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第十章 冒険編 魔王と勇者
地平線の彼方
「ク……ロ……ウト」
サタニアは、気を失いラクウンとジョッカーによって連れて来られたクロウトを見て、痺れて上手く動かせない口を何とか動かしてクロウトの名を呼んだ。
「ど、どう言う事ですか……ワールドクラウンの正当なる後継者って…………?」
「それに、そのクロウト?という女性何だか他の魔族とは違って、随分と人間っぽいな…………」
「鏃の尻尾が付いでいる事以外は、人間ぞのものだぁ…………」
クロウトを初めて見る真緒達にとってその姿は、他の魔族と明らかに異なっていた。
「ふふふ……それはそうですよ~。何故ならこちらにいるクロウトさんは何を隠そう半分人間、半分魔族のハーフなのですから~!」
「「「!!!」」」
その衝撃の事実に、真緒達は驚きの表情を隠せなかった。
「エジタスちゃん……あなた気づいていたのね……」
「当然ですよ~。他の皆さんと比べて、クロウトさんは明らかに人間の要素が強かったですからね~」
肌の色、服装、言葉遣いなど、様々な観点から捉えてもクロウトは、人間の要素が多く見て取れていたのだ。
「…………クロウトちゃんはあたしが四天王に着任するずっと前から、魔王ちゃんの秘書を勤めていると聞いているわ。でも初めて会った時は、人間のハーフだなんて分からなかったわ」
「人間っぽい見た目だなと薄々思っていたが、まさか本当に人間のハーフだとは魔王様の口から聞かされるまで、信じられなかった…………」
「シッポガアルカラ、ズットマゾクダトオモッテイタ…………」
四天王の三人は、エジタスが着任する以前より魔王であるサタニアから、クロウトが人間とのハーフだと聞かされていた。
「それはつまり……あちらにいるクロウトさんの両親は、人間と魔族なんですか?」
「いえ、どちらも魔族よ…………」
「「「えっ…………!?」」」
リーマが情報を整理する為、クロウトの両親について尋ねた所、アルシアから予想に反した返答をされ、余計に混乱してしまった。
「クロウトちゃんの両親は、どちらも魔族…………」
「言わばクロウトは、イレギュラーという名の不規則な生まれだ……」
「フビンダ…………」
「そんな……それならどうして…………?」
不規則な生まれを経験したクロウト。何故人間とのハーフとして生まれたのか、理解が追い付かなかった。
「そこからどうやって、魔王ちゃんと知り合ったのかは分からないけど……その話を振られたクロウトちゃんの目は、とても悲しそうだったわ…………」
「そうだとしても……それが何故、ワールドクラウンの正当なる後継者という事になるんだ!?」
「そんなの……分かる訳がねぇだろ……少なくとも、エジタスは知っていそうだがな…………」
そう言いながら、シーラはクロウトの側にいるエジタスを睨み付けた。
「そうですね~、勿論知っておりますよ~…………ですが、それをあなた達に教える義理は、持ち合わせておりませ~ん」
「「「「「「!!!」」」」」」
その時のエジタスの言葉は、人をとても馬鹿にしている様だった。
「おい!!ふざけんなよ!!勿体ぶらないで早く教えやがれ!!」
「逆に何故教えて貰えると、思ったのですか~?私はお喋り人形では無いのですよ~?」
「ぐっ!!」
正論だった。今までずっと、質問すれば答えが返ってくると思っていた。しかし、エジタスからすれば教えるか教えないかは、個人の自由である。
「さて……無駄話をするのにも飽きて来ました……そろそろ目的を実行に移しましょうか」
「おぉ!!では、いよいよ…………」
「この世界は…………」
「平和になるのですね!!」
エジタスが、目的を実行に移すと口にした途端ラクウン、ジョッカー、エピロの三人は歓喜し始めた。
「まず手始めにエピロさん、お願いしますね~」
「お任せ下さい!!」
そう言うとエピロは、玉座に座りながら気を失っているクロウトに歩み寄る。
「ちょっと、クロウトちゃんに何をする気なの!!?」
「傷つけたら、ぶっ殺すぞ!!」
「クロウトニ、チカヅクナ!!」
クロウトに手を出そうとするエピロに、四天王の三人は大声で喚き散らす。
「皆さん、落ち着いて下さい。エピロさんがこれから行おうとしている事は、只の“洗脳”ですよ」
「「「!!?」」」
落ち着ける訳が無かった。軽々しく洗脳という言葉を使うエジタスに、三人は動揺を隠せなかった。
「いや、正確には洗脳と言うより“行動の限定化”に近いですかね?」
「「「行動の限定化?」」」
「…………生物はその行動や発言を行う際に、脳から電気信号の様に指令を送ります。そうする事によって生物は初めて動いたり、口を使って喋る事が可能となります…………では、その電気信号を外部から送った場合はどうなるのでしょうか?」
「「「!!!」」」
エジタスの言葉から、三人はこれから何が起こるのか察した。
「“エレクトリックシグナル”」
