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長い夜 (海里》
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有栖はひとりで眠ることも考えたようだったが、結局、竜之介の提案通り、俺の部屋で眠ることにしたらしい。
ベッドを譲ろうとしたが、頑なに拒否されたので、隣に布団を敷いてやる。
あんなことがあったばかりだ。
1人で眠ってなにか思い詰めたりするより、そばにいてくれた方が俺も安心だ。
しかし、有栖の友だちが竜之介を好きになるとは
……想定外というか、考えが及ばなかったな…。
竜之介は、よく「俺はモテない」と言っているが、顔もそこそこいいし、スポーツ万能で頭も良くて、気遣いもできる。
そんな男が、異性の姉弟のまわりをうろちょろしていたら、今日みたいなこともあるか…竜之介は充分うまくやってくれている…俺には到底真似できない。
「お兄ちゃん…」
有栖が暗闇のなかで声をかけてくる。
ふわっと彼女が薄明かりのなかで動く衣擦れの音がした。
「起きてる?」
やはり日中あんなことがあったばかりで、場所も変わって寝付けるわけないか…
「起きているよ…。眠れないか?」
自分の部屋に有栖が寝ているというのは少し不思議な気持ちだ。
「うん、なんだか……いろいろ考えてしまって……」
彼女の申し訳なさそうな声が聞こえた。
「お兄ちゃん、明日学校あるのに、邪魔しちゃってごめんね…」
「いや、いいんだ……。
大学ってのは、高校より融通がきくんだよ…。
有栖こそ、しんどかったら明日は休んでもいいんだぞ…」
俺の提案に、有栖は余計に気まずくなってしまいそうだから明日は行きたいと返してきた。
有栖は決して弱い子なんかではない。むしろたおやかな強さがある。
きっとこれからもっと素敵な女性になる。
それまで俺がしっかり彼女を守りたい。
「あの……お兄ちゃんは……好きな人とかいる?」
また、寝返りをする音がして、向こうを向いたらしい有栖からふいに聞かれて、俺は思わず息をのんだ。
あまりに突拍子もない質問だったから驚いたのだ。
「……急にどうした?」
「なんとなく、聞いてみたくて…今日…奈緒ちゃんたちも話してたんだ…」
そうか…女の子たちは集まるとそんな話をしたりするもんな…。
「恋人にしたいとかそういう意味なら今はいないよ…今は有栖が…家族がなにより大切なんだ…竜之介も…。
うちは…ほら、有栖も気にしてるとおり、ちょっと家族のかたちがちがうだろ?…でも、だからこそ何よりも大切で、守りたいって思うよ…俺のたったひとつの宝物だから…。きっと竜之介もそう言うよ…」
ちいさなダウンライトひとつの部屋に、自分の声がやけに響いて聞こえた。
まるで誓いみたいに。
そうだ、それ以外に俺にはなにもない。
「……そっか……ありがとう、お兄ちゃん……。私も…家族が大切だよ…お兄ちゃんと竜之介と…」
有栖は言葉をそこで切らず、つなげるような言い方をした。
「うん……?」
「パパとママと、チャチャの思い出と。」
彼女はそう続けた。
彼女の持っている両親の思い出とは…少し心がざわついたが、それを悟られないように、慎重にゆっくり相槌をうつ。
「…そうだな。」
俺と竜之介、パパとママ、チャチャの思い出。頭の中で彼女の言葉を繰り返す。
「パパは、優しい人だった。
よく一緒に遊んでくれたし……私が悪いことをしたら叱ってくれた……ママも優しかったよね」
有栖の言葉はどこか切なくて、胸が締めつけられるようだった。
彼女の思い出がいったいどんなもので、今どんな気持ちで今話しているのか計り知れなかったからだ。
「……うん」
俺はただ相槌を打つことしかできなかった。
「お兄ちゃん…」
やはり有栖は寝付けないようだ。
「やっぱりすこしそっちに行っていい?」
「いいよ」
