
「ヴァンパイアかよww」
僕たちは、寮の部屋で雑談していた。
じゃあ、そろそろいこうかな。
ピーンポーンパーンポーン…クラス1のE、清水珀久さん、蘇芳紅也さん至急職員室まで来てください
「…まじかよ」
「……タイミング…悪すぎるよね」
「いくか」
「はぁーい」
まったく、行動しようとした途端にこれは…
仕組まれてたらどうしようか
「せんせー、きましたよー」
僕と紅は職員室で成田先生を呼び出してそういった。
「おまえらなー、入学早々問題起こすのやめろよ」
先生は奥から、ひょこっとやってきて呆れ顔でそういった。
やっぱりそのことだったか…
「…別に起こしたくて起こしたわけじゃ無いですよー(嘘)」
「あったりまえだ、わざとだったら今すぐ退学もんだ!」
え、どうしよう。わざとなんだけどwww
「すみませんでしたー」
「ったく」
さて、どんな罰がくるかな?
僕はその時、まだ何もわかっていなかった。
「お前らは、退学だ。」
珍しく真面目な顔でそう告げられた。
「…え?」
思考が一瞬停止した
退学…まさか?
このタイミングで?嘘だろ
そしたら何だ?誰かに変装して来なきゃいけないのか?
めんどくさ……
でも、ちょっと楽しそう
だめだ…現実逃避してる場合じゃない
「まあでも、条件付きの退学だがな。」
条件?
「お前らが、次のテストでトップ10に入れば、退学は取り消しらしい。他にも、反省文で原稿用紙100枚、1週間のトイレ掃除、1週間先生の補助、あとは…
まあ、それなら余裕だな
…テストまでの外出禁止だ。」
え?
まじ?
「えっと?それは休日も?」
成田先生はそこ?といった表情で言った。
「ん?ああもちろんだ」
終わった……
* *
「じゃあお前らここで反省文でも書いとけよー」
そのまま成田先生は、ドアを閉め、外でガチャガチャと鍵をかけて職員室へと戻った。
最悪だ…
僕らが入れられた部屋はいわゆる反省部屋。
窓には鉄格子、ドアには外から鍵がかかってるし、鍵穴は部屋の中にはない。
これじゃあピッキングは出来ない…かな?
「おい………どうすんだよ?」
「…………」
「…おーい」
「……取り敢えず。退学はないから、明日帰るのをどうするか。…」
「いやいや、やばいだろ。トップ10だぞ、ここ金持ちの学校だろ?みんな頭いいじゃねーかよ。」
「トップ10でしょ?だったら満点取ればいいじゃん。そしたら順位関係無いし。」
「それが出来たら苦労しないって!ったく、ちゃんと教えてくれよー」
「いいよ。万が一危なかったら、カンニングさせてあげるから。」
でも、ここから出れないのはまずい。
これじゃあ、行こうと思ってた情報収集にも行けないし、組織にも帰れない…
しょーがない…
「カンニングって、おまえなー「紅」…ん?」
「諦めよっか(正当法でいくの)」
「…?…何するつもりで?」
ニコッ
「取り敢えず、寝よ。あとの会話は……筆記で(小声)」
この部屋は、学園側が用意した部屋だ。
盗聴器があってもおかしくない。
僕はそのことを紅に伝え、人差し指で天上をさした。そして口パクでこういった。
通 気 口 い く よ
「…まじ?」
「まじ。じゃあおやすみー」
「え?ちょ、まって」
こうして、次の日僕らは通気口の中を移動する羽目になっていた。
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すごく面白いです。
続き楽しみにしてます。
後、【処罰】で、
買われるわけと書いてありましたが、変わるとかではないかと思います。
頑張ってください。
すみません!ご指摘ありがとうございます!
これからもよろしくお願いします!!
新話面白かったです!少しずつターゲットに近ずいて行ってますね!これからどうなるのかが楽しみです!これからも頑張ってください!
挿絵使ってくれてありがとうございます!
(11話の中で、『 不死身こと 』となっていますがわざとですか?あと、黄玉の呼び名は黄なのでしょうか?)
コメントありがとうございます!!!
りんさんも頑張ってください!!
絵本当にありがとうございます!!
(わざとじゃないです笑ありがとう!)
(ごめん、書いてなかった!黄玉の呼び方黄です。)
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あと面白かったです、頑張って書いてください‼
すみません!
ありがとうございます!
これからも、ご指摘等ぜひよろしくお願いします!