「あっ!!がぁ!!あああ!!!」
「「「クロウト!!!」」」
するとエピロは、両手から微弱な電気を生成し、気を失っているクロウトの頭に直接流し込み始めた。
「実はエピロさんは、“雷魔法”というユニーク魔法を使えましてね……こうした洗脳系統の分野は得意中の得意なんですよ~」
「てめぇ……!!」
「おっと、忘れる所でした。これ以上ここにあなた達に居られると、目的遂行の邪魔になりますのでしばらくの間、この“魔王城”から出て行って下さい。ジョッカーさん、お願いしますね~」
「お任せ下さい、我が神よ」
このまま話していれば、シーラが襲い掛かって来るであろうと予想したエジタスは、ジョッカーに全員の排除を命令した。
「殺さない様にお願いしますよ。これから作る平和な世界に、殺人などあってはなりませんからね~」
「勿論でございます。スキル“セーフティーリング”!!」
ジョッカーが、右手を前に突き出したかと思うと、突然九人をまるごと覆う巨大な黄色に光輝く輪が出現した。そしてその輪は素早く縮まり、九人を捕らえた。
「な、なんですかこれ!?」
「う、動けない…………」
「苦じいだぁ…………」
「こんなスキル、見た事が無いわ…………」
「くそっ!離しやがれ!!」
「シ、シメツケル…………」
「…………」
「…………」
「くっ……負傷さえしていなかったら……簡単に避けられるのに…………」
アーメイデの重力魔法の影響で、上手く動けなかった事もあり、全員呆気なく捕まってしまった。
「足掻いても無駄だ。セーフティーリングは、一度捕らえる事に成功すればどんな者でも一分間の間、身動きは取れなくなる。そして…………」
そう言いながらジョッカーが突き出した右手を上げると、九人を捕らえている輪が連動する様に、空中へと持ち上がった。
「窓、開けときました」
「気が利くなラクウン」
ラクウンが玉座の間の窓を開けると、ジョッカーは九人を捕らえている輪を、開けられた窓に近づける。
「そうそう!言われなくても分かっていると思いますが、私の目的を防ぐ為にマオさんとサタニアさんを殺すだなんて、そんな馬鹿な事は考えないで下さいね~。ではジョッカーさん、後はよろしくお願いします」
「…………我が神の邪魔が出来ない様…………地平線の彼方まで……吹っ飛べぇえええええ!!!」
「「「「「「「うわぁああああああああああああ!!!」」」」」」」
九人はセーフティーリングという輪に捕らえられたまま、窓から遠くの方まで投げ飛ばされた。
サタニアは、気を失いラクウンとジョッカーによって連れて来られたクロウトを見て、痺れて上手く動かせない口を何とか動かしてクロウトの名を呼んだ。
「ど、どう言う事ですか……ワールドクラウンの正当なる後継者って…………?」
「それに、そのクロウト?という女性何だか他の魔族とは違って、随分と人間っぽいな…………」
「鏃の尻尾が付いでいる事以外は、人間ぞのものだぁ…………」
クロウトを初めて見る真緒達にとってその姿は、他の魔族と明らかに異なっていた。
「ふふふ……それはそうですよ~。何故ならこちらにいるクロウトさんは何を隠そう半分人間、半分魔族のハーフなのですから~!」
「「「!!!」」」
その衝撃の事実に、真緒達は驚きの表情を隠せなかった。
「エジタスちゃん……あなた気づいていたのね……」
「当然ですよ~。他の皆さんと比べて、クロウトさんは明らかに人間の要素が強かったですからね~」
肌の色、服装、言葉遣いなど、様々な観点から捉えてもクロウトは、人間の要素が多く見て取れていたのだ。
「…………クロウトちゃんはあたしが四天王に着任するずっと前から、魔王ちゃんの秘書を勤めていると聞いているわ。でも初めて会った時は、人間のハーフだなんて分からなかったわ」
「人間っぽい見た目だなと薄々思っていたが、まさか本当に人間のハーフだとは魔王様の口から聞かされるまで、信じられなかった…………」
「シッポガアルカラ、ズットマゾクダトオモッテイタ…………」
四天王の三人は、エジタスが着任する以前より魔王であるサタニアから、クロウトが人間とのハーフだと聞かされていた。
「それはつまり……あちらにいるクロウトさんの両親は、人間と魔族なんですか?」
「いえ、どちらも魔族よ…………」
「「「えっ…………!?」」」
リーマが情報を整理する為、クロウトの両親について尋ねた所、アルシアから予想に反した返答をされ、余計に混乱してしまった。
「クロウトちゃんの両親は、どちらも魔族…………」
「言わばクロウトは、イレギュラーという名の不規則な生まれだ……」
「フビンダ…………」
「そんな……それならどうして…………?」
不規則な生まれを経験したクロウト。何故人間とのハーフとして生まれたのか、理解が追い付かなかった。
「そこからどうやって、魔王ちゃんと知り合ったのかは分からないけど……その話を振られたクロウトちゃんの目は、とても悲しそうだったわ…………」
