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入浴後、未だ残る少しの緊張感を纏いながらソファに座っていると携帯が鳴った。ほとんど友人を作らずに生きてきた安西の携帯が鳴ることは珍しい。最初は篠崎の携帯が鳴っていると思っていたくらいだ。
「鳴ってますよ」
「俺のじゃない。諒の携帯だ」
「え」
テーブルに置きっぱなしにしていた携帯を取る。施設にいた頃のお姉ちゃん、美里だった。
席を立とうとした安西を制し、篠崎が立った。礼儀として席を外そうとしただけで聞かれて困る内容でもないとそのまま通話ボタンを押す。
「美里さん、こんばんは」
『久しぶり。元気でやってる?』
美里の声は明るい。みんなを引っ張ってくれる面倒見の良い姉だった。
『今週末、雄太の命日でしょ。いつもの駅でいいかな』
「はい、ええ、いつものところですね」
『時間は十時で大丈夫?』
「十時?わかりました」
普段は午後なのだ。珍しい。でもきっと美里も結婚して忙しいのだろう。
『なんだかんだ、一年ぶりになっちゃうね。楽しみにしてる』
当時施設にいた子供たちはいろんなところに散ってしまっている。施設を出るとき、施設育ちだと知る者のいない土地に行きたがる者も多いのだ。どうせ庇護してくれる者はいない。だったら一から過去を知る者のいないところでの再出発。
「僕も会えるのが楽しみです」
『じゃ、また週末に』
「ええ、また週末に」
通話を切り、携帯を眺める。先ほどまで篠崎との二人の空間に緊張を覚えていたけれど、こうして美里の声を聞いたことで少し落ち着いた。それに週末にはみんなに会える。
そう言えば何人くらい来るのだろう。集まる人数は毎年バラバラだ。出産があったり、転勤になってしまったり。けれど美里と安西だけは何があっても必ず行っている。
ゆうくんにももうすぐ会える。月命日にも墓参りには行っていたけれど、最近は仕事が忙しくて月命日と週末が重なった時にしか行けていなかった。
みんなに会えると思うと頬が緩む。みんな元気だろうか。喧嘩も沢山したし――安西は仲裁ばかりだったけれど――、ゆうくんが亡くなったときはみんなで泣いた。本当の家族ではないけれど、大切な家族。いつか、篠崎との関係も続いて落ち着くことができたら紹介したいと思っている。
早く週末にならないかな、そう思っていると篠崎が戻ってきた。眉間にシワが寄っている。さっきはそんなことなかったのに、やはり安西が席を立たなかったことに気を悪くしているのだろう。申し訳ないことをしてしまった。
「ごめんなさい」
篠崎の方を向いて頭を下げる。
「何に対しての謝罪だ?」
しまった、携帯を持ったままだった。篠崎の声が低い。
「え……と、席を立たなかったので」
「怪我をしてるだろう」
気遣うセリフだけれど、声に感情がない。
「けど、」
やはり自分が立つべきだった、というようなことを言おうとしたところで手の中の携帯が再び震えた。篠崎が即座に腰を上げたので、引き止める。聞かれてまずいわけじゃないし、やはり二人で生活するのに空気が悪いままでは辛い。
「座っててください」
篠崎を引き止め立ち上がる。別に骨が折れているわけではないのだ。篠崎が過保護な程に大事してくれているだけで、篠崎と一緒に住んでいなければ一人暮らしなのだから全て自分でしなきゃいけなかった。だから動いても平気なのだ。大丈夫。折れていない。歩ける。少し痛いだけ。
そうは言ってものんびり歩いていれば部屋を出る前に電話が切れてしまいそうでドアに向かいながら通話ボタンを押す。もしもしと言う前に飛び込んできた美里の声。少し弾んでいる。つい止まってしまった。ドアを開ける前に。
『何度もごめん、やっぱ九時で!庸太郎が来れるらしいんだけど、早い時間に飛行機着いちゃうみたいで』
「九時?分かりました。廉太郎が来れるんですね!嬉しいな。楽しみです」
廉太郎は親が事件を起こして親戚にも引き取ってもらうことができず施設にきた子供だった。だから施設を出るとき、事件のあったこの地域から遠く離れた土地に行ってしまった。会おうにも簡単に行ける距離ではなかったし、廉太郎自身も事件を知る人のいる地域には近付きたくないと思っているのではと思い呼べずにいたので会えると聞いて嬉しくてたまらなかった。
『じゃあよろしく!』
「ええ、じゃあ」