できるだけ、竜之介と同じなにげない感じにしたい。とは言っても、彼がどんなふうに有栖と眠っているのか聞いたことはない。
もぞもぞと動く音がして、柔らかくて小さな気配が、ベッドの隅にきたのを感じて、俺は毛布をひらいてその気配を招き入れた。
あたたかい。
そしておどろくほどに彼女はちいさくやわらかかった。
有栖の甘い香りが鼻をくすぐる。鼻のあたりにちょうど有栖のつむじがきているようだった。
「……お兄ちゃんの匂いだ…ふふ……」
有栖は緊張していたのが解けたように、少し身体を弛緩させた。
「……俺の匂い?」
竜之介と俺とで何が違うのかよくわからないが、俺は自分の動悸を悟られないように、なるべく落ち着いた声で聞く。
「ん…優しい匂いだよ」
有栖がそういうと、俺の匂いを嗅ぐように顔を俺の胸のあたりにこすり付けてきた。
かわいい仕草に心臓が跳ねる。
俺はそっと髪を撫でた。髪に触れると、有栖が「くすぐったい」と呟いた。
柔らかなあたたかさが胸にあたる。俺は、邪心を追い払い、そして竜之介はどんな気持ちで毎晩有栖を寝かせているのかとめまぐるしく考えたりしたが、胸に顔を押しつける有栖は幸せそうだったから、ほっとする気持ちの方が大きかった。
だから
「パパと同じ香水の香りなんだね」
と、言われた時はドキリとした。
「パパはいつもこの香りだったよね?」
有栖は続けた。
もちろん俺は父親の香水なんて知らないしつけていない。
「……うん、そうかな?」
曖昧に返事をしてしまった。
俺の鼓動が伝わってしまったかもしれない。
有栖はよく父親になついていたから、なつかしく思い出しているのかもしれない。
動揺を隠したくたくて、彼女の小さな背中を優しくぽんぽんと叩いていた。
俺は、皆が思うような、なんでもそつなくこなすクールで万能な男などではない。
こんな小さな温もりに翻弄されてしまう。
竜之介のがよほど肝の座った男だ。
有栖には、今の俺がどんなふうに見えているのだろう。
「お兄ちゃん…」
甘くくぐもった声が続ける。
「昔みたいにキスして…」
心臓が止まるかと思った。
「なに、いってるんだ……」
俺は平静を装って小さく言った。
身体が硬直してしまったようだ。彼女の髪を撫でる手に力をこめてしまう。
そんな俺に構わず、有栖は甘えるように顔をすりよせる。
「昔みたいに……お願い」
ああ……なんでそんなことを言うんだ……
有栖は先ほどのミルクに入れておいた安定剤が効いているのかすこしとろんとした声をしている。
もう俺の言うことをきかない心臓が、どくんと大きく跳ねた。
懐かしい彼女の香り。
「有栖…何か、思い出したのか…?」
俺は掠れた声で聞き返すのが精一杯だった。
彼女は思いのほか落ち着いた様子で小さく小首を傾げているようだった。
「昔よく…してくれていたよね…」
彼女の吐息が喉元にあたる。
俺は、有栖の髪を撫で、自らの顔をそっと寄せてみる。彼女は抵抗しなかった。そのまま、唇を近づける。
俺は兄として、ありったけの愛をこめて、彼女の形の良いおでこに、そして彼女の幸せを心の底から祈って、やわらかく薄い瞼に、熱い唇を押し当てた。
ちいさく湿った音がした。
彼女が望むなら何千回だって同じキスをする。
有栖はほうっと息をつくと、触れるか触れないかという甘くて微かなキスを、顎のあたりに返してくれた。
そして少し鼻声でつぶやく。
「お兄ちゃん……ごめんね」
俺は息を吸って、そうっと吐き出した。そしてなるべく優しく囁く。
「有栖は悪くないよ……」
なんでお前が謝るんだ……謝らなきゃいけないのは俺の方だ……俺がお前を追い詰めたからお前は苦しい思いをしなくちゃいけなくなったんだ……。
彼女は薄明かりの中でたしかに微笑んで、そして、まるで子猫みたいに俺の胸のあたりに頭をくっつけて安心したように「おやすみ」と言った。
俺はそっと髪を撫でてやった。