「そうだとしても……それが何故、ワールドクラウンの正当なる後継者という事になるんだ!?」
「そんなの……分かる訳がねぇだろ……少なくとも、エジタスは知っていそうだがな…………」
そう言いながら、シーラはクロウトの側にいるエジタスを睨み付けた。
「そうですね~、勿論知っておりますよ~…………ですが、それをあなた達に教える義理は、持ち合わせておりませ~ん」
「「「「「「!!!」」」」」」
その時のエジタスの言葉は、人をとても馬鹿にしている様だった。
「おい!!ふざけんなよ!!勿体ぶらないで早く教えやがれ!!」
「逆に何故教えて貰えると、思ったのですか~?私はお喋り人形では無いのですよ~?」
「ぐっ!!」
正論だった。今までずっと、質問すれば答えが返ってくると思っていた。しかし、エジタスからすれば教えるか教えないかは、個人の自由である。
「さて……無駄話をするのにも飽きて来ました……そろそろ目的を実行に移しましょうか」
「おぉ!!では、いよいよ…………」
「この世界は…………」
「平和になるのですね!!」
エジタスが、目的を実行に移すと口にした途端ラクウン、ジョッカー、エピロの三人は歓喜し始めた。
「まず手始めにエピロさん、お願いしますね~」
「お任せ下さい!!」
そう言うとエピロは、玉座に座りながら気を失っているクロウトに歩み寄る。
「ちょっと、クロウトちゃんに何をする気なの!!?」
「傷つけたら、ぶっ殺すぞ!!」
「クロウトニ、チカヅクナ!!」
クロウトに手を出そうとするエピロに、四天王の三人は大声で喚き散らす。
「皆さん、落ち着いて下さい。エピロさんがこれから行おうとしている事は、只の“洗脳”ですよ」
「「「!!?」」」
落ち着ける訳が無かった。軽々しく洗脳という言葉を使うエジタスに、三人は動揺を隠せなかった。
「いや、正確には洗脳と言うより“行動の限定化”に近いですかね?」
「「「行動の限定化?」」」
「…………生物はその行動や発言を行う際に、脳から電気信号の様に指令を送ります。そうする事によって生物は初めて動いたり、口を使って喋る事が可能となります…………では、その電気信号を外部から送った場合はどうなるのでしょうか?」
「「「!!!」」」
エジタスの言葉から、三人はこれから何が起こるのか察した。
「“エレクトリックシグナル”」
「あっ!!がぁ!!あああ!!!」
「「「クロウト!!!」」」
するとエピロは、両手から微弱な電気を生成し、気を失っているクロウトの頭に直接流し込み始めた。
「実はエピロさんは、“雷魔法”というユニーク魔法を使えましてね……こうした洗脳系統の分野は得意中の得意なんですよ~」
「てめぇ……!!」
「おっと、忘れる所でした。これ以上ここにあなた達に居られると、目的遂行の邪魔になりますのでしばらくの間、この“魔王城”から出て行って下さい。ジョッカーさん、お願いしますね~」
「お任せ下さい、我が神よ」
このまま話していれば、シーラが襲い掛かって来るであろうと予想したエジタスは、ジョッカーに全員の排除を命令した。
「殺さない様にお願いしますよ。これから作る平和な世界に、殺人などあってはなりませんからね~」
「勿論でございます。スキル“セーフティーリング”!!」
ジョッカーが、右手を前に突き出したかと思うと、突然九人をまるごと覆う巨大な黄色に光輝く輪が出現した。そしてその輪は素早く縮まり、九人を捕らえた。
「な、なんですかこれ!?」
「う、動けない…………」
「苦じいだぁ…………」
「こんなスキル、見た事が無いわ…………」
「くそっ!離しやがれ!!」
「シ、シメツケル…………」
「…………」
「…………」
「くっ……負傷さえしていなかったら……簡単に避けられるのに…………」
アーメイデの重力魔法の影響で、上手く動けなかった事もあり、全員呆気なく捕まってしまった。
「足掻いても無駄だ。セーフティーリングは、一度捕らえる事に成功すればどんな者でも一分間の間、身動きは取れなくなる。そして…………」
そう言いながらジョッカーが突き出した右手を上げると、九人を捕らえている輪が連動する様に、空中へと持ち上がった。
「窓、開けときました」
「気が利くなラクウン」
ラクウンが玉座の間の窓を開けると、ジョッカーは九人を捕らえている輪を、開けられた窓に近づける。
「そうそう!言われなくても分かっていると思いますが、私の目的を防ぐ為にマオさんとサタニアさんを殺すだなんて、そんな馬鹿な事は考えないで下さいね~。ではジョッカーさん、後はよろしくお願いします」
「…………我が神の邪魔が出来ない様…………地平線の彼方まで……吹っ飛べぇえええええ!!!」
「「「「「「「うわぁああああああああああああ!!!」」」」」」」
九人はセーフティーリングという輪に捕らえられたまま、窓から遠くの方まで投げ飛ばされた。
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