廉太郎に会える。元気だろうか。廉太郎は確か安西より何歳か下だったはずだ。美里は廉太郎と連絡を取っていたのだ、そう思うととても安心できた。困ったときに一人でも頼れる人がいれば人生は大きく変わる。例え辛いときに頼らなくても、頼れる人がいるかいないかで違うのだ。
――こんなこと、考えてはいけないのだろうけれど、辛い出自の子供も沢山いた。みんな色々な事情を抱えていた。安西のように捨てられた子供もいたし、廉太郎のように親が犯罪を犯してという子供もいた。離婚でどちらも子供を引き取りたがらなくて、そんな子供だっていた。親の顔を知る子供も、知らない子供も。過去に囚われて、自ら悲しい選択をしてしまう子供もいた。廉太郎がそうでなくて良かった。廉太郎はちゃんと生きていた。よかった、本当に。
安堵しながらソファに戻る。
「誰かと会うのか?」
心からの安堵に泣きそうな目を閉じて堪えていると、篠崎の冷たい声が響いた。やはり機嫌が悪い。
ずっと、一人で気を張って生きてきた。自分がしっかりしなくては、何かあっても助けてくれる人はいないのだと。アパートに入れば誰にでも分かる場所に置いた終活ノートは毎年中身を確認更新してきた。突然不幸が降りかかっても、少しでも誰かにかける迷惑が少なくて済むように。そうやって準備して備えながら生きてきた。
それが、廉太郎の無事を聞いて少し心が緩んでしまったらしい。傷つくことも悲しむことも不要なものとして守ってきた心にヒビが入る。
これからは篠崎と二人で生活してくのだ。優しいだけだった篠崎のいない空間。もちろん篠崎だって人間なのだから喜怒哀楽はあるのに、ずっと穏やかで優しいだけだったから。 ――大丈夫、だからきっと少し驚いてしまっているだけだ。機嫌の悪い篠崎の一面に驚いてしまっているだけ。だから大丈夫。やっていける。これからは篠崎の機嫌が悪くならないように気を付けていけば。
大抵の場合、機嫌の悪い人には穏やかに返す方がいい。どうして機嫌が悪いのかなんて確認するのはもっての外だ。相手の望む答えを察知して、穏やかに返していければいい。
「ええ、今の電話は美里さんって言って、」
「女か」
けれど篠崎は最後までは言わせてくれない。でも無理に言葉を続けても余計に悪化させるだけだ。だってその続けた言葉はもう〝安西が言いたい言葉〟でしかなくなってしまっているから。
「……はい、女性です」
だから質問の答えにだけ返す。けれど篠崎は何も言わない。感情のない目で床を見ている。
「篠崎、」
やはりきちんと説明をしよう、そう思って口を開いたけれどやはり篠崎に遮られてしまった。
「いや、なんでもない。嬉しそうだなと思って」
篠崎が微笑む。嘘の微笑だ。無理して笑っている。感情を殺したのだ。理由はなぜか。簡単だ。安西に対してその感情を出す価値がないと判断されたのだ。これが続けばきっと篠崎は居なくなる。安西を置いて消えてしまう。行ってきますと行って部屋を出て行ってしまう。そしてもうただいまを聞くことはない。
「ええ、楽しみです。次の土曜日、ちょっと家を空けますね」
篠崎に捨てられるかもしれない。そう思うだけで怖い。けれど篠崎が笑顔を見せたのならそれに同調しなければならない。少しでも嫌われなくて済むように。
「帰ってくるのか?」
「え?」
「泊まりか?」
「あー……すみません、まだわかりません」
毎年墓参りの後で施設に顔を出して、家事や子供たちの世話を手伝ってそのまま泊まってくるのだ。もちろん寝る場所なんてないので床で雑魚寝だけれど。でもそれだって毎年集まるのが午後からだったからそうなっただけで、今年は朝早いからそうはならないかもしれない。けれど安西一人のことではないから明言はできない。
「なるべく泊まらずに帰ってきますね。疲れちゃってそのまま泊まっちゃうこともあるんですけど」
「……」
「篠崎?」
「…いや」
やはり説明をしておきたい、そう思うけれど篠崎はゆうくんの話題を嫌がる傾向にある。これ以上機嫌を損ねさせたくはない。悪いことをしている訳じゃないし、と自分の中で言い訳をした。
「……そろそろ寝ますね」
時刻はまだ二十一時半だ。ベッドで今後の立ち振る舞いについてもう一度考えた方がいいだろうと思った。寝るには少し早いけれどやはりこの空間にいるのはきつい。それに篠崎はいつも優しく寝かしつけてくれるから、そうしたら少し何か変わるんじゃないかって、そう思ったのだけれど――
「俺はまだ少し仕事がある」
いつもなら仕事があっても寝付くまでいてくれるのに。そう思ってしまう自分が嫌だった。我が儘になっている。
「大丈夫です。無理しないでくださいね」