長い時が過ぎて、やがて、規則正しい寝息が聞こえてきた。
ああ、これでよかったんだと必死で自分に言い聞かせた。
長い長い夜だった。
ベッドを譲ろうとしたが、頑なに拒否されたので、隣に布団を敷いてやる。
あんなことがあったばかりだ。
1人で眠ってなにか思い詰めたりするより、そばにいてくれた方が俺も安心だ。
しかし、有栖の友だちが竜之介を好きになるとは
……想定外というか、考えが及ばなかったな…。
竜之介は、よく「俺はモテない」と言っているが、顔もそこそこいいし、スポーツ万能で頭も良くて、気遣いもできる。
そんな男が、異性の姉弟のまわりをうろちょろしていたら、今日みたいなこともあるか…竜之介は充分うまくやってくれている…俺には到底真似できない。
「お兄ちゃん…」
有栖が暗闇のなかで声をかけてくる。
ふわっと彼女が薄明かりのなかで動く衣擦れの音がした。
「起きてる?」
やはり日中あんなことがあったばかりで、場所も変わって寝付けるわけないか…
「起きているよ…。眠れないか?」
自分の部屋に有栖が寝ているというのは少し不思議な気持ちだ。
「うん、なんだか……いろいろ考えてしまって……」
彼女の申し訳なさそうな声が聞こえた。
「お兄ちゃん、明日学校あるのに、邪魔しちゃってごめんね…」
「いや、いいんだ……。
大学ってのは、高校より融通がきくんだよ…。
有栖こそ、しんどかったら明日は休んでもいいんだぞ…」
俺の提案に、有栖は余計に気まずくなってしまいそうだから明日は行きたいと返してきた。
有栖は決して弱い子なんかではない。むしろたおやかな強さがある。
きっとこれからもっと素敵な女性になる。
それまで俺がしっかり彼女を守りたい。
「あの……お兄ちゃんは……好きな人とかいる?」
また、寝返りをする音がして、向こうを向いたらしい有栖からふいに聞かれて、俺は思わず息をのんだ。
あまりに突拍子もない質問だったから驚いたのだ。
「……急にどうした?」
「なんとなく、聞いてみたくて…今日…奈緒ちゃんたちも話してたんだ…」
そうか…女の子たちは集まるとそんな話をしたりするもんな…。
「恋人にしたいとかそういう意味なら今はいないよ…今は有栖が…家族がなにより大切なんだ…竜之介も…。
うちは…ほら、有栖も気にしてるとおり、ちょっと家族のかたちがちがうだろ?…でも、だからこそ何よりも大切で、守りたいって思うよ…俺のたったひとつの宝物だから…。きっと竜之介もそう言うよ…」
ちいさなダウンライトひとつの部屋に、自分の声がやけに響いて聞こえた。
まるで誓いみたいに。
そうだ、それ以外に俺にはなにもない。
「……そっか……ありがとう、お兄ちゃん……。私も…家族が大切だよ…お兄ちゃんと竜之介と…」
有栖は言葉をそこで切らず、つなげるような言い方をした。
「うん……?」
「パパとママと、チャチャの思い出と。」
彼女はそう続けた。
彼女の持っている両親の思い出とは…少し心がざわついたが、それを悟られないように、慎重にゆっくり相槌をうつ。
「…そうだな。」
俺と竜之介、パパとママ、チャチャの思い出。頭の中で彼女の言葉を繰り返す。
「パパは、優しい人だった。
よく一緒に遊んでくれたし……私が悪いことをしたら叱ってくれた……ママも優しかったよね」
有栖の言葉はどこか切なくて、胸が締めつけられるようだった。
彼女の思い出がいったいどんなもので、今どんな気持ちで今話しているのか計り知れなかったからだ。
「……うん」
俺はただ相槌を打つことしかできなかった。
「お兄ちゃん…」
やはり有栖は寝付けないようだ。
「やっぱりすこしそっちに行っていい?」
「いいよ」
できるだけ、竜之介と同じなにげない感じにしたい。とは言っても、彼がどんなふうに有栖と眠っているのか聞いたことはない。
もぞもぞと動く音がして、柔らかくて小さな気配が、ベッドの隅にきたのを感じて、俺は毛布をひらいてその気配を招き入れた。