泣くかな、と自分で思ったけれどそうはならなかった。ただ心がすっと冷たくなっていった。
「鳴ってますよ」
「俺のじゃない。諒の携帯だ」
「え」
テーブルに置きっぱなしにしていた携帯を取る。施設にいた頃のお姉ちゃん、美里だった。
席を立とうとした安西を制し、篠崎が立った。礼儀として席を外そうとしただけで聞かれて困る内容でもないとそのまま通話ボタンを押す。
「美里さん、こんばんは」
『久しぶり。元気でやってる?』
美里の声は明るい。みんなを引っ張ってくれる面倒見の良い姉だった。
『今週末、雄太の命日でしょ。いつもの駅でいいかな』
「はい、ええ、いつものところですね」
『時間は十時で大丈夫?』
「十時?わかりました」
普段は午後なのだ。珍しい。でもきっと美里も結婚して忙しいのだろう。
『なんだかんだ、一年ぶりになっちゃうね。楽しみにしてる』
当時施設にいた子供たちはいろんなところに散ってしまっている。施設を出るとき、施設育ちだと知る者のいない土地に行きたがる者も多いのだ。どうせ庇護してくれる者はいない。だったら一から過去を知る者のいないところでの再出発。
「僕も会えるのが楽しみです」
『じゃ、また週末に』
「ええ、また週末に」
通話を切り、携帯を眺める。先ほどまで篠崎との二人の空間に緊張を覚えていたけれど、こうして美里の声を聞いたことで少し落ち着いた。それに週末にはみんなに会える。
そう言えば何人くらい来るのだろう。集まる人数は毎年バラバラだ。出産があったり、転勤になってしまったり。けれど美里と安西だけは何があっても必ず行っている。
ゆうくんにももうすぐ会える。月命日にも墓参りには行っていたけれど、最近は仕事が忙しくて月命日と週末が重なった時にしか行けていなかった。
みんなに会えると思うと頬が緩む。みんな元気だろうか。喧嘩も沢山したし――安西は仲裁ばかりだったけれど――、ゆうくんが亡くなったときはみんなで泣いた。本当の家族ではないけれど、大切な家族。いつか、篠崎との関係も続いて落ち着くことができたら紹介したいと思っている。
早く週末にならないかな、そう思っていると篠崎が戻ってきた。眉間にシワが寄っている。さっきはそんなことなかったのに、やはり安西が席を立たなかったことに気を悪くしているのだろう。申し訳ないことをしてしまった。
「ごめんなさい」
篠崎の方を向いて頭を下げる。
「何に対しての謝罪だ?」
しまった、携帯を持ったままだった。篠崎の声が低い。
「え……と、席を立たなかったので」
「怪我をしてるだろう」
気遣うセリフだけれど、声に感情がない。
「けど、」
やはり自分が立つべきだった、というようなことを言おうとしたところで手の中の携帯が再び震えた。篠崎が即座に腰を上げたので、引き止める。聞かれてまずいわけじゃないし、やはり二人で生活するのに空気が悪いままでは辛い。
「座っててください」
篠崎を引き止め立ち上がる。別に骨が折れているわけではないのだ。篠崎が過保護な程に大事してくれているだけで、篠崎と一緒に住んでいなければ一人暮らしなのだから全て自分でしなきゃいけなかった。だから動いても平気なのだ。大丈夫。折れていない。歩ける。少し痛いだけ。
そうは言ってものんびり歩いていれば部屋を出る前に電話が切れてしまいそうでドアに向かいながら通話ボタンを押す。もしもしと言う前に飛び込んできた美里の声。少し弾んでいる。つい止まってしまった。ドアを開ける前に。
『何度もごめん、やっぱ九時で!庸太郎が来れるらしいんだけど、早い時間に飛行機着いちゃうみたいで』
「九時?分かりました。廉太郎が来れるんですね!嬉しいな。楽しみです」
廉太郎は親が事件を起こして親戚にも引き取ってもらうことができず施設にきた子供だった。だから施設を出るとき、事件のあったこの地域から遠く離れた土地に行ってしまった。会おうにも簡単に行ける距離ではなかったし、廉太郎自身も事件を知る人のいる地域には近付きたくないと思っているのではと思い呼べずにいたので会えると聞いて嬉しくてたまらなかった。
『じゃあよろしく!』
「ええ、じゃあ」
廉太郎に会える。元気だろうか。廉太郎は確か安西より何歳か下だったはずだ。美里は廉太郎と連絡を取っていたのだ、そう思うととても安心できた。困ったときに一人でも頼れる人がいれば人生は大きく変わる。例え辛いときに頼らなくても、頼れる人がいるかいないかで違うのだ。
――こんなこと、考えてはいけないのだろうけれど、辛い出自の子供も沢山いた。みんな色々な事情を抱えていた。安西のように捨てられた子供もいたし、廉太郎のように親が犯罪を犯してという子供もいた。離婚でどちらも子供を引き取りたがらなくて、そんな子供だっていた。親の顔を知る子供も、知らない子供も。過去に囚われて、自ら悲しい選択をしてしまう子供もいた。廉太郎がそうでなくて良かった。廉太郎はちゃんと生きていた。よかった、本当に。
安堵しながらソファに戻る。
「誰かと会うのか?」
心からの安堵に泣きそうな目を閉じて堪えていると、篠崎の冷たい声が響いた。やはり機嫌が悪い。
ずっと、一人で気を張って生きてきた。自分がしっかりしなくては、何かあっても助けてくれる人はいないのだと。アパートに入れば誰にでも分かる場所に置いた終活ノートは毎年中身を確認更新してきた。突然不幸が降りかかっても、少しでも誰かにかける迷惑が少なくて済むように。そうやって準備して備えながら生きてきた。
それが、廉太郎の無事を聞いて少し心が緩んでしまったらしい。傷つくことも悲しむことも不要なものとして守ってきた心にヒビが入る。
これからは篠崎と二人で生活してくのだ。優しいだけだった篠崎のいない空間。もちろん篠崎だって人間なのだから喜怒哀楽はあるのに、ずっと穏やかで優しいだけだったから。 ――大丈夫、だからきっと少し驚いてしまっているだけだ。機嫌の悪い篠崎の一面に驚いてしまっているだけ。だから大丈夫。やっていける。これからは篠崎の機嫌が悪くならないように気を付けていけば。
大抵の場合、機嫌の悪い人には穏やかに返す方がいい。どうして機嫌が悪いのかなんて確認するのはもっての外だ。相手の望む答えを察知して、穏やかに返していければいい。
「ええ、今の電話は美里さんって言って、」
「女か」
けれど篠崎は最後までは言わせてくれない。でも無理に言葉を続けても余計に悪化させるだけだ。だってその続けた言葉はもう〝安西が言いたい言葉〟でしかなくなってしまっているから。
「……はい、女性です」
だから質問の答えにだけ返す。けれど篠崎は何も言わない。感情のない目で床を見ている。
「篠崎、」
やはりきちんと説明をしよう、そう思って口を開いたけれどやはり篠崎に遮られてしまった。
「いや、なんでもない。嬉しそうだなと思って」
篠崎が微笑む。嘘の微笑だ。無理して笑っている。感情を殺したのだ。理由はなぜか。簡単だ。安西に対してその感情を出す価値がないと判断されたのだ。これが続けばきっと篠崎は居なくなる。安西を置いて消えてしまう。行ってきますと行って部屋を出て行ってしまう。そしてもうただいまを聞くことはない。
「ええ、楽しみです。次の土曜日、ちょっと家を空けますね」
篠崎に捨てられるかもしれない。そう思うだけで怖い。けれど篠崎が笑顔を見せたのならそれに同調しなければならない。少しでも嫌われなくて済むように。
「帰ってくるのか?」
「え?」
「泊まりか?」
「あー……すみません、まだわかりません」
毎年墓参りの後で施設に顔を出して、家事や子供たちの世話を手伝ってそのまま泊まってくるのだ。もちろん寝る場所なんてないので床で雑魚寝だけれど。でもそれだって毎年集まるのが午後からだったからそうなっただけで、今年は朝早いからそうはならないかもしれない。けれど安西一人のことではないから明言はできない。
「なるべく泊まらずに帰ってきますね。疲れちゃってそのまま泊まっちゃうこともあるんですけど」
「……」
「篠崎?」
「…いや」
やはり説明をしておきたい、そう思うけれど篠崎はゆうくんの話題を嫌がる傾向にある。これ以上機嫌を損ねさせたくはない。悪いことをしている訳じゃないし、と自分の中で言い訳をした。
「……そろそろ寝ますね」
時刻はまだ二十一時半だ。ベッドで今後の立ち振る舞いについてもう一度考えた方がいいだろうと思った。寝るには少し早いけれどやはりこの空間にいるのはきつい。それに篠崎はいつも優しく寝かしつけてくれるから、そうしたら少し何か変わるんじゃないかって、そう思ったのだけれど――
「俺はまだ少し仕事がある」
いつもなら仕事があっても寝付くまでいてくれるのに。そう思ってしまう自分が嫌だった。我が儘になっている。
「大丈夫です。無理しないでくださいね」
泣くかな、と自分で思ったけれどそうはならなかった。ただ心がすっと冷たくなっていった。
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