あたたかい。
そしておどろくほどに彼女はちいさくやわらかかった。
有栖の甘い香りが鼻をくすぐる。鼻のあたりにちょうど有栖のつむじがきているようだった。
「……お兄ちゃんの匂いだ…ふふ……」
有栖は緊張していたのが解けたように、少し身体を弛緩させた。
「……俺の匂い?」
竜之介と俺とで何が違うのかよくわからないが、俺は自分の動悸を悟られないように、なるべく落ち着いた声で聞く。
「ん…優しい匂いだよ」
有栖がそういうと、俺の匂いを嗅ぐように顔を俺の胸のあたりにこすり付けてきた。
かわいい仕草に心臓が跳ねる。
俺はそっと髪を撫でた。髪に触れると、有栖が「くすぐったい」と呟いた。
柔らかなあたたかさが胸にあたる。俺は、邪心を追い払い、そして竜之介はどんな気持ちで毎晩有栖を寝かせているのかとめまぐるしく考えたりしたが、胸に顔を押しつける有栖は幸せそうだったから、ほっとする気持ちの方が大きかった。
だから
「パパと同じ香水の香りなんだね」
と、言われた時はドキリとした。
「パパはいつもこの香りだったよね?」
有栖は続けた。
もちろん俺は父親の香水なんて知らないしつけていない。
「……うん、そうかな?」
曖昧に返事をしてしまった。
俺の鼓動が伝わってしまったかもしれない。
有栖はよく父親になついていたから、なつかしく思い出しているのかもしれない。
動揺を隠したくたくて、彼女の小さな背中を優しくぽんぽんと叩いていた。
俺は、皆が思うような、なんでもそつなくこなすクールで万能な男などではない。
こんな小さな温もりに翻弄されてしまう。
竜之介のがよほど肝の座った男だ。
有栖には、今の俺がどんなふうに見えているのだろう。
「お兄ちゃん…」
甘くくぐもった声が続ける。
「昔みたいにキスして…」
心臓が止まるかと思った。
「なに、いってるんだ……」
俺は平静を装って小さく言った。
身体が硬直してしまったようだ。彼女の髪を撫でる手に力をこめてしまう。
そんな俺に構わず、有栖は甘えるように顔をすりよせる。
「昔みたいに……お願い」
ああ……なんでそんなことを言うんだ……
有栖は先ほどのミルクに入れておいた安定剤が効いているのかすこしとろんとした声をしている。
もう俺の言うことをきかない心臓が、どくんと大きく跳ねた。
懐かしい彼女の香り。
「有栖…何か、思い出したのか…?」
俺は掠れた声で聞き返すのが精一杯だった。
彼女は思いのほか落ち着いた様子で小さく小首を傾げているようだった。
「昔よく…してくれていたよね…」
彼女の吐息が喉元にあたる。
俺は、有栖の髪を撫で、自らの顔をそっと寄せてみる。彼女は抵抗しなかった。そのまま、唇を近づける。
俺は兄として、ありったけの愛をこめて、彼女の形の良いおでこに、そして彼女の幸せを心の底から祈って、やわらかく薄い瞼に、熱い唇を押し当てた。
ちいさく湿った音がした。
彼女が望むなら何千回だって同じキスをする。
有栖はほうっと息をつくと、触れるか触れないかという甘くて微かなキスを、顎のあたりに返してくれた。
そして少し鼻声でつぶやく。
「お兄ちゃん……ごめんね」
俺は息を吸って、そうっと吐き出した。そしてなるべく優しく囁く。
「有栖は悪くないよ……」
なんでお前が謝るんだ……謝らなきゃいけないのは俺の方だ……俺がお前を追い詰めたからお前は苦しい思いをしなくちゃいけなくなったんだ……。
彼女は薄明かりの中でたしかに微笑んで、そして、まるで子猫みたいに俺の胸のあたりに頭をくっつけて安心したように「おやすみ」と言った。
俺はそっと髪を撫でてやった。
長い時が過ぎて、やがて、規則正しい寝息が聞こえてきた。
ああ、これでよかったんだと必死で自分に言い聞かせた。
長い長い夜だった。
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